美術
担当:眞鍋
■ 活動の様子
今日は、覚醒が低くかったため、手でトントンと作るはずのフォトフレームをお母様と作りました。次回上手く覚醒があったら再度チャレンジしてみたいと思います。
重い障がいがある方々へ在宅にて学習支援を行っています。その様子を紹介します。
美術
担当:眞鍋
■ 活動の様子
今日は、覚醒が低くかったため、手でトントンと作るはずのフォトフレームをお母様と作りました。次回上手く覚醒があったら再度チャレンジしてみたいと思います。
目と手の協応/数量概念/算数/文字/国語
担当:松本
■活動の様子
並んでいる教材に、これといって手を伸ばしていて学習に対するやる気が伝わってきました。青い壁を背景にして上下調整できるカットアウトテーブルを使用しS君のあいさつでスタートしました。覚醒も良くとても意欲的に取り組んでいました。
・ボコボコチェーン:右手で手繰り寄せた後に左手が出てきて左手手繰り寄せで抜き切りました。
・ボコボコ筒ぬきさし:棒に付いている凸凹部分がノイズになって筒の数ではなく、くぼみの数を数えて答えているというお母様のアドバイスを受け、すぐにノイズのないアルミ筒入れに切り替えました。すぐに高さと数がつながって正しい数を答えくれました。ボコボコの凹凸のフィードバックが有効な場合もありますし今回のS君のケースのようにノイズになる方もいることに気づくことができました。
その後アルミ筒入れから一列のアルミはめへの移しをしながら自ら「本当に2だ!」と高さ(量)と数のつながりを実感していました。
これらの経験が、揺るぎない数量概念を作り算数・数学の分厚い土台になるはずです。
「他にもやっていい?」というSくんの言葉に支えられながらどんどん課題に取り組みます。
・アルミ円盤・アルミ円柱:ぱっと見いくつ問題は、8個穴面並び以外は指で数えずすぐに答えられました。「これで5だー」「本当に5だー」などの数を実感している様子が見られました。はめ板を縦にしても横にしても、面状に穴を並べても全部5ということも一緒に確認しました。
残りの穴いくつ問題は、穴を指で数えて正確に答えてくれました。
・数の棒平面構成:2の枠と2の棒を渡すと棒を縦にしてはめ込んでくれました。クリエイティブですね。その後4の枠に2の棒4本で色々なはめこみをしてもらいました。同じはめ型になる時には最初だけヒントを出すと自分で残りの棒をはめ込んでくれました。
・数の棒残りのスペースにどっちの棒が入る?:最初は、実際にはめてみて確かめながら取り組んでいましたが、「隙間を触って、棒も触って入りそうな方を入れてみて」と伝えると触っただけではまる方の棒を選んでいました。
・数の棒1本いらない問題:枠にぴったりハマるように棒を入れていった時に、1本だけ棒が余る課題です。試行錯誤的に枠にはめながら要らない棒を渡してくれました。迷った時は、「一回全部出してみて」と伝えるとぴったりハマるまで根気よく取り組んでいました。素晴らしいです。
・数の棒と数のつながり:1から5までの数の棒の下に1の棒を入れていき何個分か確かめました。「本当に5個入った!」と言いながらそれぞれの棒が1の棒の何個分か実感できた様子でした。
・数の棒5までの数の足し算:暗記して分かっている足し算を具体物で丁寧に確かめていきました。棒を枠に右から左にはめる動作と「たす」という演算がつながって理解できていました。
・数の棒10までの数:5+1〜5+5まで5を基準にして10までの数を確認していきました。すぐに正解を伝えてくれました。以前はブロックを使っていたが、線がついているので指で数えて答えを出していたとお母様が教えてくれました。区切れ目がないつながった棒を使わないとその都度1から数えていく「数え算数」になってしまう可能性があることを再確認できました。例えば、2という量を直感的にまとまりとして把握するためにはバラバラでなく、つながっていないといけません。区切れ目があるとそれがノイズとなりどうしても数えたくなってしまいます(前述のボコボコ筒抜きと同じ)。
次回は、5+2、5+4などランダムに数の棒で質問していくのが良いと思われます。
