Saturday 5 November 2022 KS

目と手の協応/コミュニケーション 

担当:松本

■活動の様子

 最初に、口角の動きでスイッチ操作できるようにお母様にPPSスイッチを左口元にテープで貼り付けてもらいました。

 スイッチをステップバイステップにつなぎ、はじめの合図をしました。

 手元が見えるように、カメラとモニターも設置し、目と手の課題からスタートしました。今日は、瞬きがたくさん確認できたので、瞬きを合図にしてボコボコチェーンミニをこちらで引っ張りました。手を動かすことが難しくても、瞬きで引っ張る合図を送くれるので本人も達成感があったようです。チェーンとタッパーのボコボコというフィードバックを感じながら、笑顔で取り組んでいました。

 スライディングブロックは、数回手の動きが出ていました。私が手伝いながらやる時でもカチッと重いブロックが入る瞬間は、目が開き、入ったことを感じていました。

 画面を良く見ていたので、Keynoteのスライドのスイッチ操作の課題に移りました。インターフェースはiPad+タッチェーです。題材は、奥山支援員が作った11月の音楽情報のスライド。YOASOBIの「祝福」がガンダムの主題歌ということや、そもそもガンダムってなに?というスライドを集中力が途切れることなく注視していました。表情も良かったです。動画の部分は、スイッチで動画を自分でスタートしていました。口角の動きより、瞬きの方が今日は良く出ていたのですが、ここぞという時はしばらく待つと、口も動き出して動画を再生していました。ガンダムが実際に動くシーンの動画を見ながら思わず興奮し、ガンダムの動きに合わせて自分の手も動かしていました。

 次に、NiziUのミュージックビデオが20秒間再生され止まり、スイッチを押すとまた再生されるKeynoteのスライドを使いスイッチの練習しました。やはり、口角の動きはいつもよりでにくかったですがしばらく待つと口元を動かしスライドを進めていました。

 次は、スイッチ操作で回転するターンテーブルの上にアクションカメラをのせ、iPadにwifi接続し自分でカメラを回転させながら部屋の様子を見てもらいました。こちらも奥山支援員のアイデア。ラッチアンドタイマーが必要かと思いましたが、PPSスイッチだけで十分カメラを回すことができました。iPadと繋いだモニターに部屋の様子が映し出されると目を開き、口角を何回も動かしカメラを回していました。この時は、本日動かしにくかった口角の動きがたくさんで出ていました。

 お母様が、「前から、キョロキョロさせたかったんです!」と感動されていてクリスマスプレゼントにすると言っておられました。その言葉を聞いて「キョロキョロシステム」と名付けることにしました。雨の日や雪の日の外の様子も見せたいといわれていました。残念ながら、アクションカメラをモニターするときには映像のみで音が出ないようです。

 目の前、15cmくらいに提示してくださいというのが眼科からのアドバイスでそこがK君にとって最も見やすい位置です。もしかしたら今まで部屋の様子もはっきり見えてなかったかもしれません。最も見やすい位置で周囲の様子の視覚情報を提示できる「キョロキョロシステム」は、目の前15cmの世界を広げるための最重要アイテムになるかもしれません。

 最後に前回お約束していた、支援者が手動でスキャンする文字盤を試してみました。枠をスライドさせる時に手で隠れてしまうので改良が必要そうです。K君は良くみてくれていて、瞬きで所々行選択の合図を出してくれましたがiPadをしっかり固定して指伝話などの文字盤アプリで練習する方が良いかもしれないと思いました。

 始めと同じように、ステップバイステップを口元につけたPPSスイッチで操作して終わりました。