Sunday 24 Oct 2021(SY)

音楽

担当:石橋

S君とは半年ぶりで、前にグループ学習をしたことがありましたが、1対1で向き合うのは今回が初めてでした。1対1になって、分かったことも有りました。

さて、まずS君の机の上に、いくつか打楽器を並べて、音を聞きながら気が向いたら鳴らしてもらうことにしました。 

季節の歌として「小さい秋見つけた」に続き、「赤鬼と青鬼のタンゴ」を歌ったら、この曲は良く聴いていたらしくて、打楽器を鳴らし始めました。

初めは木の打楽器を叩いていた様でしたが、突然バチを持って、打楽器の中でも音階が叩けるグロッケン(小さな鉄琴)を鳴らし始めました。
しかも隣の音と混ざらないように、上手に単音で鳴らしていました。
それだけでも驚いたのですが、
聞き覚えのあるメロディの、歌いだしの部分を何度も叩いている様に聞こえたので、「もしかしてこの曲かな?」と言いながら「聖者の行進」を歌ってみると、
S君は、そのまま後半のメロディには繋がらないものの、他の音もガンガン叩き始めました。

調子が良い曲で、Sくんもノッテきたので、何度も繰り返し歌ってみました。
お母様によると、実は学校で習った曲だそうで、「聖者が街にやってくる」と「オーシャンゼリゼ」が今のお気に入りの曲で、最近は英語の曲が好きなのだそうでした。
Oh~!さすが中学生!そこで、代表的な秋の英語曲「枯葉」を、歌詞を簡単に説明してから歌ってみました。曲の途中で枯葉が散る様にウィンドチャイムを鳴らしてもらおうと思ったのですが、チャイムを揺らして音を出すより、揺れてるチャイムを手でつかんで音を止める方に興味がある様でした。

もちろん、その時の音の止まる感じも表現として有るのですが、短調の大人っぽいバラードより、やはりリズムのある明るい曲の方が好きなのかなと思いました。
そこで、メロディの明るめの英語曲、「Home on the range:峠の我が家」「Country roads」「Smile」などを、曲の説明をしながら、歌を聞いて頂きました。

でも、このあたりから、外の様子が気になって仕方がない様子で、お母様が、「後でね。」と何度も声をかけて下さいましたが、少し休憩して、ずっと気になっていた窓の外を、ゆっくり見てもらうことにしました。

その間にBGMで「Love me tender 」と「Wonderful  world」を聴いて頂きました。
一息ついて再開。

前に「パプリカ」が好きみたいと伺っていたので、歌ってみると、なんと一緒に、ノリノリで歌ってくれました。サビの歌詞も覚えている様でした。ノッテきたところで、最後に「聖者が街にやって来る」をもう一度、となりました。すると、またしても嬉々として、出だしのメロディをグロッケンで叩き始めました。お母様とスタッフの松本さんも手拍子で一緒に盛り上げて下さいました。

やはり、ここを叩けば、あのメロディが出てくると、感覚的に知っているのではないかと思いました。最初は、SY君が曲を知っていても、出だしの音を取れたのは偶然かもしれないと思っていたのですが、間を置いて、もう一度やっても、チャンと出だしの音を出してくれたので、これは凄いと思いました。
有名な曲ではありますが、改めてこの曲の音数を調べてみたら、なんと5つの音だけで出来ていました。

その分、リズムがちょっと難しいかも知れませんが、すでに4つの音をちゃんと出しているので、順番さえ覚えて練習すれば、S君がグロッケンでこの曲を丸々通して演奏できるかもしれません。

私が指さしたところを叩いて、綺麗な音を出せるので、これは多いに期待が持てそうです。
なんだかワクワクしてきました。

今回、SY君のお気に入りの曲が分かって良かったです。さらにSY君が1曲丸々自分で演奏できそうな楽器も見つかって嬉しいです。

次回が楽しみです。

Saturday 30 Oct 2021(MH)

