Saturday 3 July 2021(OK)

目と手の協応/数量/算数

担当:松本

<活動の様子>

■目と手の協応

・ボコボコタッパー:左右交互に手を出し、チェーンを手繰り寄せながら抜き切っていました。

・ボコボコジャバラ:思いっきり引っ張って良い音と振動を出していました。

・筒抜き差し:手首を回しながら上手に調整して優しく筒を棒にさしていました。よく調整されてた手の動きが引き出されていていました。

■数量

・円柱さし(直径50mm):最初に円柱を手のひらにのせて重さで1個、2個、3個の量を感じてもらいその後、筒に入れながら高さで量を捉えられるようにしました。筒を見ただけで何個入るかいつものように答えてくれました。さらに、筒に入った円柱を横一列のはめ板に自分でうつしながら量を長さで感じてもらいました。

・円柱刺し(直径3mm):穴の数はぱっとみいくつ?円柱をはめながら残りの穴の数はいくつ?と質問しながら取り組みました。文字盤でテンポよく正解の数字を指して答えてくれまいた。

・数の棒:最初に5の棒までの触ってもらい1の棒の何個分であるか答えてもらいました。全部触る前に見ただけで正解の数字を指差していました。次は5の枠に1個余分な棒を紛れ込ませてどの棒が入らないかカチャカチャ棒をはめながら見つける課題に取り組みました。残り一つの溝になったときにどちらの棒が入るのか、スペースを手で確かめながら答えてくれました。量を直感的に捉えるために毎回丁寧に取り組んできる課題です。身体の感覚を通して量のイメージが出来るてきて、数の棒を見ただけで正解を答えられる場面が増えています。

■算数

・5までの足し算・引き算:フラッシュカードを使いランダムに問題を提示しました。ほとんどの問題を正解していましたがつまずいたところは、数の棒で確認しました。高さの方が量を直感的に捉えやすそうだったので、数の棒の枠を立ておきで提示して説明しました。ご本人もわかりやすいと伝えてくれたので、くり上がりの足し算繰り下がりの引き算も立ておきでもう一度復習することにしました。立ておきは、自分で操作しにくいという欠点はありますが、直感的に量を捉えやすいという効果を優先して今後導入していきたいです。

・掛け算:2個穴円盤はめを順番に提示し、1あたり量と掛け算の意味を確認しました。九九は3の段は覚えてくれていました。好きな数字が多く意味づけして覚えやすかったようです。

Sunday 4 July 2021(FKK)

目と手の協応/数量・算数/文字

担当:松本

今回も、アクションカメラとモニター用のiPadを設置して手元を見えるようにして行いました。手がよく動き、次々に課題に取り組みました。

<活動の様子>
■目と手の協応
・ボコボコタッパーミニ:右手にチェーンの先をゴムバンドで固定すると今までにない力強い動きで、チェーンを最後まで抜ききっていました。


・スライディングブロック(直線中央穴):下に引く動きがよく出ていて自分でブロックを何回も穴にはめていました。肘角度を90度から120度にするように支えると上に押す動きも引き出せました。左右の動きでは、右に開くような動きが出やすかったですが、「さっきと反対の動きね」と声掛けすると右に行こうとしていた手が左へ動く場面がありました。意識的にコントロールしているのがよく伝わってきました。

・凸文字(立体コピーなぞり):本日、立体コピーをお渡ししました。右手を支えながら一緒になぞっていくと、ところどころ自分で動かすことが確認できました。手のひらに書いてもらう時にも上下左右、本人の指の動きを確認できました。右でなくて反対の左ねと伝えると一瞬指の力が抜けて逆方向に指が動き出すことがありました。
 あ行をなぞり終わった後に一文字手のひらに書いてみてと伝えると「え」を書いてくれたようでした。嵐の大野くんが絵が上手いから?それとも美術担当の三輪先生と大野くんの絵を描いたから?と聞くと笑顔になったので、伝えたかったことが無事伝わりホッとした様子でした。

