Friday 26 Mar 2021(OC)

美術

担当:眞鍋

Cさんの得意な動きである「トントントントン」で、犬のステンシルでTシャツに柄をつけました。

手を出して、よく動かしてくれたので、可愛い作品が出来ました。

Sunday 21 Mar 2021(MM)

視線入力/目と手の協応/数の概念/文字

担当:松本

 本日も途中吸引を挟みながら約90分ノンストップで学習。痰がいつもより多かったものの覚醒が高く、目の力がとても強かったです。
■視線入力
・設定:ご家庭で購入していただいた、パソッテルとモニターに持参の視線入力装置とパソコンをつなぎ行いました。
・風船割り:ずっとやりたかったらしく、繰り返し取り組みました。頭の位置も安定し、いつも苦手な左側もよく見ていました。
・射的のビデオアセスメントモード:アイドルの写真が左右真ん中に出ていくる動画を使いました。視線が上の方に行っていましたが、写真がある位置に横移動していてみようとしている事ははっきり分かりました。最後の方は写真のアイドルの目の位置に視線を向けることができていました。

■目と手の協応
・ボコボコチェーンミニ:右手を先に動かしたり、左手を先に動かしたり、いろいろな両手の動きのバリエーションを使いながらチェーンを抜いてくれました。セットした時には、動きを停止することもできていました。最初の頃に比べると、抜ききるまでの時間も短く、また、抜く方法のバリエーションも増えていました。親指を棒の付け根にしっかり当てていたことも素晴らしかったです。


・スライディングブロック:下、上、右、左の動き全て自分だけでできていました。手で押すことが難しい場合は、親指を使っていました。どうしても右手が後ろに動いて、ブロックから手が離れる時には、手を後ろに行ける所まで一回反らせてから、再びブロックの上に手をのせるようにしました。後ろに反らないように運動を調整している様子も何回も見られました。


■数の概念
・太い円柱がさね:筒の中に、一緒に円柱を重ねていきました。最後に、数が大きくなると高さが高くなること手を筒の上に置き実感してもらいました。
・太い円柱も持ってみる:右手のひらに、円柱を1個、2個、3個の順番に持ってもらいました。数が大きくなると、重くなることを実感してもらいました。
・円柱差し:1〜5個直線配列の円柱差しを提示して、一緒に穴を指先で触りながら穴の数を確認しました。円柱をさす場面では、円柱の先を穴に入れる所までは手伝い、そのあとは自分で手を離して円柱を滑り入れる方法で入れていきました。入れながら残りの穴幾つかを指を支えながら触ってもらい数えました。自分の動きで穴に触れ確認する場面もありました。
■文字なぞり
・なぞる行の決定:なぞりたい行を「あいうえお?」「かきくけこ?」と順番に聞いていくとは行で「は行」で身体に力を入れて選んだので一文字一文字、ところどころ本人の動きも拾いながら一緒になぞっていきました。立体コピーをなぞった後に同じ文字を手のひらにも書いてもらいました。最後に、今なぞった文字の中で一文字だけ手のひらに書いてと問いかけて待つと、「ほ」を今までにないはっきりした指の動きで書いてくれた。保健室の「ほ」だけと伝え、セッションを終了した。

■次回
2021年5月23日(日)13:00―

Sunday 21 Mar 2021(FK)