コミュニケーション/操作

担当:小山・松本

<活動の様子>

活動全体を通して本人の達成感を感じていました。
■姿勢
・バギーと持参の天板を使いました。
・お父様が天板を工夫して下さり、ちょうど良い高さに調整してくれました。
■コミュニケーション
・2スイッチVOCA:無地とアンパンマンの描画の2選択。利き手側が無地のた め、前半は無地のみの選択していました。後半自分からスイッチを探索して、アンパンマンを選択可能になりました。正中線を交差しての自発的なONは初めてでした。


■操作
・ツリーチャイム:提示してすぐにリーチ。時差がほとんどなし。手を大きく動かす動きでなく、柔らかいタッチで触っていました。


・ライトムーブ:音、振動の受け入れ良好(お母様によると以前は全く好まず)。前半は圧が足りず、松本がタイミングを合わせて、指でON。成功体験をするうちに両手が乗り、ONが可能になりました。


・鉄球落とし(1つ穴):穴をモチベーションに、落とす。主に手指にて。手のひらは使わず。落とした時に自慢げな表情していました。
・鉄球落とし(2穴):連続して落とすことが1度あり。点から線への芽生えです。
・筒抜き:棒と手の位置をガイドにて4回くらい行うと、手の位置の調整援助のみでグラスプ➕引き抜く動きが出ました。土台の角度調整にて操作が向上しました。棒の穴に指を入れるので、穴を塞ぐ改良予定です。


・卵握り:提示後すぐにリーチ。グラスプ。口に持っていく。リリースはなかったです。
・まわすオルゴール:持ち手のサイズベスト。リーチありました。12時のところでガイドすると重力が援助して自力操作可能でした。

Wednesday 27 October 2021(ON)

減法(繰り下がりのある計算) 日本の総理大臣と世界の首脳 SenSim(鉄道シミュレーター)

担当 奥山

【活動の様子】

 最近ネットで話題になっている楽曲として、藤井風の「きらり」と緑黄色社会の「ずっとずっとずっと」のMVを視聴しながら、ONさんの手足に触れました。左手に触れると腕全体をえいっと動かしてそのあと親指を動かしていました。右手に触れると同じようにえいっと動かし、右足に触れると足首を支点にビクッビクッと何度も動かし、最後に左足に触れると足首を支点にビクン。ここ1、2年の間に手足の運動を「起こす」ことがとてもうまくなりました。一緒に勉強するのは3ヶ月ぶりなのですが、上達ぶりに驚きました。そのことをONさんに伝えると嬉しそうに笑っていました。ONさんもこのことを伝えたかったのだなと思いました。私も最高に嬉しかったです。

 次にONさんの好きな数学の勉強。今日は減法の「繰り下がり」の仕組みについて。最初は二桁の数から一桁の数を引く際の繰り下がりの仕組みをKeynoteの画面で確かめていきました。ONさんは鉄道が好きで、鉄道の話を聞くときや鉄道シミュレーションゲームに取り組むときには目をキラキラさせているのですが、数学に取り組むときにも同じ目のキラキラが伝わってくるので、本当に好きなんだなと思いました。続いて三桁の数から二桁の数を引く際の繰り下がりの仕組み(十の位の数から十を借りる)を確かめました。このように内容がシフトアップするときにキラキラした様子が維持していれば先に進み、目を閉じるようであれば尋ねて戻るというふうにしているのですが、キラキラ維持のため先に進みました(百の位の数から百を借りる)。まだまだ興味津々の様子でしたが、この先は次回へ進むことを約束。減法の次にはかけ算や割り算、小数や分数が待っていることを話しました。

