音楽
担当:石橋
今回は、朝から目がパッチリで、ニコニコご機嫌の様子。このところ眠っている事が多かったので、久しぶりにコミュニケーションがしっかり取れて嬉しかったです。
前回、Kさんがウトウトしている間にヘルパーさんと、「何か自分の意志で出せる楽器があれば良いですね。」と話していました。
今のKさんの運動機能として、マラカスを手に持つことは出来るけど、自分の意志で腕を振って音を出すのは難しく、いつもヘルパーさんがKさんの手を取って、一緒に鳴らしてくれるという状況でした。
それでも、楽しんでくれている様子ではあるのですが、Kさんの意志で一つでも音が出せたら、それを合図に「嵐」の歌を始める事もできるでしょうし、
何より、Kさんがリードできる状況を作り出せたらなと思いました。
実は前に、気が付くと得意げにマラカスを持って背筋を伸ばしキラッキラの表情で静かに肘を上げているKさんを見て感動したことがあり、この状態で、音を出せる方法はないかなと考えていました。
それで試しに、握る事が出来る力を利用して音を出す「楽器」、仮名「パイプホイッスル」を作ってみました。
パイプの端にホイッスル、もう片方の端に、細い管の先から空気が吹き出されるゴム製の球体お掃除棒、それらをパイプにピッタリと付けて、握る度にピーッと音が出る「楽器」です。ちなみにゴム製の丸いお掃除棒とは、精密機械の清掃などに使われる、ヒュッと勢いよく風を送り埃を飛ばす道具の事です。
早速試してもらおうとKさんの手を取ったら、思ったより手が小さいことも有り、小さめの球体を選んだつもりだったのですが、手のひらの中に納めるのがなかなか大変でした。
ヘルパーさんによると、学校へ行っていたころは手の筋肉も使っていたそうなのですが、卒業してからだんだん手の指も開かなくなってきたとの事で、開くのも握るのも、実はなかなか難しい事が分かりました。
それでも何とか手のひらの中に収まり、流れていた嵐の曲に合わせて、一緒にピッピ―、ピッピ―と鳴らしてみました。
「何これ?」と言う風に、一瞬不思議そうな顔をしましたが、音楽の一部の様に鳴るのが分かったみたいで、すぐにニコニコしてくれました。
今度は私がいつもの様に歌って、ヘルパーさんがKさんの手を取って一緒にピッピ―と鳴らしてくれました。自分で握るには少し大きいので、もう少し小さいか、または細いタイプがあればベストかなと話しながらも、Kさんは笛の音が気に入ったのか、手の感触が気に入ったのか楽しそうでした。
ヘルパーさんに、「ほら、自分で握ってごらん。」と何度も言われながらも、終始ニコニコとして笑っていました。
秋の唱歌の後、リズムがあるアップテンポの曲が好きとの事で、さんぽ、南の島のハメハメハ大王、手のひらを太陽に、などの後、嵐の曲を2曲、そしてホール・ニュー・ニューワールドを聴いて頂きました。ジブリも「天空の城ラピュタ」は観た事があるらしく、
短調の曲だけど、次回は「君をのせて」も歌ってみようとなりました。
それにしても、こんなに長い間ニコニコしているKさんを見るのは初めてかも知れません。機嫌の良い日にパイプホイッスルを試せて良かったです。