目と手の協応/数の概念/文字

担当:松本

■目と手の協応

・ボコボコチェーンミニ:動きが出なかったので途中まで2人羽織で手伝いながら行ないました。

・ボコボコタッパー:抜け切る手前までこちらが、後ろに下がりながら引っ張ると、最後のひと抜きは手首で引っ張る動きで抜ききってくれました。

・スライディングブロック:下、上、右、左の動きを穴の手前までセッティングすると手首をひねる動きでブロックをスライドさせ穴にはめていました。

・セッションの最後に、手が動いてきたということでお母様が再度ボコボコチェーンミニセッティング。数回勢いよく引き抜いていました。

■数の概念

・円柱差し:1〜5個直線配列の円柱差しを提示して、最初に穴がパっと見ていくつある?と質問しました。「1個?2個?・・・」と順番に聞いていき、まばたきや声で答えてもらい、次に一緒に穴を指先で触りながら正しい穴の数を確認しました。円柱を指す場面では、一緒に入れながら「残りの穴いくつ?」の質問をして、上記の方法で答えてもらい、確認を行ないました。パっと見いくつ問題も、残りいくつ問題も、1個足りない数を答えることが多かったのですが、それは視野の問題で全体を見ることができなく正しい穴の数が答えられないためかもしれないとお母様が伝えてくれました。

・太い円柱がさね:筒の中に、一緒に円柱を重ねていきました。最後に、数が大きくなると高さが高くなること手を筒の上に置き実感してもらいました。

・太い円柱も持ってみる:右手のひらに、円柱を1個、2個、3個の順番に持ってもらいました。数が大きくなると、重くなることを実感してもらいました。

■文字なぞり

・なぞる行の決定:なぞりたい行を立体コピー文字盤で一緒に触りながら選びました。まずは「サ行」。桜が咲いてるねと話しながら「さしすせそ」を一文字一文字、ところどころ本人の動きも拾いながら一緒になぞっていきまた。立体コピーをなぞった後に同じ文字を手のひらにも書いてもらいました。次に選んだのは、「は行」。同じようになぞった後、一文字だけ私の手のひらに書いてみてと伝えると、「ひ」の文字の形を書いたようだったので、「ひ?」と聞くと、声を出してそれだと伝えてくれました。「なんで『ひ』なのかな?」と聞くとお母様が「ひまのひじゃないの?」と声を掛けました。すると、また声でそれだと伝えてくれました。コロナで家にこもりがちで「ひま」だよねと共感しながら「ひま」という2文字をなぞってセッションを終了しました。

■まとめ

・目と手の協応課題や数の基礎の学習で手を使うことで覚醒が上がってきました。視線入力は、全て本人が行うという主体性を最大限に保証できる反面、脳性麻痺で眼球運動の困難さがある方にとっては、こちらが物理的に手助けできないため、できるか、できないか、1か0かの活動になってしまう可能性があると感じました。もちろん、背景整理や眩しさの軽減、シンプル(刺激の焦点化)など見やすい環境を整えるという手助けはできるのですが。その点、手を使う活動は、最後の最後は本人の動きという能動性を保証しながら、こちらが手助けできる割合が多いです。しかも手助けの量も、その日の覚醒や体調に合わせて支援者が柔軟に調整できる課題であると再確認できました。

 

■次回

2021年5月23日10:00-

Saturday 20 Mar 2021(OK)

目と手の協応/数学・算数

担当:松本

■目と手の協応
・ボコボコチェーン:左右交互の手の動きが出ていました。
・棒抜き(棒の長さ10cm):左右の手の側と体の中心に提示して抜いてもらった。スムーズに上方向に抜くことができていました。
・ボコボコレバー :左手と右手交互に手の側において奥手前の動きで動かしていました。どちらの手も始点から終点までスムーズに動かしていました。
・メダルはめ:5の面のメダルだけぱっと見でわからなかったので、指で数えいました。
■メダルはめによる掛け算の導入
・前回掛け算の意味として、「猫の足」「オートバイの車輪」などを題材に扱ったが本人は納得できなかった様子。そこで、いつも慣れ親しんでいるメダルはめを使いもう一度掛け算の意味導入を行いました。九九自体の暗記は毎日入浴時などにしているとのこと。
・2個ずつ:白枠にメダルが2個入る型はめを用意。2×3の式の2は、メダルの数、3は白枠の数として説明しました。メダルを入れながら白枠を増やしていってその都度「何かけるなに?」と質問しました。文字盤で正確に答えてくれました。
・3個ずつ:白枠にメダルが3個入る型はめを用意。2の段と同じようにメダルを入れながら枠を増やしその都度「何かけるなに?」と質問しました。文字盤で正確に答えてくれました。
・メダルを入れないで、白枠とはめ板だけで質問(2個ずつ、3個ずつランダム):白枠とはめ板を提示し「何かけるなに?」と質問しました。文字盤で正確に答えてくれました。途中から、枠を電車に、メダルを乗客に見立て文章問題風に問うてもスムーズに答えられました。12人定員の車両、100人定員の車両とより数を広げても立式できていました。ああそうだったのかというスッキリした表情が印象的でした。
・以上のかけ算導入からわかったこと:ご本人の親しみのあるメダルはめというわかる世界で説明するということが大事であるということ。バイクや猫は親しみがなくわかる世界ではなかった様子。馴染みのあるもので理解しそこを土台として、安心できる基地として、そこから世界を広げていくというのは、どの学習でも基本となる。本人のわかる世界、親しみのある世界から広げていくことがどの場面でも肝要であることを改めて気付かせてくれました。