■数量・算数
・円柱差し(直径50mm):円柱を手のひらにのせて1個、2個、3個の量を重さを感じてもらいました。その後それぞれの個数が入る円筒に一緒に入れて量を高さで感じてもらいました。
・鉄球落とし:今度は量を長さにして感じてもらいました。穴が1個の面、2個の面、3個の面を触ってもらい個数が多くなると面の長さも長くなることを一緒に確認しました。鉄球は自分で力を入れて落とせることが多かったです。今獲得している動きで取り組める課題なので本人も達成感を感じ満足そうでした。

■物語
・世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ:スライドでウクライナについて説明して国の様子を紹介した短い動画を見てもらいました。本のさわりだけ読んで時間となり終了しました。
ステップバイステップに繋いだ親指のスイッチを自分で何回か押してページめくりの合図を伝えてくれました。スライドめくりの合図をしてくれました。

Sunday 27 June 2021(MH)

目と手の協応/コミュニケーション

担当:小山

■活動の様子

<姿勢>
・バギーと持参の天板。天板の厚みが厚いため、カットテーブルの高さを調整して行いました。左膝に当たらないよう注意しました。

<操作>
・新たなチェーン引き教材:骨型取手が良好で、直ぐに自発的に引く動きが出ました。後方の背もたれがあることが影響しているかも知れません。手首を屈曲させて引く様子が確認できました。

<コミュニケーション>
・VOCA(ステップバイステップ+ビックマック)
いないいないばあと、無意味音声(今回初)の二択。右手操作性向上しており、中央と右側どちらのvocaでも操作可能でした。右側の操作回数が多いものの、自由に選択できる状態になっています。そのため、今後さらに選択の精度を上げるための工夫をしたいです。

<操作>
・銀玉落とし1穴・3穴:ガイドなしで自発的に落としていました。球への定位が確実です。高さがあっても調整できていました。ガイドなしで初めてできました。
・マグニフ:直ぐに手が出ました。親指、人差し指が分化して、一粒ずつ落とす動きも出るました。本日最も目と手の協応が良好な課題でした。
・たまご:たまご型遊具。グラスプ可能。意図的リリースへの促しました。次回再トライします。

Wednesday 23 June 2021(OK)

音楽

担当:石橋

■活動の様子

 半年ぶりに2回目の訪問でしたが、前回訪問の時の動画をずっと見て下さっていたらしく、すぐに溶け込めて、有難い事でした。

まずは、いろんな打楽器を並べて、鳴らし方や音色を聞いて頂きました。

沖縄のエイサー太鼓は、叩く位置(真ん中・端っこ)や叩き方(平手で・指だけ)などの違いで、音の聴こえ方も違う話をしました。

いろいろ叩いているうち、ラテン系のリズムになって、「さらばジャマイカ」を歌い始めたら、ジャマイカ風の「小さな世界」をとの事で、レゲエ風のアレンジで「小さな世界」を。

カエルの鳴き声が出る打楽器を少し鳴らしてから、お母さんとヘルパーさんも加わって下さって、「カエルの歌」の輪唱も。

O君が「もういい。」と合図するまで続ける事にしたのですが、なかなか合図が無かったあたり、楽しんでくれたのかなと思いました。

基本は「小さな世界」を起点にして、各国の歌のエキスを含んだアレンジを展開するパターンが、やはり良いようです。

とは言え、お国柄をイメージしたアレンジがしにくい国もあり、なかなか難しい所もあります。

そこで、その国に関連する曲を歌ってみる事に。

スイスは、ヨーデルのリクエストで、とっさに「サウンドウィズミュージック」から「ひとりぼっちの羊飼い」を。

フランスは、ワルツの「ケセラセラ」。

イタリアは、「フニクリフニクラ」、そしてスペインは、「トレロカモミロ」をお母さんにリードしてもらいながら一緒に。

イギリスは、「ロンドン橋落ちた」と、
クイーンの「We will rock you」を。
O君は、最初は「おお?!」という感じでしたが、
お母さんとヘルパーさんが盛り上げて下さって、一緒にノッテいる感じでした。