・ひらがな字形要素のスライディング:滑らかに円盤を動かして全ての課題を達成していました。
・凸文字なぞり:字を書く時や文字をなぞる時は書見台を倒し気味にすると良いこと、なぞる文字は中心より利き手側に提示すると良いことをご本人とお母様に伝えながらなぞっていきました。「な」や「ぬ」の丸の部分がくるっと回れない時には、こちらで指をガイドしながら取り組みました。このような時に「ひらがな字形要素のスライディング」で培った動作のイメージが役に立っていました。
音楽
担当:石橋
5カ月ぶりのK君は、なんだか少し表情が大人っぽくなったような気がしました。
すでに初夏の陽気のような日ではありましたが、さっそく春の歌を2曲。「どこかで春が」「春の小川」など、作者や曲のエピソードを交えて聴いて頂きました。
次に、エイサー太鼓を使って、リズムを感じてもらいました。
初めの音と次の音の間隔でリズムやテンポが決まる事、日常生活の中にもリズムがある事。人間が歩く時は2拍子で、1.2.1.2.と。
4本足の馬に乗った時はパッカ、パッカで間に細かいリズムが入る事や、ボートを漕ぐときは、意外にも3拍子だとかの話も少し。
エイサー踊りは沖縄で観たことがあるとの事。踊りながらバチで太鼓を叩くのですが、今日は直接手で叩いても良いかなと思っていたら、お母様がサッと何処からかバチを見つけてK君の手に括り付けて下さいました。腕を降ろす角度が難しい様でしたが、最初はお母様と一緒に、4分の4拍子の曲を意識して、
同じ4分の4拍子でも、それぞれリズムが少し違う曲を。
「小さな世界」、「5匹のこぶたとチャールストン」など。
「小さな世界」では、歌詞が今の世の中に響きますねという話も出ました。
さて、お待ちかね、ギターを。
前回は最初は恐る恐るから、突然ジャンジャカ弾いてくれて驚いたのですが、
今回は、1本1本をゆっくり弾いていくような、じっくり音を聞きながら、いろんなことを考えて弾いているように感じました。
時々、ジャンジャンと全体を綺麗な音で鳴らす時もありましたが、親指と人差し指を伸ばして、暫く考えながら、指に絡む弦の感覚を味わっている様でした。
今度は私がギターで「南の島のハメハメハ大王」を。
ちょうど、ギターとウクレレの間の「ギタレレ」が似合う曲だったのと、良く知っている曲だったせいか、ウィンドチャイムを、リズムに合わせて力強く鳴らしてくれました。
続いて、ラテン風「Save the last dance for me」も。ギターの弾き語りでは初めてでしたが、ちょうど良いタイミングでチャイムを鳴らしてくれました。
小さい頃からクラシックや邦楽など、いろんな音楽を意識して聴いてきたというせいか、音そのものをよく聴いている感じがしました。
最近はnijiuがお気に入りとかで、私が知らなかったので、スマホで聴かせてくれました。
8ビートのイントロからカッコいい曲。可愛いだけじゃなくて、ロックな感じも気に入ったのかなと思いつつ、それではと、
今度は私がエイサー太鼓で、指で8ビートを取りながら、テンポとリズムを感じてもらって、そのままShaky groundへ。
これは、ノリノリでチャイムを勢いよく鳴らしてくれました。サビの所では、なんと、私の歌に応えるように、声も出して歌ってくれました。
乗ってきたので、ブルースも少し。今度はお母様がコール&レスポンスにも応えて下さいました。
少し長くなって疲れたかもしれませんが、リズムに対して、新しい発見があった様な気がしました。
目と手の協応
担当:松本
■ 活動の様子
吸引が多かったですが、覚醒も良く課題に次々に取り組むことができました。
外に行く手の動きも少なく、机上で操作することに集中していました。
・ステップバイステップ:スイッチを押してはじめの挨拶をしました。手が外側にあったのでステップバイステップを肩のあたりに当てて手がかりを示すとスイッチの方に手が出てきて押してくれました。
・ビー玉はめ:手渡しで直線穴、面の穴の課題に取り組みました。こちらの提示が追いつかないぐらいの速さで玉を穴にはめていました。
