Wednesday 9 June 2021(KS)

歴史の学習とスイッチの操作

担当:奥山

【活動の様子】

KSさんは以前の学習で、大名が命じて作らせた庭園について勉強しているときに「大名」ということばに頭をピクッと動かして「興味がある」と伝え、その後の学習でも「大名」という言葉が出てくると同じように伝えてくれたので、KSさんと相談して大名について勉強することに決めたのが昨年度の3学期のことでした。以前の職場の同僚の助言で「上杉鷹山」(米沢藩)を大名に関する勉強の入り口とすることにしました。

今日は久しぶりだったので復習から始めました。iPadのKeynoteの画面を見せながら「なせばなる」の格言を作ったのが上杉鷹山だと説明するとKSさんは頭をピクッと動かして「覚えている」と教えてくれました。KSさんはいろいろなことを正確に記憶していると考えています。今日のような「復習」にあたる場面でそのことがよくわかります。そして今日の上杉鷹山は彼が奨励した産業(漆の栽培の奨励)について「実は奥山も全く知らなかった」という視点で紹介しました。漆というと漆器を思い浮かべますが、実は米沢藩の漆の栽培はろうそくのためだったと皆さんは知っていますか?しかも藤沢周平が「漆の実のみのる国」という上杉鷹山の生涯を描いた小説を書いていたのです。このことは次回の勉強の時にKSさんにお伝えする予定です。

続いてシンプルタッチスイッチの操作の練習。シンプルタッチスイッチは比較的安価で使いやすいスイッチですが、センサーに触れたときにフィードバックの音や触覚がないので、自分が操作した結果が確認しにくいかもしれません。そこで3Vのリレーを使ってカチッという音と触覚を返すためだけの中間部作ってみました。そしてスイッチとKSさんの右手の親指との位置関係をiPadの画面で確認できるようにしました(アクションカメラのWi-Fi機能を使用)。数回わずかに指を動かしてスイッチを操作しました。次にアクションカメラを載せた回転台にスイッチを接続して、スイッチを操作するとカメラの向きが変わることを確かめてもらいました。

本日はここまで。皆さんとの勉強で強く感じることは、お子さんの学びを準備する経過で学ぶことが大きいことと、お子さんの学びからも学ぶことが多いという「倍々の学び」を実感するとともに、お子さんに強い感謝の気持ちを感じています。

 

 

 

Sunday 6 June 2021(SY)

目と手の協応/算数・数学/文字

担当:松本

雨の中でしたがSHJアート&学びサポートセンターに来て頂き、次々に自分から教材に手を伸ばし取り組んでくれました。体調も覚醒も良かったです。

【活動の様子】

目と手の協応

・ボコボコチェーン:最初片手だけで、引き寄せながら何度か引き、途中両手交互の動きも交えて抜ききりました。繰り返しの動きをより引き出すために、すごく長いチェーンバージョンも必要だと思いました。

・ボコボコジャバラ:引いた後に自分でジャバラを縮める練習をしました。持つ位置や力加減など高度な課題ですが所々手を添えて手伝うと自分でできる場面も増えました。良い課題なので今後も取り入れていきたいです。

60mm直径円柱差し:円柱を差す円柱を見ただけで何本入るかすぐに答えてくれました。その後円筒から横一列のはめ板に円柱を移しながら量から数への変換に取り組みました。

30mm直径円柱差し:3個穴一列、4個穴一列、5個穴一列、3個穴面、4個穴面は、提示すると指で数えることなくすぐ答えられました。8穴面を提示すると指で数えて答えてくれました。

・体積パズル:分割なし、2分割、4分割、8分割の積み木を枠の中に色々な入れ方で入れてもらった後に一個いらない問題に取り組みました。中々ピッタリハマらない時も、何回もできない時も、イライラしないで乗り越えて自分だけで解決していました。ご本人にぴったりあった課題だと感じました。次回は体積パズルに加え立体構成課題に取り組む予定です。

算数・数学

数の棒を使い以下の課題に取り組みました。

5までの数:2列の枠をそれぞれの数で使い1の棒が何個入るか自分で入れていきながら確認していきました。本当に5だったと量とと数を実感していました。

5までの数の合成:12を合わせて3214を合わせて5など数の棒で確認していきました。235は数の棒で本当に5なんだと実感できていました。

5を基準とした6から10までの数:各数の枠に5の棒と1の棒で6などを数の棒を枠にはめながら実感していました。

文字

・ひらがな字形要素スライディングブロック:提示すると始点から終点まで次々にメダルを滑らせてくれました。

・立体コピーなぞり:立体コピーを提示すると中々なぞりたい文字が決まりません。何を探しているのかな?と聞くと大好きな友だちの名前だったので探すのを手伝って、指でなぞりました。「な」の丸の部分も上手になぞれていました。立体コピーでは、字形通りなぞれているのですが、紙を上に載せて字形が透ける状態では、なぞるのが困難でした。やはり凸文字での練習は良いことを再確認しました。その後木材マーキング用太めのクレヨンで先程指でなぞった文字を途中手を支えてもらいながら一緒に書きました。「かけた!」と元気な声で伝えてくれました。

