Saturday 24 June 2023 FK

目と手の協応/文字/スイッチ操作

担当:松本

■活動の様子

・目と手の協応:ボコボコチェーンからスタート。今日は手の動きがよく、チェーンの最後のひと抜きも、手首を動かし抜いていました。左手でも右手でもタイミングよく動かして取り組んでいました。次にボコボコチェーンミニ。左手に握り、右手でチェーンを引き抜く動きで行いました。教具をそれぞれの手にセットして待つと、今日は左手を動かしチェーンを抜いていました。はっきりと、自分の手を調整して抜けたのは久しぶりでした。以前の感覚が戻ってきたようでした。スライディングブロックは両手で取り組みました。どちらの手も、自分の動きでブロックを滑らせていました。これもしさしぶりで、本人も満足そうでした。

・文字:書見台に凸文字をセットし右手で一緒になぞりました。文字盤で今日取り組む行を一緒に指でスキャンしながら確認すると「は行」で指先の力が入りました。凸文字→手のひら→ブギーボードの順で取り組みました。最初の「は」の時には、最後の丸める部分もよく動きが伝わってきました。

・iPadのスイッチ操作:スライドスイッチでKeynoteのスライドを進めながら、音楽スライドをみました。少し覚醒が落ちていてスイッチ操作は一緒にしたのですが、YOASOBIの「アイドル」をかけると表情が変わり、声を出して気に入ったことを伝えてくれました。特に声が好きなようでした。

体調も落ち着いて徐々に以前のような運動のコントロールも戻ってきました。今後も楽しみです。

 

Saturday 24 June 2023 OK

目と手の協応/算数・数学

担当:松本

■活動の様子

・目と手の協応:ボコボコチェーンを左右の手互い違いに抜いた後、上の穴からボールチェーンのボールを一つずつ押し込みしまう操作を一緒にしました。操作の練習もあるのですが教材の構造理解にも役立つと思い行いました。ボールが入っていく指先に伝わる感覚が少しこそばゆい様子だったのでいくつか入れたら蓋を開けて後ろからチェーンを引っ張る方法に変えました。最後まで引っ張った後に一緒にチェーンをタッパーに納め、蓋の四角を押して閉めるところまでやりました。

・分数の意味:正方形の板を縦に分割した物を使い、分母は分けた数、分子は、分けたものをいくつとってきたかの数を確認しました。分母分子が同じ数の時には、1になることも覚えていて、短時間で復習を終えることができました。

・分数の大小:分母が同じ時、分子が同じ時で大小を板の実物で確認しながら復習しました。前回の内容が全て定着していて全問正解していました。次に、実物がない大きな数での大小比較に取り組みました。こちらも全問正解していました。実物操作では手に負えない大きな数字も頭の中での操作ができること、その面白さを味わっていたようでした。

分母分子も異なる大小比較には、掛け算の知識が必要だと説明して掛け算の導入をしました。

・掛け算復習:掛け算の意味を、以前に使ったKeynoteスライドと円盤はめで復習しました。その後、Apple pencilとGoodnoteで九九を書いて覚えることにチャレンジしました。次回までにゆっくり取り組む宿題にしました。なぞって覚える凸文字九九もあったら良いと思いました。

・その他:ハリーポッターのテーマパークの話題になったので、ハリーポッタの説明スライドを提示して、読んでみたいかどうか確認すると、読むということだったので、様々な読み方を紹介しました。本を読んでもらう方法、電子書籍の画面を確認しながら読んでもらう方法、今読んでいる文章を確認しながら音声を聞く方法、音声のみを聞く方法などを紹介しました。合わせて奥山学習支援員から教えていただいたサピエ図書館の紹介し、登録方法を説明しました。

K君も物語を執筆するので、他の本を読むことはきっと役に立つよと伝えると納得した様子でした。

Tuesday 13 June 2023 FKK

美術

担当:三輪

■活動の様子
 部屋に入り声をかけた時は目を開けて、前回マスキングテープを貼って色をつけたお茶碗が完成して持ってきたのでそれを眺めました

 その後、Kさんはゆったりと眠りに入っていきました。ただ、居心地はよさそうで手指は弛緩していて、緊張も無かったです。
 小さいペットボトルに毛糸を巻き付けて、握ったり振ったりできるアイテムを作りました。Kさんの左手でテープや毛糸を握ってもらいましたが、本人は落ち着いて本格的に寝てました。振ると鈴の音がするのを耳元で鳴らしたりして、毛糸を指の間に通したりしながら、三輪が作業しました。最後に大野くんの切り抜きを貼りました。


 
 その後、いつものクレヨンでの塗り絵を予定していましたが、目が覚めずクレヨンをつかむことが叶わなかったので、これはまた次回にしていままでの作品を眺めてみましょう、と声をかけたら、いきなりパチっと目覚めて、ちょっと驚いたような表情をして口を動かしていました。そこからは目を開いて一緒にいままでの塗り絵を一枚づつ眺めました。
 次回のお約束をして終了しました。

