Wednesday 27 Nov 2024 HT

音楽

担当:石橋

■活動の様子
今回も学校から帰ったばかりの様子でしたが、お母様が「今日は『ハロードリー』を一緒に弾こうね」と声掛けして下さったそうで、そのせいかお伺いしてすぐ、Tさんは自分からピアノに向かおうとして、すっかりその気になっていた様子でした。

最初は私の右側に座って一緒にピアノを弾く気満々でしたが、私が「ハロードリー」を弾き始めたら、いきなり例のノリノリのフリフリダンスが始まりました。ホントに好きなんだなと私も嬉しくなりましたが、特にイントロがお気に入りなので、例の6連符を何度も繰り返して演奏しました。曲が進むにつれて落ち着いてきたTさんは、ピアノをピロッとかチョロッとか、控えめながらタイミングよく音を入れてくれました。

そのうち電気ピアノの方にTさんが行きたがったので、お母様が椅子ごとTさんを移動させている間、前回の経験から私は生ピアノの前でスタンバイしていました。その時、別の曲を弾こうとしたら「ハロードリー」がいいとのこと。まだTさんの頭の中では「ハロードリー」が続いているようでした。
そしてTさんが電気ピアノでスタンバイできた時点で、お互いに顔を見ながら一緒に演奏を始めました。きっとTさんはこのスタイルで一緒に演奏したかったんだなと改めて思いました。

ただ、「ハロードリー」のイントロが始まったら、またしても嬉しいフリフリダンス。ノリノリのTさんでしたが、ちょっと落ち着いた曲中では、自分が押さえているオルガンの伸びる音をジッと聴いていました。そのうち私が目の前の譜面に気を取られていたら、なんとTさんはいつの間にか自分で椅子の向きを変えて、身体を完全にこちらに向けたまま電気ピアノを弾いています。
演奏中、一旦奥に入られていたお母様が戻ってきたら、Tさんの椅子の向きが変わっていたので驚いていらっしゃいました。もしかしたら、背もたれが後ろでなく横にある方が安定したのかも知れませんが、それにしても自分で椅子を動かす力があるなんて、すごいなと思いました。

さて賑やかな曲を演奏したので、今度は落ち着いたクリスマスソングのバラード「Have yourself a merry little Christmas」を歌ってみました。
Tさんが気に入ったようなので、何度も繰り返し歌いました。もちろん、お互い顔を見合わせながら一緒に演奏を始めます。Tさんの音は、初めはオルガンだったのですが、前衛的な音を響かせつつも、時たま綺麗にメロディーとピッタリ合う音を弾いてくれて、「わあ、綺麗!」と思ったら、Tさん自身もクールにジッと聴いている様子でした。

感心していたら、今度はいつの間にか乾いたクラビノーヴァの音に変わって、パラパラとドングリが落ちてくるような感じで、これがまた独特の印象をこの曲に与えてくれました。思いがけず「こんなアレンジは気が付かなかったな」と驚いていたら、またいつの間にかオルガンの伸びる音に戻っていました。

音の切り替えも自分で変えたようで、お母様も私もビックリ。偶然なのか、知ってて使いこなしたのか分からないまま、魔法使いの様なTさんと思わぬ素敵なセッションが出来ました。

さあ今度はT君の大好きなクリスマスソングをメドレーです。「サンタが街へやって来る」や「赤鼻のトナカイ」や「ジングルベル」では、お母様も鈴を振ってくれました。興味深かったのは、「あわてんぼうのサンタクロース」はあまり好きじゃないとのことで、今回は歌いませんでした。メロディにスタッカートがないからか、あるいは不協和音がないからか、何となくTさんなら分かる様な気がするから不思議です。

そのうち少し疲れたのか、お母様にべったり寄り添って休憩モードになりました。
Tさんのお薦めミュージシャン動画を観せていただいていたら、いつの間にかサッチモなど黒人だけでなく様々な差別の話になり、Tさんもジッと聞いている様子でした。

Tさんが最近、より大人っぽい表情を見せるようになってきたことをお話したら、
「もしかしたら世の中で起こっていることはみんな分かっているのかもしれない、と思う時があります。」とお母様。「選んで生まれてきてくれたんでしょう?あなたは何処から来たの?」とTさんを見つめるお母様に、チョッと胸が熱くなりました。

実はお母様と時々、「Tさんの前世はアメリカの黒人ミュージシャンだったんじゃないか」と話したりしています。と言うわけで、最後は一緒にブルースを歌ってから終了しました。

Wednesday 20 Nov 2024 FKK

音楽

担当:石橋

■活動の様子
今回もKさんは、眠れる森のお姫様状態でぐっすりとお休み中でした。
新しいヘルパーさんによると、このところ午前中は眠っている状態が多いとのこと。寒さや気圧の変化など、お天気のせいもあるのではないかとのことでした。

仕方がないので、例によってベッドサイドでいつものようにバラードを歌い始めました。小さい打楽器を周りに置いていたら、ヘルパーさんが木製の鈴をKさんの手首にはめて、声をかけながら一緒に鳴らして下さいました。優しい音がする鈴で、少し目を開けたかなと思ったら、またすぐ目を閉じてしまいました。

