Saturday 13 May 2023 MH

コミュニケーション/操作

担当:小山

<活動の様子>

■教材・教具(目的):

・子どもの様子

■歌手遊び(導入):

・注目やアイコンタクトがあり、笑顔になりました。

■VOCA:ステップバイステップ(①あいさつ):

・VOCAの提示ですぐに表出しました。

■絵本2冊(実物の1/2選択(スイッチの選択の導入)):

・「だるまさんが」と「いないいないばぁあそび」の2冊を眼前に提示すると、「だるまさんが」に触れました。左右に入れ替えて再度示しましたが、見比べた後「だるまさん」に触れました。

・「だるまさんが」を朗読すると、よく注目しオノマトペのページで笑いました。

■2キーVOCA「だるまさん」イラスト(キーの1/2選択):

・左側のキーに「だるまさん」のイラストを載せ、「だるまさんが」を録音。右のキーは無音。操作しやすい右キーに触れて感触を味わいました。大人がモデルを示し音声FBがあると関心↑の様子。次第に触覚的な感覚よりも「だるまさんが」の表出が増加しました。 

■おしまいBOX(終了の理解や表出を促す):

・絵本やVOCAへの注視が減少したため、「おしまい?」とことばをかけた後「おしまい」+サイン提示の後BOXに片付けました。「バイバイ」とBOXを遠ざけました。過程をよく見聞きしている様子でした。

■ヤクルト形立体抜き、軸、短缶(<操作>握る、握って抜く、意図的リリース、缶を探索して立体をつかむ) 

・すぐに立体に触れるとともに、穴を予測するように軸先を探索しました。大人が軸の角度を調整することで抜くことができました。サブの大人が立体の近くに缶を差し出すことで、リリースが促される印象でした。

・缶に積極的に手を入れるので、缶の中に立体を入れると自発的に探索して立体をつかむ。

・立体が天板上に落ちると、探索したりつかもうとしたりするために肘が後方によく動いていました。

■銀玉チェーン引き:リングを把持して引くが、固いために肘が伸展し、指のみで操作していました。

■風呂チェーン引き(肘の動きを促すさらに肘の動きを促す):

・より弱い力で引き出せる教材に変えて実施。この時、操作の開始時に肘をやや屈曲させた状態にすることで、指のみでなく肘を後方に引く動きが生じました。これまでで最もスムーズでした。

■方向性のあるピンポンスイッチ(縦方向の連続した操作、肘の動きを促す、コミュニケーション):

・上記と同様に、スイッチ操作の開始時に肘をやや屈曲した状態にすることで、肘を後方に引いてONにしました。上方に押し出す動きもしばしばありました。

・手首のみで下方へ動かすことが多かったです。肘を後方に下げる動きを他動的に繰り返した後再トライ。再び手首のみの操作で動きが止まると、肘からさらに下方への動きが出てONにしました。

・松本が外出のためにあいさつをして退所すると、1~2分後に突然泣き始め、大きな声で泣き続けました。好きな歌をうたうも泣きやまず。食へのモチベーションが高いので、母と昼食についてやりとりすると、「スパゲティ」 「バナナ」「ぎゅうにゅう」という単語を聞いて泣きやみ笑顔になりました。単語理解向上しています。

Saturday 13 May 2023 TS

コミュニケーション/操作

担当:小山

<活動の様子>

■教材・教具(目的):

・子どもの様子

■VOCA①Step-by-Step(あいさつ):

・笑顔であいさつ。VOCAの操作は良好でした。

■チェーン引き(導入):

・空間にある取手を指にかけて引きました。途中で母が右上肢を固定することで左上肢の動きの調整が容易になりました。

■動くドーナツパーツ入り絵本(人差し指の操作をアセスメント):

・ドーナツ状の絵本のパーツに人差し指を合わせると、指を動かしてドーナツを移動させていました。部分的に大人が絵本を動かすことで負担を軽減しながらゴールする。肘の援助なしでも操作が良好。

