Thursday 10 August 2023 ON

最新音楽情報

数学「分数」

SENSIM

 

担当:奧山

【活動の様子】

4ヶ月ぶりの学びサポートでした。

最初に最新音楽情報。Apple Music Top 100 Japanでは4月以降ずっとYOASOBIの「アイドル」が1位なのですが、10位圏内にNewJeansの楽曲が2つ入っていることを伝えました。お隣の国韓国のApple Musicのチャートを見ると、Top 10のうちNewJeansの楽曲が6つと最強であることをお伝えしました。また、アニメ「パワーパフガールズ」とのコラボで世界的にも話題を沸き起こしていることお伝えしてPVを見ました。

奧山が大学生から聞いた話で、数日前に行われたストリートファイター6の世界大会予選で全盲の選手が勝ち進んだことがネットで話題になり、実は多様なアクセシブルモードを備えたゲームが既に多く発売されていることや、「鉄拳」という格闘ゲームのプロデューサーが「ワンスイッチモード」を開発中だと話していたことをお伝えしました。

ゲーム開発の世界では「アクセシビリティ」がもはや常識となりつつあり、私たちの国の学校教育はますます引き離されていることを感じています。

次にONさんお待ちかねの数学は分数の続きになります。前回は分数の加法減法を行うためには「倍数」「約数」「通分」について学ぶ必要があるところまで学習していました。それから4ヶ月経っていたのですが、今回は「さっさと先に行こうよ」という表情が読み取れなかったので、ひととおりの説明をした後にONさんに「このまま進んでいいか」「ちょっと前に戻った方がいいか」と選択肢を提示して尋ねると「ちょっと前に戻って欲しい」という答えでした。このことでONさんがご自身の中で緻密に組み立てようとしていることを感じました。いつもでしたら、バリエーションを提示した繰り返しの説明や計算については「先に進んで欲しい」と目で訴えるのに、緻密な組み立てのパーツが足りないと感じるとそのことを伝えてくれようとするのだということを強く感じました。

 次回は「倍数」「約数」「通分」(「約分」)の復習を丁寧にしてから加法に取り組んでみる予定です。

最後にSENSIMに取り組みました。今日はPPSスイッチで電車のブレーキのみを操作していただきました(電車が停車したらP3の位置に接続したスイッチを操作してブレーキを解除するのが奧山の役目)。すると、やはり!停車位置に止めることができたONさん。久しぶりにぴったり止まったのが嬉しかった様子で(規定位置に停車するとドアが開閉します)、2回目は小刻みにブレーキをかけて規定位置の停車を狙っていました。

 

Wednesday 19 July 2023 OK

音楽

担当:石橋

■活動の様子

 K君のリクエストで、今回はハチ公バスの替え歌を作りました。前々回の続きです。
 例の「僕の大好きなクラリネット?」の替え歌シリーズですが、前回までに9番まで作ったので、一度おさらいで歌ってみました。所々字余りで歌いきれない箇所があると、K君は嬉しそうにニコニコ・ニヤニヤします。私はハラハラしながら早口で何とかメロディに載せて歌えると「セーフ」の意味を込めて、歌の最後に大声で「ヘイ!」と合いの手を入れます。そのやり取りが楽しい替え歌シリーズでもあるのだと思います。

 難しいところを何とかクリアしながら、もう一度歌ってみて、この中で一番気に入っているのはどれかK君に聞いてみました。どうもそれぞれ気に入っていて決めるのも難しいようでしたが、私は「オレの大好きな豪華客船」の中の「今日のキャプテン、オレ、K!」のところで、毎回K君が自分を指さして得意そうに笑うのが気に入っています。それを伝えると、K君も「それ」とのことでした

 さて今回の歌詞は「オレの大好きなハチ公バス」ですが、ハチ公バスのコースが4つあるので、4コースを一つずつ作ることになっていました。最初の青いバスのルートは前々回に一緒に作ったのですが、その後、赤いバスとオレンジ色のバスの替え歌をK君とヘルパーさんとお母様達で作ってくれたとのことでした。それで、4コース目の最後のバスについて一緒に作詞する訳ですが、実は、また同じオレンジ色のバスなのです。これには理由があるそうで、つまり、コースは4つあるけど、色は3色で3社のバス会社が提携しているということのようでした。そして、なぜかこのバスだけ「ハチ公バス」なのに渋谷駅に止まらないのだそうです。それを、歌の中にK君の入れたい停留所の名前を入れながら説明するといった難題でした。

