Sunday 19 Nov 2023 SY

目と手の協応/数量

担当:松本

■活動の様子

・目と手の協応:いつもの様に、ボコボコチェーンからスタート。両手で交互に抜き切ったところで、ボールチェーンを穴に一粒一粒入れて、ある程度の長さになったら、蓋を開け、裏側からチェーンを引っ張り、蓋の四隅を合わせてしまうところまで行いました。ボコボコ蛇腹を広げて、畳むところもとてもスムーズに行っていました。蛇腹同士をねじってつなぐ課題も、最初に捻る方向さえ手を添えて伝えればあとは自分で最後までネジ入れることができました。ねじ回しの課題は、緩めるのも締めるのも上手でした。ネジが外れ切っても、自分でハメ直すことができていました。石けり入れも、スリットに合わせて手首のを外に捻る動きが滑らかに出ていました。円柱差しでは、はめ板を垂直に置いた課題で、両手を調整してぴたりと円柱が飛び出さないように入れられていました。以前より、調整が素早くなっています。

 枠太の体積パズル三角柱問題でも、3次元で向きを変えながら直ぐに立方体の枠に収まるようにはめていました。以前は時間がかかっていた課題なので、3次元空間イメージがかなり開発された印象を受けました。

・数量:数の棒の2、3、4の枠に2の棒が何本入るか答えてもらい、その後、色々なはめ方をしてもらう課題に取り組みました。次に、4、5の枠に余分に一本棒をわたし、どれが余分か答えてもらいました。特に、余分に一本の問題は試行錯誤をしながらどれがいらないか集中して取り組んでいて、どの課題も探し当てることができていました。

 その後、数の棒を使い、5の合成分解、6から10までの数の5と幾つ問題を行った後に、100までの位取りの学習に入りました。1から30まで3cmの立方体を基準とした数の棒を1個1個数えていき、10になったら隣の10の桁の枠に移していくという作業をしました。30以降は10ずつ増やしていき、10本を100の部屋に移すところまでやりました。次に、棒をこちらでおき、数字をはめる、逆に数字を置き、棒をはめてもらう学習をしました。こちらもよく理解して取り組んでいました。次回も継続して取り組んでいきたいと思います。

 「あっちょっと待って!」と言った後、自分で思いついた数の棒の入れ方をする場面が多くありいろいろと発見しながら取り組んでいることが伝わってきました。

Sunday 19 Nov 2023 MM

視線入力/目と手の協応/文字

担当:松本

◾️活動の様子

・視線入力:ご家族が姿勢とモニターをセッティングして待っていて下さいました。パソコンと視線入力装置をセットしてポジション確認ソフトを開けると調整なしでどの項目も◯がついていました。モニターを固定するパソッテルの高さが足りなかったため、かさあげのための足台を作り高さを上げてから調整がしやすくなりました。

風船割りの調子も良く、中心をベースに、画面全体に視線が動いていることが良くわかりました。花火でも、いつもより多く打ち上げていました。塗り絵では、最初に指電話メモリで作った色をスキャンして選ぶ画面をiPadのスイッチコントロールでスキャンしている画面を見てもらい、声や顔、身体の動きで合図して決定してもらいました。レインボーを選んだので、その色でスタート。画面の全体を塗りつぶそうとしたり、一箇所に止まってにじませたりして、途中視線で色を緑に変えたり、写真を撮ったりもしていました。そろそろ終わりにして良いか、声かけして次の課題に移りました。

・目と手の協応:画面はそのまま、アクションカメラを頭の後ろに設置して、どっちもクリップで固定、視線入力で使ったモニターにつなぎ手元が見える様にしました。どっちもアームは40cmのものを使います。この長さがあれば頭の上からテーブル全体を映し出すことができます。初めにボコボコチェーンミニを両手にセットすると、画面をよく見ながら両手を広げ短時間で引き抜いていました。玉落とし(3個直線配列)も画面をよく見て面をたどる動きで全ての玉を落としていました。スライデイングブロックは、引く動き、外に開く得意な動きでは直ぐにブロックを滑らせ、少し苦手な、押す動き、内側に寄せる動きの時には、得意な動きが出ないように自分で調整している様子がよくこといらに伝わってきました。最終的には、調整してブロックを溝まで動かすことができていました。

