Saturday 28 Oct 2023 HT

音楽

担当:石橋

■活動の様子

 T君がリフトで上階から降りてくるとき、今回は翌日が満月だったのでMoon riverを歌いながらお迎えしました。今回は元気そうで、いきなりクリスマス曲のリクエストがありました。

 さっそく、「ジングルベル」から「サンタが街にやって来る」「赤鼻のトナカイ」などを歌うと、上半身を左右にフリフリ勢いよく動かしながら楽しいことを伝えてくれました。Tくんのダンスが見えて嬉しかったです。ずっとこの3曲の繰り返しでも良いかもしれないというくらいお気に入りのようでしたが、ちょっと休憩して、「Have yourself a merry little Christmas」や「The Christmas song」 などのクリスマス・バラードも、じっくり聴いてくれました。

 前回、小さい子どもの定番曲も聞いていたとのことを思い出し、「いぬのおまわりさん」のイントロを弾いてみたら、すぐに反応してくれました。でも歌い始めたら、「それじゃあない。」というふうに、そっぽを向いてしまいました。お母さまが子ども曲の譜面を持ってきて下さったので、カーペットの上に座って、ミニピアノで「アリさんとアリさんがごっつんこ~」はどうかなと歌ったら、やはりちょっと違うという感じでした。今回は、なんてったってクリスマスソングの気分だったのかもしれません。

 さて、ちょうどカーペットの上にT君もお母様も座ったので、この機会に、T君が一人でピアノを弾くことに挑戦しようと思いました。まずはT君に、前にお母様から送っていただいた動画を見て感動したことを伝えました。すると、お母様が急いでその動画を出してくれました。一緒に見ながら、「凄いね~! T君は自分の意志で、鍵盤を一人で押さえられるんだね。」と伝えました。
さらに、「それは凄いことで、練習すれば曲も弾けるようになるかもしれないよ。」と、カーペットに座ったまま、私が最初に、右手だけでジングルベルのサビを「ミ・ミ・ミ~・ミ・ミ・ミ~・ミ・ソ・ド~・レ・ミ~」と、ゆっくり弾いてみました。T君は左半身を、ピアノの椅子の代わりに私に寄りかかりながら、動画と同じように右手で鍵盤に手を伸ばしました。私は嬉しくて、「そうそう、いいよ、いいよ!」などと声をかけましたが、もう少しで鍵盤に届きそうだったのに、途中でプイと手を降ろしてしまいました。どうも私のテンションが上がりすぎて、逆にT君のやる気をそいだみたいでした。

 お母様によると、期待され過ぎたり、何かのプレッシャーを感じたら、イヤになるみたいで、その気持ちも多少理解できますが、もうちょとだったのに残念でした。前回、「誘導しようとすることに気が付いたら止めてしまう」と、お母様からお聞きしましたが、ほめたり、応援したりしてもやる気をそぐとは、なかなか難しいなと思いました。つい、「凄い凄~い!」とか「頑張って~!」とか口に出してしまうので、かえって刺激するのかもしれません。この方法で上手く後押しできることもあるのですが、T君の場合は少し複雑な様でした。ただ静かに見守る方が良い場合もあるのかもしれません。

 T君がずっと寄りかかってくれていたので、そのまま抱っこして、もう一度ピアノの椅子に座りました。そして、T君の好きなビング・クロスビーの「White Christmas」を歌ってみました。続いて「 Blue Christmas 」や「Happy Christmas」、「ママがサンタにキスをした」なども。最後にブルースを1曲、聴いて頂きました。

 お母様も、T君のピアノが聴けなくて残念そうでしたが、今日は、クリスマスソングで楽しんでくれたみたいだから、これでヨシということとなりました。
次回は、冷静に、促してみようかなと思います。