Sunday 5 Dec 2021(FKK)

美術

担当:三輪ゆうこ

<活動の様子>

 コロナ禍で15ヶ月ぶりの訪問、お部屋に入るとくつろいだ笑顔で迎えてくれました。新聞紙をちぎって、ロープ状にしたものでクリスマスリースを作りました。新聞紙を手でささえながら、千切れていく感触を感じつつ、つかむことを継続する作業を一緒におこなうことができました。新聞紙を巻いた土台に、両面テープをつけた布で装飾しました。緑の布と白い布を見せて好みの色を選んでもらいました。はっきり白を選択、リボンの色もうすいブルーで、松ぼっくりとリボンをつけたら、出来上がりに満足した様子でした。

「リースにファンのアイドルの写真をつける?」と尋ねると、無いほうがよいという意思表示でした。その後、切り抜きを貼ってカードをつくろうと話しながら目の前で並べていく途中、少しづつまぶたが塞がり熟睡。お母さんの声かけで覚醒して、カードにクレヨンで色を塗りました。その後、電飾でリースをかこって、カードと並べて来栖マスソングを鳴らして鑑賞。写真を撮って終了しました。

 お母様の話では、白いクリスマスリース、華子さんはゴテゴテしたものじゃなくて、すっきりしたものが好きとのこと。色や作業の選択について、華子さんが意思を伝えてくれるので、今後も好みの楽しめるアートを探していきたいです。

Sunday 31 Oct 2021(OKN)

目と手の協応/数量概念/算数/見本合わせ
担当:谷田部

<活動の様子>
 久しぶりでしたが、学びの姿勢と学習が進んでいるのに、驚きました。健斗くんの学び続ける気持ちと、学ぶ環境を整えるお父さまお母さまの努力によるものだと思いました。今までは、ウォーミングアップで、勉強に気持ちを向ける事から始めましたが、今回は、すぐに勉強の体勢を自分から取って、スーッと勉強に入れました。ウォーミングアップ教材も、棒差し程度で終わりました。

■数量概念/算数
 円盤型はめで、5個までの数の勉強をしました。手指の操作性が上がっていたのに驚きました。目を手元から離さないで自然にはめていました。2個と3個を合わせて5個の足し算をやりました。
 立体構成では、カステラを型に入れて焼く設定もしないで、2個、4個、に分解した物を型に入れました。

■図形認識
 今回から、一つの絵カードを二分割した絵を、正しく合わせる勉強をしました。何種類かの車の絵カードを正しく合わせられて、びっくりしました。

■文章読解
 今回、初めて文章読解に挑戦しました。NHK for schoolの、かさじそうの動画教材を使いました。読み聞かせ動画を見た後に、2者選択の簡単な質問をしました。例えば、おじいさんの暮らしは、お金持ちでしたか、貧乏でしたかのような問題てす。この様な、文章読解は、初めてのようでした。国語では、言葉の理解と共に、文章読解が重要です。これから健斗くんが、取り組める学習だと感じました。

■まとめ
 一年以上、私との学習が途絶えていましたが、お母様から最近の学習の様子を伺っていたので、新しい教材に挑戦しました。予想以上に学習の手応えを感じる事ができました。学びの意欲があれば、人はどのような状況でも成長するのものだと、健斗くんから学ばせて頂きました。逆に言えば、学びの意欲を刺激する事が支援者には必要なのだと感じました。

Wednesday4 Dec 2021(MM)

視線入力/目と手の協応

担当:松本

<活動様子>

 ご本人は前日から興奮気味でなかなか眠れず、朝も早く起きてしまいお会いした時にはウトウト状態でご両親も心配していました。ところが、視線入力の準備をしているとパッと目が覚めたようで視線入力だけでも90分近く集中して取り組んでいました。これだけ学びサポートの日を楽しみに待って頂けてありがたいです。襟を正しM君の学びを支えていきたいです。
■視線入力
・出かける前のチェックで本日もtobii4cをパソコンが認識してくれず、ドライバーのアンインストール→再インストールをして復帰しました。しかし、パソコンを再起動して試したら、まともや認識してくれずもう一度、ドライバーのアンインストール→再インストール。M君の前で同じことは繰り返せないのでパソコンsleep状態にして、tobii4cを抜いて出発しました。なんとか本番ではパソコンがtobii4cをバッチリ認識してくれました。windowsのアップデートのたびに何かしら不具合が起こりとっても不安定でなんとかしたいです。
・風船割り:久しぶりにpuyoのturn around(風船を見るとpuyoが振り向いて目が見える)に取り組みましたが、いまいち風船に視線が飛びません。やはり色がくすんでいてコントラストが低いのが原因だと思い、自作のハイコントラストの風船に切り替えたらよく見てくれました。