アクションカメラの映像は、iPadに映し出すよりもクリアでタイムラグもなくやはりモニターに直接繋ぐのが良いと思いました。AliExpressで11インチであれば、モバイルバッテリーで稼働するポータブルモニターが5000円程度で手に入ります。薄型なので、iPadフォルダに装着可能で提示も楽です。今後はiPadはやめてポータブルモニターにHDMIで繋ぐ方法に切り替えたいと思います。クリアな映像だったので、手の動きも良かったのかもしれません。

 直接手元を見ながらよりも、モニターの映像で手を動かすのは、難しい気もしますが、我々もパソコンでマウスを操作するときには、手元を見ずに操作していることを考えれば、慣れるのではないかと思います。また、座位保持を使い、手元が見にくい状態にあることが多いと考えると運動のために有効な手がかりではないかと考えます。

・文字:画面はそのまま手元を見える様にして、文字盤を一緒に指で辿りながらで今日練習したい行を選んでもらうと、「ま行」でこちらを見てくれました。マザー牧場に行った遠足のことを伝えたいのかなと聞くと、どうもそうらしく、遠足の話題を話しながら凸文字→手のひら→ブギーボードの順に指を一緒に動かしました。覚醒が下がってきて指の動きがはっきりしない場面もありましたが、左から右に引く線の動きはよく伝わってきました。

Saturday 18 Nov 2023 FK

目と手の協応/文字/スイッチ操作

担当:松本

■活動の様子

・目と手の協応:ボコボコチェーンからスタートしました。机をつけたいる状態ではなかなか手が動かなかったので机を外し、肘をより負担なく引けるようにしました。ヘアゴムを引く方の手につけて、一回引っ張った後に、動きが止まったところで、もう片方の手でチェーンの部分を引っ張れるように援助すると、何回か自分の動きでチェーンを引き抜いていました。このやり方をすれば両手の協応を促せそうです。ボコボコチェーンミニは、チェーンを引く手を少しだけガイドすると、肘を引く動きでチェーンを抜くことができました。

 玉落としは、横縦垂直の提示で、介助しながら行いました。スライディングブロックは、引く方向で何回か自分の動きが出ていました。一緒に行った時でも、玉が落ちる、ブロックが溝にはまるという終点は、はっきりわかって入った瞬間に顔を動かしていました。

・文字:文字盤で、今日練習する行を選んでもらいました。「あ行」から順に一緒に文字盤の各行の先頭の文字を触っていくと、「ま行」で手を動かしたので、「ま行でいいのね」と伝え凸文字なぞりをスタートしました。自分の動きは少なかったものの、今週も遠足のマザー牧場の思い出を伝えたかったらしく「み」のところで「みんなで」行ったねというと嬉しそうな表情でした。お母様が昨日通所施設で遠足の写真を見たということで、そのこともありもう一度楽しかった思い出を共有したかったのかもしれません。

 その後漢字のの成り立ちスライドを見た後、漢字の凸文字なぞりをしました。今日はあまり反応がなかったのですが、次回もう一度試してみたいと思います。

・スイッチ練習:スイッチONを練習するワンスイッチゲームを各種用意しました。今日も、動きがどちらかというと少なかったので、空気圧スイッチを試しましたが、押した時のフィードバックが少ないためか、あまり操作が出ませんでした。スライドスイッチに変えたところやはりフィードバックがはっきりしているので操作する回数は増えました。奥山支援員から聞いた、リレーによる「かちゃっ」というフィードバックの間に入れると違うかもしれません。

こちらも次回試していきたいです。

 最後に、奥山支援員作11月の最新音楽情報のスライドをスイッチ操作しました。音楽のリズムを取るように手が動き始めました。

最後はスライドスイッチでVOCAを操作し終わりの挨拶を行いました。

Tuesday 7 Nov 2023 FKK

美術

担当:三輪

■活動の様子

 前半は気持ちよさそうに寝息をたてて寝ている様子、枕元で声をかけて様子をうかがいました。10月に土粘土でつくった棒状の「ツボ押し」的な造形物の素焼きができたので、下絵絵の具を塗る作業をしました。顔は目を閉じたままでしたが、左手で素焼きをきちんと握っていてくれました。全部で8本、スポンジに絵の具をつけて着彩しました。次回、本焼きして完成したものを持参します。

 

途中水分の注入に入ってから、目がぱっちり開きました。

こちらを向いて、口を動かして気分をアピールしてくれました。後半の塗り絵は、最初は左手でクレヨンを握って塗り、途中右手に握って塗り、最後はもう一度左手に握って塗りました。いつもより力が入っていた印象で、手に汗をかいていました。作品と写真を撮り、終了しました。