■VOCA②Step-by-Step絵本「だるまさんが」(絵本を読む活動の経験):

・母に「だるまさんが」の内容を録音していただきました。本児に活動のモデルを提示すると、すぐにVOCAにリーチしました。音声FBにあわせて大人がページをめくる。当初はVOCAの連打が多かったのですが、経験するうちに絵本との間合いが合ってきました。

■直線の溝板・一文字3本(方向性のある(線)操作):

・終点を意識した右方向への操作が良好。時折金属性円盤を取り出そうとする動きが出ました。モデルや「すー」「とん」といったことばがけで軽減しました。

■飲み物休憩A4紙+マジック(「のむ」or「のまない」の選択):

・A4紙に即興で書いた「のむ ○」「のまない △(小)手を振るイラスト(バイバイ・要りませんの意)」にて、明確に「のまない」を選択しました。

■VOCA:チャットBOX(操作性アセスメント①1キー②5キー):

・キー上の赤いシールを人差し指で押しました。キーにタッチすることは良好ですが、指の角度によっては圧がかかりにくくONにならないことがしばしばありました。キーの四方と中央寄りの5キーについて、大人がリクエストした色のキーまたは近くにタッチしました。

■ヤクルト型立体抜き(目手の協応・操作体験):

・活動のイメージがあり、すぐに立体を握ったり回したりする動きが出ました。軸の方向性を理解し、引き抜くこと+。軸に入れることに関心があり、もう一つ軸を用意すると、見定めと立体の把持が持続しました。手指の柔らかい動きが出現しました。

■休憩A4紙+マジック(「もっとやる」or「おわりにする」の選択):

・飲み物休憩と同様にA4紙に手書きで「やる ○」「おしまい△(小)手を振るイラスト」のボード提示に対し、明確に「やる」を指して要求しました。

※これまで1/2選択での意思表出はあいまいであったが、本日は手差しによる選択が初めて明確に読み取れました。「もっとやるの?」の問に、笑顔と微細な発声がありました。

■お団子2結立体抜き(操作体験):

・団子状の立体にそった手指の調整(カーブ)が見られました。抜く→軸に入れるといった連続した活動を行いました。意欲はあるが時間となったのと、疲労の様子があるため終了しました。

Sunday 14 May 2023 OK

読み聞かせ/目と手の協応/数量概念/算数/見本合わせ

担当:谷田部

■活動の様子
 今回はKくんが風邪気味で、最初は痰が絡んで苦しそうでした。なので少し体調を見ながら勉強を進めました。途中でだいぶ楽になり、後半は、集中して取り組めました。

《読み聞かせ》
 体調が悪そうなので、絵本を2冊ゆっくり読みました。よく聞いて、簡単なフレーズを復唱しながら楽しんでいました。次回の学びサポートまでご自宅でも読んで欲しいのでお貸ししました。

《数量概念/算数》
 今回も円盤型はめを行いました。左右の順番と方向を意識しながらはめる学習です。前回の宿題で、ご家庭でも左右を意識するように声掛けをお願いしました。最初に「左手挙げて」「右手挙げて」とウォーミングアップしました。すると、今回の型はめでは、左右の方向を間違えませんでした。しかし、まだ途中で一つ飛ばしてはめることがありました。方向と順番に入れることを引き続き練習しようと思います。次に、縦に向きを変えて、そこに「上から入れて」「下から入れて」を課題を出しました。平面で上下感覚を勉強しました。

《立体構成》
 立体構成では、今回は「上に積んでね」と言いうと、間違いなく上へ木片を積み上げられました。

《見本合わせ》
 果物の木製パズルはご家庭での宿題にしていました。今回は色の見極めと丸い板をはめるパズルに取り組みました。丸の形には型はめができましたが、色を合わせてはめることはできませんでした。2つの課題を消化することの難しさを感じました。果物パズルは今回も宿題にしました。