■繰り上がりのある足し算
・紙ベースで計算できるような工夫をお伝えしました。
・最初にiPadのKeynoteプレゼンと数の棒を使って7+6の計算を行いました。
・7と6をそれぞれ5と2、5と1に分けて、5と5で10、2と1で3で13というやり方。7と6の上にマスを作りその上に数を書いていく方法。納得してくれて練習問題も3題ほど引っかかることなく解いていました。
・全てのパターンの繰り上がり計算プリントを解きましたが文字盤でつまずくことなく答えていました。


・途中の計算の時も例えば、「3から2とったから残りは?」という質問にも文字盤で3−2=1という形で答えていました。答えだけを指さすことが少なく、きちんと式を最初から指差して答えにたどり着くことが多かったです。3、2だから残りは1というのが同時的な思考方法だとすると3−2=1というのは継次的(順番に考える)な思考方法かもしれないです。Kくんは継次的に考えることが多いです。空間把握の苦手さをそれで補っているようです。
・そのため、このマスを書いて文字を埋めていくというやり方は継次的な思考方法(継次処理)の方には合っているかもしれないです。とても整理がついて納得した様子でした。

■次回活動予定
2021年5月22日(土)10:00ー

 

Friday 25 Dec 2020(OC)

音楽

担当:石橋

Cさんは、初めは少し眠そうな感じでしたが、まずはカーペットの上でテーブルを挟んで、小さいキーボードで「A Whole new world」や「White Christmas」を聴いて頂きました。

クリスマスの当日だったので、サンタクロースの由来についてお話したら、だんだん調子が出てきた様で、大きなスタンドピアノで、「ブルースぞうさん」を。続けて「モッキンポットブルース」をお母様達とコール&レスポンスで。

やっとCさんも、いつもの首振りが始まりました。私も合わせてピアノを弾きつつ首振りを一緒に。お母様もマラカスで同調共鳴してくれました。Cさんとは少し離れていたのですが、Cさんをじっと見ながら、合わせて音を出す時よりも、合わせて音も止める時の方が同調共鳴感が深まるような気がしました。

クリスマスのバラード曲「Have yourself a merry little Christmas」と「The Christmas song」の聞き比べも。

さて、なんと今回はフィンガーシアターがお正月版にお色直しされていて、またしても叔母様達の力作に感動しました。ミニ門松、ミニ凧にミニ締縄、そして来年の干支の牛まであって、お正月ムード満載です。さっそく皆で曲とリズムを決めて、「お正月」と「1月1日」の音源を撮りました。Cさんは、ウィンドウチャイムと太鼓をいっぱい鳴らしてくれました。皆が円になって打楽器を演奏するのが、少し馴染んできたのかも知れません。今回はお父様がカメラ係で参加して下さいました。

さあ、可愛い獅子舞の衣装(軍手に獅子舞の素敵な絵を張り付けて)を着けて、レッツダンス!この時も、Cさんの太鼓が炸裂です!今回も、御家族総出で素敵な動画を作って下さいました。本当にお疲れさまでした。