Saturday 28 Oct 2023 MH

コミュニケーション/操作

■活動の様子

本日は平和眼科の視能訓練士さんたちが見学にいらっしゃいました。普段と違う環境だったにもかかわらず、通常通り課題に取り組んでくれました。

・遊具・教材(目的):子どもの様子

・VOCAチャットBOX+ミニスイッチ+カルタ(活動参加/カルタで読み手の経験をする):前回経験したスイッチスキャン方式による表出。モデル提示の後、すぐにスイッチを操作しました。ON-OFF-ONが前回よりもスムーズでした。読みの表出に応じてお母様や支援員が札を取ると、喜んで笑い声をたてていました。札に手をのばすので、札とVOCAを示すと、正中線を交差して札を手差ししました。取り手になり1/2選択ができました。

・リングチェーン抜き+ヤクルト型棒抜き(操作/導入/把持):ヤクルト型立体の把持はやや苦労していましたがガイドすると出来ました。棒を支援員が主導で調整して立体を入れられました。

・溝板短3列+金属円盤(書字へのステップ方向性のある操作):左を始点として右方向への動きを促しました。終点を視覚的に確認し、活動の見通しを持っている様子。終点手前で円盤を取り出そうという動きがありました。円盤がくりぬき台に対して斜めにかかることが多いですが、入れようという意欲が持続していました。

・溝板長1列+円盤きのこ付き円盤(書字へのステップ方向性のある操作):方向性を意識した動きが出ました。2~3回行いました。

・「ころころ円の移動」(書字へのステップ運筆を促す):左人差し指支持にて行いました。方向を意識した動きが出ていました。

・凸文字なぞり「さ」(指えんぴつへの導入・感覚運動↑):意欲、期待感が高かったです。左人差し指支持にて行いました。右方、下方への動きが出ていました。

・初)指えんぴつによる書字(書字経験):指にはめることへの触覚的な抵抗なかったです。指が細く、サックの内部で遊びがあるため、何らかの工夫が必要でした。ガイドにて「さ」を書字。もっと書きたいと繰り返し活動を要求していました。

その後、視能訓練士による視覚評価をしました

Saturday 28 Oct 2023 TS

コミュニケーション/操作

■活動の様子

 本日は平和眼科の視能訓練士さんたちが見学にいらっしゃいました。緊張することなく、むしろ、見学者に様々なことができることを見てほしいとアピールする場面もありました。

・遊具・教材(目的):子どもの様子

・VOCA①ステップ バイ ステップ(あいさつ):「これから個別を始めます」の表出。笑顔になりました。

・VOCA②ミニマック2台(一方に絵)絵本「だるまさんが」(VOCAの1/2選択による表出):天板上の2台を左右の手で触りました。特に右方によく触れ、スイッチの感触やカチャカチャという音を聞いている様子。弁別がみられないため、絵を載せた「だるまさんが」のVOCAのみを残し、目的的操作を促しました。その後再び2台にすることで、感覚的な操作は減少し、絵と無地のVOCAの弁別が増加しました。

・ツリーチャイム(目的的操作):触れる→揺れる・鳴るを理解してリーチ。

・チェーン引き(腕を引く動きを促す):肘を後方に下げる動きを他動的に繰り返すウォーミングUP。手指の曲げ伸ばしによる操作がメインでした。以前の様に輪がはずれることはほとんどなく保持↑。今回は腕を引く動きが少なかったです。。新しい脇当てのボリュームが大きいことが要因の1つと思われ、操作時のみ保護者の了承を得て外す。後半やや動きが出ました。

・銀玉落とし・3穴横置き(押し落とす連続した操作空間認知):横置き:右から2玉はスムーズに落とす。穴の探索を充分にすると3玉目に移行して落とす。縦置き:中央1玉はすぐに落とす。上下は部分的にガイド。指先で落とそうとすることが向上していました。

・方向性のあるピンポンスイッチ縦置き(方向性のある連続的操作):スイッチ上へは部分的にガイドしました。中央までは指や手首の動きで操作しました。腕を引きながらの終点までの操作は少なかったです。

・<初>カラビナ付きバック(日常生活における操作):お母様が持参して下さった飲み物バックでトライしました。カラビナの保持+チャックの方向を本児に対して垂直方向(チェーン引きと同様の方向)にすることで、引き開けることができました。