《ひらがな学習》
 前回に引き続き、4枚の公文ひらがなカードを机に並べて、1枚選びとる勉強をしました。身近なひらがなはかなり正しく選べるようになっています。

《プリント学習》
 今回もプリント学習までできました。ひらがなの文字を使った問題です。4枚の中から、指示したひらがなカードを選ぶ勉強です。まだ正解率が6割程度なので引き続き取り組みます。

■まとめ
 今月も認識を強化する支援を加えています。「右から」「左から」の指示でも、継続して練習すれば正解率が高くなりました。認識と手指の操作を合わせた学習を始めましたが、これから上達するから感触を得られました。今回、いつも元気なKくんの具合が悪そうな様子を初めて見たので心配になりました。

Wednesday 17 May 2023 FKK

音楽

担当:石橋

■活動の様子
 伺った時は目を覚ましたばかりで、何とかご挨拶はできたものの、まだ体調は今一つのようでした。今回もベッドで横になったまま、まずはKホイッスルの演奏の仕方を応用編として見ていただくことにしました。ちょうど「嵐」の音楽がかかっていたので、それに合わせてさっそく鳴らしてみました。1拍ずつ鳴らすばかりではなく、丸々1小節か2小節休んだり、時々シンコペーションを意識して鳴らしてみると、笛1本でも音楽の表情が変わり楽しくなります。こんな使い方もできることをKさんにお話したかった次第です。ところが、いつの間にかKさんはまた寝てしまっていました。

 この日は、結局Kさん自身のKホイッスルの練習はできなかったのですが、実はKホイッスルの新しい使い方を発見できました。ヘルパーさんが、Kホイッスルを持って「ほらほら、Kちゃん、起きて。Kホイッスルやってみようよ。」と言いながら、KホイッスルをKさんの前で振っていたら、なんと、押さなくてもピッピッと笛の音が出たのです。
「あれっ?」「えっ?」と思わず二人で顔を見合わせてしまいました。温度のせいか、湿度のせいか、それとも何度も押されて持つところが柔らかくなり、ふにゃふにゃになったせいかもしれませんが、押さなくても下の方を持ってブラブラ振るだけで、上の方にセットしたホイッスルの中を空気が通り、音が出るようでした。

これは大発見!

 力を入れて握ることができなくても、持ったまま手首をストンと下におろしたり、持ったまま手首を反対に返したりすることで音が出ることが分かりました。
「凄い!」と喜んでいたら、今度は上の方を持って振ると、カタカタと打楽器的な音が出ました。これも、ヘルパーさんが見つけて下さって、「いろんな音が出せますね」と。
 Kさんに早く見せたいのに、残念ながらますます 深い眠りに落ちてしまったようでした。仕方がないので前回のように、子守歌的にお馴染みのバラードを何曲か聴いていただきました。最後に、早く治りますようにと「星に願いを」を歌っていたら、医療機器メンテナンスの方がいらして、終了となりました。

Sunday 21 May 2023 FKK

目と手の協応/スイッチ操作/ 文字

担当:松本

■活動の様子

・目と手の協応:今日は、寝た姿勢で行いました。左下側臥位に近い仰向け姿勢でした。は、いつも使う左手は屈曲した状態で落ち着いていたので、その形のままボコボコチェーンミニをセットして途中までこちらでチェーンを引くと、肘を支点に引く動きが出ました。一回の引く動作でチェーンが抜けないことがわかると、一旦、力を抜き少しだけ肘を伸ばす方向へ動かして、もう一度引っ張る動作を繰り返すことができました。とても力のオンオフがはっきりしていてコントロールが上手でした。この動きを今日は使えると思いスライディングブロックに移りました。

 

スライディングブロックは、屈曲した状態の左腕に合わせ立てた状態で手にフィットするように提示すると、引く動きと力を抜いて押す動きをうまく調整してブロックをすべらせ何度も穴に入れていました。

