Wednesday 26 July 2023 HT

音楽

担当:石橋

■活動の様子
 今回は伺ってすぐ、お母様が電話の対応に当たられている間、T君はずっと静かに私に寄りかかってくれていました。必然的に抱っこするようにゆっくりと背中をなでていたせいか気持ちが同調したみたいで、初めからスムーズに音楽に入っていけたようでした。
 ピアノに向かって一緒に座り、ゆっくりと「ラブミ―テンダー」を歌い始めました。今度はT君の左手を取ってメロディーを一緒に弾き始めると、嫌がらずにワンコーラスを完奏。すると、思いがけずお母様がT君の右手を取って、同じようにメロディーを弾き始めました。一瞬、お母様に任せた方が良いかなと思いつつ、キリの良い所まで弾いてみようと、そのまま続けてみました。両手で同じメロディをオクターブ違いで、それぞれ別の人の手でリードされながら弾くという初めての状態でしたが、T君は嫌がらずに両手をお母様と私に任せながらジッと音を聴いている様子でした。両手が右方向に動くと、音も高く聞こえることや、高さが違うけど右手と左手は同じメロディーを出していることや、一つ一つの鍵盤を叩いて音を繋ぐことでメロディが出来ることを、もしかしたら体と目と耳で感じていたのかもしれません。何度か繰り返している間も、とても興味を持って音を聴いている様子でした。

 次は「ハロードリー」を、お母様に口ずさんでいただきながら、弾いてみました。T君は自分で右手を時々ピアノの上に置いて、ピロッ、ピロッと音を入れてくれます。それが偶然なのかメロディに合っていることがあり、お母様と驚きあいました。すると今度は、電気ピアノの方に行きたがって椅子を降りると、お母様がスイッチを入れて下さいました。もしかして伸びる音を出したいのかなと思ったのですが、自分でスイッチを触っただけで音は出さずに、そのまま床に座ったまま体が止まってしまいました。本当は何をしたかったのかわからないまま、たまたま床に並べてあった太鼓でリズムを作って叩いてみると、珍しくジッと聴いてくれているようです。

 初めて打楽器にも反応してくれました。単音ではなく、いくつかの音でリズムを作ると、メロディはないけど音楽が現れて見えてくる感覚でしょうか。打楽器にも興味を持ってくれて喜んでいると、お母様がT君にはお気に入りのドラマーがいるとのこと。なんとスウィング・ジャズのドラム・バトルの動画で、片方の人だけを好んで聴いているとのことでした。ジーン.クルーパという歴史的なドラマーの一人だとか。歌やトランペットだけでなく、ドラムの音の違いも判るのだとしたら、本当に驚きでした。

 感心しつつ、太鼓の横にあった鉄琴を爪ではじいて、軽い気持ちで「ラブミ―テンダー」を演奏してみました。するとT君が興味を示してくれたので、お母様が何種類かのバチを出して下さいました。その中からプラステックのバチを持って鉄琴を叩いてみたら、とても硬くて大きな音がしてビックリしました。
「これはチョッと音が激しすぎるかな?」と言ったら、お母様が持っていたバチの中から、T君がバチを選んでくれて、小さいゴムのようなバチで叩くと、なんと爪と同じ柔らかい音がしました。T君は、かなり正確に音を聴き分けていて、素材によって出てくる音が違うことも知っていたのかもしれません。

 感動していたら、お母様が「やはり鉄琴よりピアノが聴きたいみたい。」とのことで、再びピアノの前へ並んで座りました。そこで、T君の好きなクリスマス曲を歌ってみると、ピアノの高音の方を自分から手を出して弾き始めました。ゆったりとリズムに合う感じで主旋律も壊さないように、ピロッピロッという感じで音を入れてくれました。

 たまたまなのかもしれませんが、今回は本当に驚くばかりの発見の連続で、改めて大きな可能性を感じた次第です。

 

Sunday 23 July 2023 OK

目と手の協応/数量概念/平仮名/プリント学習

担当:谷田部

■活動の様子
 前回体調が悪かったので心配しましたが、今回のK君は、咳もなく穏やかな表情で勉強できました。1時間近く椅子に座って勉強できました。自分から終わると言うこともありませんでした。途中トイレに行きましたが、勉強が途切れることもありませんでした。