 前にK君の創った「赤いカプセル」の動画の主題歌の歌詞を考えた時の様に、K君とお母様とヘルパーさんと私の4人で、あーでもない、こーでもないと言葉を出し合って、それを私が歌ってみてK君がジャッジするのですが、これがなかなか楽しくもハードな時間なのです。だんだん白熱してきて、いよいよ時間切れかと思った時に、前回同様、するっと最後の言葉が出てきました。K君も、「それ!」と認めてくれて、みんなで「バンザ~イ!」「ヤッタ~!」と大盛り上がりでした。

 最後に続けて歌ってみると、ハチ公バスシリーズも、なかなか面白い作品になりました。少し疲れ気味だったK君も、この時ばかりは満足気な様子でした。

Tuesday 11 July 2023 FKK

音楽

担当:石橋

■活動の様子

 Kさんは暑さのせいか朝まで起きてたらしく、早朝は目がランランだったそうなのですが、少し前に医療関係の方がいらしている時からずっと眠っているそうでした。ヘルパーさんが、わざわざ車椅子に移して下さったのですが、やはり熟睡状態でした。

 後半になって少し目が空いたので、前回、Kさんがニッコリと笑ってくれた曲達を静かに弾き始めました。まだ眠いからかもしれませんが、今回はあまり反応が無い様子だったので、Kホイッスルもやってみようかなとヘルパーさんに伺ったら、なんと「それは、見たことがない」とのこと。
どこかにしまって下さったようでした。一緒に探して下さって、やっと見つけたのですが、握るのをいろいろ試してみたけれど、同じサイズのプラスティック・チューブでも、やはり手に持って握るのは難しそうでした。もう少し小振りの細長いプラスティックのチューブがあれば良いのかもしれませんが、既製品ではそうもいきません。それだけでなく、ある程度勢いをつけて空気を送らないと音は出にくいので、手の関節の動かし方からして、やはりそもそもが無理だったのではないかと、振り出しに戻るような話も出ました。
 一緒に握ってピュっと音が出ると、パッと目を開けて一瞬楽しそうな顔をしてくれるのですが、やはり自分で音を出すのは難しそうです。Kさんが小さい頃はミニピアノに触って楽しんでいたから、またやってみたらと言われて、なるほど、それもアリかなと思いました。

 結局、Kさんは最後まで、あまり大きな反応はないままお休みモードでしたが、次回は別の新しい音を探してみようかなと思います。

Saturday 15 July 2023 FK

目と手の協応/文字

担当:松本

■活動の様子 ・目と手の協応:ステップバイステップを押して、挨拶をし学習をスタートしました。スイッチを押すまでの時間が短く、前回よりもさらに手の動きが戻った印象を受けました。ボコボコチェーンからスタート。右手につけて、手首を動かしチェーンを引く方法と、肘を引いてチェーンを引っ張る方法の二つのやり方でチェーンを抜いていました。肘の引き方が意図的で、運動のコントロールがさらに進んだ印象を受けました。ボコボコチェーンリングは、両手を使い取り組みました。リングの握り方がとても良かったのですが、チェーンを抜き切るまでに至らなかったのです。使い慣れたボコボコチェーンミニに変えると、両手を動かして抜いていました。スライディングブロックもこちらがじっくり待つと自分で滑らす動きが出ました。特に操作手と逆の手を握ると、支点ができるようで動かしやすかったようです。上下左右行いました。 

 

・凸文字なぞり:どの行を練習するか順番に聞いていくと「さ行」で口を動かしてくれたので、「凸文字→手のひらに書く→ブギーボードにペンでかく」の手順で練習していきました。手元をよく見る様子はあったのですが、手の動きは明確でなかったために、さ行が終わった後にiPadで指先で単語なぞりを行いました。いつも以上に、画面をよく見て、指先の動きも凸文字なぞりの時よりもよく出ていました。

