音楽
担当:石橋
■活動の様子
お宅に着いた時、ちょうど発作があったところらしく、少し落ち着くまで様子を見る事にしました。
4月から社会人として週一でお勤めにも出る様になり、少し疲れもあるのかなとヘルパーさんとお話しながら待っていたら、とろとろと寝てしまうようなので、今回は椅子には移らず、ベッドの上で横になったまま歌を聴いて頂く事にしました。
ヘルパーさんがベッドの隅にミニピアノを置く台を用意して下さって、初めてオンベッドに近いベッドサイドで演奏させていただきました。
まず「大きな古時計」を。次に初めてオリジナルの「I’ll be right here」、そして「A Whole new world」を。
Kさんは、ほとんど目を閉じたままうとうとしていましたが、時々ニコッと笑う様な表情を見せてくれました。
するとそこへKさんのお薬を届けにいらした薬剤師さんに、ヘルパーさんが「音楽の時間」のお話をされて、お声掛けしたら一緒に1曲となり、思いがけず「南の島のハメハメハ大王」を皆で大合唱となりました。
Kさんもヘルパーさんも馴染みの方の様子で、打楽器を持ってKさんのベッドを挟んでノリノリで歌って下さいました。
なんと歌詞も覚えていらしてビックリ!うとうとしていたKさんもパッ目を開いて、本当にニコニコ楽しそうでした。
薬剤師さんは、そのまま風の様に去って行かれましたが、ヘルパーさんに「ホントは起きてたんじゃないの?」と言われながら、
「Smile 」を歌い出すと、Kさんは、またうとうと状態に。それでも最後に、
「What a wonderful world」を歌うと、ウインドウチャイムをヘルパーさんと一緒に鳴らしてくれました。
その日の誕生花が「ゆず」で、花言葉が「穢れなき人」だったので、「Kさんみたいな人ですね。」と言ったら、
ヘルパーさんが、「こちらが考えている以上に大人の感情を持っているような気がします。」との事。
Kさんが赤ちゃんの頃からのお付き合いと言うヘルパーさんから、Kさんの表情で見るコミュニケーションの取り方や、好みについてもゆっくり伺うことが出来ました。
学校に行って同世代の友達と過ごすより、自宅でヘルパーさんやお母さんと一緒に過ごす事の方が長かった分、
大人達の話はおそらくほぼ理解しているのではないかという事や、
前は考えられなかったけど、個性の違う複数のヘルパーさんにも、自分から合わせる事が出来る様になってきているとの事でした。
それは、いろんな好みや考え方がある事に気が付いて、自分の個性を知る事にも繋がっているのではないかとのお話でした。
今回は、Kさんが半分以上寝ている状態だったので「嵐」の歌までたどり着けませんでしたが、貴重なお話をお聞き出来て、Kさんにまた少し近づけたような気がしました。