 次に友だちが興味を持っていることの紹介として「日本の総理大臣と世界の首脳」について紹介しました。おひとりおひとり興味関心は異なりますが、KSさんと同様に「もう少し説明して欲しい」情報だった様子で、最後まで目を大きく開けてiPadのKeynoteの画面を見ていました。そしてKSさんと同じところ、カナダの女王もエリザベス2世で、15カ国の女王をしているというところで驚かれた様子でした(目が左右に動く)。この学習の発展系としては「エリザベス女王って何者?」「どうして15の国もの女王をすることになっているのか?」という、多分ONさんKSさんが疑問にもたれた可能性があることに答えてみることだと考えました。私も知りたいです(調べたい)。

 身の回りの社会のこといろいろについては本来であれば一定以上の時間をかけて、丁寧に説明していく必要があると考えています。

 最後の時間、ONさんが大好きなSenSim(鉄道運転シミュレーション:無料)に取り組みました。PPSスイッチのピエゾセンサーをONさんの右足首の甲側の関節に貼り付け、iPadタッチャーに接続して、粘着ジェル部をSenSIm画面のブレーキ「3」に貼り付けて、右足の動きで電車のブレーキを操作できるようにしました。また、シンプルタッチスイッチのセンサー部を左手親指先1mmの位置に置き、Bluetoothユニット(APPlicator)に接続して、iPadのアクセスビリティのスイッチコントロールでSenSimのマスコンを操作する軌跡のレシピを使って、左親指の動きでアクセルを操作できるようにしました(説明が長くなって申し訳ありませんが情報の共有のためにお許し下さい)。すると、アクセルとブレーキを何度も操作して見事にプラットホームの定位置に停車しました。これだけでも凄いことなのですが、終了間際にもう一度別の駅のホームの定位置に停車。定位置手前で止まりそうになるともう一度ブレーキを戻してアクセルを入れるという技巧を見せてくれました。もう最高です。

 前回の学習から3ヶ月の間、きっと頭の中で想像しながら手足を動かしてシミュレーションを重ねていたのだと思いました。

Monday 18 October 2121(KS)

戦国大名について 日本の総理大臣と世界の首脳 見ることを支えるシステム

担当 奥山

【活動の様子】

前回まで、大名の学習の手始めとして上杉鷹山を紹介しました。次の大名を選ぶために、ネットで検索したテレビ朝日系列で放送の「国民・専門家・AIがガチで選ぶ 戦国大名総選挙」の情報をもとに、人気がある、即ち耳にする可能性が高い戦国大名を紹介して、KSさんの興味を教えてもらうことにしました。ネットでは第30位から第1位までが見出し文とともに紹介されているのですが、今日は第10位から1位をKeynoteで文字情報と画像情報を示しながら紹介することにしました。

 その結果、KSさんの頭がピクッと動いたり首にギューッと力が入ったのは、「伊達政宗」と「徳川家康」、そして「武田信玄」でした。次回は「大河ドラマ」情報ともからめてその3人の大名について順に紹介していく予定です。

 次に、KMさんから注文があった「日本の総理大臣とアメリカの大統領」に関する学習を紹介しました。10月4日に総理大臣が替わったことを受けて、KMさんが「知りたい」と伝えたことを「共有」するためにKSさんにも興味があるか教えてもらおうと考えました。

 ここ10年の日本の総理大臣とアメリカの大統領、それから近隣諸国とG7各国の首脳を紹介したのですが、KSさんはカナダの女王がイギリスの女王と同じというところで驚かれた様子でした。これは皆さんの教材を作っているときの「あるある」なのですが、エリザベス2世が15カ国の女王だと私も知りませんでした。

 このように一定のフォーマットで提示する学習に取り組むことによって、次にそのテーマや事物に出会ったときに「知ってる」「興味ある」とアクションを起こして伝える「タネ」を共有できると考えています。

 最後に、シンプルタッチスイッチに操作時にカチッという触覚と音を返すユニットでアクションカメラが乗っている電池で動く回転台(ダイソーの自動回転シャボン玉メーカーを改造 谷田部さんのアイディア)を操作する練習をしました。見ることを支えるシステムの発展版ということになります。アクションカメラの映像はWi-FiでKSさんの目前に設置したiPadで見えるようにしました。スイッチを操作することによってKSさんは好きな方向を見ることができるようになります。しばらく練習しているうちにKSさんは頭の動かし方や首の力の入れ方を工夫して操作できるようになりました。練習をすればするほどきっとうまくなると感じました。