《平面構成》
 体調が良さそうなので、すぐに勉強に入れました。久しぶりに平面構成のはめ板をやりました。2.3.4.6枚のはめ板も難なくできました。

《数量概念/算数》
 次に円盤型はめを行いました。今回は数を数えながらではなく、順番にはめることだけを指示しました。すると、飛ばすことなく、順番にはめ込みました。数を数えながらだと、飛ばしてしまうことが分かりました。

《ひらがなカード学習》
 公文のひらがなカードを4枚机に並べて、指示したひらがなカードを選ぶ練習をしました。今回は選び間違いがありました。

《立体構成》
 立体構成では、木のブロックを上に積む練習をしました。不安定になると崩れてしまいます。両手を使って慎重に積めるようになりました。バランスを考えて崩れないように積めました。頂上にさとこちゃん人形を乗せて完成しまた。

《プリント学習》
 前回、えんびつを持ちやすくするための支援グッズを渡しました。目玉クリップに滑り止めと鉛筆を挟んだ筆記用具です。今回もなぞり書きするプリントに取り組みました。鉛筆を持つ手が机から浮いてしまいますが、鉛筆の持ち方はとても良くなりました。線もはみ出しが少なくなりました。

■まとめ
 体調が心配でしたが、すっかり良くなりました。表情もとても落ち着いていて、1時間集中して勉強できました。8月は狭山市駅まで、特急レッドアローに乗って一人旅をするプランを立てました。

Thursday 10 August 2023 ON

最新音楽情報

数学「分数」

SENSIM

 

担当:奧山

【活動の様子】

4ヶ月ぶりの学びサポートでした。

最初に最新音楽情報。Apple Music Top 100 Japanでは4月以降ずっとYOASOBIの「アイドル」が1位なのですが、10位圏内にNewJeansの楽曲が2つ入っていることを伝えました。お隣の国韓国のApple Musicのチャートを見ると、Top 10のうちNewJeansの楽曲が6つと最強であることをお伝えしました。また、アニメ「パワーパフガールズ」とのコラボで世界的にも話題を沸き起こしていることお伝えしてPVを見ました。

奧山が大学生から聞いた話で、数日前に行われたストリートファイター6の世界大会予選で全盲の選手が勝ち進んだことがネットで話題になり、実は多様なアクセシブルモードを備えたゲームが既に多く発売されていることや、「鉄拳」という格闘ゲームのプロデューサーが「ワンスイッチモード」を開発中だと話していたことをお伝えしました。

ゲーム開発の世界では「アクセシビリティ」がもはや常識となりつつあり、私たちの国の学校教育はますます引き離されていることを感じています。

次にONさんお待ちかねの数学は分数の続きになります。前回は分数の加法減法を行うためには「倍数」「約数」「通分」について学ぶ必要があるところまで学習していました。それから4ヶ月経っていたのですが、今回は「さっさと先に行こうよ」という表情が読み取れなかったので、ひととおりの説明をした後にONさんに「このまま進んでいいか」「ちょっと前に戻った方がいいか」と選択肢を提示して尋ねると「ちょっと前に戻って欲しい」という答えでした。このことでONさんがご自身の中で緻密に組み立てようとしていることを感じました。いつもでしたら、バリエーションを提示した繰り返しの説明や計算については「先に進んで欲しい」と目で訴えるのに、緻密な組み立てのパーツが足りないと感じるとそのことを伝えてくれようとするのだということを強く感じました。

 次回は「倍数」「約数」「通分」(「約分」)の復習を丁寧にしてから加法に取り組んでみる予定です。

最後にSENSIMに取り組みました。今日はPPSスイッチで電車のブレーキのみを操作していただきました(電車が停車したらP3の位置に接続したスイッチを操作してブレーキを解除するのが奧山の役目)。すると、やはり!停車位置に止めることができたONさん。久しぶりにぴったり止まったのが嬉しかった様子で(規定位置に停車するとドアが開閉します)、2回目は小刻みにブレーキをかけて規定位置の停車を狙っていました。

 