・4cm高さ円柱差し:ビー玉はめと同様に取り組みました。面を円柱で擦るようにして穴を探す動きも見られました。
・カタカタ筒抜き差し:短いものから初めて、一番長い40cmのものまでで取り組みました。抜く操作はとてもスムーズで、抜いた後しばらく円筒をテーブルに打ちつけたり頭の上で回したりして味わっていました。手が棒の方に戻ってくると円筒を擦り付けてカタカタいわせながら、棒の先端までたどり着き円筒を差し込んで落とし、カチンとという良い音をさせていました。カタカタというフィードバックが棒に沿って上へ行き先端を探すという動作を引き出したように思います。
その後も、円筒をたっぷり時間をかけて味わっていました。途中棒に気付いてもらうように頭で円筒を味わっている時に棒を手に触れてもらうようにすると棒先端へ手が動き円筒を入れる操作を見せてくれました。
この教材は他の方とのセッションでも筒の太さ、穴の大きさ、カタカタというフィードバックどれもちょうどよく能動的な手の動きを引き出していました。
少し改良してスマイリングストアでも販売する予定です。
・石けり入れ:いくつか入れた後、外に手がいって石けりを左後方へ落とす動作が繰り返されたのでので鉄球落としに切り変えました。
・鉄球落とし:手を机上に戻したい時に大変有効な教材です。叩く動きだけで落とせるので何回も取り組め、Oさんの場合もそのうちに手が机上に戻ってくることが多いです。本日もこの教材で机上の操作に戻って来ました。
・回す教材:手が机上に戻って来たところを見計らって市販の回す教材を提示しました。持ち手を回転させることに注意が向いたようで回す動きは引き出せませんでした。持ち手に遊びがあり動かす方向がハッキリと伝わらなかった可能性はあります。市販のもので課題がピッタリしたものを探すのは難しいこと再確認できました。
・太いアルミ円柱はめ;最初は左後方に落としていましたが、円筒を円柱に触れるように提示すると繰り返し円筒にアルミをはめ込んでくれました。最後の一個をはめたところでセッションを終了しました。
・ステップバイステップ;始まりの時と同じように肩のあたりにスイッチを触れて提示するとスイッチの方に手が出てきて押して「終わります」の音声を再生してくれました。
音楽
担当:石橋
■活動の様子
春の嵐というよりも、まるで台風並みの風雨の中、
果敢にも、しかも笑顔でお越し下さった皆さんと、新事務所で初めての「学びサポート」が始まりました。
お母様によるとO君は、非日常の緊急事態が大好きだそうで、よりによって悪天候のお出かけに大喜びだったそうです。
S君はというと、ガラス張りの事務所が気に入ったらしく、雨の中、外からもっと見たがったそうなのですが、お母様が、「また天気の良い日にね。」となだめながら中に入って下さったそうでした。
其々わざわざお越し下さった上に、有難い事でした。
さて春分の日を迎えた翌日でもあり、「どこかで春が」「春の小川」「花の街」など 、春の歌を3曲、それぞれの曲や作家のエピソードをお話しながら聴いて頂きました。
特に、大正元年発表の「春の小川」のモデルとなった川が、今は渋谷のビルや道路の下を流れている事には、驚かれたようでした。
中学生という事で、「Over the rainbow」「Smile」「As time goes by」など英語の歌も少し。
二人一緒のサポートは初めてでしたが、O君とS君は大の仲良しみたいで、気が付くと、車椅子の車輪と車輪を超えて手を握り合っていました。
お互いに安心するのかなと思いました。
さて打楽器をピアノの前に並べて、
その中からウッドブロックや鉄琴の使い方を見て頂いてから渡したところ、二人とも上手にポイントに当てて音を出してくれました。
そのまま好きに音を鳴らしてもらうことにして、
「5匹のこぶたとチャールストン」「小さな世界」「Save the last dance for me」など、リズムとテンポのある曲を。
知っている歌詞もあったようで、一緒に歌ってくれました。
今度は、順番に私とピアノの連弾をして頂こうと場所の移動をしてから、まずは年上のO君からブルースセッション!