・Sensory 花火:sensoryシリーズは初めての挑戦でした。最初に間違えて花火がスタートしてしまいました。右半分に視線が集中していましたが、動く流れ星は見やすいようで何回か視線を重ねることができました。最後の方には右下の花火も打ち上げることができました。


・Sensory自動車:自動車が動いているので、見やすかったようです。視線は右側に集中していました。初めてでしたが、最低5分は取り組まなければいけないのでその時間の中で、徐々に自分でゲームのやり方を発見したようでした。


・Sensory玉弾き:玉が止まっているのと玉と背景とのコントラストが低いためで見にくようでした。最後の方には見ることで玉を弾きゴールに入れることを理解したようで、得点もしていました。視線は右側に集中していました。


・Sensory玉打ち:玉の色が鮮やかでしかも上からバスケットに向かって玉が転がってくるので見やすそうでした。右側に視線が集中していました。ダイナマイトと背景のコントラストが低いため気がつかない様子でした。


・Sensory玉転がし:玉の色が鮮やかで、背景とハイコントラストでしかも動いているのでとても見やすそうでした。右側の視線がよく動くいくつかの場所で玉を食い止める方略を発見したようでその場所に視線を集中させていました。5分間の中でも試行錯誤が見られ、風船割りとはまた違った同じ課題をじっくりやることの大切さを再確認しました。自分の得意な視線の動きでなんとか工夫している様子が随所に確認できました。


・Sensoryスナイパー夜:右に視線があるので右のほうにポインターが動いて結局1匹もpuyoを打てなかったのですがなんとか視線を中央のポインターの方へ向けようとしている様子が確認できました。このゲームに関しては、半盲や半側空間無視の方のことを考えるとポインターが左寄りや右寄りのバージョンもあれば良いと思いました。画面全体に視線が行くことが最終目標ですが、眼球運動の困難さもあるので最初は自分の得意な動きの範囲で十分に楽しめる工夫が必要だと思いました。手の運動も正中線に近づけるのが一つの目標ですが、以前私が教材を提供した方から、外側に開いた状態でもそこで十分活動することで徐々に手が正中線に近づいて来たと報告を受けたことがあります。目についても同じことが言えるのではないかと思います。
1匹も打てなくともやめることなく最後まで画面に真剣に視線を向けていました。途中でお母様が「通所先の施設の職員さんからM君はホラー映画が好きでよく見ていますと言われた。このゲームは、少しホラー映画の雰囲気と似ているかもしれない」と教えてくれました。確かにホラー映画は演出のため、刺激を焦点化している場面が多く、見やすくわかりやすいのかもしれません。


・Sensoryスナイパー昼:スナイパー夜に比べ、puyoが大きく1匹打つことができました。
・Sensory花火再び:スナイパーでなんとか中央に視線を向けようとしていた練習が功を奏し、流れ星も何回も見ることができ、中央の花火も挙げることができました。軌跡を確認すると最初のは、右だけに集中していた視線が中央の方まで伸びていました。スナイパー夜では、1匹も撃ち落とせなかったのですが、とても良い視線探索の練習になっていたようです。改めて見えない部分で確実に変化が起こっていると教えてもらいました。


・Sensoryは初めてでしたが、とても集中して取り組んでいました。同時にゲームの途中でと変えて欲しい時にははっきりと私の方に顔を向け声で知らせてくれました。視対象が動いていること、ハイコントラストであることが見やすい条件だとM君が改めて教えてくれました。これは、中枢性視覚障害(CVI)の特徴です。中枢性視覚障害(CVI)は、楽しく見ることで改善されていくといわれています。

■目と手の協応
・手元モニターをセットして開始しました。視線入力にたっぷり時間をとったので、課題に少しだけ取り組みました。
・ボコボコチェーン:右手で最後のひと引きを力強くしてくれました。
・ボコボコチェーンミニ:左手に握り、右手でチェーンを引くように設定しまた。両手を工夫してなんとかチェーンを抜こうとしていたのですが最後のチェーン3粒ぐらいがどうしても引けなかったので、右手の肘を机のストッパーから逃がすのを手伝うとそこから首まで使ってチェーンを抜き切りました。