Wednesday 19 July 2023 OK

音楽

担当:石橋

■活動の様子

 K君のリクエストで、今回はハチ公バスの替え歌を作りました。前々回の続きです。
 例の「僕の大好きなクラリネット?」の替え歌シリーズですが、前回までに9番まで作ったので、一度おさらいで歌ってみました。所々字余りで歌いきれない箇所があると、K君は嬉しそうにニコニコ・ニヤニヤします。私はハラハラしながら早口で何とかメロディに載せて歌えると「セーフ」の意味を込めて、歌の最後に大声で「ヘイ!」と合いの手を入れます。そのやり取りが楽しい替え歌シリーズでもあるのだと思います。

 難しいところを何とかクリアしながら、もう一度歌ってみて、この中で一番気に入っているのはどれかK君に聞いてみました。どうもそれぞれ気に入っていて決めるのも難しいようでしたが、私は「オレの大好きな豪華客船」の中の「今日のキャプテン、オレ、K!」のところで、毎回K君が自分を指さして得意そうに笑うのが気に入っています。それを伝えると、K君も「それ」とのことでした

 さて今回の歌詞は「オレの大好きなハチ公バス」ですが、ハチ公バスのコースが4つあるので、4コースを一つずつ作ることになっていました。最初の青いバスのルートは前々回に一緒に作ったのですが、その後、赤いバスとオレンジ色のバスの替え歌をK君とヘルパーさんとお母様達で作ってくれたとのことでした。それで、4コース目の最後のバスについて一緒に作詞する訳ですが、実は、また同じオレンジ色のバスなのです。これには理由があるそうで、つまり、コースは4つあるけど、色は3色で3社のバス会社が提携しているということのようでした。そして、なぜかこのバスだけ「ハチ公バス」なのに渋谷駅に止まらないのだそうです。それを、歌の中にK君の入れたい停留所の名前を入れながら説明するといった難題でした。

 前にK君の創った「赤いカプセル」の動画の主題歌の歌詞を考えた時の様に、K君とお母様とヘルパーさんと私の4人で、あーでもない、こーでもないと言葉を出し合って、それを私が歌ってみてK君がジャッジするのですが、これがなかなか楽しくもハードな時間なのです。だんだん白熱してきて、いよいよ時間切れかと思った時に、前回同様、するっと最後の言葉が出てきました。K君も、「それ!」と認めてくれて、みんなで「バンザ~イ!」「ヤッタ~!」と大盛り上がりでした。

 最後に続けて歌ってみると、ハチ公バスシリーズも、なかなか面白い作品になりました。少し疲れ気味だったK君も、この時ばかりは満足気な様子でした。

Tuesday 11 July 2023 FKK

音楽

担当:石橋

■活動の様子

 Kさんは暑さのせいか朝まで起きてたらしく、早朝は目がランランだったそうなのですが、少し前に医療関係の方がいらしている時からずっと眠っているそうでした。ヘルパーさんが、わざわざ車椅子に移して下さったのですが、やはり熟睡状態でした。

 後半になって少し目が空いたので、前回、Kさんがニッコリと笑ってくれた曲達を静かに弾き始めました。まだ眠いからかもしれませんが、今回はあまり反応が無い様子だったので、Kホイッスルもやってみようかなとヘルパーさんに伺ったら、なんと「それは、見たことがない」とのこと。
どこかにしまって下さったようでした。一緒に探して下さって、やっと見つけたのですが、握るのをいろいろ試してみたけれど、同じサイズのプラスティック・チューブでも、やはり手に持って握るのは難しそうでした。もう少し小振りの細長いプラスティックのチューブがあれば良いのかもしれませんが、既製品ではそうもいきません。それだけでなく、ある程度勢いをつけて空気を送らないと音は出にくいので、手の関節の動かし方からして、やはりそもそもが無理だったのではないかと、振り出しに戻るような話も出ました。
 一緒に握ってピュっと音が出ると、パッと目を開けて一瞬楽しそうな顔をしてくれるのですが、やはり自分で音を出すのは難しそうです。Kさんが小さい頃はミニピアノに触って楽しんでいたから、またやってみたらと言われて、なるほど、それもアリかなと思いました。

 結局、Kさんは最後まで、あまり大きな反応はないままお休みモードでしたが、次回は別の新しい音を探してみようかなと思います。