音楽
担当:石橋
S君とは半年ぶりで、前にグループ学習をしたことがありましたが、1対1で向き合うのは今回が初めてでした。1対1になって、分かったことも有りました。
さて、まずS君の机の上に、いくつか打楽器を並べて、音を聞きながら気が向いたら鳴らしてもらうことにしました。
季節の歌として「小さい秋見つけた」に続き、「赤鬼と青鬼のタンゴ」を歌ったら、この曲は良く聴いていたらしくて、打楽器を鳴らし始めました。
初めは木の打楽器を叩いていた様でしたが、突然バチを持って、打楽器の中でも音階が叩けるグロッケン(小さな鉄琴)を鳴らし始めました。
しかも隣の音と混ざらないように、上手に単音で鳴らしていました。
それだけでも驚いたのですが、
聞き覚えのあるメロディの、歌いだしの部分を何度も叩いている様に聞こえたので、「もしかしてこの曲かな?」と言いながら「聖者の行進」を歌ってみると、
S君は、そのまま後半のメロディには繋がらないものの、他の音もガンガン叩き始めました。
調子が良い曲で、Sくんもノッテきたので、何度も繰り返し歌ってみました。
お母様によると、実は学校で習った曲だそうで、「聖者が街にやってくる」と「オーシャンゼリゼ」が今のお気に入りの曲で、最近は英語の曲が好きなのだそうでした。
Oh~!さすが中学生!そこで、代表的な秋の英語曲「枯葉」を、歌詞を簡単に説明してから歌ってみました。曲の途中で枯葉が散る様にウィンドチャイムを鳴らしてもらおうと思ったのですが、チャイムを揺らして音を出すより、揺れてるチャイムを手でつかんで音を止める方に興味がある様でした。
もちろん、その時の音の止まる感じも表現として有るのですが、短調の大人っぽいバラードより、やはりリズムのある明るい曲の方が好きなのかなと思いました。
そこで、メロディの明るめの英語曲、「Home on the range:峠の我が家」「Country roads」「Smile」などを、曲の説明をしながら、歌を聞いて頂きました。
でも、このあたりから、外の様子が気になって仕方がない様子で、お母様が、「後でね。」と何度も声をかけて下さいましたが、少し休憩して、ずっと気になっていた窓の外を、ゆっくり見てもらうことにしました。
その間にBGMで「Love me tender 」と「Wonderful world」を聴いて頂きました。
一息ついて再開。
前に「パプリカ」が好きみたいと伺っていたので、歌ってみると、なんと一緒に、ノリノリで歌ってくれました。サビの歌詞も覚えている様でした。ノッテきたところで、最後に「聖者が街にやって来る」をもう一度、となりました。すると、またしても嬉々として、出だしのメロディをグロッケンで叩き始めました。お母様とスタッフの松本さんも手拍子で一緒に盛り上げて下さいました。
やはり、ここを叩けば、あのメロディが出てくると、感覚的に知っているのではないかと思いました。最初は、SY君が曲を知っていても、出だしの音を取れたのは偶然かもしれないと思っていたのですが、間を置いて、もう一度やっても、チャンと出だしの音を出してくれたので、これは凄いと思いました。
有名な曲ではありますが、改めてこの曲の音数を調べてみたら、なんと5つの音だけで出来ていました。
その分、リズムがちょっと難しいかも知れませんが、すでに4つの音をちゃんと出しているので、順番さえ覚えて練習すれば、S君がグロッケンでこの曲を丸々通して演奏できるかもしれません。
私が指さしたところを叩いて、綺麗な音を出せるので、これは多いに期待が持てそうです。
なんだかワクワクしてきました。
今回、SY君のお気に入りの曲が分かって良かったです。さらにSY君が1曲丸々自分で演奏できそうな楽器も見つかって嬉しいです。
次回が楽しみです。