・音楽情報:奥山支援員から頂いた最新音楽情報を最後に見て終わりました。こちらもよく注目して、音楽が始まると両手を動かしていました。

Saturday 15 July 2023 OK

目と手の協応/算数・数学

担当:松本

■活動の様子

・目と手の協応:ボコボコチェーンからスタート。左右の手で引き抜いていました。次に、ボコボコチェーンミニリング。電車好きK君に、つり革に似てるねと伝えるとやる気UP。最初に左手にリングを握ってもらいチェーンの先端を右手で見つけて引き抜くように提示すると、手探りでチェーン先の輪を見つけ引き抜きました。反対の手でも同じように取り組み、笑顔が出ていました。

・分数:最初に、前回の復習に取り組みました。分母分子のいみを、分母は分けた数、分子はいくつ取ってくるかの個数として正方形の板を分割したもので確認した後に、分母分子が同じ数の時には1になることや、二つの分数について分母が同じ時には、分子、取ってくる個数が多い方が大きくなること、分子が同じ時には、分子(分けた数)が大きいほど小さくなることを板を重ねて大小を確認しました。不等号の復習もして、記号の使い方も定着していることがわかりました。分母分子が異なる場合は、1/2と2/3の大小を予測して、板で比べて結論を導きました。しかし、大きな数の時にはこの方法では難しいので、そのためには、掛け算の知識が必要であることを伝え、次の掛け算の学習につなげました。

・掛け算:九の段を、文字盤版で指差しした後に、iPadにApple pencilでGoodnote5に書いて覚えました。式の上にも読み方を書きました。介助しながらでしたが、自分の動き書いていました。

Saturday 1 July 2023 MH

コミュニケーション/操作

■活動の様子

・遊具・教材(目的):子どもの様子

・VOCAステップバイステップ(あいさつ):「日直さんお願いします」とVOCAを提示すると笑顔が出ました。

・VOCAミニマック「だるまさん」イラスト(VOCAの1/2選択):初めにVOCA1台にてスイッチを押せました。。絵本をめくるタイミングに合っていました。次に無音のVOCAを加えた2台にて選択。前回に比べ、無音VOCAでの感覚的遊びは少なかったです。右手にて正中線を交差して左方の「だるまさん」を選択し続けていました。選択は、これまでで最も明確でした。

・コミュニケーションカード、パペット、ミニフード(写真カードによるコミュニケーション、見たて遊び、注意喚起、):写真を2枚提示するとすぐに一方にリーチ。写真に触れると同時にミニフードを提示しました。因果関係理解は不明でした。好物のバナナから始めたためか、即時に口に入れようとしていました。歯の生え替わり時期。しまうまが寝る→トントンとたたいて起こすと、模倣しました。

・スイッチ+扇風機(因果関係理解):スイッチ提示とほぼ同時に操作にてON。風が強くなると戸惑う様子でしたが、

 意図的なOFFはなかったです。父にも風を送っていました。

・木製リング付きチェーン(両手による操作):本日は右手でリングを握ろうとする動きが出ました。チェーンを引く動きに対して把持し続けることは難しかったですが肘の動きで引ききることが向上していました。

・木製リング大・中(つかむ、握る):上記の教材で握る意欲向上したため、他教材のリングを提示しました。右手親指と人差し指にてつまんでから握ることができました。

・きのこ抜き3コ(握る・握って抜く意図的リリース):きのこへのリーチは速かったです。穴が深いため、引き抜くことは大人が調整することで向上しました。。缶を近づけるとリリースできました。

・きのこ取り3コをブラックボード小・大に提示(スキャニング斜面についた物へのリーチと把持):きのこをブラックボード小に3つ貼ると、右方から取ろうとして落ちました。ボード大は、中央、右方にリリースしました。左方は残りましたが、白いリングを左方に示し、注意を向けることで気付きました。

・方向性のあるピンポンスイッチ(縦方向の連続した操作肘の動きを促す):肘を後方に下げる動きを他動的に繰り返すウォーミングUP。中央付近の立体にガイドすると引く動きが出て、最後は肘を動かしてON。

