音楽
担当:石橋
■活動の様子
Kさんは久しぶりにぐっすりと眠っていました。私が挨拶をしても、ヘルパーさんが声掛けをしても、まるで眠れる森の美女のように深い深い眠りの中にいるようで、ピクリとも反応しません。それどころか、気持ちよさそうな寝息を立てています。
別に具合が悪いわけではなさそうなので良かったものの、仕方がないので、ベッドサイドで「A whole new world 」「Love me tender」「Over the rainbow 」などバラードをゆっくり子守歌風に歌ってみました。Kさんの好きな、SMILE-UP(いわゆるジャニーズ)の動画を流したら起きるかもと、ヘルパーさんがタブレットで流してくれましたが、ますます気持ちよさそうに眠っています。
どうしたものかと思いながら、何気に、寝ているKさんの枕元の壁を見たら、半紙に毛筆で「Happy Birthday !」と書かれたKさんのお誕生日祝いのグリーティング半紙が貼られていました。今年のKさんの祖母様からの素敵なメッセージには、可愛い花の絵が添えられていて、優しさが伝わってきました。Kさんは、仲良しのお祖母様にいつも見守られているようで嬉しいだろうなと思いました。
さて、起きる気配がないので、浪花男子の音に合わせてエイサー太鼓を小さめに叩いていたら、一瞬目を開けたと思いきや、またスース―と寝てしまいました。ついにヘルパーさんが車椅子に移してくれたのですが、やはりお休みモードのまま。
まだ眠いのかもしれないけれど、もしかしたら起きている場合もあると前に聞いたので、せっかくだから、声をかけながら手を取って、リズムに合わせて太鼓の上に軽く手を落としてみました。
1小節に1拍だけ太鼓の音を入れてみると、1拍目に叩く時、2拍目に叩く時、そして3拍目、4拍目など叩く位置によって、いろんなリズムが出来てくることや、太鼓の叩く場所によって音が変わること。真ん中は低い太い音、端っこは高い細い音、回りの木の部分の硬い音、などと話していたら、新しいヘルパーさんが興味を持ってくれたようで、Kさんの腕を持って、一緒に太鼓を叩いてくれました。
そしたらやっと、パッチリ目を開けてニコッと笑うKさん。「やっぱり起きてた?」と思いつつ、何度目かの「おはよー!」を言いながら、次から次へと出てくるジャニーズの曲に合わせて、太鼓を叩きながら8ビートや16ビートでリズムに乘ってみました。
やっと少し音楽が出来たかなと思ったら、またすぐ、目を閉じてしまうKさんでした。
メロディーや出来上がったサウンドだけでなく、リズムにも興味を持ってくれたなら嬉しいなと思いつつ、ジャニーズ系の音は、やはり凄いなと感心した次第です。私が時代遅れなだけかもしれないけれど、改めてKさんが好きな理由もわかるような気がしました。Kさんに感謝です。