・スライディングブロック:上下左右の動きを練習しました。下に引く動きは、自分一人で、そのほかの動きは肘をガイドしながら目的の方向に自分で手が動かせるようにして取り組みました。なんとかブロックを穴の方へ動かそうとする意思が、はっきり伝わって来ました。

Tuesday 30 November 2021(ON)

最新の音楽情報 ボイスコミックについて 数学「正負の数」 iPadのアクセスビリティ・スイッチコントロールを使った操作について

 

担当 奥山

【活動の様子】

 

外の様子についてお話したあとで、今日の学習の予定についてお話ししました。

最初に最新の音楽情報をお届けしながら0Nさんの手足に触れました。最初の音楽は「INI」。男子11人のアイドルユニットの「Rocketeer」は「これじゃない」ようでした。次のNiziUの「Chopstick」には少し表情が和らぎましたが、奥山がONさんの眉間からは「早く数学やろう」という気持ちが伝わってきました。数学に移る前にボイスコミック「ヤンキーくんと白杖ガール」について説明。今日お渡ししたSDカードの中に他のボイスコミックも入っていると説明しました。

やっと数学。今までは減法の繰り下がりの仕組みをiPadの画面上で確認しながら学習を進めていました。最初に前回の振り返り。隣の桁から10や100を「借りてくる」様子を画面上の動きで示しながら確認しました。さっきまでとONさんの目の力が違います。本当に数学が好きなんだね。

正負の数の導入は、数直線上では今まで「できなかった」とされていた例えば「2−5」の減法が成り立つことを確認していきました。ONさんの目の力は強いまま。次に数直線を使わなくても2つの数の差を考えた後にマイナスをつければ計算が成り立つことを確かめて行きました。このあたりからONさんの目に動きを感じました。言語化すると「さっさと先に進んで欲しい」。ごめんなさいONさん、今日作ってきたのはここまでです。次回は今までの縦書きの繰り下がりのある筆算に「正負の数」の考え方を反映したものをONさんに示す予定です。学校に勤めていた時は教科書をいくらでも閲覧することができたのですが、退職して「手元に教科書がないや」と不便さを感じています。

ONさんの数学に対する興味を知ったのは、ONさんが中学生になったときに「中学生の数学で出てくることば」というテーマでKeynote教材でことばに対応したイメージをお知らせしたことがきっかけでした。尋ねる機会がなければ数学に対するONさんの思いを知ることはできなかったと思っています。

学校教育では「理解を確かめることができたら次に進む」というアプローチに強い思いがあるように感じているのですが、タイミングのよいコミュニケーションで大きな困難さに直面しているお子さんに関しては、確かめる過程は気にせず(気になるだろうけども)何に興味があるということを教えてもらいながら学習内容を組み立てていくということに大きな価値を感じています。

次に学校で配ったiPadを何とか使えないか作戦です。GIGAスクール構想を前倒しして東京都から配られたiPadがご家庭では活躍する場が今のところとても少ないことへの対策です。活躍できない原因はアプリを決め打ちでインストールしたことと、無料アプリであっても合理的配慮のための新規インストールが今のところできないためです。サピエ図書館へのアクセスや見ることを支援するシステムの利用、コミュニケーションボードの活用等、どれも不可でした。

最近「しゃべるんです」という無料の絵カードVOCA (Voice Output Communication Aid)アプリが最高に使いやすいことがわかり、「ひなぎく」「のじぎく」作者のアプリでもあるので東京都iPadにはインストールされているに違いないと思い、今日ONさんのiPadを確かめたら残念ながら入っていませんでした。ONさんは右足や左親指でスイッチを操作することが上達しているので、外部BluetoothスイッチコネクタとスイッチをiPadの「アクセスビリティースイッチコントロール」でカードをスキャンして「突っ込みメッセージ」を使えるようにしようと考えたのです。この「計画」は実はKMさんからいただいた宿題なのですが、「必要は発明の母」で勉強を深める大きなモチベーションをいただいて感謝です。

そこで奥山のiPadの「しゃべるんです」を操作してみました。鉄ちゃんのONさんのために「出発進行」「なんでやねん」「マジか!」「数学やりてぇ」「見たいぜ」「ひまだー」の6枚の音声付きカードで構成して提示しました。何度かカードを選んで音声を出してみて、またONさんの瞳に「注文」を読み取りました。「しゃべるんです」だけじゃなくてもっと操作できないのか?!と受け止めました。

ここで、そういうオファーなのであればONさんの東京都iPadが活躍できると思い、iPadのスイッチコントロールを設定することにしました。設定や操作の概要をお母様にお伝えしながら進めていたのですけど、ONさんがよーく聞き耳を立てている様子が伝わってきました。

