Friday 31 March 2023 HT

音楽

担当:石橋

■活動の様子
 T君は先日16歳のお誕生日を迎えたそうで、まずは「Happy birth to you!」の歌でお祝いしました。続いて、ちょうど桜が咲いていたので、日本音階の「さくらさくら」も弾いてみました。すると興味を示した様子で、隣の椅子に座ってジッと私の手元を見ていました。そこで、何気なくT君の手を持って一緒に、この2曲をゆっくりと単音で弾いてみました。T君はじっと聴きながら興味を示した様子でしたが、途中で疲れたみたいに椅子の上で横になってしまいました。

 ブルースセッションも、今回は興味がなさそうで、お母様と一緒に座って、お母様がT君の手を持って一緒に弾こうとしたら、スッとやめてしまいました。一瞬電気ピアノにも興味を示したけれど、ほとんど音は出さずに、直ぐにカーペットの上に移ってしまいました。
 興味を持ってくれたところでは、「不思議の国のアリス」の映画挿入歌「何でもない日バンザイ!」は楽しんでくれたようでした。このところ学校での行事がずっと続いていたらしく、この日は全般的に少しお疲れのご様子でした。

 ただ、お母様が見つけた白黒動画のプレスリーの曲には大いに反応し、音楽としてはブルースからロックになりかけたところのロカビリーの初期みたいな軽快な曲ですが、プレスリーの、ドラムのアクセントに合わせたダンスが気に入った様子でした。意外にも、トトロの「さんぽ」が好きだというので、たまには子供らしい曲も聞くのかなとちょっとホッとしたら、イントロとエンディングだけ聞くとのこと。そういえば、エンディングに少し不協和音的な音階が入っていましたが、その部分が好きみたいだそうです。とても興味深い独特の聴き方をしている様子ですが、そういう部分を見つけ出すのが楽しいのかも知れません。感性と言うか聞き分ける耳の良さには驚きでした。

 お母様からいろいろお話を伺っていた最中、なんとT君がお母様のタブレットを自分の指で押しながら操作しているのを見て驚いたら、お母様によるとお気に入りの所へ自分でページ移動することもできるらしく、いくつかのボタンの内、どれを押せば画面が変わるかも知っているようだとのこと。
 これを聞いて、連弾の時にガンガン弾かないのは、一つ一つの鍵盤から一つ一つの違う音が出てくることを知っているからかもしれないと思いました。そして、自分の意志で画面のクリックする位置を選んでいるなら、鍵盤も選べるのではないかと思えました。これは、すごい発見でした。お母様が、「いつか音楽で自分を表現して欲しい」とおっしゃっていたことも理解できるような気がしました。単音の演奏でも、自分の意志で演奏できたとしたら、こんな素晴らしいことはありません。
垂直な画面のボタンを押すのと、並行にある鍵盤の上に指を落とすのとは、運動の方向性が違うのでコントロールが難しいかもしれませんが、楽器演奏の可能性を大いに感じました。

 最後に、クリスマスの曲を何かということで、「ホワイトクリスマス」を歌ったら急に元気になって、体を左右に振る例のダンスを始めました。楽しそうにしている様子を見て、最初にこの曲を歌えば良かったなと思った次第です。体調や気分によって興味は変わるかもしれませんが、クリスマス曲はどうも必須のようでした。

 次回は、鍵盤を弾くことの面白さや、今回できなかったリズム遊びにもトライしたいと思います。