KSさんの歴史の勉強は続きます。

 

Sunday 10 Oct 2021(FK)

視線入力/目と手の協応/数量/文字

担当:松本

<活動の様子>
■目と手の協応
・ボコボコチェーン:左手につけてチェーンを引っ張ってもらいました。何度か自分の動きで引っ張りタッパーからチェーンを抜いていました。
・ボコボコチェーンミニ:左右両方の手で取り組みました。なかなか自分の動きが出なかったので2人羽織で一緒にチェーンを抜きました。


■数量
・φ50mm*30mm厚の円柱重さ確かめ:袋に入れて重さを感じてもらいました。手をブラーんと下に下げた状態で、少し揺らすのを手伝ってより重さを感じられるようにしました。袋を左手に持った状態で、立体コピーの数字も右手でなぞりました。


・φ50mm*30mm厚の円柱筒入れ:次に筒に入れて高さで量を確認しました。筒から落ちる手の感じの違いで高さの違いを感じてもらいました。自分から手が動かない時は筒をずらしながら手が離れるようにしました。時々、顔を上げて「今の分かった!」というような合図をくれました。筒に左手をのっけながら立体コピーの数字も右手でなぞりました。
・φ50mm*30mm厚の円柱はめ:次は長さで量を確認しました。はめ板に円筒に入れた円柱を一緒に移していきました。長さを感じてもらうために手を板の上に置いてもらい板をずらしながら手が板の端から離れるまでの距離を感じてもらえるようにしました。はめ板に左手を置きながら立体コピーの数字も右手でなぞりました。

・玉落とし:自分の手首を返す動きで球を落とす場面も見られました。
・円盤はめ:ぱっと見幾つ、残り幾つの質問に、数を順番に聴いて合図を出す方法で答えてもらいました。正解出ない時は一緒に穴を触りながら数えました。

■文字
・スライディングブロック:途中でブロックが離れないKさんように作った特製のスライディングブロックを行いました。自分での手の動きが出にくかったので、肘を支えながら上下左右に一緒にブロックを動かしました。ブロックが穴に入った瞬間は顔を上げて入ったことを感じていた様子でした。
・立体コピーなぞり:文字盤の文字を手を支えながら順番に触っていくと「か行」で指先が動いたのでか行から一緒になぞって練習しました。その後もう一度文字盤で文字を順番に触っていくと「ま行」で支えている指を動かし合図をくれました。一通りなぞったとに、手のひらに一つ文字を書いてもらうと「む」を書いたようだったので「む?」と聞くと表情で「そうだ」と答えてくれました。なぜ「む」か聞いていくとどうも「す」との違いが知りたかったようです。以前も「れ」と「ね」の違いを知りたいということがあったので、曖昧な字形を一つ一つ確認していきたいということかもしれません。
・文字なぞりをするときには、よく指先が動き表情も良かったです。

Saturday 9 Oct 2021(MM)