東京都iPadにはYouTubeもインストールされていないのですが、ブラウザでYouTubeを開いておいて、履歴にONさんが好きなコンテンツを入れておけば、履歴にたどり着いて最終的に好きな動画を自力で閲覧できるかもしれないという流れです。一見すると遠大な構想ですがONさんは今まで数々の遠大に思えることに突き進んでこられたので、そういう意味では最初の設定としては適切かもしれません。

そして奥山のiPadに戻ってONさんの大好きな鉄道運転シミュレーションゲームSENSIMで締めようと思ったところ、スイッチコントロールを触りすぎてSENSIM用のレシピを作るところまで辿り着かずに時間になってしまいました。ONさんには平謝り。次回にはたっぷり運転の時間をとることを約束しました。

(今回は写真を撮り忘れてしまいました)

Saturday 20 Nov 2021(MM)

音楽

担当:石橋

■活動の様子

久々に伺ったら、細長いリアルな魚の形をした打楽器(これぞ木魚?)を用意して下さっていました。前にお持ちした蛙の形をしたウッドブロックに似ているからと見つけて下さったらしく、背びれのギザギザ部分をスティックでこすると、蛙の鳴き声みたいなゲロゲロッという音が出ます。片手で持てるように尻尾の下にスティックが繋がっていて、お腹を叩くとカンカンと硬くて高い音が出ます。

ちょうど蛙の打楽器も持っていたので、さっそくご両親に其々蛙と魚の打楽器をお持ちいただき、交代でカエルの鳴き声を鳴らして頂きました。M君は、本物の蛙の声を聴いたことがないとの事でしたが、「こんな声で鳴くんだよ」と言いながら、私もウッドブロックで参加して、早速ピアノ無しの打楽器だけで「カエルの歌」をご両親と輪唱しました。声が重なって大きくなっていく所と、声が少なくなって消えていく所を、みつき君も感じ取っている様子で、面白そうにじっと聴いていました。

いきなり蛙の歌の後、
季節の歌として、「小さい秋」「もみじ」「旅愁」などもお聴き頂きました。

前回、試しにアイパッドを使ってエレキギターの音を出してみた時、興味を示したようだったので、今回は全面的に使ってみる事にしました。

ガレージバンドのアプリでロックギターにセットして、E7のコードの上にスイッチをセット。

M君が、棒スイッチを手でハジくと、それに連動して画面上のスイッチが反応して「ジャ~ン」と音が出る仕組みです。

何度か練習して上手に棒スイッチに手を当てられるようになった所で、M君の「ジャ~ン」を合図に、皆が足を2回鳴らしてすぐ続いて手を1回鳴らす、例のリズムを繰り返します。クイーンの「We will rock you」です。

歌い終わって、「こんな歌はどうかな?ちょっと合わないかな?」と聞いてみたら、M君が両手を開きながら両肘を持ち上げてきました。

お母さんによると、もっとやりたそうとのこと。

そこでM君に、好きな所で何度でも音を出して貰える様に、E7のコードだけで出来る曲「Shaky ground」を歌ってみました。ご両親は打楽器で参加。

M君は、まだ続けて音を出すのは難しいけれど、ギターの音には慣れてきた様なので、 今度はコードをAにセットして「Stand by me」を。
ご両親も一緒に歌って下さいました。

さて今回はお父さんのスチールドラムとウィンドウチャイムはありませんが、忘れてはいけないM君のテーマソング「ドレミの歌」を、
M君が初めてギターで挑戦。コードはCにセット。

M君の音から始まるというルールは変わらずに、まずM君のギターを聞いてからピアノでドシラソファミレと弾いていったら、とたんに顔がパッと変わりました。いつものようにワンコーラス終わるたびに止まって、M君の音を待つのですが、久しぶりなのに、しかも楽器も違うのに、ちゃんと覚えていたようで、ニコニコ活き活きと本当に楽しそうにギターを鳴らしてくれました。

それに、前よりM君の音を待つ時間が短くなってきたような気がします。嬉しい事でした。この曲で腕を動かす力やタイミングが掴めてきたら、他にも可能性が広がりそうな気がしています。

「パプリカ」も良く聴いていたらしく、途中で「あ~」と声を出して一緒に歌っている様でした。

「はらぺこあおむし」は、大好きな歌だそうで、お風呂の時間にヘルパーさんが歌ってくれるとのこと。
長い歌ですが、歌っている間中、楽しそうでした。

ちょうどそのお風呂の時間になったので片付けようとしたら、なんとヘルパーさんがいらして、一緒に「はらぺこあおむし」を歌いました。
M君は、ヘルパーさんに頭をなでてもらいながら、ニコニコ嬉しそうでした。