・きのこ取り/<初>銀の玉ボール/玉のせ凹台(ピンチ/器から玉を取り出す/凹台にのせる):器の傾斜が手指を誘導し、玉への定位を促していました。玉の大きさや重さが合っているためか、把持できました。前回は手首を返す(重さで返る?)動きがよく出たが、本日はガイドで促しました。

・音の鳴る玉:玉に触れる→音が鳴る 因果関係理解ありそうでした。

その後、視能訓練士による視覚評価をしました

Saturday 28 Oct 2023 HT

音楽

担当:石橋

■活動の様子

 T君がリフトで上階から降りてくるとき、今回は翌日が満月だったのでMoon riverを歌いながらお迎えしました。今回は元気そうで、いきなりクリスマス曲のリクエストがありました。

 さっそく、「ジングルベル」から「サンタが街にやって来る」「赤鼻のトナカイ」などを歌うと、上半身を左右にフリフリ勢いよく動かしながら楽しいことを伝えてくれました。Tくんのダンスが見えて嬉しかったです。ずっとこの3曲の繰り返しでも良いかもしれないというくらいお気に入りのようでしたが、ちょっと休憩して、「Have yourself a merry little Christmas」や「The Christmas song」 などのクリスマス・バラードも、じっくり聴いてくれました。

 前回、小さい子どもの定番曲も聞いていたとのことを思い出し、「いぬのおまわりさん」のイントロを弾いてみたら、すぐに反応してくれました。でも歌い始めたら、「それじゃあない。」というふうに、そっぽを向いてしまいました。お母さまが子ども曲の譜面を持ってきて下さったので、カーペットの上に座って、ミニピアノで「アリさんとアリさんがごっつんこ~」はどうかなと歌ったら、やはりちょっと違うという感じでした。今回は、なんてったってクリスマスソングの気分だったのかもしれません。

 さて、ちょうどカーペットの上にT君もお母様も座ったので、この機会に、T君が一人でピアノを弾くことに挑戦しようと思いました。まずはT君に、前にお母様から送っていただいた動画を見て感動したことを伝えました。すると、お母様が急いでその動画を出してくれました。一緒に見ながら、「凄いね~! T君は自分の意志で、鍵盤を一人で押さえられるんだね。」と伝えました。
さらに、「それは凄いことで、練習すれば曲も弾けるようになるかもしれないよ。」と、カーペットに座ったまま、私が最初に、右手だけでジングルベルのサビを「ミ・ミ・ミ~・ミ・ミ・ミ~・ミ・ソ・ド~・レ・ミ~」と、ゆっくり弾いてみました。T君は左半身を、ピアノの椅子の代わりに私に寄りかかりながら、動画と同じように右手で鍵盤に手を伸ばしました。私は嬉しくて、「そうそう、いいよ、いいよ!」などと声をかけましたが、もう少しで鍵盤に届きそうだったのに、途中でプイと手を降ろしてしまいました。どうも私のテンションが上がりすぎて、逆にT君のやる気をそいだみたいでした。

 お母様によると、期待され過ぎたり、何かのプレッシャーを感じたら、イヤになるみたいで、その気持ちも多少理解できますが、もうちょとだったのに残念でした。前回、「誘導しようとすることに気が付いたら止めてしまう」と、お母様からお聞きしましたが、ほめたり、応援したりしてもやる気をそぐとは、なかなか難しいなと思いました。つい、「凄い凄~い!」とか「頑張って~!」とか口に出してしまうので、かえって刺激するのかもしれません。この方法で上手く後押しできることもあるのですが、T君の場合は少し複雑な様でした。ただ静かに見守る方が良い場合もあるのかもしれません。

 T君がずっと寄りかかってくれていたので、そのまま抱っこして、もう一度ピアノの椅子に座りました。そして、T君の好きなビング・クロスビーの「White Christmas」を歌ってみました。続いて「 Blue Christmas 」や「Happy Christmas」、「ママがサンタにキスをした」なども。最後にブルースを1曲、聴いて頂きました。

 お母様も、T君のピアノが聴けなくて残念そうでしたが、今日は、クリスマスソングで楽しんでくれたみたいだから、これでヨシということとなりました。
次回は、冷静に、促してみようかなと思います。

Saturday 11 Nov 2023 FKK

目と手のの協応/文字/スイッチ操作

担当:松本

■活動の様子

 午後に活動を移したことで大変覚醒がよく、やりとりを楽しんでいました。「写真を撮るよ」と声かけするとニコッと良い表情をしてくれました。

・目と手の協応:座位保持に座った状態で待っていてくれました。スライドスイッチにステップバイステップ(VOCA)