視線入力/目と手の協応/数量/文字

担当:松本

活動再開後初めての学びサポートでした。

<活動の様子>

 ■視線入力
・前回同様コントラストのはっきりした風船を用意し取り組みました。右側から中心にかけてが見易そうでしたが、左の方にも視線が動くのが確認できました。
・機器を設定して始める時の、M君の表情がとても意欲的で、視線入力は、大好きな活動でM君とのセッションには欠かせない取り組みだと再確認できました。
・風船割りの後は、射的のビデオアセスメントモードにして視線の動きを見させて頂きました。使用したのは黄金期のAKB48のメンバーを左右中央に一定時間ずつ表示する動画で、keynoteで作成したものです。風船割りで少し疲れ気味だったのですが、動画が始まると目を大きく開いて中央から右側をよく見てくれました。視線がうまく左にいかないときは手も含め体全体を動かしなんとか見ようとしてくれましたが、難しく、「左を向けない!」というように声を出して伝えてくれました。
・次回は動画の定時位置を中央から右側にしようと思います。そして少しずつ左にずらして提示するように練習できたらと思います。
・それでも風船の時は比較的左のほうへも視線が動いていました。風船は動くものなので静止画像より捉えやすかったからかもしれません。
・実は、活動日の午前中に自宅で視線入力を再確認した時にtobii4Cが認識されず大変焦りました。一旦tobii4Cのドライバーをアンインストールして、再インストールしようとしたのですが、なぜか「インストールできませんでした」という警告が出てしまい、パソコンを再起動してもう一度ドライバーをインストールしたらなんとか成功しました。tobii4Cも認識されことなきを得ました。こんなに楽しみにしてくれている視線入力ができなかったらと思い焦りました。私用パソコンのwindowsのアップデートも原因かなと思われますが、結構皆さん苦労しているようで様々な下のリンクのような解決策を共有してくれています。https://miyabiproject.com/get-up-tobii/
支援機器の不安定さは致命的です。本気でなんとかしてほしいものです。

■目との手協応
・ボコボコタッパー:右手を後ろに引く動作で抜ききってくれました。3回ほど繰り返しましたがどの回もすぐに手が動きチェーンを引っ張っていました。
・ボコボコタッパーミニ:棒を握る手を左右変えながら取り組みました。一気に抜くのでなく、ある一定の長さを抜いた後同じ動きで抜けないことがわかる
と、同じ手を一旦戻してより大きく動かしたり、方向を変えながら抜いたり、同じ手の動きで難しい場合は反対の手を動員したり、両手を使ったりと時間
をかけて試行錯誤しているところがよくわかりました。重力を使って手を下に降ろすことで最後に抜ききる方法も初めて見られました。回を重ねるごとに新しい手の動きが確認でき、工夫が見られ素晴らしいです。


■数量
・φ50mm*30mm円柱差し:量を重さを感んじてもらうために今までは手の上に円柱を重ねていたのですが、円柱が重ねても崩れてしまってうまくいかなかったので、今回は袋に入れて持って重さを感じてもらう取り組みにしました。一緒に円柱を袋に入れて、右手に袋の取っ手を引っ掛けると、肘を支点にして持ち上げながら重さを感じる様子が確認できました。2個までは持ち上げることができたのですが、3個は、一瞬持ち上げたところで取っ手が手から離れ落ちました。重さの違いと個数とを感じ取ってもらえたとお思います。その後は、筒に入れ量を高さで感じてもらい、次に穴が横一列に並んだはめ板で長さを感じてもらいました。高さを感じる時には筒のてっぺんに右手を一緒に置くと、自分で外側に手を開くような動きでてっぺんから手を離し机に手を落とす動作で、高さの違いを感じていました。横一列のはめ板は、右手を外に動かし、はめ板の上を滑らすように動かし、はめ板の端で手が机に落ちることで長さを感じ取っていました。どの場合も、援助なしに自分だけで教材に働きかける様子が確認できました。
・玉落とし:右手で天板を外に滑らす動きで球を落としながら長さを感じていました。
・円盤入れ:円盤を右手の動きで入れてもらいながら、「残り幾つ?」の質問もしました。「残りの穴の数は1個?2個?」と聞いていくと正解の時に声や
 体の動きや表情で合図を送ってくれることが多かったです。

■文字
・スライディングブロック:右手で行いました。引く動きは上手に自分でブロックを動かしていました。上方向へは、難しかったですが、肘が外側にいかないようにガイドすると何回か自分の動きが出てブロックを穴まで滑らすことが出来ていました。左右の動きで、苦手な左側(内側)に行く動きは胸当ての内側に自ら肘を入れて固定し、上手にブロックを動かしていました。どこを支点にすれば良いのか自分で工夫していて素晴らしかったです。これもボコボコチェーンミニの成果かもしれません。自分の体の動きが思った方向に行けば、上下左右という机上の基本的な空間イメージを比較的楽に作ることが出来ます


