Saturday 2 February 2019

「音楽」 担当:石橋和子

このところ毎回、学習支援ボランティアの松本Kのアイデア満載の機器と、iPadなどの音楽アプリ(映像楽器)を使って一緒に演奏できる方法を探ってきましたが、今回は、なんとH君自身が新しいタブレットを準備して待っていてくれました。やる気満々のH君に、早速こちらも準備してきたプログラムをトライ。今回は、動かせる手の指と足の指に一つずつスタッフ持参のスイッチをセットして、リズム楽器を中心にセッションしました。実は、以前、曲の始まるタイミングを出す「カウント」をH君が、同じ様な方法でドラムの音を使って1.2.3.と出してくれて、私が演奏を始めるという事をやってみましたが、今回はなんと、曲中をドラムのリズムだけで引っ張っていくという大変なエネルギーと集中力を要する曲に挑戦しました。曲名は今、映画「ボヘミアン・ラプソディー」で大ブレイク中のクイーンのヒット曲「We will rock you!」。いきなりハイレベルな曲かもしれませんが、ドラムだけの曲は、他に思い浮かばなかった事もあります。H君は、まだ病気が発祥する前、学校で鼓笛隊の太鼓を叩いた事があったそうで、もし体が自由に動かせたらドラムを叩いてみたかったと、以前聞いたことがありました。その事もあり、他の楽器が介入せずドラムだけで完結する曲なら、リズムやテンポが多少揺れても、皆がドラムについていくという、リード楽器の存在感を味わえるのではないかと思ったからです。さて、私自身もクイーンの曲は初めてでしたが、映画を観て感動して、俄然やる気になっていました。まず、指のスイッチと足のスイッチで、大きいドラムと小さいドラムの音色を分けて出してもらったのですが、足のスイッチのタイミングが時差もあり、本人は納得しなかった様子で、すぐさま同じ音色ながら、指のスイッチだけで、例の「ドンドンチャッ」のリズムを作り始めました。こういうところがH君の凄いところで、そこにいたお母さんやスタッフ達と一緒に、3拍目に手拍子を入れ始めたら、そこはもうクイーンのライブ会場!見事に皆をドラムで引っ張って行ってくれました。あまりにスムーズなので驚いたら、お母さんもH君もクイーンは大好きだったらしく、クイーンの曲を演ってみたかったそうでした。H君が「楽しい!」と言ってくれて、思わず「やったー!」とバンザイしました(笑)。たまたま録音した音を皆で聞いてみたら、H君いわくアニメで聞いて気になっていた言葉、「ドラムが走る」という意味を初めて実感できたとのこと。「テンポがだんだん早くなる」と言う意味ですが、健常者でもリズムキープは難しいのに、そこまでこだわるあたり、サスガだなあと感心しました。他にも、前回好評だったブルースセッションや、「冬の星座」や「ラストダンスは私に」など、それぞれ違うリズムの曲も何曲か聴いていただきましたが、その間も時々ドラムでリズムを取ってくれました。いつもニコニコとポジティブなお母さんの影響かも知れませんが、音楽に対する素養だけでなく、機器の使い方の適応力やチャレンジ精神なども素晴らしく、まだまだ様々なセッションの可能性を感じて次回も楽しみです。

(学びサポート Hくん)