音楽
担当:石橋
■活動の様子
嬉しいことに、久しぶりのMさんは、わざわざ早起きをして楽しみに待っていてくれたそうでした。ところが午後には眠くなってしまったようで、伺った時は今にも瞼が閉じてしまいそうでした。
まず初めにMさんの大好きな「ドレミの歌」を歌ってみましたが、お約束のイントロのウィンドウチャイムを鳴らしてくれたものの、いつものように目がパッチリとはなりませんでした。それでも何とか目を開けようとしてくれている様子だったので、賑やかな曲を続けて歌ってみることにしました。
「南の国のハメハメハ大王」や、「おもちゃのチャチャチャ」など、ご両親も一緒に打楽器を鳴らしながら歌って下さいました。その間、Mさんは時々目を開けたり閉じたりしながらも聴いてくれている様子でしたが、眠気は飛んでいかないようでした。
そこで、前にMさんが歌うように声を出してくれたこともあった曲を思い出し、ご両親に手伝っていただいて、大声でブルースのコール・アンド・レスポンスをやってみました。ご両親は素晴らしいノリで歌って下さったのですが、残念ながらMさんの様子は変わらないようでした。
本当に眠い時は仕方がないので、気分を変えて「森のくまさん」を。それにしても最近多発しているクマ出没被害のせいで、この曲のイメージが変わってしまったかも。などとご両親とお話するうちに、Mさんはとうとう完全に眠ってしまいました。
そこで子守歌がわりに「星に願いを」を。続けて、「この広い野原いっぱい」や「大きな古時計」など静か目の歌を。すると、今度は少しずつ目を開けてきたようなので、Mさんのお気に入りの「はらぺこあおむし」を。
前回、この曲の場面転換の時にMさんがたまたまチャイムを入れてくれて、それが新しい合奏スタイルに出来ないかと思っていたので、何度か繰り返してみました。すると、だんだん覚醒してきた様子で、Mさんの鳴らしてくれたチャイムが場面転換の合図になっている事にMさん自身が気が付いてきた様子でした。
しかもMさんが手を構えてからチャイムを鳴らすまでの時間が短くなってきて、集中するあまりの空振りの回数も少なくなってきました。
自分で出す音も、「強く」「優しく」「ゆっくり」「早く」などバリエーションがあることに気が付いてきた可能性も感じました。意図した音や、意図したタイミングで音が出せるようになると、それは「演奏」であり「合奏」だと思いますが、自然に場面にふさわしい力の入れ方や、より良いタイミングで鳴らせるようになってきた感じがします。
少なくとも、ウィンドウチャイムの使い方がかなり上手になったことには違いないかと。
そのことを確信するために、最後にもう一度、「ドレミの歌」を「合奏」してみました。私の歌も、今度は初めの時より1オクターブ上で歌ってみました。すると、今度はさっきと打って変わっていきなりパッとニコニコ顔に。すっかり眼が覚めてきたようでした。
Mさんと私のこの曲のルールは、「Mさんのチャイムでイントロが始まり、私が歌い始める。そして間奏の後もMさんのチャイムで繰り返し歌へ」というものですが、それを完全に思い出したようで、目を見開いて満面笑みに。曲中でも、勢いよく所々でチャイムを鳴らしてくれました。
残念ながら、やっとノッてきたところでお終いの時間になってしまいましたが、改めてMさんのウィンドウチャイムの使い方の進歩と可能性を感じた次第です。ご両親の温かいサポートにも感謝です。ありがとうございました。