Saturday 12 Sep. 2026 HT

音楽

担当:石橋

■活動の様子:
今回も伺ってすぐTさんのテーマ曲をリクエストされ、さっそく私は生ピアノの前に座りました。でも肝心のTさんがお母さんの膝の上から離れずに、どうしても何かお母さんに伝えたい事がある様子でした。時間をかけてお母さんがアレコレ聞いてみたものの、結局何が言いたいのか分からずじまいだったようでした。
内容が少し複雑になると、どうしても伝わりにくいのでお互いに残念な思いが隠せません。

それでも、なんとか電気ピアノの前に座ってくれたので、「ハロードーリー」を弾き始めました。初めは聞いているだけでしたが、何度か繰り返しているうちにTさんの指が鍵盤に触れる音が聞こえてきました。Tさんはオルガンの伸びる音で、いつものように私の出す音に合う音を探し始めました。

途中で、前回発見した右手返しの弾き方で連続して単音がたくさん出た時もあり、覚えていたのかなと嬉しくなりました。いつの間にか、お母様も小さい鉄琴やミニピアノを出してきて参加して下さいました。

少しずつTさんの出す音が私達の音と重なるようになってきたので、更にTさんの好きなサッチモの他の曲も、続けて何曲か弾いてみました。そのうちTさんは途中で弾くのを止めて、お母様が鉄琴を叩く様子をジッと見ていました。

だんだん目が細くなってユラユラしてきたので、お母様が、「少し休む?」とTさんを椅子から降ろして下さいました。少し疲れているかもしれないとのことで、Tさんはカーペットの上で横になりました。

何か歌って欲しいとリクエストがあり、クリスマスバラードを何曲か歌いました。
Tさんはウトウトとしていた様子でしたが、お母様が突然ミニピアノで何かを弾き始めたら、急に起き上がって嬉しい時のフリフリダンス。よほどお気に入りの曲みたいで驚いたら、お母様が動画を見せてくれました。アメリカの子ども番組のテーマソングで、シンプルなラテンっぽいリズムに合わせてアニメのキャラクター達が踊りながら歌っていました。
リズムがしっかりしていてメロディも覚えやすいカッコいい曲だなと思いました。
Tさんはこんな曲も好きなんだなと嬉しくなりました。

その曲を聞いているうちに、お母様が今度は折り畳み式のデジタルピアノを持ってきてカーペットの上に広げてくださいました。

実はこのロールピアノは、長い鍵盤をコンパクトに丸めて外に持っていける所は良いなと思ったのですが、弾いてみると鍵盤の表面がグニャッと柔らかくて音を出すには力もいるし、メロディーはともかくとして、リズムやテンポを出すのには向かない楽器だと思っていました。でもお母様によると、カーペットの上に直接広げられるし、Tさんのヨダレが落ちても浸み込む隙間がないので安心とのこと。
そういえば前に、Tさんのヨダレが大量に鍵盤の隙間から浸みこんで電気ピアノを壊してしまったことがありました。なるほど確かに!と思っていたら、横になって休んでいたTさんが突然、なんとロールピアノをガーンと蹴飛ばしたのです。ビックリして、ピアノが邪魔なら早くどかした方が良いかなと思ったのですが、どうもそうではなさそうで、Tさんは勢い付けて片足で同じ音をタン・タン・タン・タンと弾き(蹴り?)始めました。しかもテンポが一定で、まるでリズムが正確に刻まれていく感じがしました。

偶然なのかTさんが足でリズムを作っている事に驚いていると、今度はその足を横に動かしながらいろんな音を出していきました。なんと、寝たままでピアノを足で弾く(蹴る?)事が出来るなんて、考えもしなかった展開に、Tさんとロールピアノの出会いに驚嘆しました。

実は初めはお行儀が悪いのではと思いましたが、「エレクトーンとパイプオルガンも足で鍵盤を押すから、これもアリ!」というお母様の言葉を伺い、なるほどと納得。Tさんとお母様の理解し合う太い絆が見えた様で、これまた感動した次第です。なにより、Tさんのリズム感がかなり良い事が分かり驚きました。でも、これはこれで体力を使う奏法の様でした。

最後にもう一度電気ピアノの前に座ってくれたので、ブルースを弾いてみたのですが今一つノッてこなかったので、Smileを弾いたら、Tさんはオルガンの音で見事に合う音を見つけて鳴らしてくれました。Tさんも満足した様子でした。やはりこのスタイルが今のところ一番落ち着くようでした。恒例の「今日、楽しかったヒト~?」とお母様が手を上げると、それに合わせる様にTさんも右手を上げてくれました。新しい音の出し方を発見して、私も楽しかったです。