 後でお母様にきいたのですが、ボトックスをしたばっかりで緊張が緩んでとても良い状態で先日の三輪支援員の美術の時もよく手が動いていたそうです。

スライディングブロックは、kさんの可動域に合わせた、より小さなものを次回までに用意しようと思います。

・スイッチ操作:先程の動きを使ってスライドスイッチを2スイッチ操作しました。引く方にヘルパーさんがステップバイステップに入れてくれた歌声、押す方にブルブルクッションをセットしました。「ブルブル」「歌」とこちらで指定すると、上手にスイッチをスライドさせフィードバックを楽しんでいました。途中ヘルパーさんにも代わってもらい、kさんの意図的な動きを感じ取ってもらいました。今回のスライドスイッチは、バネ反発で、スイッチをOFFに戻せるようにするためのベロとなる部分があり、そこを見るとご本人の動きがどちらの方向に行きたいのか読み取ることができます。スライド幅があり最後まで動かせなくても、このベロを見たり、手を添えているとどっちの動きをしたいのかが伝わり、ときには、方向が伝わったらそちらへ手伝いことも可能です。スライド幅を短くすることも可能ですが、そうすると今度は、勢いをつけるために一旦反対側に動かす時も、反対側のスイッチを押してしまい誤操作が多くなってしまいます。

ある程度のスライド幅を保ちつつ、介助で手伝いながら操作するのが今日は良いと思いました。介助付きスイッチ操作により本人の力を今まで以上に引き出すことが可能です。

・ 文字:そのままスライドスイッチをできiPad2に繋ぎ、指伝話文字盤で、自分の名前を書きました。得意な低動きの方で行や文字を送り、押す方で決定をしました。とても真剣に取り組んでいたので、今後も継続していきたいです。途中、苗字も書く?と聞いて入力を始めると名前の行で決定をしていたので「まだ名前で練習したいのね」と聞くと、笑顔でそうだと伝えてくれました。よく知っている文字で納得するまで練習したい様子でした。

 次に凸文字なぞりと書字。今日は、指の可動域が狭かったので、小さい凸文字で自分の名前の文字を人差し指でなぞった後に、ブギーボードにツボおし棒を鉛筆持ちで字を書きました。最近気づいたことですが、いろいろな握りやすいペンは用意しているのですが、特に年齢がある程度上の方々は、鉛筆持ちでしっくりくる場合は多いです。スイッチ操作の時と同じやり方で、ペンが進む方向を介助者に伝えながら書きました。ブギーボードの優れた点は、質圧が弱く、かなり小さな文字でも運動の軌跡をしっかり記録してくれるところです。書いている時はすごく真剣な表情でした。可愛い字が書け満足そうでした。

 スライド式だと運動の方向が決まっていて、本人がそちらに操作しやすいということはもちろんですが、介助者も本人の動きが読み取りやすいです。書くことを介助する時は、より動きが開く方向になるのでより集中力を要します。そのためスライドの時の、読み取りがしっかりできているとオープンな動きになった時も読み取りやすいと感じました。そういた意味でも、目と手の協応の時の教材の提示の仕方やスライドスイッチ操作時の介助は重要になってくるのだなとおもいました。

 最後にヘルパーさんが、脈が最初早かったが学びサポートが始まると落ち着いたと教えてくれました。覚醒もよく、集中して取り組め、満足そうな表情でした。次回も楽しみです。

Tuesday 16 May 2023 FKK

美術

担当:三輪

■活動の様子
 4月はお休みさせてもらったのでひと月ぶりの活動です。
はっきりとした表情で迎えてくれたKさん、挨拶をして今日の活動の内容を説明し、素材を触って確認しました。

 その1、陶器の絵付け。持参した素焼きのお茶碗にマスキングテープを貼りました。テープの輪っかをKさんの指に通して、テープをしっかり持ち、テープをひっぱり、お茶碗の上に貼っていきます。陶芸用の絵の具の青を小さくカットしたスポンジを握ってもらい押し付けて塗りました。絵の具が乾いてから、マスキングテープをひっぱって剥がしました