・銀玉落とし・3穴(連続操作・空間認知):横置き:玉に定位↑、右から2穴落とした後しばらく穴を触りました。待つと3玉落とせました。垂直置き:中央、上部の玉は右手で落としました。下部は触れないので、横置きにして玉に触れたタイミングで立てると、落とす動きが出ました。

・アンパンマン手袋(発声促進):アンパンマンキャラのOFFで「おーい」とモデルを示して待つと、/ハー/と呼気に近い声が出ました。繰り返すとわずかに音量がアップしました。

・VOCA(あいさつ):終了のあいさつを録音すると、期待して笑顔になりました。

Saturday 1 July 2023 TS

コミュニケーション/操作

■活動の様子

・遊具・教材(目的):子どもの様子

・VOCA①Step-by-Step(あいさつ):「日直さんお願いします」のVOCA提示とほぼ同時に操作できました。

・VOCA②チャットBOX3キーに赤、青、黄色のシール「赤を引いて」と録音*前回に引き続き2回目(VOCAによるゲームへの参加):前回のゲームを覚えているようですぐにVOCAにリーチ。人差し指でのポイントが正確になっていましたが、その際に小指のつけ根部分が他のキーに当たり、誤作動になることが度々ありました。キー位置の工夫で改善したいと思います。試行の途中で父が来室すると、興奮して緊張し顔が紅潮していました。

・持ち手リング付きチェーン引き(両手をつかった目的的操作):ガイドでリングをつかみましたが、把持は持続せず、腕を通すことで固定してチェーンを抜こうとしていました。情動の動きが大きく、運動の調整に苦労している様子でした。

・汗が出て顔が紅潮しているため、休憩

・スイッチ+扇風機(クールダウン):運動の負荷の少ないスイッチにて、扇風機ONを自分でして涼みました。

・ヤクルト型立体抜き短軸(方向性のある操作):ヤクルト状立体にリーチしましたが、手を開くためにやや時間がかかりました。把持の後に引き抜くことができました。大人が棒の位置を調整することにより戻し入れることができました。

・ひらがなチップ(ひらがなの理解「さ」「の」「と」):「さ」と「の」でセガンの2段階提示。チップは左右、上下に提示。「さ」はほぼ+。「の」は+-。「と」と「の」でセガンの2段階提示。「と、の」いずれも+-。

・新50音ボード*チャットBOXキーと同サイズ(50音ボード操作 評価・紙でカバーをして一行ずつ):「さ はどこ?」の質問に、「さ」の近くを指さす。「と」の近くを指させました。

・3本の溝板(方向性のある操作):方向への円盤の移動2試行は+、3試行目はやや苦労していました。

・凸文字なぞり*名前の文字(書字の準備、書字の経験):自ら人差し指を出して意欲をみせました。ガイドにて実施しました。

 1文字ずつ文字なぞり→大人の手のひらに→ブギーボードに

・ブギーボード(書字の経験):ガイドにて実施。小さな動きは左手屈曲位にて行う方が調整良好でした。

Wednesday 28 June 2023 OK

音楽

担当:石橋

■活動の様子
 しばらく替え歌作りが続いていましたが、今回のリクエストは、声を出したいとのこと。それで、今まであまりやったことのないブルースのコール&レスポンスをやってみました。
 K君の大好きな「小さな世界」には、あまり出てこないブルースの響きですが、
きれいに澄んだ「三つの和音」の上に、さらに一つ「セブンス」の少し不穏な音を乗せて、延々と12小節を繰り返します。初めは、不思議そうな顔をしていましたが、お母様やヘルパーさんがニコニコと歌い返してくれるのを聴いて、K君も少し慣れてきたようでした。途中から声を出し始めて、「そうそう、イイ感じ!」というと、目が合ってニコッと笑ってくれました。

 ヘルパーさんが、「ブルースは、アフリカからアメリカに連れて来られた黒人達の作った音楽ですよね。」と説明して下さったので、私も「JAZZやロックだけでなく、ポップスも含めてルーツになる音楽で、ブルースがなかったらサッチモもビートルズも生まれてなかったかも。」と話しました。
 K君はブルースも、そんなに嫌いではなさそうな感じでしたが、やはり基本はスッキリと澄んだ三和音の曲が好みのようです。今度は、すっきりと3和音でリズミカルな夏向きラテン系の「さらばジャマイカ」を歌ってみました。ジャマイカについても、ヘルパーさんが「カリブ海の島で、白人とのいろいろな歴史がありますよね。」と説明して下さったので、音楽的には響きはシンプルな3和音なのだけれど、リズムがユニークなものが多く、特にレゲエは独特のノリがある話をしました。