その他

・学校プリントで数字を書く時があるが上手く書けない。学習内容に集中するために、答えることと書くことを分けて練習する。代替手段として文字盤や計算機、数字シールで回答して良いのではとお伝えしました。SYくん専用テンキー文字盤を作成しようと思います。

Tuseday 1 June 2021(FKK)

音楽

担当:石橋

■活動の様子

今回は2回目の訪問。暫く間があったので覚えていてくれるかなと思いつつ、まずは始まりのご挨拶を。

前回、iPadの楽器アプリを利用して、ドラムでシンプルな8ビートを鳴らしたら興味を持ってくれた事もあり、年齢的にロックっぽい曲も聴かせたいとの事でしたので、早速リズムの話をしながらチャレンジしてみました。

私がベースドラムを2回、ヘルパーさんがKさんの手を持ってスネアドラムを1回、そして1拍休みという、例のクイーンの「We will rock you」のリズムです。

リズムに合わせて私が歌っても、今回は、あんまりKさんの反応が無い様子でした。

そこで画面を変えて別の楽器を使ってみる事に。

ところが、ストリングス(複数の弦楽器)の音に一瞬わずかに表情を変えたものの、ピアノも、ギターも、お琴にも興味がなさそうな感じでした。

今回は、途中で軽い発作もあり、体調とタイミングが合わなかったのかも知れません。

今度は本物の打楽器に触ってもらい叩き方を説明した後、エイサー太鼓をヘルパーさんと叩いてもらいながら、「5匹のこぶたとチャールストン」を。

続いて、最近91歳で亡くなった絵本作家エリック・カールさんのお話をしたら、ちょうど「はらぺこあおむし」の絵本があるとのことで、それを見ながら、「はらぺこあおむし」の歌をお聴き頂きました。

体調や気温のせいか、前回よりKさんが眠たそうな感じがしたので、静かなバラードを2曲、

「A whole new world」と「when you wish up on a star」を歌ったら、

ヘルパーさんから、両方とも知ってる曲だけど、日本語の曲をとの事で、今回初チャレンジの「パプリカ」をお聴き頂きました。ヘルパーさんが振り付けも知ってるらしく、Kさんの手を持って踊ってくれました。

賑やかな曲でしたが、馴染みのある曲とのことで楽しんで頂けたでしょうか。

Kさんにとって馴染みの曲と言えば、なんといっても嵐の曲。

続いて、嵐の「ハッピネス」を歌い始めたら、突然、隣の部屋からお母様が現れて、ビックリ。ちょっとだけ一緒に歌って、そのままKさんと力強いスキンシップをしてから、お仕事に行かれました。「娘がいやがるから。」と、あえて顔を出さなかったそうなのですが、なかなか複雑なお年頃なのかも知れません。

さてヘルパーさんのリクエストで、ノリの良い曲をとのことで、

「Stand by me」や「You are my sunshine」、それから「ブルースぞうさん」なども歌ってから、

おしまいのご挨拶。

今回のKさんは、だいたい横を向いているか目を閉じていたのですが、最後は正面を見てくれました。

何か言いたそうな感じがしたのですが、残念ながら読み取る事が出来ず、せめてもと、透き通った美しい彼女の手を取って、お礼を言いました。

ヘルパーさんによると、火曜日は「嵐祭」で、ずっと1日中、嵐のCDをかけている「嵐の歌の嵐」だそうです。そう言いながら、CDを聴かせてくださいました。

イントロからカッコいいリズムで、かなり凝ったアレンジの上、超一流のミュージシャンがサポートしている様子。

次回は、嵐の「嵐」をリクエスト頂きました。

これを一人でどう演奏するか難問ですが、Kさんに楽しんで頂けるようにガンバリマ~ス!

 

Thursday 3 Jun 2021(KM)

英語の歌の聞き取り スイッチ操作の相談

担当:奥山

<活動内容>

遅ればせながら中学校入学おめでとうの気持ちを伝えて、近況を報告しました。

KMさんの最近取り組んでいることや興味のあることをおうかがいした後、英語の勉強のやり方について説明しました。候補の4つの曲について説明して、KMさんに選んでもらうことにしました。

選んだのはBTSのDynamite。大きな声を出して教えてくれました。すでに学校の勉強でも最近BTSがアメリカで1位を獲得したButterを聞かせてもらったということで、Butter教材もニーズがあることがわかりました。

KMさんはKeynoteの画面をじっと見て聞き取りに集中している様子でしたが、1番の歌詞が終わる頃に「難しい」と伝えたかった様子で声を出して教えてくれました。最初は難しく感じるけど、何度か聞いているうちにうまく聞き取れるようになるとお伝えしました。

今回、KMさんが今興味を持っているコミック(鬼滅の刃)を読めるようにして欲しいという宿題をいただきました。

スイッチの操作については、棒スイッチやシンプルタッチスイッチ(システムデザインラボ)の操作についてお話ししました。

また、家族がそばについていなくても勉強できる「動画教材」のニーズに関しても教えていただきました。

2時間ずっと集中して取り組んでいました。