 その2、大野くん塗り絵。いつものように身体の左手に写真を貼って、アウトラインを描いて用意した塗り絵をクレヨンで塗ります。陶器の絵付けが左手での作業でしたので、右手でクレヨンを掴んでもらい、顔、髪の毛、お洋服と色を相談しながら塗り進めます。茶のジャケットを着ている写真を「大野くんカラーの青にする?」と聞いたところ、それは嫌だとの意思表示があり、写真と同じ茶に塗りました。

 その1ではテープを押さえて維持するために力をこめて動いてくれました。とても熱心に力んでくれたので、発作かと心配してしまいましたが、目で笑って答えてくれました。
 その2も持続した集中力で作業できました。両手とも手指の緊張が柔らかくなってきてスムーズに作業できました。

 お茶碗は、次回までに焼成して持ってくるお約束をしました。塗り絵を眺めて、次回のお約束をして終了しました。

Friday 28 April 2023 HT

音楽

担当:石橋

■活動内容
 T君の準備が出来るまでピアノを弾いていたら、いつの間にかT君が横に座ってくれたので、T君のお気に入りの一つ「ハロードリー」を弾いてみたら興味を示してくれました。メロディーを、T君の手を持って一緒に弾けないかなと思ったのですが、この時はまだ、T君は聴く方が良かったみたいでした。
 さて、以前学校で合奏をした時の動画を見せて頂いた時に、T君が鉄琴の上にマレット(バチ)を置いたまま右へ左へと動かしながら音を出しているのを見て、
こういう音の出し方が出来ることを知って、ちょっと感動したことがありました。
この方法は、単音を正確に出せなくても音階を上がったり下がったりしながら、ギターのコードを鳴らすような感覚でリズムを作るのに使えそうな気がしました。
 実は、T君の大好きなサッチモの演奏でも、「ラビアンローズ」という曲の中に、鉄琴の上に置いたマレットが転がっていく音に近い音が何度か出てくる部分があり、これなら興味を持って音を出してくれるかなと思いました。ただ、T君がマレットを落とさないように握ることは難しいので、お母様がサポーターを使って手に固定して下さいました。
 
 ちょっと音の進行の似ている「As time goes by」をゆっくりめに歌い、最初は聴いて貰って、好きな所で途中から鉄琴を右へ左へと鳴らしながら入ってきてもらうようにしました。なかなかタイミングが難しかったかもしれませんが、歌っていると、そのうち独特の転がる音階の音が聞こえてきました。
 正確に4拍子に合わせて、とっても良い感じでしたので、内心「ヤッタ~!」と思って振り返ったら、なんとお母様が鉄琴を片手で持って前に構えて、もう一方の手でT君の手を取って一緒に鳴らしてくれていました。鉄琴を机の上に水平に置いたままだとT君の腕が動かしにくかったそうで、結局、鉄琴を起こして音が出る面を垂直に立てて、マレットを正面から押し当てながら擦る様に右へ左へと動かしていた様でした。
 
 T君もお母様も楽しそうではありましたが、鉄琴を片手で持ち上げたまま音を出すのは不安定だし、何より疲れるに違いありません。マーチングバンドのシロホンの様に、最初から立てた状態で固定できれば良いのかもしれませんが、これはまた課題になりそうです。ただ、この音の出し方は、悪くはない気がしました。

 ところで前回、プレスリーのロカビリー風の曲に興味を示していたT君ですが、今回は新しいお気に入りを見つけたそうでした。あの美しいバラード「Love me tender」を、フランク・シナトラが肩を上げ下げしておどけながらリズムを取り、それをプレスリーが受けて、アップテンポの4ビート(デキシーランドJAZZ風)で歌っている動画です。早速、そのリズムで「Love me tender」を歌ってみると興味を示したようで、また横にお母様と一緒に座ってくれました。
 そこで今度こそT君に単音でメロディーを弾いて欲しくてお母さんにお願いしたら、最初の8小節を、T君の手を取ってお母様が一緒に弾いて下さいました。続きの8小節を私が弾きながら歌うと、T君も興味を示したようで、何度も繰り返して一緒に「Love me tender」を演奏できました。知っているメロディーを、「自分が今弾いている」という感覚を持てたら、もっと鍵盤の一つ一つに興味が出てくるかもしれません。

