目と手の協応/数量/算数/文字
担当:松本健太郎
■活動の様子
・ボコボコタッパー:自分流の引き方から両手交互に引く方法に移れるように手伝いました。最後は次に前に出すべき手に支援者が触れるという少しの手掛かりで順番に左右の手を前に出しチェーンを引いてくれました。
・ボコボコジャバラ:両手でひっぱり広げた後に、ちぢめることにも取り組みました。ぐにゃぐにゃ曲がるジャバラを縮めるためには、より高次の空間把握と運動の調整が必要で、同じようにぐにゃぐにゃしているタオルや洋服などの布を畳むことにつながる課題だと考えられます。ジャバラとタオルの違いは同じようにぐにゃぐにゃしていてもジャバラには正しい方向に縮めるとカチッというフィードバックがあることです。そのフィードバックに支えながら、楽しみながら取り組んでいました。手と手の間隔を狭くするとちぢめやすいことを説明しながら手をとりちぢめるのを手伝いました。
学校の個別の時間で取り組んでもらえるようにジャバラを貸し出しました。
・四角入れ子: 横方向だけでなく高さ方向への調整も必要な課題ですが、上手に最後まで取り組むことができました。最初は順番に一つ一つ渡し、次に途中で順番を変えて渡して自分でいったん入れたものを出して入れ替える課題に取り組みました。ヒントなしで入れ替えも上手にできていました。最後に逆さまに置いて高く積んでいきました。ある程度重さのある木製なので安定感があり最後のピースまで積むことが出来ました。片付けまで自分で行いました。
・石蹴り入れ:手首の外旋を引き出すために取り組みました。容器の角度を調整して手首の外旋を促すようにすると、手首を外に捻りながら石蹴りを入れていました。
・円盤はめ:直線5コまでならぱっと見て正解を答えられていました。
・円柱刺し:同じく直線5個まではぱっと見でわかりました。残り幾つ問題も残りの穴2個から導入したらスムーズに答えられました。なぜか8にしたいというので3個の円柱差しを上につけて入れて8個にしたら大喜び。好きな数があるとそれを基準として様々取り組み、例えば5と幾つで8?が組み立てられ非常に有効であると感じました。
・体積パズル:分割なし、2分割、4分割、8分割の順に、最後は8分割2個、4分割1個、2分割1個を色々な向きに入れて行きました。奥行きを合わせて枠にすぽっと入れることが上手にできるので、手のひらで空間と量を把握する課題としてS君にピッタリだと思いました。学校の個別の時間に取り組んでもらえるように教材を貸し出しました。
・数の棒:2の棒を3の枠と4の枠に色々なはめかたで入れてもらいました。今日も最初は立てて入れていたので棒を増やして全部入れてもらった後に、横置きで入れるように伝えると何回か向きを変えながらはめてくれました。次に5の棒の枠を使い、2棒を入れておいて残りの隙間に3と4の棒どっちが入るか選ぶ課題に取り組みました。見ただけで正解の棒を選んでいました。ご家庭で使っている市販の数の棒も同じような使い方で取り組むと良いことをお母様にお伝えました。
・立体弁別:円柱と四角柱2つのはめ板に対し 立体一方を渡す方法、分類的弁別(いくつかのものの中から特定のものを選び出す)では、目で穴を確認するだけで正確にはめていました。
はめ板1つに対して2つの立体を渡す方法、選択的弁別(見比べてある程度それぞれの違いを認識して選ぶ)では、実際に一つ一つはめてみながら試行錯誤的にはまるものを選び出すやり方で取り組んでいました。ぼやっとした形の違いを正確にイメージできるように継続して取り組んでいきたいです。
・ひらがな字形スライディングブロック:次々に円盤を動かし上手に取り組んでいました。クロスする部分は補助が必要でした。
・文字:好きな人の名前を書いてみようというと、大好きな先生や友だちの名前を選び、立体コピーをなぞった後に、立体コピーの上に紙を置いてクレヨンで字形をなぞりました。交差がない文字は、ほとんど自分でかけていました。「み」など交差のある文字は交差の部分だけ手伝うと、あとは一人で書くことができました。今日の勉強は終わりと挨拶した後に、自分の名前も書きたいと伝えてくれたので、他の名前と同じように立体コピーをなぞってから書きました。最後に書いた文字全部をゆっくりみながら自分で読み上げました。自分で書いた大好きな人の名前を味わっているようでニコニコして何回か読み上げていました。
疲れ気味で覚醒もイマイチだったのですが最後の文字練習は熱心に取り組んでいました。大好きな人の名前が大きな力となり学習を後押ししてくれました。