M君の好きな曲もだんだん分かってきて良かったです。
ご両親も揃い、久しぶりにM君ファミリーの音楽会が出来ました。

Wednesday 24 Nov 2021(OKN)

音楽

担当:石橋

■活動の様子

7カ月ぶりのO君は、少し体も大きく大人っぽくなったような気がしました。

最初は、「小さい秋みつけた」や「もみじ」などの季節の歌を聴いて頂きました。学校で和太鼓を練習しているそうで、ラップの芯をバチにして家でも練習しているとのこと。テーブルをトントン叩いて見せてくれました。

お母様が、何か一緒に叩けそうな曲をとの事で、
民謡ではないけれど、リズムがハッキリしていて、
歌詞に時節柄の「秋風」や「ピーヒャララ」や「ドンドコショ」が出てくるので、
「赤鬼と青鬼のタンゴ」を一緒に演奏してみる事にしました。

意外にも、これがなかなか合っていて、途中でラップの芯が何度かどこかへ飛んで行ったりしたものの、ノッテ叩いてくれました。

学校では、演奏終了の所でポーズを決める練習をしているそうなのですが、
最後の「オッレー!」の所で、バチを持って見えを切るところも見せてくれました。

今度は、外国の打楽器を叩いてみようと、いくつか前に並べて、まず鳴らし方を見てもらいました。中でも、赤、黄、緑の三色に塗られていてゴーヤの形をしたシェーカーが気になった様なので、ジャマイカのラスタカラーのお話をして、レゲエのリズムでピアノを弾いてみました。

一緒にシェーカーを振ってくれたので、そのまま、弾むリズムが面白いかなと「五匹のこぶたとチャールストン」を。

途中で、上手にリズムに合わせて鳴らしてくれました。シェーカーは、中に種やコメなどの小さい粒が入っていて、手首のスナップを利かせて粒をまとめて振るようにしないと音が出ないのですが、しっかり音を連続して出していたので驚きました。

お母様も、「ちゃんと曲と合っていましたよね。」と、嬉しそうに話してらっしゃいました。

次に馴染みのある好きな曲として「はらぺこあおむし」を。

物語の最初から最後までメロディーが付いている曲ですが、「げつようび~、げつようび~」の一週間を繰り返す所が一番好きだそうで、一緒に声に出して歌ってくれました。

テンポや曲調がクルクル変わる曲なのですが、最初はシェーカーを鳴らしていたのに、途中でブレスレット状の木の鈴に替えて、自分でちゃんと腕に通して鳴らしていました。

曲調の変化に気づいて楽器や音を変えられるのは、素晴らしい感性だと思いました。お母様も、O君が自分で対応したことにビックリされていました。

その日は「レコード週間」の最後の日だったので、レコードの話を少し。

最初の録音技術はエジソンが発明して、その時に、日本の京都の竹が利用されたとのお話をしたら、京都出身のお母様が「嵐山の竹かしら?」と、興味を示されました。

その後、拡声器が付いた蓄音機と円盤型のレコードが出来て、録音再生技術が「音楽」を通して世界に広まった事、友達の蓄音機でプレスリーのSP版を聞いて感動した時の話などをしました。

その時の歌は「オーラ―ル―」という源曲に歌詞が付いてプレスリーが映画の中で歌って、世界的なヒットになった曲で、その曲「Love me tender」を聞いていただきました。O君も知っている曲の様でしたが、じっと聴いてくれました。

次に、O君も動画でよく観ていたという「パプリカ」を。難しい曲だと思うのですが、一緒に歌ってくれました。

今回は英語の歌が少なかったのですが、もう1曲、歌詞の意味を少しお話してから、リズムがハッキリとしている「Stand by me」を、O君もお母様も一緒に打楽器を鳴らしながらお聴き頂きました。

最後にもう一度ラップの芯を持って、祭太鼓の練習がてら「赤鬼と青鬼のタンゴ」を一緒に演奏しました。

終わってから、
今一番好きな曲は何か聞いてみたら、「機関車トーマスの歌」との事。

お母様がO君専用のタブレットを出して下さったら、自分で機関車トーマスのページを出して、「この曲」と教えてくれました。曲調はお洒落な感じでセリフ入り。

次回は、「ぼくは機関車トーマス」を一緒に歌う事にしました。

前回は、お母様や私の言う事を、そのまま繰り返す事が多かった気がするのですが、今回は、自分から楽器を変えてみたり、自分の行動で好きな曲を教えてくれたりして、体だけでなく、気持ちも大人っぽくなった気がしました。大人に言われたことを、真面目に一生懸命取り組むタイプかなと思っていたのですが、ちゃんと自分を表現出来る様になってきた事に頼もしさを感じました。