 カントリーミュージックも時々聴くとのことでしたので、「Country road」を歌おうとしたら、「You are my sunshine」の方が良いとのこと。タイトルの歌詞が付いたメロディのところでは、何度か繰り返して歌いました。メロディーは聞き覚えがあるようで、K君はいきなりシェーカーを鳴らしてくれました。声も出そうとしていたのですが、今一つ。後で、歌詞よりも「ラララ~」で歌った方が良かったかなと思いました。
 「線路は続くよ何処までも」では、途中でお母様と一緒に「ぽっぽ~!」と汽笛の声を出してくれました。そして、いつもの「小さな世界~ジングルベル」を。
K君にとっては、やはりこの組み合わせが最強最愛のようでした。 

 最後に、リクエストの「大きなかぶ」の替え歌で、お母様がリードして歌って下さいました。お爺さんの代わりに「K君がまいたカブの種から大きなカブが出来ました~」で始まり、「それを引っ張る」縫いぐるみや編みぐるみの仲間達が次々と現れました。Kくんは毎回、文字盤を使ってベッドサイドにいる人形たちの中から一人ずつ名前を挙げて選んでいくと、ヘルパーさんが拾い上げて順番に並べてくれます。その間、私はピアノを弾きながら待機。そしてみんなで一緒に「よ~いしょ、よいしょ、よ~いしょ。大きなカブは(K君の合図で)抜けません。」となり、間奏後また頭に戻ります。
 最終的に10人以上だったか順番が覚えきれないほどでしたが、ついに「大きなカブは~抜けま~した!」となり、K君もみんなも、とっても楽しそうでした。「めでたし、めでたし」。

Saturday 24 June 2023 MM

音楽

担当:石橋

■活動内容
 実は今回、あろうことかM君の大事な楽器ウィンドウチャイムを持ってくるのを、うっかり忘れてしまいました。するとお母様とお父様が、すぐその場で形状が似ているお洒落なドアチャイムと真ん丸のオルゴールボールを合わせて、即席の素敵なチャイムを作って下さいました。いつもの重い金属の、輪郭のハッキリしたキラキラ音とは違うけれど、可愛らしい優しいキラキラ音がしました。ご両親の機転の利いた対応には驚きつつ、感謝しました。
 
 さて、ウィンドウチャイムは前回からK君が演奏を始める合図として全ての曲に定着させようと、まず初めに練習として一度歌を聴いていただいてから、「では本番。始まりのチャイムをお願いします。」という進め方をしましたが、今回も同じ進め方をしました。
 お馴染みのM君の好きな曲ばかりでしたが、M君のチャイムでイントロが始まると、嬉しそうに首をお母様の方に向けたり、お父様の方に向けたりしながら笑ってくれました。
 今回は曲の中でいっぱい声も出してくれて、まるで一緒に歌っているような時もありました。曲中でも、ちょうど良い所でチャイムの音を入れてくれたり、右手だけでなく左手でもチャイムを触ろうとしていた時もありました。いつもより吸引の回数が多く、1回の処置も長いようでしたが、喉を使ったからか奥の方までよく取れるとお母様が仰っていました。

 そもそもMくんのチャイムで始まり、お父様のスチールドラム入りの曲を増やそうと始まったことでしたが、前回はお父様には申し訳なかったのですが、まずはM君に新しいルールを覚えてもらうことに専念して、スチールドラムを使いませんでした。今回はM君も慣れてきたようなので、お父様のミニ・スチールドラム付きで「大きなクリの木の下で」を合奏することにしました。
 といっても、この曲をお父様と演奏するのは、初回の楽譜作りの時も含めて3度目で、しかもいきなりのリクエストにもかかわらず、お父様は少し練習しただけで見事に演奏して下さいました。M君も、他の曲同様に最初にウィンドウチャイムを入れてくれて、その後お母様に手を取られて「大きなクリの~」と一緒に振り付けをしながら、嬉しそうに笑っていました。だんだん「M君のウィンドウチャイム始まり」が定着しつつあるようです。
 そのきっかけとなった「ドレミの歌」も演奏してみると、M君のウィンドウチャイムで始まり、お父様のスチールドラムと、お母様の間奏のコーラスもバッチリでした。この時のM君の嬉しそうな顔を、他の曲でも見えるようになってきて嬉しい限りです。