歌い終わった後で、文字盤も使わずに大きな声で、
たくさん声を出してくれました。

「南の島のハメハメハ大王」も一緒に合奏合唱。

「5匹のこぶたとチャールストン」では、
お母さんが仰るには、O君が一生懸命歌詞を聴いていたそうでした。

ディズニーの白雪姫も好きらしく、
「ハイホー」も一緒に。

最後に、ピノキオの「星に願いを」を、
今回は4拍子で、フルコーラス聴いてくれました。

お母さんに、前回、O君の作ったお話を読ませて下さって感動したことをお伝えしたら、他の作品も見せて下さり、O君に一番好きな作品を聞いてみたら、声に出して読んでみてと言われて、下手なりに朗読してみました。

素敵な手作り絵本になっているのですが、これを上手な朗読で聴かせてあげられたらなと思った次第です。

Saturday 19 June 2021(FK)

音楽

石橋

■活動の様子

   今回は、お母様が沖縄の三板(さんば:3枚の板を、紐で片方だけ繋いでカスタネットのように鳴らす民族楽器)を持って待って下さっていました。乾いた木のぶつかる音が、頭にカンカンと響いて覚醒させる様な気がするので、何かに使えないでしょうかとのこと。前回エイサーの太鼓を使ったので、わざわざお手持ちの沖縄の楽器を探して下さった様でした。実はこの楽器は使ったことはあったのですが、恥ずかしながら鳴らし方をすっかり忘れていて、私自身がリズムを上手く叩き出す事が出来ませんでした。ちょっとコツのいる打楽器なのですが、K君の前にぶら下げて左手をぶつけながら叩く方法もあるかなと思ったのですが、3枚の板が適度な間隔を開けてぶら下がってないと、あのカーンという音は出ない様で、私の練習も含めて、次回までの宿題にすることにしました。せっかく探して下さったのに申し訳ないです。

さて、今度は木の蛙の打楽器を使って「蛙の歌」を、お母様も一緒に輪唱して下さいました。エリックカールさんの名前を出したら、直ぐに「本当に素晴らしい方でしたよね。」とお母様。K君も彼の絵本をたくさん読んでいたらしく、中でも一番好きな作品かもとのことで、「はらぺこあおむし」を聴いて頂きました。

次に「パプリカ」を、木の鈴を鳴らしながら。夏の陽気になってきたので、ラテンの「さらばジャマイカ」も。ここで、ギタレレを出してみました。

前回までは楽器に興味を持って貰うために、K君が自分のペースでゆっくり弦に触れて、好きに音を出して貰ったのですが、今回はK君の左手を私が持って、いろんな弦の弾き方を試してみました。
 まずは左手の親指の腹で弦を1本づつ下に弾いて行って、そのままの形で複数の弦をジャラ~ン。指の腹にかかる弦の軽い感触と、一つ一つの音をじっくり聞いている様でした。太い方から順に細い弦に変わっていく時の音の違いも、感じ取れたかなと思いました。何度も繰り返すと、ヨダレが流れ出て、お母様が「そう、おもしろいの。」「弦が好きなのね。」と拭ってくれます。
 Kくんは興味が出てきたり楽しかったりすると、ヨダレが出て来るそうなのです。今度は、K君が一番太い弦をハジき続けていても、私がフレットの上を指でずらしながら押さえていくと、ドレミファソラシドと音が変わっていきます。これは、直ぐに気が付いたようで、途中で私がフレットを押さえる位置を間違えたら、「おっ」と反応したくらいでした。
 今度は親指の腹でなく爪で弦を引っ掛けながら上にハジいて、音を出してみます。握りこぶしも下から複数の弦をすくうように、さっきと反対の動作でも音は出る事を伝えます。
 いろんな弾き方がある事を伝えて、
親指の腹で1弦ハジいた後、握った拳で残りの複数の弦を鳴らしてみます。
これを繰り返すと、ドン・チャカ、ドン・チャカ、とリズムが出てきます。
K君がヨダレを流しながら「おっ」と小さい声を出しました。