今回、一番嬉しかったのは、片付けている時、Cさんが寄ってきて、ピッタリ体にくっついてくれたことでした。ちょうどウィンドウチャイムを手に持って仕舞うところだったので驚きましたが、暫くじっと体を寄せてくれて、Cさんの温もりが伝わってきました。表情も柔らかく、やっと、心を寄せてくれたのかなと嬉しさでいっぱいになりました。もしかしたらサンタ帽をかぶって、大きなクリスマスツリーのピアスをしてたからかも知れませんが、Cさんから最高のプレゼントを頂いた気がします。

Saturday 19 Dec 2020(MH)

コミュニケーション/操作

久しぶりの再会。やや緊張しているものの「パプリカ」を口ずさむとすぐに笑顔になりました。

予定を知るためのステップとしてプログラムをオブジェクト表示するところからスタートしました。

■活動の様子

<コミュニケーション>

・写真カード(アイポイントによる表出の学習):無地と写真2種のカードを示すと、無地はほとんど見ずに写真のみに視覚定位。速い。次回から写真2種の選択に取り組めそうです。

・VOCA(自発的な表出・VOCA1/2選択):今回は、VOCA提示時からONの操作。スイッチ自体を手にして口に持っていく行動はほとんどなかったです。因果関係理解を維持。机左方に設定しても、右手にて正中線を越えての操作確実でした。VOCA2種の提示に対し、ほぼ右側のみを選択していました。表出のないことにけげんな表情になっていました。再びミニマックのみにして成功体験を積みました。

<操作>

・チェーン引き(操作・遊びの拡大):自発的にリング部分に手指をかけました。数トライ目で右方に引く動きが出て、ゴム掛けなしで引き出すことありました。左手の動きが出てきたため、ゴム補助で本体保持。右手にて引く左右の分離協応前回よりも見られました。

・銀玉落とし1穴2穴(操作・遊びの拡大):穴への関心の高さ+因果関係理解の向上から、玉を落とす意欲アップか?。手指よりも、親指の付け根あたりを玉上にガイドすることで、押し込むような動きが出ました。目手の協応は弱い。玉の温覚は入力されているかもしれない? 「ポン する?」で笑い、視線が玉へ向きました。

・きのこ取り(操作・遊びの拡大):手に対し、きのこが大きい印象だが、手指を縁にかけて取り出す動きが出ました。VOCAに貼り付けたカードをはがす時のような得意な動きを使っていました。

・スライドスイッチ+チャイムメロディー(点から線へ方向性に対応した操作へのステップ):すぐに因果関係を理解。下方から上方への動きが良かったです。何度か繰り返した後、スイッチの方向を変えてトライするも対応しました。次回さらに方向を変えて実施したいです。

・ミラーボール+スイッチ(お楽しみ):ミニスイッチ操作は確実。光に驚く。光+「お星がひかる」の歌を歌うことでややリラックスしました。

<VOCAによるコミュニケーション遊びの提案>

松本より、ビックマック1台貸し出し。これまで実施してきた写真カードの選択して「パプリカ」を録音してあるビックマックをONにする遊びに加え絵本の繰り返しのあるフレーズを録音し、本児に読んでもらう遊びを提案しました。例「だるまさんが」、「おおきなかぶ」など。

<操作時に、目手の協応を維持しなくなった場合の対応>

活動の内容を擬態語にして声掛けすることで、その声への関心の高まりから活動対象への注目が促される傾向があることをお伝えしました。

Friday 20 Dec 2020(OKN)

音楽

担当:石橋

■活動の様子
初めての訪問でしたが、
O君は、すでに専用のテーブルでスタンバイしてくれていました。
早速テーブルに打楽器を、鳴らし方の説明をしながら置いてゆき、
「今日はクリスマスの曲を歌おうかなと思います。」と言ったら、
自分から、「あわてんぼうのサンタクロース」とリクエストしてくれました。

