音楽
担当:石橋
■活動の様子
今回は初めて病院での「学び」タイムとなりました。しかも久しぶりの対面とあっていくらか緊張はありましたが、思ったより元気そうなKさんの顔を見て安心しました。明るい個室に病院のスタッフの方達も参加して下さり、ちょうど良い機会なので今までKさんと一緒に作った作品を聴いていただきました。
まずは「僕の大好きなクラリネット」の替え歌で、Kさんの作った「俺の大好きシリーズ・1~12」の初公開です。もともと学校の音楽の授業で始めた替え歌作りだったそうですが、Kさんの興味関心を刺激したようで、いつの間にか12番まで増えました。初めはメロディーに忠実に字数も合わせていたのですが、だんだん字余りの長いフレーズをはめ込んでいくようになり、おかげで歌う時にうっかりワナ(?)にハマってしまうこともシバシバ💦
今回も途中でやり直したり、むりやり言葉を入れようとしてメロディーが変わったりと、なかなかスリルのある演奏になりましたが、いつものことだというように、Kさんはニヤニヤと私のドタバタを面白がっているようでした。
スタッフの方達も大長編にびっくりしながらも、一緒に掛け声や打楽器で賑やかに盛り上げて下さいました。Kさんもだんだんいつもの調子が出てきたようなので、続けて山手線の駅名を繋げていく「鉄道唱歌」の替え歌を歌うことにしました。すると、ちょうど担当医の先生がいらして、なんと一緒に打楽器を持って歌って下さいました。山手線は環状線なので、歌も途中下車するまで何度もグルグルと回ります。しかも歌はだんだん早くなったり遅くなったり。スピードが上がると、独特のスリルがあります。
そしてここでも、数年前に新しく加わった「高輪ゲートウェイ」という長い駅名が歌を悩ませます。というのも、「東京」や「渋谷」「新宿」のように、1小節の中で2拍くらいの短いフレーズに詰め込まなければならないので、なかなか大変な場面があるのです。
1周してすぐに気が付いた先生は、だんだん駅名が近づいてくると、「そろそろ来るぞ、来るぞ!」と声に出して待ち構えてくれて、「ほら来た!」「タカナワゲートウェイ!」とバッチリ早口で一緒に歌って下さいました。おかげで一同大興奮! 調子に乗ってスピードを上げながら何度も歌いました。
盛り上がりすぎて先生もお疲れになったかもしれませんが、Kさんも興奮しすぎて打楽器を何度か飛ばしつつも楽しんでくれたようでした。
先生が次のお仕事に戻られた後、今度はスタッフの方達にも、Kさんの創作童話「青いカプセル」の紙芝居を観ていただくことにしました。今回ご同行下さったSHJの代表・松本さんが読んで下さったので、私がBGMを所々入れながら、最後にテーマ曲を一緒に歌いました。観て下さった職員の方が感心しながら、「素敵なお話ですね。仕事がしんどくなったら、このお話を思い出すことにしよう。」とKさんに話していました。Kさんの作ったお話の素晴らしさを伝えられて嬉しかったです。
さて、いよいよKさんお待ちかねのコーナー「小さな世界~ジングルベル」のエンドレス・ループの時間です。「小さな世界」と「ジングルベル」のサビを繋げて繰り返し演奏するという、KさんとKさんのお母様から教えていただいた構成です。この2曲はKさんが大好きな曲で、繋げても違和感がなく自然に歌が流れていき、楽しさと高揚感が溢れてきます。季節は少し早いものの、スタッフの皆さんも違和感のない流れに驚かれていました。ひさしぶりにたっぷりと歌うと、Kさんもウキウキと嬉しそうな様子でした。
最後はお母様の応援歌として「Smile」をゆっくり一緒に歌って、おしまい。Kさんはずっと打楽器を鳴らしながらノッてくれたので疲れたかもしれませんが、「ありがとう。元気でね、またね。」と言うと、真面目な顔でジッと目を見てくれました。一瞬大人っぽくなったKさんに驚きつつ、満足そうな表情が見えて良かったと思いました。