 さて、今回もクリスマス曲コーナーでは、まずは「ホワイトクリスマス」を歌い始めると、「ハッ!」と、T君が固まったみたいで、一番興味を示してくれたようでした。続いて、「赤鼻のトナカイ」や「サンタが街にやって来る」など、お気に入りの曲が続くと、上半身を右左へ揺らしながらダンスをしてくれました。やはりクリスマス曲が一番好きな音楽のようでした。

 和んだところで、もう一度鍵盤に触れてもらおうとブルースセッションを始めようとしたら、残念ながらお風呂の時間となりました。T君は今の所、どちらかというと自分で音を出すより、音を聴く方が好きみたいな気がしますが、T君が自分で音を出すとしたら、何が一番良いのか、無理なく楽しめる方法が見つけられたらと思います。

Saturday 6 May 2023 OK

目と手の協応/算数

担当:松本

■活動の様子

・目と手の協応:ボコボコチェーンをいつものように、両手で交互に引っ張った後に円柱差しに取り組みました。
ところが、力が抜けて円柱を持ってくれず、穴の数も文字盤で示してくれないので、もっとお話しする?と伝えると、興味ある送迎バスの話を話してくれました。ちょうど良い頃合いで、分数の復習に移りました。

・算数:分母は、分ける人数、分子は分けたものをいくつとってくるかの数ということを基準となる正方形の板と分けた板を枠にはめながら確認していきました。次に分子は1のまま分母だけ増やしていく大小比較をしました。最初は板で大きさ確認をした後、板なしで今までの例題から予測して新しい問題を解く試みをしました。板(具体物)から自由になってイメージ操作の楽しさを実感してもらえるように工夫しました。例となる1/2と1/3、1/2と1/4の大小関係をじっくり見て、さらに、分ける人数が多くなると一人の取り分は少なくなる説明を聞きながら1/3と1/4の大小を正確に答えていました。
 不等号についても口が開いている方が大きいかったことを復習して、不等号も正しいものを選びました。最後の方は、自分でペンを持って書いてもらいました。板では表現しにくい大きな数の問題も全問正解していました。
 次は分母固定で分子を増やし大小関係をまずは具体物で比べて、分けた後にとってくる数が増える説明をすると後は板なしで、大きな数の問題までスラスラと正解していました。
 復習だったのでわかりにくい分母が変わる問題から取り組んだのですが見事にイメージ操作で問題が解けていました。
物から解放されて、意味や法則がわかると大きな数も自由に扱える楽しさを実感してもらえたようで、満足そうな笑顔が出ていました。
 
 円柱差しでいつもの元気がなかったのは、最初のウォーミングアップは最小限にして早く分数に取り組みたいというアピールだったと後から気づきました。次回からは、今日すぐに手が伸びたボコボコチェーンが終わったらすぐに分数に移ろうと思います。
 このように学習内容の自分なりの重きをはっきり伝えてくれたのは初めてでした。社会人になったことの影響がこういったことにも現れてくるかと気づかされました。