を接続して始まりの挨拶を右手で操作して行いました。まずは、ボコボコチェーン、ボコボコチェーンリング、玉おと 

し、スライディングブロックの順で行いました。ボコボコチェーンリングでは、左手にリングを握ってもらい支えると肘を支点にして右手で引く動きが出ました。他の教材で、介助しながら操作した場合も、玉が落ちたり、ブロックが溝にはまったりした時にはフィードバックを感じてハッとした表情でした。操作の終点を実感できている様子でした。その後も、左手の方が今日はよく力が入ったので、文字も左手で書くことにしました。

・文字:練習する行選びでは、文字盤をあ行から順にゆっくり聞いていくと3巡目ぐらいで「マ行」で右手が動き、それを選んだ合図にして良いか聞くと、ニコッと笑って答えました。ペンを持ちブギーボードでかく時には、所々自分の動きで書いていました。

・スイッチ操作:前回の私が作ってくることを約束した、なにわ男子の曲の歌詞を覚えるためのプレゼンをスライドスイッチで操作して進めました。スライドスイッチもそこそこ動かせていたのですが、顔を左右に動かす動きがとても良かったので、これは、ほっぺたで押したいということを伝えてくれているかもしれないと思い、スペックスイッチを左頬に設置しました。スペックスイッチはかなり硬いスイッチですが、その分誤操作が少なくて済むメリットもあります。設置してすぐに、グーっと左頬で押し込んで操作していました。揺れる動きの中に意思のあるぐっと押す動きがはっきり読み取れました。これでも十分操作可能だったのですが、より負担の少ないタッチスイッチも試してみました。タッチスイッチは、設置距離で誤操作を防ぐようにしました。こちらも大変上手に操作していました。「左のほっぺがいいんだよね、右はどうかな?」と伝えながらタッチスイッチを右に設置すると、すぐに右頬でもタッチできていました。

 次回からは自動スキャンなどの操作で左頬のワンスイッチの可能性をまず追求して、同時に右頬を使ったツースイッチの導入も考えていきたいと思います。ご本人もスイッチ操作が思うようにできて満足そうな表情でした。

Wednesday 25 Oct 2023 FKK

音楽

担当:石橋

■活動の様子
 今回のKさんは、ヘルパーさんが何度声をかけても全く反応がないほど、深く眠っていました。たまたま音楽がかかっていたので、音楽に合わせてレインスティックを鳴らしてみましたが起きる様子がありません。ヘルパーさんが、Kさんの耳元でレインスティックやシェーカーなどを鳴らしても反応がないので、久しぶりにミニピアノを持ってベッドサイドへ移動することになりました。様子を見ながら、静かにディズニーのバラードやプレスリー他、秋の唱歌などを歌いました。

 そういえばKさんの枕元に貼られていた紙が、藤原清輔朝臣の歌から、2羽の小鳥が仲良さそうに小枝でさえずりあっている絵にかわっていました。おまけに「Kさん、20歳の誕生日おめでとう!」と言うメッセージも添えられています。
ヘルパーさんによると、Kさんのお祖母様が毎年Kさんの誕生日に、和紙にメッセージや絵を描いて送って下さるのだそうです。
「素敵なお祖母様ですね。」と話していたら、Kさんがオシャレなスパッツを履いていたので、「あら、これも素敵!」と言ったら、お祖母様のプレゼントだとか。しかも、Kさんが着やすいようにと、マジックテープで止められる様に、わざわざ仕立て直してあったそうです。なんて素晴らしい!ヘルパーさんいわく、とても物知りで、何でもできる方だと大絶賛でした。「ご自慢のおばあ様だね。」とKさんを見たら、まだ夢の中の様子。そこで、少し賑やかなブルースを2曲ばかり歌いました。

 そして、そろそろ終わりの時間になった頃、やっと目を開けてくれました。
最後に、久しぶりにKさんの好きな「嵐」の曲で「ハピネス」を歌ってみました。
Kさんは最近「嵐」をあまり聞いてないそうですが、それでも聴き馴染みのある曲に、少し反応してくれた様でした。

 嬉しいことに、最後の最後に写真を撮った時、麗しくパッチリと目を開けてくれました。やはり二十歳になって、大人っぽくきれいになったKさんでした。

Wednesday 18 Oct 2023 OK

音楽

担当:石橋

■活動の様子
K君の創作物語第2弾「赤いカプセル」。

 https://www.youtube.com/watch?v=LIjVOekrPn0&list=PLSiWkB9fln_AhV2BSBwdcFGjvhIlgN3n2&index=13
今年の春に動画が完成したものの、遅くなりましたが、その紙芝居をやっとお持ちすることができました。

