Saturday 19 Oct 2024 MM

音楽

担当:石橋

■活動の様子

久しぶりにお会いしたMさんとご両親でしたが、変わりなくお元気で明るく迎えていただき嬉しかったです。Mさんは少し体が大きくなったような気がしましたが覚えていてくれたようで安心しました。

何より驚いたのは、御家族でお出かけした先で楽器展覧会に遭遇し、電気ピアノを購入されたとのこと。早速いつもの持ち込みミニピアノの代わりに有難く使わせていただきました。いろいろな機能が付いていて使いこなすのが大変そうですが、Mさんの好きな「アンパンマン」の模範演奏もあるとのことで、Mさんは興味津々で聴いているそうでした。

お父様の操作でリズム付きの模範演奏「星に願いを」を、JAZZ風4ビートで出して下さったので、カラオケがわりに歌ってみました。他にも、内蔵指定曲ならタイミングさえ合わせれば、鍵盤の何処を押してもその曲のメロディが奏でられるというシステムなどもあり、思わず「スゴ~イ!」と一緒に盛り上がってしまいました。ただテンポやリズムを合わせるのが難しそうなので、Mさんの興味に合わせて少しづつ活かせていければ良いなと思います。

まずは基本的なピアノとして使わせて頂くことにしました。Mさんのお気に入りの一つ「おもちゃのチャチャチャ」を弾き出したら、それまで大人達の話を不思議そうに聴いていたMさんの顔がパッと明るくなりニコニコ顔に。
続いて「南の国のハメハメハ大王」「五匹のこぶたとチャールストン」「Whole new world」なども続けて聴いていただきました。

ご両親が、ずっとMさんを見ながら打楽器を鳴らして下さったので、Mさんもニコニコと楽しそうでした。そこで、前にMさんが一緒に歌うように声を出してくれたことがある曲を思い出して、お父様とお母様のご協力を得て、ブルースのコール&レスポンスをやってみました。後半に、チョッと難しいフレーズを入れてもチャンと返して下さったご両親にはビックリしましたが、Mさんは一緒に声は出なかったものの、大きな目を益々大きく開けて、ご両親が歌っているところを見ながら、時々体を動かしていました。

調子に乗ってさらに同じような曲調の「 Alright, Okay, You Win」なども歌ってみましたが、ご両親が積極的に掛け合いで歌って下さったので、初めて聴くMさんも「この曲はなあに?」と言うように、耳を澄ませてしっかり聴いてくれている様子でした。

ところでMさんの得意な楽器はウインドウチャイムですが、今回は、いきなりMさんの大好きな「ドレミの歌」のイントロを弾いてみたら、「あれ?」と言う表情。でも歌が始まると、「あ、やっぱりあの歌だ!」と言う風にパッと顔が明るくなりました。実はこの曲は、まず最初にMさんにチャイムを鳴らしてもらってから、その合図でピアノのイントロが入り、続けてみんなで歌う、というアレンジで何度も練習して、Mさんがだんだんチャイムを鳴らせるようになった経緯がありました。Mさんのテーマ曲として大事な曲なので、久しぶりにウィンドウチャイムを車椅子にセットしていただいて、もう一度、歌ってみることにしました。
Mさんの身体が大きくなった分、腕が伸びてチャイムの位置が鳴らしにくいかもと思ったのですが、
自分でちゃんと腕の移動コースを考えて動かしている様でした。鳴らし方も、腕を振り下ろす時と上げる時の両方を、ちゃんと覚えていたようでした。
Mさんが鳴らすのを皆で待つ時間も短くなっていて、曲中でもタイミングよく鳴らしてくれるところもありました。久しぶりなのに、曲の構成や楽器の扱い方も覚えていてくれたようで嬉しくなりました。

さて次に、Mさんの大好きな「はらぺこあおむし」を歌い始めて、ふと、この曲の途中で何度かメロディが展開する前に音が少なくなるブリッジ的な部分があるので、そこにチャイムを入れられないかなと思いました。Mさんが、前よりもずっと早く上手にチャイムを鳴らせるようになっていたことと、この曲の展開する繋ぎの部分を覚えているようだったので、もしかしてと、急にひらめいた次第です。試しに場面転換の部分で、ピアノを少なく鳴らしながら、同じフレーズを繰り返して弾いている間にMさんにチャイムを鳴らしてくれるようにお願いしてみたら、初めは「え? 鳴らしていいの?」という感じでしたが、Mさんのチャイムの後で次の展開に移っていくと、明らかに表情が変わって来て、だんだんこちらの意図が伝わってきたようでした。

3回目には、チャイムを入れる場所もだいたい分かってきた様子で、これには驚きました。イントロの合図として頭にチャイムを入れるだけよりも、一緒に曲を演奏している感じがますます出てきたからです。「はらぺこあおむし」の曲をMさんのチャイムと合奏をしている様な形になってきました。

Mさんとしては、今まで聴くのが大好きな曲だったのに、あれこれ考えながら演奏に参加するというのは、どんな感じなんだろうと思いましたが、めんどくさがるようでもなく、鳴らした後の曲の展開を楽しんでいる様子だったので嬉しかったです。Mさんのチャイムの使い方が進化していくようで、これからますます楽しみです。