ピアノには興味がある様で、一生懸命に集中して弾いてくれました。お母さん達もコール&レスポンスで参加して下さいました。
ところが場所変えをしたS君が、急に「あれ、あれ!」と外を指さしています。
外の日よけテントに雨が溜ると、一気にバサーッと水が落ちる時にテントがひっくり返る様子を見つけて、目が釘付けになったみたいでした。
私も「わ、おもしろい!」と言いつつ、「次はS君の番ね。」とピアノの前に位置を変えたら、S君は外が気になって仕方がない様子。
お母さんが、「後でゆっくり見ようね。」とフォローして下さり、何とか一緒に弾き始めて、最後はガンガン弾いてくれました。
二人とも、音楽や楽器には興味がある様なので、少しづつ、相手の音や自分の音を聞けるようになったら、
いつか、それぞれの役割を決めた合奏が出来るかもしれません。楽しみです。
目と手の協応/文字/数量概念
担当:松本
活動様子
・iPadにアクションカメラをつないで手元が見える様に設定してから始めました。
・設定してすぐに画面をよくみながら手を動かしてくれました。
■目と手の協応
・振動にぎりスイッチ:握ると振動が伝わるスイッチをステップバイステップにつなぎ、初めの挨拶をしようとしたところ、発作になり少し休憩しました。
・ボコボコチェーンミニ:発作が落ち着いたところで、右手にチェーンを握ってもらい、こちら側でひいて最後のひと引きのところをKさんの動きで引き抜いてもらいました。次に左に棒部分を握り、右手でチェーンを引っ張るスタイルで行いました。自分で力を入れる表情が確認できたので積極的に手伝って、最後のひと引きを自分の動きで引き抜いてもらいました。何回か手伝う内に、能動的な手の動きも出始めました。
・スライディングブロック:下上右左の順にブロックを動かして行きました。下(引く動き)は得意で自分の動きで動かせていました。他の方向も手伝いながら何回か繰り返すと自分の動き出来る場面が多かったです。手がうまく動かない時も、動かそうという意思が表情と身体の緊張からよく伝わってきました。
■文字
・凸文字なぞり:一緒に手を持って文字をなぞりました。もう少し大きな手の動きの方が字形のイメージが伝わりやすいのでA4の立体コピーの50音をお送りすることにしました。
■数量概念
・円盤はめ:1、2、3の一列穴の型に取り組みました。最初に穴が何個あるか、次に1個入れたら残り何個か、という質問をして、選択肢を順番に1個?2個?と声かけで提示しながら行いました。まばたきや表情で答えてくれたら、実際に手で一緒に触ってみて正解かどうか確認しました。
・円筒へのアルミ円柱はめ:重さで量を確認するために円柱を掌に置きました。これが1つの重さ、2つの重さという風に言葉を添えました。次に高さで量を確認しました。円柱が1個入る円筒、2個入るもの、3個入るものに一緒に円柱を入れて行き1個の高さ、2個の高さ、3個の高さと言葉で説明しました。画面でよく手元も確認しながら考えている様子でした。
・最後は、もう一度振動握りスイッチをステップバイステップにつなぎ終わりの挨拶をしようとしたのですが、スイッチが合わなかったため、ご家庭で使っているいつものスイッチをお借りして、終わりの挨拶ができました。
お母様曰く、頭を使うと発作が出るということでした。今回のセッションでも数回発作が確認で来たのでたくさん頭を使ってくれたことがわかりました。