・立体コピーなぞり:今日はどの行を練習するか「あ行?か行?・・・」と聞いていくと「は行」のところで目を開く表情で合図をくれました。一緒に一通りなぞって、最後に私の手のひらに今取り組んだ文字のうち一文字だけ書いてもらいました。横棒を書く時にグッと指からの力を感じることが出来、それが二回あったので「ほ?」と聞くと何か不思議そうな表情をしたので、「は」と「ほ」の違いは横棒の数が違うことをもう一度確認すると腑に落ちた表情をしてくれました。本人は「は」を書きたかったようでした。

■ご家族より

久しぶりにやりたかった事がたくさん出来たようです。学びサポートが終わった後、とても満たされた顔で身体もリラックスしておりました。

Sunday 11 July 2021(FK)

目と手の協応/数量/文字

担当:松本

薬を調整して、覚醒が良くなったとのことで、本日は手もよく動いていました。突発的な動きでなく、ゆっくりと調整された手の動きが確認でき、素晴らしかったです。
■目と手の協応
・ボコボコタッパー:左手と右手順番に取り組みました。最後のひと引きのところを自分の力で引き抜いていました。
・ボコボコタッパーミニ:左手と右手順番に取り組みました。左手を握る方にした時には、勢いよく左上に引き抜くような動きをしてチェーンを抜いてくれました。手首の返しもとても良かったです。手を変えると今度は左手でチェーンを引いたあと、残りのチェーンがなかなか引けなかったのですが、左手を小刻みに動かしながら少しずつチェーンを引いていました。自分で工夫して課題に取り組んでいる様子がよく伝わりました。


■数量
・円柱(直径50mm):最初の手の平に円柱をおいて重さを感じてもらおうとしたのですが、このやり方で重さが感じられるか疑問でした。袋に入れて手にぶら下げたら良いのではと思いついてお母様にビニール袋を借りて一緒に個数分入れて右手でブラーんと持ってもらいました。しばらく持ったあと離しました。そのあと3個分を同じく一緒に袋に入れて、今度は左手に持ってもらいました。左手では落とすことなく、袋を持ち上げる動きが出たので「重さを確かめているんだね」と声掛けすると声を出して「そうだよ」という風に返答してくれました。
重さを感じた後、量を高さで感じてもらうために筒に入れ、さらに、長さで感じてもらうために直線のはめ板に移していきました。チェーン引きの時に引き出された手首の返しをうまく使って穴に円柱を滑り込ませる場面が多かったです。


■文字
・凸文字(立体コピー)なぞり:いつもの選択版であ行から順番にきいていくと、な行で指先が動いたので合図を送ってくれたと捉え、な行をなぞっていきました。「な」や「ぬ」「ね」と「くるり」とする部位が多い行ですがじっくり一緒になぞってくれました。次はどの行を練習するか尋ねるとまた、な行のところで指先を動かし合図。さらに聞くとら行でも合図。さらにわ行でも合図。やりとりしていると、どうも「ね」「れ」「わ」の違いを練習したいことがわかりました。それぞれの文字を立体コピーで練習した後に手首を支えながら私の掌に指先で書いてもらうと「れ」なのに最後の右に跳ねる動きがどうしても出ませんでした。「れは右はねだよ、最後」と声掛けを何回かすると左に払おうと何回も動いていた指先の力が抜け、ニュートラルな状態になって、納得したように右はねの動きが出ました。じっくり考えた後に合点がいった様子が指先の動きから伝わってきました。

最後にお母様からオススメクッションのご紹介がりました。座りながら、脇も開き体幹も支えられ、リラックスできていました。ホームセンター島忠で購入したそうです。毎回貴重な情報ありがとうございます。

Saturday 10 July 2021(MM)