Saturday 6 May 2023 FK

目と手の協応/文字/支援機器メンテナンス

担当:松本

■活動の様子
・目と手の協応:ボコボコチェーンからスタート。何回かこちらでタッパーを持ちながら下がって引き抜くことを手伝い、両手を持って揺らしたりしながら刺激すると、自分の力で以前のように思いっきり引き抜くことが数回できました。ボコボコチェーンミニも両手にセットすると1回自分で引き抜いていました。徐々にではありますが、入院以前の手の動きが戻ってきたようでした。
 スライディングブロックは、引く動き、左右の動きは、教材の上に手を置くようにして十分時間を待つと、自分でブロックを動かし穴にはめていました。一番難しい上へ押す動き。スライディングブロックの場合、他の動きはなんとなくの手の動きで処理できるのですが、上へ押し出す動きは、意図的な手の動きでないと難しいです。これも、手をブロック位の上に乗せしばらく待つと見事自分で動かして穴にはめられました。入った瞬間の自信に満ちた表情が印象的でした。時間はかかるものの、きちんと運動が停止してから起こす次の運動なので、以前より意図的な落ち着いた操作が可能になっていると感じました。
・文字:凸文字をなぞった後に、介助者の手のひら、ペンを持ってブギーボードの流れで、練習しました。手の動きは弱めでしたが、特定の文字の時に力が入っていました。特に「し」の時ははっきり力を書いていました。マンションの大規模修繕で毎日すごい音がしているらしいのですが、今日は工事がお休みなので「しずか」と言いたいのかなと聞くと、こちらを見つめ瞬きしたので、「そうなんだね」と応答しました。ペンの持ち方は、つぼおし用の棒を、通常の鉛筆持ちにすると落ち着いて書けていました。最近様々な持ち手を作って試しているのですが、年齢が高い方は、運動機能に関係なく、通常の鉛筆持ちで落ち着く方が多いです。
・支援機器メンテナンス:視線入力のアプリのアップデートと、iPadのスイッチ接続の仕方の復習をお母様と一緒にしました。両方とも上手くいきそうです。家にいる時間がさらに充実することを願っています。

Sunday 23 April 2023 OK

読み聞かせ/目と手の協応/数量概念/算数/見本合わせ

担当:谷田部

■活動の様子
 今月は、とても勉強がはかどりました。今月の読み聞かせは、猫の店長のコンビニにいろんな動物達がやってくるお話しです。元気で明るいK君と勉強できました。今日も絵本の読み聞かせから勉強に入りました。今回も楽しく勉強できました。

《読み聞かせ》
 今回も導入には、絵本の読み聞かせを行いました。今回は「ねこいちてんちょう」の絵本を読みました。ねこいち店長のコンビニに、森の中のいろいろな動物達が買い物に来るお話しでした。次回の学びサポートまで、ご自宅でも読んで欲しいのでお貸ししました。

《数量概念/算数》
 今回も最初に円盤型はめを行いました。前回からの課題の左右の方向を意識しながらはめる学習です。「こっちから入れるように」と指示すると入れられますが、左右の方向を言葉で指示しても、まだ間違える時がありました。右から順番に数を数えながら円盤をはめるようにアドバイスしましたが、左から入れていました。左右の認識が曖昧なのかもしれないので次回再挑戦します。やはり途中で一つ飛ばしてはめることがありました。円盤をはめるタイミングより早く数を数えるので飛ばしてしまうようです。操作性は向上したので、認識と結びつけて学習する段階になっています。

《立体構成》
 立体構成では、立方体の型はめですが、最初に上下方向の認識を確認しました。「上に積んでね」と言いましたが横に並べてしまいました。上への積み方を教えると、上手にブロックをバランスよく上に積めました。

《見本合わせ》
 果物の木製パズルに取り組みました。見本を提示しましたが、あまり確認せずに直接穴に果物パズルをはめていました。果物が少し複雑な形をしているので、ピッタリ方向が同じでないとはまりません。なんとか試行錯誤してできました。ご家庭での宿題に置いて帰りました。

《プリント学習》
 今回は、プリント学習までできました。ひらがなの文字を使った問題です。まだ正解率が6割程度なので引き続き取り組みます。

■まとめ
 今月も認識を強化する支援を加えています。右から、左からの指示が、やはり不確定なので、ご自宅でも左右を意識されるようにお願いしました。上下方向も三次元から理解ができるように、ブロックを上に積む学習をしました。これは理解が早そうでした。プリント学習もよく取り組めました。ご家庭で普段からプリント学習に取り組んでいる成果だと思います。果物の型はめパズルを宿題に出しました。