 前回、Mくんが不思議そうにお母様のお顔を見ていた「Stand by me」 も演奏してみましたが、今回はニコニコと自然に聴いてくれていました。お母様の可憐な声とお父様のノリの良いパーカッションが、Mくんも心地よかったのかもしれません。

 帰り際に、M君が福祉施設で働きだしたことを知って、お母様から動画を見せていただいたのですが、なんと右手でポンと筒を叩くと、するっとお箸やお醬油などが落ちてきてパッキングされる仕組みで、梱包する機械をM君が動かしているのを見て、感動しました。ウインドウチャイムを鳴らす時の腕の動きも活かされていたようで、驚きと大きな喜びが込み上げてきました。M君が立派に「仕事」をこなしているのを見て、まるで我が子の成長を見るように感慨深いものがありました。

Wednesday 21 June 2023 FKK

音楽

担当:石橋

■活動の様子
 Kさんは朝から何度か発作があったそうで、前半は深い眠りに入ったまま、ほとんど目を閉じていました。
 今回はBGMに「嵐」ではなく「ヘイセイジャンプ」がかかっていましたが、同じジャニーズでも歌や踊りのタイプが違い、其々ヘルパーさんの「推し」によって、いろんな曲をかけているそうです。そのせいか、前は興味も示さなかったジャンルの音楽も聴くようになってきたとのことで、もしかしたら Kさんの好みも少しずつ変わってきているかもしれないとのことでした。いろいろな音楽を聴くことで刺激にもなり、世界が広がれば良いなと思います。

 さて、なかなかKさんが起きそうにもないので、またベッドサイドで、子守歌がわりに「カントリーロード」や「夏の思い出」をゆったり歌ってみました。続いて「浜辺の歌」を歌い始めたら、突然目がパッチリと開きました。

 あらためて「おはよう」のご挨拶をしたら、ニッコリと笑ってくれました。ヘルパーさんから、早速「ねえ、Kちゃん、たまにはオリジナルを聴いてみたいよね」と求められたので、10代の時に初めて作ったラブソングを歌ってみたら、ニコニコと興味を示してくれたようでした。ヘルパーさんの「お年頃のKちゃんにぴったりかも」ということでしたので、続いてラブソングのスタンダードでディズニー・クラッシックから白雪姫の「いつか王子様が」を歌いました。Kさんはニコニコしていましたが、白雪姫の後には小人達の「ハイホー」を続けて歌ってみました。するとヘルパーさんが、楽しそうなKさんの手を取って一緒に手拍子をしてくれました。
 嬉しくなって何度も繰り返していると、今度はKホイッスルを出してKさんに持たせてくれました。調子のよい歌なのでKさんはKホイッスルを持って楽しそうに聴いてくれましたが、Kホイッスルを手に持ってくれたものの、なかなか思う様に音は出ません。ヘルパーさんが、一生懸命Kさんの手を取って促してくれるのですが、一人で音を出すのは難しいようでした。

 続いて、何か手拍子ができる曲をと、「南の島のハメハメハ大王」を歌ったのですが、前回はちょっと子供っぽいと思い始めているのかなと感じたものの、今回は楽しそうにしていました。それで、曲に合わせて、そのままKホイッスルの練習をしましたが、音は残念ながら聞こえませんでした。ただ、KさんがKホイッスルを持って、ちょっと自慢気にギュッと握って見せてくれたことは、音は出なかったけれど嬉しかったです。チューブの所がペッタンコになるくらい強く握れることもわかりました。もしかすると、Kさんが力を抜いた時、元の形に戻る力が強いプラスティックのチューブの方が、音は出やすいのかなと思ったりしました。
 せっかく気に入ってくれたようですから、もう少しアレコレ試してみようと思います。