視線入力/目と手の協応/数量/文字

担当:松本

■視線入力
・風船割り:初めから目を大きく開き、やる気を見せてくれました。支援者の前回の宿題であったコントラストがはっきりした円を提示できるようにカスタマイズしたところ次々に風船を割っていました。比較的左右とも視線が動かせていました。
・射的(ビデオアセスメントモード):中央左右に移動して映し出される人の顔の方へ視線が綺麗に動いていました。
・射的(四分割):右上のマスを集中的に見ていました。ここが今日は見やすい位置であると教えてくれていると捉え、次の目と手の協応の課題で活かしました。

■目と手の協応
視線入力で得た見やすい位置の情報をもとに、手元を映すカメラとiPadを設置しました。終始iPadを注視して手元の動きを確認しながら取り組みました。
・ボコボコタッパー:右手につけると自分の動きで短時間で3回引き抜いていました。
・ボコボコタッパーミニ:握りと引く方を左右の手で変えてみました。付け替えるとそれぞれの手が、全く違う動きをしていて以前よりよく調整できるようになっていて感動しました。


■数量
・円柱(直径50mm):円柱1、2、3個分を順に手の平において重さで量を感じてもらったあとに、1個分、2個分、3個分入る筒に一緒に入れ高さでも量を捉えられるようにしました。さらに、筒に入った円柱を横一列のはめ板に一緒に入れ、今度は量を長さで捉えられるように支援しました。始終真剣な表情で自分の動きで円柱を入れようとしていました。
・鉄球落とし:量を長さで感じてもらうバリエーションとして鉄球落としに取り組んでもらいました。鉄球の位置まで手を持っていくのを手伝うとあとは自分の動きだけで、押し入れていました。
・円柱(直径30mm)差し: 最初に見やすい位置に提示し穴がいくつあるのか右手確認したあとに、指でも穴の数を確認してからスタートしました。円柱を握った状態で先の方だけ穴に入れると手を離す動きで円柱をさして言ってくれました。途中残りの穴いくつ問題も一緒に考えながら進めました。
■文字
・凸文字(立体コピー)なぞり:あ行?か行?と順番に聞いていくと「ま行」で、瞬きでと視線で合図をくれました。順番になぞっていくと「み」をなぞった時に、文字の輪郭を上手になぞる動きが出ていました。最後に手の平に書いたのは「む」のようでした。なぜ「む」にしたのかは、はっきりと読み取れませんでしたが、今書いたのは「む」だよねと聞くと、手を開き合図をくれました。

Wednesday 14 July 2021(KS)

歴史の学習とスイッチの操作

担当:奥山

【活動の様子】

 最初に奥山が一緒に勉強している友だちの様子を少しお話ししました。それぞれひとりで勉強しているので、お互いに何をやっているか、どういうことに興味を持っているかということを説明することによって「私も興味がある」と発信してもらえるチャンスが生まれます。

 今回はKMさんからコミック本の「鬼滅の刃」を読む方法を探してと頼まれた話をすると、KSさんも体に力を入れて「僕も読みたい」と教えてくれました。次回、読めるように準備してくると約束しました。

 KMさんから「スイッチボックスインベーダー」というシングルスイッチのゲームの挑戦状がKSさんに届いていました。このことが耳に届いたときに武者震いをしたそうです。やっぱり勉強もゲームも仲間やライバルの存在が大切だと、このお二人には教えてもらっていました。

 

 結果は自信のハイスコアに届かず、KMさんのスコアにも届きませんでした。残念!KSさんの見えやすい位置にiPadの画面を設置できなかったかもしれないと奥山も一緒に反省しました。

 次に、大名の勉強「上杉鷹山」の続きです。上杉鷹山が取り組んだ産業の進行についてのお話。漆の実で蝋燭を作ることや、コウゾから和紙を作ること、桑を植えて養蚕に取り組んだことを、動画を交えて説明しました。電気も機械も無い時代に手間も時間もかかる様子等も説明しました。コウゾを蒸したりゆでたりかき混ぜたりしていく様子に頭をピクッと動かしていました。