単純に、私との距離が縮まってきただけなのかも知れませんが、嬉しかったです。

Friday 19 November 2021(KS)

最新の音楽情報 ボイスコミック「ヤンキー君と白杖ガール」 歴史「大谷吉継について」 英語の歌の聞き取りBTS 「Dynamite 」

 

担当 奥山

 

【活動の様子】

 

外の様子をカメラで確認。秋の進み具合を説明しました。

最新の音楽情報は大学生お勧めのBUMP OF CHICKENのRayを聞いたあと、奥山お勧めのゆるキャンのサウンドトラックからゆるキャンのテーマをお聞かせしながらKSさんの手や足に触れました。右手の指も左手の指も微細に動かして教えてくれました。

続いてコミックとドラマで話題の「ヤンキー君と白杖ガール」を紹介。ボイスコミックの面白さを紹介すると表情が緩んでいらっしゃったので期待感を持っていただいたようです。ボイスコミックのYouTube動画の入っているSDカードを渡したので後でゆっくり楽しんでいただけると思います。KSさんには間もなくサピエ図書館を利用する環境が整う予定なので、コミックも物語も今興味を持っている歴史の本も読んでいただけると思います。

次に大学生が構成した歴史の大名武将についてのお話し、最後まで友情を守った大谷吉継について勉強しました。歴史の勉強は奥が深い。

最後の時間、スイッチをやるか英語の聞き取りをするか選んでいただくと英語を選択。今年の学校の文化祭のテーマソングにもなったBTSのダイナマイトの聞き取りをしました。

次回はKSさん専用のiPadが届く予定なので、スイッチを使って活躍することをテーマに取り組む予定です。

 

Wednesday 17 November 2021(KM)

声スイッチを使って好きな方を見る 「ヤンキーくんと白杖ガール」ボイスコミック 日本の総理大臣と世界の首脳

担当 奥山

 

【活動の様子】

 

 7月にお会いして以来の4ヶ月ぶりの学習でした。その間にKMさんが知りたがっていることや試したいことなどたくさんの宿題をいただいていました。

 そのひとつが声でスイッチを操作することです。KMさんは声を出してお母さんを呼べるようになってきたので、声を使って操作の練習ができないかというご相談でした。それまでMaBeee「コントロール」アプリの「声」を使ってiPadの操作等を試していらっしゃいました。今回持って行ったのは「マイコンキットドットコム」が出しているMK305-Bという音センサースイッチキットです(キット1701円 完成品3513円)。コンデンサマイクを基盤から延長して口もとで声を拾えるようにしました。感度調整可能でON時間設定も可能です。これがあればMaBeeeを使わずに操作することができます。

 

 音センサースイッチで操作するのは電池とモーターで動く回転台でアクションカメラを載せてあります。KMさんの視野の範囲にiPadの画面をアームを使って設置すると早速声を出して画面の変化に注目している様子でした。目の使い方がうまくなり、眼球の水平方向の細かい動きが隣で見ていてわかるようになってきました。今回、眼鏡も新調されていました。

 この道具立てを使って家族の様子を確かめてもらいながら練習していただくことにしました。

 iPadのアクセスビリティ→スイッチコントロールを使って家族への「つっこみ」の複数の声ボタンを選んで操作してもらうことが次回の奥山の宿題になりました。

 最近ネットや若者の間で話題になっている楽曲を紹介した後、「ヤンキーくんと白杖ガール」というコミックと同コミックが原作のドラマ「恋です!ヤンキーくんと白杖ガール」(日テレ系10月スタート)について紹介した後、見えない方、見えにくい方も見える方もどちらも楽しむことができる「ボイスコミック」を紹介しました。もともとKMさんに「鬼滅の刃のコミックを読んでみたい」という宿題を出していただいたおかげで、コミックの音訳にはすでに長い歴史があり、サピエ図書館にはすでに「鬼滅の刃」が収録されていることなどたくさんの新しいことを知りました。また少し前に大学生から「ヤンキー君と白杖ガールというコミックが面白い」という情報を聞き、コミックを読んだりドラマを見て調べている中で、従来の音訳マンガから更に発展した「ボイスコミック」という表現形式を知ることになりました(YouTubeで「ヤンキー君と白杖ガール」「ボイスコミック」と検索すると出版社公式のボイスコミックを視聴することができます)。宿題の発注者のKMさんには是非ともお知らせしなくてはいけない情報です。今日は概要だけ触れることにして、後でゆっくり視聴してもらうことにしました。