 ここで曲にチャレンジ。
前回は、私がギタレレを弾いて、K君はウィンドウチャイムでしたが、
 今回は、私が左手でフレットを持ってコードを押さえて、K君の左手に私の手を添えて、ドン・チャカ、ドン・チャカ弾きながら「南の島のハメハメハ大王」を歌いました。

何度も何度も試してみて、
チョッと厳しい体制でしたが、なんとかフルコーラス終えて「イェ~イ!」と喜んでたら、K 君は、なんと左手でフレットを触り始めました。

ドレミファと音が変わっていく時にも、私の左手が動いていたのに気が付いたのかも知れませんが、
今までは真ん中の弦を弾く所だけに焦点が当たっていた様なのに、初めて長いフレットにも興味を持った様子でした。

それを見て、お母様がK君の右手の方もギタレレの端っこにチョコンとおいてあげました。それがとても自然な感じがして、「ああ、ギターが好きなんだな。」と思いました。

 次回は、左手でフレットを押さえたり、右手でも弦を触ってもらおうかなと思いました。

最後にブルースセッションで盛り上がり、お母さんがノリノリでレスポンスを返してくれました。

けい君も、時々声を出して歌ってくれました。

NiziU の曲をリクエストされていたのですが、どれもカッコいいけどアレンジがチョッと難しく、もう少し待っていただくことにしました。

 

Sunday 6 June 2021(MM)

音楽

担当:石橋

■活動の様子

久しぶりの訪問は、初めての平日で、今回はお母さんとM君のお二人です。
急に暑くなりましたが、M君は元気そうで落ち着いた様子でした。
さっそく、いろんな打楽器を出しながら、たまたま木の蛙の背中の凸凹をスティックで下から上にこすり上げると、「ゲロゲロ」と音がしました。
「ハッ」とM君が反応したようなので、その楽器を鳴らしながら先ずは「カエルの歌」を歌うことにしました。
お母さんにも輪唱に協力して頂き、何回か歌いました。
Mくんは、私達の声が重なったり、一人だけになったりするところが不思議な様子で、じっと聞いてくれました。
次は、蛙がいっぱい出てきそうな「さんぽ」を一緒に。
先日亡くなったエリック・カールさんのお話をしたら、M君の大好きな絵本だとお母さんが持ってきて下さって、それを見ながら「はらぺこあおむし」の歌を聴いて下さいました。この歌も、M君はお気に入りだそうでした。

さて、忘れてはいけないM君のテーマ曲「ドレミの歌」を、今日はお父さんのスチールドラムがないので、少しアレンジを変えてみましたが、大事なお約束だけは変えませんでした。
いつものようにM君のウィンドウチャイムから始まって、それを合図にピアノが入り、歌い始めると、M君の表情がパッと明るくなり、嬉しそうに笑ってくれました。
 自分のパートをすっかり分っているみたいで、ワンコーラスごとに止まると、M君のウィンドウチャイムの音で次のコーラスが始まります。
その時、毎回皆が息をのんでM君の音を待つのですが、待つ間がだんだん短くなってきて、今回は、途中でも丁度良い所で鳴らしてくれました。

次はチョッとリズムを変えて「5匹のこぶたとチャールストン」、
そして、お母さんも練習中だという「パプリカ」を。

 この日は「ロックの日」という事をお話したら、先日TVでクイーンの「ボヘミアンラプソディ」をご覧になったというお母さんが、当時は趣味ではなかったけど、映画を見てすっかり見直したという話で、全く同感でした。
 そこで、前回お父さんからのリクエストでもあり、アイパッドを使って、ちょっとロックっぽい音に挑戦しました。アイパッドの音楽アプリで、ギターを出し、その中でもハードロックギターのE7にセット。お母さんが光輝君の指を持って、一緒にタッチすると、爆音でハードロック風のフレーズが。
M君はちょっとビックリしつつも、興味を持った感じでした。