私は譜面の歌詞を見ながらだったのですが、なんとO君は歌詞を暗記している様で、卵のマラカスを一生懸命振りながら、一緒に歌ってくれました。

次に、「赤鼻のトナカイ」と「サンタが街にやって来る」を歌ったのですが、この歌も所々一緒に歌ってくれました。きっと今まで何度も繰り返し聴いてきた好きな曲なのかも知れません。今度はお母様達も一緒に打楽器を持って参加して下さいました。

「ところで今日は、何の日?シーラカンスの日!」
とか話しながら次の曲を選んでいると、譜面の中に「小さな世界」があったので、聞いてみたら知っているとの事。
歌詞が6番まであって微妙なニュアンスで伝えられている事や、作詞家と作曲家の名前が、頭文字だけ違うけど同じシャーマンなのに気が付いて、ご夫婦か兄弟か、もしかして親子?などと、話していたら、お母様が、そういえば曲を作った人の事を考えたことはなかったとの事。
完成した曲は一人歩きするので、それで十分なのですが、曲の背景を知ると、よりイメージが広がったり深まったりするので、時々話題にしています。
恥ずかしながら、この時は知らなかったのですが、後で調べたら、シャーマン兄弟は、アカデミー作曲賞も取っている超有名な方達でした。次回お会いした時に、詳しくお話しようと思います。
もちろん、この曲も、打楽器を変えて一緒に歌ってくれました。
ところで、この曲の1番と2番の間と、2番と3番の間に、試しにアラビア風音階とチャイナ風の音階を入れてみたら、特にアラビアの民族独特の音階がある事を感じてくれた様でした。

さて、民族独自の音階に対して、学校で習うドレミファソラシドの平均律の話になり、今度は、実際にキーボードで弾いてみる事にしました。キーボードを弾くのは初めてだったそうなのですが、ドから一つ一つ丁寧に音を出してくれました。興味を持ってくれたようで、何度もドレミファソラシドを繰り返しているうちに、両手で弾き始めたので、音色を変えながら自由に弾いて頂きました。音から音の関連性はないものの、ずっと首を振ってリズムをとる様に弾いているので、最終的に様々なパーカッションの音が出るバージョンにして、私も合わせてエイサー太鼓でセッションしました。両手で弾き出してからは何故か譜面を見たかった様で、スタッフのEさんが気が付いて、O君の前に譜面を置いてくれました。私の真似をしているのかも知れませんが、ずっと真剣に見ながら弾いていました。かなり長い集中力で楽器を鳴らしてくれたので、「少し疲れたかな?」と聞くと、「疲れた。」とのこと。

最後に、クリスマスの定番「きよしこの夜」を歌いました。そして、この曲も一緒に歌ってくれました。
音楽が大好きな事が伝わって嬉しかったです。

Friday 18 Dec 2020(OC)

美術

担当:眞鍋

■活動の様子

丑年のだるまを作りました。
スポンジ🧽に赤い絵具をのせて、トントン叩いて
作りました。

■次回活動

2021年1月22日(金)14:00ー

Sunday 20 Dec 2020(OC)

目と手の協応

担当:松本

■活動の様子

外はとっても寒い日でしたが、Cさんは体調も良く、覚醒も良くベストコンディションでスタートすることができました。

・初めの挨拶:ステップバイステップに「学びサポートを始めます」と録音して押してもらいました。手が外側にあったので手がかりのために最初は肩に、次に手に触れるようにステップバステップを提示するとスイッチを押して言葉を再生してくれました。そのまま、スイッチをつかんで手が机上に出てきました。

・ボコボコじゃばら:机の左下に手を置いたまま左手でつかみ離さずに3回ほど力強く引っ張ってボコボコという音を鳴らしながら伸ばしてくれました。

・ボコボコタッパー:大好きな円筒を先につけ引っ張ってもらおうと机の左下にある左手ものに触れるように提示すると円筒を握り続けてくれ、こちらでタッパーを引っ張りボコボコという音を伝えることができました。