 最後に日本の総理大臣と世界の首脳についての学習。妹さんが学校で日本の総理大臣やアメリカの大統領について勉強していることを知って、私にも詳しく教えて欲しいという宿題でした。10月中に予定していた授業が奥山の都合で延期になり、その間にO先輩やK先輩がこの学習に興味を持って先に勉強したことをお話しするとちょっと文句を言っていらっしゃるようでした。でもお互いにどんなことに興味を持っているのか情報交換をすると、興味の幅が確実に広がると考えています。そしてK先輩が「エリザベス2世は15の国の女王である」ところで驚かれていたことを紹介するとKMさんも首にぐっと力を入れて「私もそれは驚く」とおっしゃっていました。

Sunday 14 Nov 2021(SY)

目と手の協応/数量/算数/文字

担当:松本健太郎

■活動の様子
・ボコボコタッパー:自分流の引き方から両手交互に引く方法に移れるように手伝いました。最後は次に前に出すべき手に支援者が触れるという少しの手掛かりで順番に左右の手を前に出しチェーンを引いてくれました。
・ボコボコジャバラ:両手でひっぱり広げた後に、ちぢめることにも取り組みました。ぐにゃぐにゃ曲がるジャバラを縮めるためには、より高次の空間把握と運動の調整が必要で、同じようにぐにゃぐにゃしているタオルや洋服などの布を畳むことにつながる課題だと考えられます。ジャバラとタオルの違いは同じようにぐにゃぐにゃしていてもジャバラには正しい方向に縮めるとカチッというフィードバックがあることです。そのフィードバックに支えながら、楽しみながら取り組んでいました。手と手の間隔を狭くするとちぢめやすいことを説明しながら手をとりちぢめるのを手伝いました。
 学校の個別の時間で取り組んでもらえるようにジャバラを貸し出しました。


・四角入れ子: 横方向だけでなく高さ方向への調整も必要な課題ですが、上手に最後まで取り組むことができました。最初は順番に一つ一つ渡し、次に途中で順番を変えて渡して自分でいったん入れたものを出して入れ替える課題に取り組みました。ヒントなしで入れ替えも上手にできていました。最後に逆さまに置いて高く積んでいきました。ある程度重さのある木製なので安定感があり最後のピースまで積むことが出来ました。片付けまで自分で行いました。


・石蹴り入れ:手首の外旋を引き出すために取り組みました。容器の角度を調整して手首の外旋を促すようにすると、手首を外に捻りながら石蹴りを入れていました。
・円盤はめ:直線5コまでならぱっと見て正解を答えられていました。


・円柱刺し:同じく直線5個まではぱっと見でわかりました。残り幾つ問題も残りの穴2個から導入したらスムーズに答えられました。なぜか8にしたいというので3個の円柱差しを上につけて入れて8個にしたら大喜び。好きな数があるとそれを基準として様々取り組み、例えば5と幾つで8?が組み立てられ非常に有効であると感じました。

・体積パズル:分割なし、2分割、4分割、8分割の順に、最後は8分割2個、4分割1個、2分割1個を色々な向きに入れて行きました。奥行きを合わせて枠にすぽっと入れることが上手にできるので、手のひらで空間と量を把握する課題としてS君にピッタリだと思いました。学校の個別の時間に取り組んでもらえるように教材を貸し出しました。

・数の棒:2の棒を3の枠と4の枠に色々なはめかたで入れてもらいました。今日も最初は立てて入れていたので棒を増やして全部入れてもらった後に、横置きで入れるように伝えると何回か向きを変えながらはめてくれました。次に5の棒の枠を使い、2棒を入れておいて残りの隙間に3と4の棒どっちが入るか選ぶ課題に取り組みました。見ただけで正解の棒を選んでいました。ご家庭で使っている市販の数の棒も同じような使い方で取り組むと良いことをお母様にお伝えました。

・立体弁別:円柱と四角柱2つのはめ板に対し 立体一方を渡す方法、分類的弁別(いくつかのものの中から特定のものを選び出す)では、目で穴を確認するだけで正確にはめていました。

