Friday 19 Mar 2021(OC)

音楽

担当:石橋

■活動の様子
 今年になって初めての訪問で、覚えていてくれたかなと心配しつつ、体調は悪くなさそうで安心しました。
いつものように、打楽器とキーボードを目の前のテーブルに並べて、好きに鳴らしてもらう様にして、まずは春らしい歌「花の街」と、オリジナルの「桜の木の下で」を聴いて頂きました。

この日の誕生花は、「アザミ」。花言葉は「独立、人格の高潔さ、触らないで」などだそうですが、これは、アザミの葉や蕾の刺により国土を守ったと言われるスコットランドの言い伝えによるものだそうでした。

少しCさんのキャラクターにも当てはまる気がしました。

そこでCさんのテーマソング、「A Whole New World」を。

いつものように首を動かし始めたので、チーちゃんの首振りに合わせてピアノの音を単音で出してみました。

直ぐに思い出した様で、Cさんの動きが止まると同時にピアノも止めると、しっかりこちらを見てくれました。

共鳴してることを感じてくれたのか、表情が変わり、首振りの速度も、一瞬早くなったかと思うと、また元のテンポに。

そのままピアノを単音から和音に変えて、声も掛けながら合わせて続けていると、テーブルやテーブルの上のキーボードを叩き始めました。

弾きやすいようにとキーボードの位置を変えたら、キーボードを払いのけてしまったので、打楽器だけにしたら、太鼓を叩き始めました。
そのまま手を横や後ろに移動して、テーブルや柱も叩き始めました。だんだん乗ってきたようなので、ピアノの和音をブルースコードに変えて、「シャバダバ~!」のコール&レスポンスタイムに突入。

その日は「ミュージックの日(3-19)」でもあり、ラブソングのスタンダードをたくさん聴いて頂きました。Smile ,The Rose ,As time goes by ,It’s a sin to tell a lieなど、

ちょっと、C さんには大人っぽいかなと思いつつも、スタンダード系は嫌いじゃないらしく、じっと聴いてくれていた様子でした。

楽器では、手で太鼓を叩くのが一番得意な様なので、次回は一緒に私も打楽器を叩きながら、何か歌えないかなと思っています。

Friday 26 Mar 2021(OC)

美術

担当:眞鍋

Cさんの得意な動きである「トントントントン」で、犬のステンシルでTシャツに柄をつけました。

手を出して、よく動かしてくれたので、可愛い作品が出来ました。

Sunday 21 Mar 2021(MM)

視線入力/目と手の協応/数の概念/文字

担当:松本

 本日も途中吸引を挟みながら約90分ノンストップで学習。痰がいつもより多かったものの覚醒が高く、目の力がとても強かったです。
■視線入力
・設定:ご家庭で購入していただいた、パソッテルとモニターに持参の視線入力装置とパソコンをつなぎ行いました。
・風船割り:ずっとやりたかったらしく、繰り返し取り組みました。頭の位置も安定し、いつも苦手な左側もよく見ていました。
・射的のビデオアセスメントモード:アイドルの写真が左右真ん中に出ていくる動画を使いました。視線が上の方に行っていましたが、写真がある位置に横移動していてみようとしている事ははっきり分かりました。最後の方は写真のアイドルの目の位置に視線を向けることができていました。

■目と手の協応
・ボコボコチェーンミニ:右手を先に動かしたり、左手を先に動かしたり、いろいろな両手の動きのバリエーションを使いながらチェーンを抜いてくれました。セットした時には、動きを停止することもできていました。最初の頃に比べると、抜ききるまでの時間も短く、また、抜く方法のバリエーションも増えていました。親指を棒の付け根にしっかり当てていたことも素晴らしかったです。


・スライディングブロック:下、上、右、左の動き全て自分だけでできていました。手で押すことが難しい場合は、親指を使っていました。どうしても右手が後ろに動いて、ブロックから手が離れる時には、手を後ろに行ける所まで一回反らせてから、再びブロックの上に手をのせるようにしました。後ろに反らないように運動を調整している様子も何回も見られました。