そこで例のリズム、膝打ち2拍・手拍子1拍・1拍休みを、お母さんと私が繰り返しながら、M君のギターをバックにWe will rock youを歌ってみました。
お母さんも一緒に歌って下さってチョッと盛り上がりました。

その後、アコスティックギターや他のギターの音、和音と単音、ピッキングの種類など、いろいろ試してみたら、M君はアコスティックな音にも興味がありそうでした。

そうこうしている間にお母さんが、お家のアイパッドを持ってきて下さって、私のタブレットと両方でドラムを出して、初めてタブレット・セッションを体験しました。

なんだか映像楽器の可能性を感じた次第です。

Wednesday 30 June 2021(ON)

数学とスイッチの操作

担当:奥山

【活動の様子】

ONさんが大好きな数学の続きです。前回は一桁の減法の計算をするためには「分解と合成」の3つの数を頭に入れておけばいいということを学習しました。今日は、二桁の減法です。一の位を見たときに引く数よりも引かれる数の方が大きいことが生じます。それを頭の中で操作するためにはどのように「表現」すればわかりやすいかがポイントになると考えています。

引かれる数(被減数と名前がついていることを今回知りました)が二桁、減数が一桁で、被減数の一の位が減数よりも小さい場合ということです。

二桁の引かれる数を十の位と一の位に分け(手順①)、その十の位の数から引く数を引き(手順②)、その答え(差)に引かれる数の一の位を加えると答えにたどり着きます(手順③)。これをKeynoteの画面に「アニメーション」機能を使ってわかりやすく提示してONさんに納得していただくのが本日のミッションです。ONさんが納得している、していないの判断は彼の目の動きです。

結果はONさんの目がクリクリ動き、むしろ「丁寧すぎ、遅すぎ」(バリエーションの問題が多すぎ)だと非難しているように感じました。感じたことはことばにしてONさんに返しながら確かめていきます。

「早く三桁にいって欲しいってこと?」と尋ねるとONさんの目がクリッと動きました。これが次回の私の宿題です。

次にスイッチの操作。最初に手足を触って動きを確かめました。今日はシンプルタッチスイッチ2(システムデザイン・ラボ)でアクションカメラを設置した回転台を操作して「好きな方を見る」という内容。タッチスイッチと回転台の間には「カチッ」という音と振動のフィードバックを返すモジュールを挟みました。アクションカメラの映像はWi-FiでiPadの画面で見るという道具立てにしました。

タッチスイッチの先端をONさんの左手の指先に設置すると、ONさんの指が頻回に動いて目はiPadの画面をじっと見つめていました。ONさんの見て確かめたいというモチベーションにはまった様子でした。

次は、どうやったら日常的にこのシステムを使って「見たい方を見る」ことができるかということでした。ONさんに「ONさんに使ってもらうカメラは用意してあるよ。もうONって名前を書いておいたよ」と伝えると嬉しそうに笑ってくれました。

回転台は専用に作りました。タッチスイッチとフィードバックのモジュールも持っている。あとはiPadなのですが、GIGAスクール計画で先日配られたiPadは指定のアプリしか入れることができない仕様と判明。オーダーメイドできないことが大きさ制約になっていますが何か解決策を考えましょう。

ONさんがいつも学ぶ機会を作ってくれます。感謝。

Wednesday 9 June 2021(KS)

歴史の学習とスイッチの操作

担当:奥山

【活動の様子】

KSさんは以前の学習で、大名が命じて作らせた庭園について勉強しているときに「大名」ということばに頭をピクッと動かして「興味がある」と伝え、その後の学習でも「大名」という言葉が出てくると同じように伝えてくれたので、KSさんと相談して大名について勉強することに決めたのが昨年度の3学期のことでした。以前の職場の同僚の助言で「上杉鷹山」(米沢藩)を大名に関する勉強の入り口とすることにしました。