はめ板1つに対して2つの立体を渡す方法、選択的弁別(見比べてある程度それぞれの違いを認識して選ぶ)では、実際に一つ一つはめてみながら試行錯誤的にはまるものを選び出すやり方で取り組んでいました。ぼやっとした形の違いを正確にイメージできるように継続して取り組んでいきたいです。


・ひらがな字形スライディングブロック:次々に円盤を動かし上手に取り組んでいました。クロスする部分は補助が必要でした。
・文字:好きな人の名前を書いてみようというと、大好きな先生や友だちの名前を選び、立体コピーをなぞった後に、立体コピーの上に紙を置いてクレヨンで字形をなぞりました。交差がない文字は、ほとんど自分でかけていました。「み」など交差のある文字は交差の部分だけ手伝うと、あとは一人で書くことができました。今日の勉強は終わりと挨拶した後に、自分の名前も書きたいと伝えてくれたので、他の名前と同じように立体コピーをなぞってから書きました。最後に書いた文字全部をゆっくりみながら自分で読み上げました。自分で書いた大好きな人の名前を味わっているようでニコニコして何回か読み上げていました。
疲れ気味で覚醒もイマイチだったのですが最後の文字練習は熱心に取り組んでいました。大好きな人の名前が大きな力となり学習を後押ししてくれました。

Wednesday 3 Nov 2021(FKK)

スイッチ操作/目と手の協応/数量

担当:松本

<活動の様子>

■空気圧スイッチのマッチング

・勤務校の若手教員から教わったセリアのシリコンチューブをPPSスイッチにつないだ空気圧スイッチを紹介し、貸し出しました。

・まずは寝たままの姿勢でチャイムにつなぎ試したのですが、覚醒が低かったため他の活動後に試すことにしました。

・座位保持に座り、シリコンチューブを握り、iPadに+タッチャーをつけて嵐の動画をはりつけたkeynoteプレゼンの操作をしてもらいました。PPSの感度は一番低い設定でも操作できていました。それまで覚醒が低かったのですが、嵐の画面になるとよく見ていました。

・プレゼンは、5つの動画を貼りつけて、「トランジション」を自動に設定し、「遅れ」をそれぞれの動画の時間にし、曲の途中で誤操作があっても次に進まず最後まで曲を聴けるようにしました。動画が始まってしばらく経ってから次の曲に行けるようにもできますが、以前、途中で誤操作で曲が変わってしまうことにFさんが不満げだったというお母様の報告を受けてそれぞれの曲を最後まで聴ける設定にしました。

・プレゼンの「書類」→「スライドショーの設定」で「スライドショーの再生を繰り返す」にチェックして、プレゼンが終わっても最初に戻るように設定しました。

・iPad+タッチャーのジェルの部分が劣化していて、反応が悪かったのですが、お母様がその場ですぐにジェルの部分をネット購入してくれました(https://assistech-lab.com/?pid=146268283)。

・明日ちょうどOTさんが来るようで詳しく握り方を調整してくれそうです。

・シリコンだとある程度形がしっかりしていて、しかも微細な動きも捉えられるので優れものだなと再確認できました。

■目と手の協応

・ボコボコタッパーミニ:右手にチェーンの先をゴムバンドで固定し、こちらで動かしながら、動かすように誘うと何回か引いて、最後まで抜ききっていました。覚醒が低い状態でも引き抜いてくれたのは素晴らしかったです。

・スライディングブロック(直線中央穴):下に引く動きがよく出ていて自分でブロックを移動させ数回穴にはめていました。その後肘を支えながら上・左右の動きを練習しました。ボコボコタッパーとスライディングブロックはご家庭でもヘルパーさんと一緒に取り組んでいるようですぐに手の操作が出ていました。

■数量・算数

・円柱差し(直径50mm):円柱を目の前に提示した後に一緒に袋に入れ、右手で袋をぶら下げるようにして持って重さを感じてもらいました。ぶらんとした手で袋の重さを感じながら2の重さ、3の重さなどを味わっているようでした。その後それぞれの個数が入る円筒に一緒に入れて量を高さで感じてもらいました。手が円筒から落ちる感じをの違いで高い低いを学んでもらいました。最後に穴が横一列に並んだはめ板に円柱を入れながら1、2、3を長さを感じてもらいました。手を滑らせて端まで行って落ちるまでの距離の違いを感じてもらいました。

・鉄球落とし:同じように量を長さにして感じてもらいました。穴が1個の面、2個の面、3個の面を触ってもらい個数が多くなると面の長さも長くなることを一緒に確認しました。