 最後に最近の音楽のトレンドから、米津玄師の「死神」が話題になっていることをMVを視聴してお話ししました。

 

Wednesday 7 July 2021(KM)

スイッチの操作、ゲーム、鬼滅の刃

担当:奥山

【活動の様子】

今日の取り組みの予定のおはなし。KMさんが「スイッチボックスインベーダー」のゲームをやりたいという話をKSさん(スイッチボックスインベーダーの最高得点ホルダー)に伝えたら、KSさんが体に力を入れて「かかってこい!」(奥山の読み取り)と答えた話をすると、KMさんも体に力を入れて声を出していました。

 また、ONさんに「見たい方を見る」ために回転台の改造をしてうまくいってONさんも夢中になってスイッチを操作していたので、いくつか他の種類の回転台を改造してみたら失敗したことをお話しすると声を出していました。KMさんの叱咤激励と受け止めて返しました。

 最初に、左手指の動きでシンプルタッチスイッチ(フィードバック付き)で操作するところをアクションカメラで見えるようにして練習しました。今日は動きが少なかった様子なので、頭を動かす動きでもスイッチ操作をすることができることを伝えて次の学習へ(次回は手を触ってから取り組もうと修正しよう)。

 次にスイッチボックスインベーダーのゲームにチャレンジ。下顎の奥に貼り付けたピエゾセンサーをPPSスイッチに接続し、BluetoothでiPadと通信。数年前に取り組んだときは7000点に届きましたが、今回はライバルのKSさんのことを思い出してのチャレンジでした。スコアは集中力を発揮して15000点代。KSさんのスコアにはわずか2000点弱届きませんでしたが実力は拮抗しているようです。やっぱり「友」や「ライバル」の存在はとても大切だと実感しています。

 

 次に鬼滅の刃について。前回の学習の時に「コミックの鬼滅の刃を読みたがっているので何か方法はないか」とご相談いただきました。購入したKindle版の鬼滅の刃をスイッチでめくることができればいいのですが、まだ思い通りのタイミングでスイッチを操作することが難しいので、Kindle版の画像をいったんKeynoteに貼り付けて、Keynoteから動画で描き出す際に1枚あたりの時間を設定することで動画版作ってみました。Keynoteでスイッチでめくる版も作りました。一方、視覚的にコミックにアクセスできない方がどうしているか調べると、録音図書やデイジー図書でコミックの録音図書へのチャレンジが始まっていることがわかりました。ドラマの副音声のように、まずコマの状況説明や人物の立ち位置や動き、表情の解説の後に台詞を読み上げるのではないかと推察しました。確かにそういう支援があればコミックを楽しむことができるはずです。

 KMさんはすでにサピエ図書館の利用登録をされているので、お母様にお願いして図書の検索をしていただきました。すると想像通りの「鬼滅の刃」の読み上げ版が登録されていました。ただ、デイジー図書の仕様のためか、コマの画像は添付(リンク)されていないようでした。解決策としては、先にデイジー図書の「鬼滅の刃」を音声で読んで、そのあとにKindle版の画像をKeynote経由で見ることができれば、コミックを味わうことができるのはないかと考えました。

 本日は見開き1ページあたりの時間設定を試していただきました。現在50秒で設定しています。じっと見ているようでした。しばらく体験していただきながら変えていこうというところで終了。

※サピエ図書館は本へのアクセスが困難な当事者のための録音図書やデイジー図書のための図書館です。個人会員登録は、「B会員」→「東京都」→個人情報の入力で利用施設を「日本点字図書館」として申し込みます。数日内に利用する当事者の状態について確認の電話連絡があります。重度の運動障害で本を持ったり本が見えるように頭を動かすことが困難であることを伝えると、その後IDとパスワードが送られてきます。皆様の活用をお勧めします。