・2重円筒抜き:上の円筒を抜いて頭に持っていき床に落とす、鉄の円柱は抜いて机に置く、を3回ほど繰り返して手を右袖の中に入れて終了しました。

・スライディングブロックスイッチ:足が動き出したので足でスライドして音を出してもらいましたが方向ある動きまで引き出せませんでした。机をとって足元を見えるようにした方が良かったビデオを見て気づきました。その後、机上に提示し左手を教材に持っていくと外側にスライドさせて音を鳴らしてくれました。

物をつかもうとする動きの多い方の方向性のある動きを出すためには、このように分離しない(部品が取れない)教材はゆこうである一方で、操作がある程度上手な方には、スライディング教材は退屈なのかもしれないし、ガイドレールが返ってノイズになり自分の思った動きをしてくれないことがストレスになるルカもしれないと思いました。

・鉄球落とし穴ひとつ:右の袖の中に入った左手を出すように援助すると、すぐに鉄球に指でつまもうとする動きで落としました。いったん左手が机の左下に落ちても、腕に教材を触れて教材があることを伝えると左手が机上の鉄球に戻ってきてつまもうとする動きで落としました。

・鉄球落とし穴2つ:机上提示するとしばらくあちこちに探索していた左手が机上に戻ってきた瞬間を捉えて教材の上に導くと1個目の球を指先で押すような動きで落としました。しばらく待ったり、教材を腕に触れて誘っても2個目には手が伸びませんでした。

・ボコボコ円筒抜き:右の袖の中に入った左手を出すように援助し円筒に左手が触れるようにすると抜いて、入れての一連の動作を何回も味わいながらしていました。抜いた円筒を自分で右の方へ持っていってもまた、棒にさすことも繰り返していました。長い棒にしても同じように繰り返し、抜いたり挿したりしていました。かなり長い棒でしたが、頭の上の空間まで感じながら取り組んでいるようでした。この辺りから、覚醒と運動のコントロールが一番良い状態になって調整された滑らかな動きが出てきました。

 

・ビー玉入れ:2個穴、3個穴、3個穴面、4個穴面、階段状3個穴に取り組みました。途中手が出てこない場面もありましたが、次々にビー玉を渡すようにすると面をビー玉で叩きながら穴を探して入れるということを繰り返して全部の穴に入れていました。

・ボコボコレバー :左手が机の左下にあったのでレバーに手をのっけると下に引く動きで何回かレバーを動かしました。机の上では教材の位置が高すぎてうまく握れない様子でした。

・鉄球落とし再び:横一列では、3個まで自分で鉄球を面をたどって探して落としていました。5個一列の時には、3個まではスムーズに、4個目は見つからないようでお母様が縦に置くとできるかもと提案してくださり、縦に置くとすぐに気づき落としてくれました。見やすいいちに提示することの重要性ともに手を見えない場所へも導いて徐々に探索幅を広げることの重要性を再確認できました。

・2重円筒抜き再び:外側の円筒をぐるぐる回す動きを長く続けていました。最初は指で回転させる動きで、次に手のひらを使って回転させる動きに変わりました。教材を味わっている様子が教材とじっくり対話しているように映りました。支援者は、動かないように台を押さえているだけでした。このように教材に能動的に働きかけ何かをつかもうと取り組んでくれる瞬間があることは教材を作成するものにとっては大変励みになります。

・石蹴り入れ:左手に次々に石蹴りを渡し、手首が外に回るような角度にスリットを固定すると手首を外に回しながら石蹴りをどんどん入れてくれました。手の力も抜けていてとても良い状態で運動をコントロールしているのが伝わりました。

以上です。

Wednesday 16 Dec 2020(OK)