 早速、ヘルパーさんが読んで下さったので、最後のフィナーレの場面では動画と同じように「ラララ~赤いカプセル~」と歌いました。するとお母様も一緒に歌って下さったので、2部合唱で繰り返して何度も歌いました。K君は、それを嬉しそうに笑いながら聞いてくれました。

 さて次は、前回K君が興味を示してくれたミニピアノを弾いてもらおうと思ったら、突然外から「Kにいちゃ~ん、おはようございま~す。」という大ぜいの可愛い声が聞こえました。何ごとかと思ったら、お母様が「あら、あの子達だわ。」と、急にバタバタしだして、「そうそう、これを渡さなきゃ。」と、持ってきたばかりの紙芝居を抱えて外へ出ようとしています。
「一緒に来てもらって、みんなに紹介しても良いですか?」とのこと。「もちろんです。」と一緒に階段を下りました。実は前にK君のお母様からお聞きしたのですが、公園で仲良くなった保育園の子ども達に、K君が創作したお話が紙芝居になったことを伝えたら是非見てみたいとのことで、第一弾「青いカプセル」の紙芝居をプレゼントしたそうです。

 それ以来、子ども達が近くの公園に来た時は窓の外から声をかけてくれるようになったそうです。K君の体調が良い時は、ベランダからセットしたリフトでゆっくと、車椅子のまま下に降りて行くそうで、その様子を子ども達は「カッコイイ~!」と羨望の目で見ているそうでした。

 実は今回の「赤いカプセル」も、お母様からの要望で、保育園の子ども達への分も用意していたのでした。早速お母様が、引率してきた保育園の先生に紙芝居を渡しながら、「動画の音楽を作った人」としてご紹介下さいました。
私がご挨拶をするやいなや、園児達がサーっとお母様の傍によってきてそれぞれに赤い紙を渡しています。子ども達がK君にクレヨンで書いたお手紙のようで、口々に「Kにいちゃんにわたして!」と言っていました。
見ると、「Kおにいちゃん、だいすき!」とか「Kおにいちゃんが、だいだいだいだいだいすきです!」などと書かれている、熱烈なラブレターでした。K君のアイドル並みの人気に、私も嬉しくなりました。

 この日は感染症の心配があるからとK君は下には降りなかったのですが、K君に会えなくて残念がっている子ども達に、お母様が、「せっかくだからミニピアノで紙芝居のフィナーレを歌ってもらおうか。」と提案。私は急いで2階のお部屋に戻ると、ベランダ側の窓を全開にして、ミニピアノを持ってベランダへ出ました。
さらにお母様のご指示で、リフト使用時に半分取り外せるようになっている手すりを外して、外の子ども達と室内のK君が、できるだけお互いに見えるようにしました。きっとK君は何が始まるのだろうと驚いたことでしょう。

 私はベランダにペタンと座ると、背中にK君を感じつつ、すぐ下にいる園児達に向けて歌い始めました。
ベランダ・ゲリラ・ライブのはじまり、はじまり~!

 保育園の先生が「みんなで覚えようね。」と言って下さったので、何度も繰り返し一緒に歌いました。楽しそうにピョンピョン跳ねる子や、すぐに覚えて歌ってくれる子もいて、思わぬ展開にK君もビックリしつつ、楽しそうに外の子ども達の声に耳を澄ませていました。

 さて、子ども達とお別れして、お母様もお部屋に戻って来ると、今度は鉄道賛歌の替え歌作りのリクエスト。今回は、ただ駅の羅列だけでなく、具体的な目的がある移動にしたいとのことで、たまたま来る時に駅でもらった深大寺マップを見せたら、お母様が「深大寺には美味しい蕎麦屋さんがあるのよ。」とのこと。では、そこに行くルートを歌にしようとなりました。

 出発はSHJの事務所のある永福町。明大前で乗り換えて、さらに調布でバスに乗り換えて深大寺へ。目的地でお蕎麦を食べて、また逆ルートで帰って来るという内容になりました。
例によって、メロディーに乗せる言葉選びが大変でしたが、K君も新しい替え歌が気に入った様子で、お母様の「お蕎麦食べに行きたいね~。」の言葉に嬉しそうでした