今日は久しぶりだったので復習から始めました。iPadのKeynoteの画面を見せながら「なせばなる」の格言を作ったのが上杉鷹山だと説明するとKSさんは頭をピクッと動かして「覚えている」と教えてくれました。KSさんはいろいろなことを正確に記憶していると考えています。今日のような「復習」にあたる場面でそのことがよくわかります。そして今日の上杉鷹山は彼が奨励した産業(漆の栽培の奨励)について「実は奥山も全く知らなかった」という視点で紹介しました。漆というと漆器を思い浮かべますが、実は米沢藩の漆の栽培はろうそくのためだったと皆さんは知っていますか?しかも藤沢周平が「漆の実のみのる国」という上杉鷹山の生涯を描いた小説を書いていたのです。このことは次回の勉強の時にKSさんにお伝えする予定です。

続いてシンプルタッチスイッチの操作の練習。シンプルタッチスイッチは比較的安価で使いやすいスイッチですが、センサーに触れたときにフィードバックの音や触覚がないので、自分が操作した結果が確認しにくいかもしれません。そこで3Vのリレーを使ってカチッという音と触覚を返すためだけの中間部作ってみました。そしてスイッチとKSさんの右手の親指との位置関係をiPadの画面で確認できるようにしました(アクションカメラのWi-Fi機能を使用)。数回わずかに指を動かしてスイッチを操作しました。次にアクションカメラを載せた回転台にスイッチを接続して、スイッチを操作するとカメラの向きが変わることを確かめてもらいました。

本日はここまで。皆さんとの勉強で強く感じることは、お子さんの学びを準備する経過で学ぶことが大きいことと、お子さんの学びからも学ぶことが多いという「倍々の学び」を実感するとともに、お子さんに強い感謝の気持ちを感じています。

 

 

 

Sunday 6 June 2021(SY)

目と手の協応/算数・数学/文字

担当:松本

雨の中でしたがSHJアート&学びサポートセンターに来て頂き、次々に自分から教材に手を伸ばし取り組んでくれました。体調も覚醒も良かったです。

【活動の様子】

目と手の協応

・ボコボコチェーン:最初片手だけで、引き寄せながら何度か引き、途中両手交互の動きも交えて抜ききりました。繰り返しの動きをより引き出すために、すごく長いチェーンバージョンも必要だと思いました。

・ボコボコジャバラ:引いた後に自分でジャバラを縮める練習をしました。持つ位置や力加減など高度な課題ですが所々手を添えて手伝うと自分でできる場面も増えました。良い課題なので今後も取り入れていきたいです。

60mm直径円柱差し:円柱を差す円柱を見ただけで何本入るかすぐに答えてくれました。その後円筒から横一列のはめ板に円柱を移しながら量から数への変換に取り組みました。

30mm直径円柱差し:3個穴一列、4個穴一列、5個穴一列、3個穴面、4個穴面は、提示すると指で数えることなくすぐ答えられました。8穴面を提示すると指で数えて答えてくれました。

・体積パズル:分割なし、2分割、4分割、8分割の積み木を枠の中に色々な入れ方で入れてもらった後に一個いらない問題に取り組みました。中々ピッタリハマらない時も、何回もできない時も、イライラしないで乗り越えて自分だけで解決していました。ご本人にぴったりあった課題だと感じました。次回は体積パズルに加え立体構成課題に取り組む予定です。

算数・数学

数の棒を使い以下の課題に取り組みました。

5までの数:2列の枠をそれぞれの数で使い1の棒が何個入るか自分で入れていきながら確認していきました。本当に5だったと量とと数を実感していました。

5までの数の合成:12を合わせて3214を合わせて5など数の棒で確認していきました。235は数の棒で本当に5なんだと実感できていました。

5を基準とした6から10までの数:各数の枠に5の棒と1の棒で6などを数の棒を枠にはめながら実感していました。

文字

・ひらがな字形要素スライディングブロック:提示すると始点から終点まで次々にメダルを滑らせてくれました。

・立体コピーなぞり:立体コピーを提示すると中々なぞりたい文字が決まりません。何を探しているのかな?と聞くと大好きな友だちの名前だったので探すのを手伝って、指でなぞりました。「な」の丸の部分も上手になぞれていました。立体コピーでは、字形通りなぞれているのですが、紙を上に載せて字形が透ける状態では、なぞるのが困難でした。やはり凸文字での練習は良いことを再確認しました。その後木材マーキング用太めのクレヨンで先程指でなぞった文字を途中手を支えてもらいながら一緒に書きました。「かけた!」と元気な声で伝えてくれました。

