音楽
担当:石橋
■活動の様子
今回Tさんは病み上がりで体調は今ひとつだったそうなのですが、初めにゆっくりめのクリスマス・バラードを歌ってみました。
反応がおとなしいので「Tさんが一番好きなクリスマス曲はどんな曲ですか?」と聞いてみたら、お母様が「クリスマス曲はみんな好きですけど、最近はこんな曲を聴いてます。」と、Tさんのお気に入りクリスマスソングをiPadで聴かせてくれました。
それは60~70年代のアメリカン・クリスマスソング・メドレーみたいな動画で、ウキウキ感満載のリズムとメロディーでした。
残念ながら、その曲は知らなかったのですが、似たような曲なら知っていたのでリズムを変えて歌ってみました。ご存知「赤鼻のトナカイ」と「サンタが街にやってくる」です。直ぐにお母様もリズムに合わせて鈴を鳴らしたり、電気ピアノでメロディーを弾いたりして盛り上げて下さいました。何度か繰り返し歌ったら、Tさんも少し動き始めました。
調子が出てきたので、一緒に弾けるようにと、お母様が私の横に椅子を置いてTさんを座らせてくださいました。初めは私の右側にいたのですが椅子を降りようとするので、左側に移して下さったら落ち着いて、音をジッと聴いている様でした。
そのうち、ピョロッ、ピロッとピアノを触りだしたものの、何故か突然私の左手の薬指をつかんだまま離さないので、結局左手の薬指をつかまれたまま最後まで弾き続けました。もしかしたらTさんも、一緒に演奏している気持ちになっていたのかも知れません。
それからTさんは、お母さんにサンタ帽をかぶせてもらうと電気ピアノに移動して、今回はクラビノーバの音でセッションしてくれました。オルガンの様に音は伸びないので、濁った音が混ざる感じは少ないものの、ピアノの音と綺麗に混ざる音を探すのは大変だったと思います。でも本当に驚くほどピッタリ合ったイイ音を入れてくれました。もちろん、お互いの目と目を合わせて音を出す事も、今回はバッチリ出来ました。
Tさんのテーマ曲「ハロードリー」では、椅子に座ったまま嬉しい時のフリフリダンスを見せてくれましたが、賑やかなブルースの「Alright,OK.you win!」の時は、ジッと耳を澄まして聴いていた様でした。実はまだよくわかりませんが、Tさんの興味が、明るいだけのクリスマスソングではなく、不協和音だけのジャズでもなく、短調でも長調でもない平らな土台がしっかり見える部分を含んだ曲にある様な気がしたのは、今回初めて気が付いたところでした。
時々とても大人っぽい表情をして何かを考えているみたいなので、その考えている言葉がわかれば良いのにとお母様にお話したら、赤ちゃんの時は、今よりもっと大人っぽい表情をしていたそうで、それは神々しくもあり、自然に頭も下がり、名前も「さん」付けで呼んでいたそうです。大きくなるにつれて、「Tくん」と呼ぶようになったそうでした。
その表情とか在り様がとても崇高に感じて、賢者というか全てを悟っている人のように思えたらしく、とても「ちゃん」付けでは呼べなかったと。
思いがけない話に、深い愛を感じました。