もう少しで起きそうだったので、そのままヘルパーさんの助けを借りて、「五匹のこぶたとチャールストン」やアップテンポのブルースなど、前に興味を示してくれて、比較的賑やかでリズムのある曲を続けて何曲か歌ってみました。今回はジャニーズ系動画を使うこともなく、生音だけで楽しんでもらおうかなと思っていたのですが、たまに目を開けることはあっても、眠り姫を完全に覚醒させることはできなかったようでした。
好みの変化とか体調にもよるのかもしれませんが、「音の大きさは大丈夫かな」とか、「この曲どう?」とか、もっとコミュニケーションが取りたくて、今さらではありますがヘルパーさんに、「Kさんのイエスかノーかの意志表示などは、どうやって見分けたら良いでしょうか?」とお聞きしました。
すると思いがけず即答で「わからない」とのこと。ある意味真摯な答えではありますが、ヘルパーさんも、私と同じように迷ったり悩んだりしてるのかもしれないと思いました。

実はKさんとお会いして間もない頃、その当時のヘルパーさんに同じような質問をしたことを突然思い出しました。「表情で分かることもあるけど、自分が良いと思ったことをやってあげればイイのよ」と教えてくれたことを、やっと思い出した次第です。反応が無いと不安になったり、コミュニケーションが上手くいくと期待し過ぎて失望したり、悩んだり迷ったりの連続ですが、自分を信じて前に進むしかないという結論でした。

片付けながらヘルパーさんと話していると、やっと姫はパッチリとお目覚めのようでした。出来れば一緒に音楽を楽しんで欲しいけれど、眠り姫の時でも、良い夢が見えるような音楽を届けたいと思います。

Tuesday 10 Dec 2024 FKK

美術

担当:三輪

■活動の様子

挨拶には反応してくれましたが、その後は心地よさそうに眠りについてしまいました。
ヘルパーさんのお話では、昨日あまり眠れていなかったせいかもと。眠りながらも話かけると聞いているような感じでした。
「今日は絵の具をつかうよ〜」と声をかけて、プラシートを並べてマスキングテープで固定しました。星のシールを貼って、その上から左手でスポンジをつかんでもらって絵の具を塗りました。


絵の具を乾かして、星のシールを剥がし、重ねて組み立てて星のランタンを作りました。(中にランプが入ってます)

次に、いつもの塗り絵をしました。その頃になるとうっすら目を開けてこちらを見てくれました。CMに出ている道枝駿佑くんの写真をベットサイドに貼って声をかけました。目をキョロキョロさせて、口を動かして反応してくれます。まだちょっと眠いような表情でした。クレヨンをつかんで塗りはじめると、また目をつぶっていました。でも、指はきちんとクレヨンをつかんで、塗る感触を味わっているようでした。
左手、右手と何色かのクレヨンで塗って塗り絵は完成。ファイルに入れて、一緒にながめて終了しました。

Tuesday 26 Nov 2024 OM

担当:奥山

まず、前回取り組んだ学習の感想等を教えていただきました。
視線入力に使っている。ウィンドウズ機のアップデートをしながら、OMさんがやってみたいことや興味のあることについて教えていただいたところ、習字をやってみたいと教えていただいたので、iPadの毛筆アプリを紹介して、指やスタイラスペンを持って試してみていただきました。
スイッチの入力については、押しボタン型のスイッチだけではなく、PPSスイッチの空気圧(振動フィードバック付き)をしばらく試す機会を作ってみることにしました。
視線入力についても振動のフィードバックをまだ使っていない様子なので、次回用意させていただくことにしました。

Sunday 1 Dec 2024 FKK

目と手の協応/文字/スイッチ操作

担当:松本

覚醒がよく、アイコンタクトもよくとれて、次の課題への注目やできた時の達成感をはっきりと表情で伝えていました。

◾️活動の様子

・目と手の協応:ボコボコチェーンからスタート。「肘で引く」ようにしたかったので、テーブルなしで取り組みました。手首だけでなく肘を後ろに引いて抜き切ることができました。ボコボコチェーンミニはリングの方を左手で一緒に掴み支えると、右手でチェーンを抜き切っていました。次に、カットアウトテーブルをつけてカバサ、回転ドラムを右手で回しました。自分の体の方へ引く手の動きで動かしていました。弧を描くボコボコレバーは、高さを低くしたため操作しやすそうでした。T字の持ち手を握り引いていました。終点まで引き切ったところで、こちらの方を向いて「できたでしょう」という表情で達成感を伝えていました。他の場面でも、このようなアイコンタクトが今日は多くとれました。

平面回転ドラム、3個の球落としも面を滑らす手の動きで回したり、落としたりできました。スライディングブロックで上下左右の動きを確認した後に凸文字なぞりに移りました。

・文字:文字盤を一緒に触っていくと今日は「さ」行で親指の力が入ったので選んだと捉え練習しました。前回より指に力が入っていて、書く意欲を感じました。

・スイッチ操作:奥山支援員の最新音楽情報をiPadのスイッチ操作で自分で進めてみました。スライドスイッチを引く動きで行いました。インターフェースはできiPad2です。ガールズグループの時には、よく画面に注目していました。