■数の概念
・太い円柱がさね:筒の中に、一緒に円柱を重ねていきました。最後に、数が大きくなると高さが高くなること手を筒の上に置き実感してもらいました。
・太い円柱も持ってみる:右手のひらに、円柱を1個、2個、3個の順番に持ってもらいました。数が大きくなると、重くなることを実感してもらいました。
・円柱差し:1〜5個直線配列の円柱差しを提示して、一緒に穴を指先で触りながら穴の数を確認しました。円柱をさす場面では、円柱の先を穴に入れる所までは手伝い、そのあとは自分で手を離して円柱を滑り入れる方法で入れていきました。入れながら残りの穴幾つかを指を支えながら触ってもらい数えました。自分の動きで穴に触れ確認する場面もありました。
■文字なぞり
・なぞる行の決定:なぞりたい行を「あいうえお?」「かきくけこ?」と順番に聞いていくとは行で「は行」で身体に力を入れて選んだので一文字一文字、ところどころ本人の動きも拾いながら一緒になぞっていきました。立体コピーをなぞった後に同じ文字を手のひらにも書いてもらいました。最後に、今なぞった文字の中で一文字だけ手のひらに書いてと問いかけて待つと、「ほ」を今までにないはっきりした指の動きで書いてくれた。保健室の「ほ」だけと伝え、セッションを終了した。

■次回
2021年5月23日(日)13:00―

Sunday 21 Mar 2021(FK)

目と手の協応/数の概念/文字

担当:松本

■目と手の協応

・ボコボコチェーンミニ:動きが出なかったので途中まで2人羽織で手伝いながら行ないました。

・ボコボコタッパー:抜け切る手前までこちらが、後ろに下がりながら引っ張ると、最後のひと抜きは手首で引っ張る動きで抜ききってくれました。

・スライディングブロック:下、上、右、左の動きを穴の手前までセッティングすると手首をひねる動きでブロックをスライドさせ穴にはめていました。

・セッションの最後に、手が動いてきたということでお母様が再度ボコボコチェーンミニセッティング。数回勢いよく引き抜いていました。

■数の概念

・円柱差し:1〜5個直線配列の円柱差しを提示して、最初に穴がパっと見ていくつある?と質問しました。「1個?2個?・・・」と順番に聞いていき、まばたきや声で答えてもらい、次に一緒に穴を指先で触りながら正しい穴の数を確認しました。円柱を指す場面では、一緒に入れながら「残りの穴いくつ?」の質問をして、上記の方法で答えてもらい、確認を行ないました。パっと見いくつ問題も、残りいくつ問題も、1個足りない数を答えることが多かったのですが、それは視野の問題で全体を見ることができなく正しい穴の数が答えられないためかもしれないとお母様が伝えてくれました。

・太い円柱がさね:筒の中に、一緒に円柱を重ねていきました。最後に、数が大きくなると高さが高くなること手を筒の上に置き実感してもらいました。

・太い円柱も持ってみる:右手のひらに、円柱を1個、2個、3個の順番に持ってもらいました。数が大きくなると、重くなることを実感してもらいました。

■文字なぞり

・なぞる行の決定:なぞりたい行を立体コピー文字盤で一緒に触りながら選びました。まずは「サ行」。桜が咲いてるねと話しながら「さしすせそ」を一文字一文字、ところどころ本人の動きも拾いながら一緒になぞっていきまた。立体コピーをなぞった後に同じ文字を手のひらにも書いてもらいました。次に選んだのは、「は行」。同じようになぞった後、一文字だけ私の手のひらに書いてみてと伝えると、「ひ」の文字の形を書いたようだったので、「ひ?」と聞くと、声を出してそれだと伝えてくれました。「なんで『ひ』なのかな?」と聞くとお母様が「ひまのひじゃないの?」と声を掛けました。すると、また声でそれだと伝えてくれました。コロナで家にこもりがちで「ひま」だよねと共感しながら「ひま」という2文字をなぞってセッションを終了しました。