音楽

担当:石橋

■活動の様子

 O君には「中野ドリーム」で数年前にお会いしたことがありました。
忘れもしない、初めて見た文字盤を使っていた男の子でした。
かなりお兄さんになっていましたが、文字盤を押さえていく速さは当時とは比べ物にならないくらい早くて驚きました。

それをスルスルと読み取っていくヘルパーさんは、お母様も太鼓判を押すほどで、O君の気持ちを理解するのにとても助かりました。

さて早速、今ハマっているという「小さな世界」を歌おうとしたら、「小さな世界」のCDやディズニーランドの本をたくさん見せてくれました。

いろんな国の衣装と言葉で演奏されている様なのですが、それは、あらかじめ聞いていたので、一応、日本風とアラビア風とチャイナ風のアジアのメロディを挟んで歌おうとしたら、どうもO君の聴きたいイメージと違う様でした。

「今日は、ヨーロッパのドイツかフランスかイタリア風で、できればホルンの音で聴きたい」との事。

ヨーロッパは平均律で音階はどこも同じ様に聞こえるので、お国柄が分かる弾き方をすぐには思い浮かばなくて、いきなり難しいご要望でしたが、幸いキーボードにいろんな音が入っているので、その音を一つ一つ聞き比べながら「小さな世界」を演奏して、どんな風に聞こえるか試してみる事にしました。

残念ながらホルンの音はキーボードに入ってなかったのですが、いろんな音色でテンポやリズムを少しずつ変えながら弾いてみると、森の小鳥や、ゾウ、イギリスの兵隊、サンバカーニバルなどの言葉が次々と出てきました。全種類30色の音色を、繰り返し1曲で演奏してみたのは初めてでしたが、感受性と想像力が豊かなO 君は、興味を持ってくれたようでした。

お母様の話では、とにかく「小さな世界」という曲が大好きで、それを通じて、世界中の国や民族衣装だけでなく、地理や文化にも興味を持つようになったそうでした。一つの「好き」が、それを中心に視野が広がっていく典型的な例ではないかと思いますが、自分の「好き」を持っている事は素敵な事だなと思いました。

さて今度は、季節柄クリスマスソングをと「赤鼻のトナカイ」を歌ったら、何とか聴いてくれたものの、続けて「ママがサンタにキスをした」を歌い始めたら、またまた私の腕をタッチして、ストップがかかり、「ジングルベルがいい」との事。それで、「ジングルベル」を歌い始めると、途中から「小さな世界」のサビへと誘導され、そのままこの2曲のサビを交互に延々と歌うことになりました。このパターンがお気に入りらしく、O君はというと、「今日は朝からダンボの気分だった」そうで、私の歌をBGMに、O君はダンボになり、ディズニーランド中を飛び回り、ディズニーランドガイド本の中のいろんな所を紹介してくれました。その間、O君の左手は文字盤を飛び回り、右手は本の中のエリアを次々と指差していきます。

そして、その言葉を高速で翻訳して下さるヘルパーさん。O君の頭の中では、次々といろんな乗り物に乗ったり、ミッキーたちと話したりしているのかも知れません。

「ここはピノキオエリア」と聞こえたので、「星に願いを」を歌い始めたら、「もっと早く。」とのこと。どうやら「メリーゴーランドに合わせて。」とのことでした。とっさに、4拍子を3拍子に変えてテンポを上げたら、納得してくれた様でした。

西部劇のエリアでは、幌馬車風のパッカパッカという蹄のリズムで弾いたり、川のところでは、蒸気船の音をシュッシュッポッポのリズムで弾いたりと、次から次へと出てくるO君の言葉に付いていくのがやっとでしたが、なかなか楽しい音の旅ができました。

iPadのガレージバンドで、ギターやピアノの音も出してみたのですが、お気に召さない様子でした。お琴や琵琶の音には反応し、少し聴いてくれました。自分で音を出す事には、あまり興味はない様子でした。

■ 保護者の声
 今は、「小さな世界」を通じて、展開する音楽を広げていく感じではないかと。

■次回活動予定
 2021年2月10日(水)10:30~