その他

・学校プリントで数字を書く時があるが上手く書けない。学習内容に集中するために、答えることと書くことを分けて練習する。代替手段として文字盤や計算機、数字シールで回答して良いのではとお伝えしました。SYくん専用テンキー文字盤を作成しようと思います。

Tuseday 1 June 2021(FKK)

音楽

担当:石橋

■活動の様子

今回は2回目の訪問。暫く間があったので覚えていてくれるかなと思いつつ、まずは始まりのご挨拶を。

前回、iPadの楽器アプリを利用して、ドラムでシンプルな8ビートを鳴らしたら興味を持ってくれた事もあり、年齢的にロックっぽい曲も聴かせたいとの事でしたので、早速リズムの話をしながらチャレンジしてみました。

私がベースドラムを2回、ヘルパーさんがKさんの手を持ってスネアドラムを1回、そして1拍休みという、例のクイーンの「We will rock you」のリズムです。

リズムに合わせて私が歌っても、今回は、あんまりKさんの反応が無い様子でした。

そこで画面を変えて別の楽器を使ってみる事に。

ところが、ストリングス(複数の弦楽器)の音に一瞬わずかに表情を変えたものの、ピアノも、ギターも、お琴にも興味がなさそうな感じでした。

今回は、途中で軽い発作もあり、体調とタイミングが合わなかったのかも知れません。

今度は本物の打楽器に触ってもらい叩き方を説明した後、エイサー太鼓をヘルパーさんと叩いてもらいながら、「5匹のこぶたとチャールストン」を。

続いて、最近91歳で亡くなった絵本作家エリック・カールさんのお話をしたら、ちょうど「はらぺこあおむし」の絵本があるとのことで、それを見ながら、「はらぺこあおむし」の歌をお聴き頂きました。

体調や気温のせいか、前回よりKさんが眠たそうな感じがしたので、静かなバラードを2曲、

「A whole new world」と「when you wish up on a star」を歌ったら、

ヘルパーさんから、両方とも知ってる曲だけど、日本語の曲をとの事で、今回初チャレンジの「パプリカ」をお聴き頂きました。ヘルパーさんが振り付けも知ってるらしく、Kさんの手を持って踊ってくれました。

賑やかな曲でしたが、馴染みのある曲とのことで楽しんで頂けたでしょうか。

Kさんにとって馴染みの曲と言えば、なんといっても嵐の曲。

続いて、嵐の「ハッピネス」を歌い始めたら、突然、隣の部屋からお母様が現れて、ビックリ。ちょっとだけ一緒に歌って、そのままKさんと力強いスキンシップをしてから、お仕事に行かれました。「娘がいやがるから。」と、あえて顔を出さなかったそうなのですが、なかなか複雑なお年頃なのかも知れません。

さてヘルパーさんのリクエストで、ノリの良い曲をとのことで、

「Stand by me」や「You are my sunshine」、それから「ブルースぞうさん」なども歌ってから、

おしまいのご挨拶。

今回のKさんは、だいたい横を向いているか目を閉じていたのですが、最後は正面を見てくれました。

何か言いたそうな感じがしたのですが、残念ながら読み取る事が出来ず、せめてもと、透き通った美しい彼女の手を取って、お礼を言いました。

ヘルパーさんによると、火曜日は「嵐祭」で、ずっと1日中、嵐のCDをかけている「嵐の歌の嵐」だそうです。そう言いながら、CDを聴かせてくださいました。

イントロからカッコいいリズムで、かなり凝ったアレンジの上、超一流のミュージシャンがサポートしている様子。

次回は、嵐の「嵐」をリクエスト頂きました。

これを一人でどう演奏するか難問ですが、Kさんに楽しんで頂けるようにガンバリマ~ス!