■まとめ

・目と手の協応課題や数の基礎の学習で手を使うことで覚醒が上がってきました。視線入力は、全て本人が行うという主体性を最大限に保証できる反面、脳性麻痺で眼球運動の困難さがある方にとっては、こちらが物理的に手助けできないため、できるか、できないか、1か0かの活動になってしまう可能性があると感じました。もちろん、背景整理や眩しさの軽減、シンプル(刺激の焦点化)など見やすい環境を整えるという手助けはできるのですが。その点、手を使う活動は、最後の最後は本人の動きという能動性を保証しながら、こちらが手助けできる割合が多いです。しかも手助けの量も、その日の覚醒や体調に合わせて支援者が柔軟に調整できる課題であると再確認できました。

 

■次回

2021年5月23日10:00-

Saturday 20 Mar 2021(OK)

目と手の協応/数学・算数

担当:松本

■目と手の協応
・ボコボコチェーン:左右交互の手の動きが出ていました。
・棒抜き(棒の長さ10cm):左右の手の側と体の中心に提示して抜いてもらった。スムーズに上方向に抜くことができていました。
・ボコボコレバー :左手と右手交互に手の側において奥手前の動きで動かしていました。どちらの手も始点から終点までスムーズに動かしていました。
・メダルはめ:5の面のメダルだけぱっと見でわからなかったので、指で数えいました。
■メダルはめによる掛け算の導入
・前回掛け算の意味として、「猫の足」「オートバイの車輪」などを題材に扱ったが本人は納得できなかった様子。そこで、いつも慣れ親しんでいるメダルはめを使いもう一度掛け算の意味導入を行いました。九九自体の暗記は毎日入浴時などにしているとのこと。
・2個ずつ:白枠にメダルが2個入る型はめを用意。2×3の式の2は、メダルの数、3は白枠の数として説明しました。メダルを入れながら白枠を増やしていってその都度「何かけるなに?」と質問しました。文字盤で正確に答えてくれました。
・3個ずつ:白枠にメダルが3個入る型はめを用意。2の段と同じようにメダルを入れながら枠を増やしその都度「何かけるなに?」と質問しました。文字盤で正確に答えてくれました。
・メダルを入れないで、白枠とはめ板だけで質問(2個ずつ、3個ずつランダム):白枠とはめ板を提示し「何かけるなに?」と質問しました。文字盤で正確に答えてくれました。途中から、枠を電車に、メダルを乗客に見立て文章問題風に問うてもスムーズに答えられました。12人定員の車両、100人定員の車両とより数を広げても立式できていました。ああそうだったのかというスッキリした表情が印象的でした。
・以上のかけ算導入からわかったこと:ご本人の親しみのあるメダルはめというわかる世界で説明するということが大事であるということ。バイクや猫は親しみがなくわかる世界ではなかった様子。馴染みのあるもので理解しそこを土台として、安心できる基地として、そこから世界を広げていくというのは、どの学習でも基本となる。本人のわかる世界、親しみのある世界から広げていくことがどの場面でも肝要であることを改めて気付かせてくれました。


■繰り上がりのある足し算
・紙ベースで計算できるような工夫をお伝えしました。
・最初にiPadのKeynoteプレゼンと数の棒を使って7+6の計算を行いました。
・7と6をそれぞれ5と2、5と1に分けて、5と5で10、2と1で3で13というやり方。7と6の上にマスを作りその上に数を書いていく方法。納得してくれて練習問題も3題ほど引っかかることなく解いていました。
・全てのパターンの繰り上がり計算プリントを解きましたが文字盤でつまずくことなく答えていました。


・途中の計算の時も例えば、「3から2とったから残りは?」という質問にも文字盤で3−2=1という形で答えていました。答えだけを指さすことが少なく、きちんと式を最初から指差して答えにたどり着くことが多かったです。3、2だから残りは1というのが同時的な思考方法だとすると3−2=1というのは継次的(順番に考える)な思考方法かもしれないです。Kくんは継次的に考えることが多いです。空間把握の苦手さをそれで補っているようです。
・そのため、このマスを書いて文字を埋めていくというやり方は継次的な思考方法(継次処理)の方には合っているかもしれないです。とても整理がついて納得した様子でした。

■次回活動予定
2021年5月22日(土)10:00ー