Sunday 18 June 2023 SY

目と手の協応/数量/書字

寝不足ということで、途中で少し休憩をとりましたが、その後覚醒が上がり予定していた全ての課題に取り組むことができました。

活動の様子

■目と手の協応

・ボコボコタッパー:両手で交互に引き抜いた後に、ボールチェーンの玉を一粒ずつ上から押し入れることにチャレンジしました。最初は力加減が難しく、なかなかボールが中に入って行かなかったのですが、すぐに一人でできるようになりました。途中疲れたと伝えてくれたので、タッパーの蓋を外し後ろから引き抜く方法で、最後チェーンを納め蓋をするところまで一緒に行って終わりました。

・ボコボコジャバラ:たたむ速度が上がっていました。

・ボコボコジャバラスクリュー:ねじって連結する雄と雌合わせが難しい様子だったので、向きを伝えると手首を上手に動かして捻り込んでいました。

・石蹴り入れ:蓋がスクリュー式だと初めは気づかなかったのですが、スリットに手を入れそのまま蓋を取ろうとした時に少し蓋がずれたことで、ねじる方向がわかり蓋を自分で外していました。今回はたまたま蓋がゆるかったため、動いたのですがこのように自分で気づけるような提示が大切だと思いました。1枚10円単位で数えて最後100円という繰り上がりも正確に答えていました。

・枠太体積パズル:三角柱の時、空いたスペースを手で触り向きを変えて入れていました。以前は試行錯誤的に、ガチャガチャと動かしてはめていましたが、今回は明らかに空間イメージができてきた様子が見られました。

■数量

・円柱差し:ピッタリ10にする組み合わせ、いろんな数のはめ板を使って取り組みました。楽しんで行っていました。

・筒の入れ:4個の筒を1、2、3の棒に振り分けピッタリ分配できる組み合わせを見つけてもらいました。試行錯誤しながら取り組んでいました。

・数の棒:2、3、4、5の2列の枠に2の棒がいくつ入るか質問していきました。どの問題も正解していました。はめた後も、他の入れ方ある?と聞くと棒を入れ替えて入れ直していました。その後、数の棒を一つ多く渡して、どれがいらない当てる問題に取り組んだ後に、1から5までの数を並べておいて、4の棒は、2といくつか、1といくつかのように、実際に枠にはめながら数の合成分解に取り組みました。ピッタリ合う数を探すのは楽しいようで集中して取り組んでいました。次に、6から8の棒を枠に入れその横のスペースに1から5までの数を使って、ピッタリスペースを埋めること課題をしました。最初は、小さい数から入れてうまくいかないようだったので、5から入れてみたらと伝えると、うまく数の組み合わせを見つけることができました。夢中になって取り組んでいました。10に取り組んだ時に、5と2などの組み合わせを置いた時に、それは7だねと実物を横に置いて確認して、5を基準とした数の合成の課題も埋め込みました。自分が子どもの頃は、鉄道の切符の下の番号を足し算引き算で0にするという遊びをしましたが、この課題も似たような操作だと思います。「ピッタリパズル」という名前で今後も取り組もうと思います。

■書字

・凸文字をなぞり、大好きな友だちのバスコースと友だちの名前を書きました。学校に持って行くと伝えてくれました。

Saturday 13 May 2023 MH

コミュニケーション/操作

担当:小山

<活動の様子>

■教材・教具(目的):

・子どもの様子

■歌手遊び(導入):

・注目やアイコンタクトがあり、笑顔になりました。

■VOCA:ステップバイステップ(①あいさつ):

・VOCAの提示ですぐに表出しました。

■絵本2冊(実物の1/2選択(スイッチの選択の導入)):

・「だるまさんが」と「いないいないばぁあそび」の2冊を眼前に提示すると、「だるまさんが」に触れました。左右に入れ替えて再度示しましたが、見比べた後「だるまさん」に触れました。

・「だるまさんが」を朗読すると、よく注目しオノマトペのページで笑いました。

■2キーVOCA「だるまさん」イラスト(キーの1/2選択):

・左側のキーに「だるまさん」のイラストを載せ、「だるまさんが」を録音。右のキーは無音。操作しやすい右キーに触れて感触を味わいました。大人がモデルを示し音声FBがあると関心↑の様子。次第に触覚的な感覚よりも「だるまさんが」の表出が増加しました。 

■おしまいBOX(終了の理解や表出を促す):

・絵本やVOCAへの注視が減少したため、「おしまい?」とことばをかけた後「おしまい」+サイン提示の後BOXに片付けました。「バイバイ」とBOXを遠ざけました。過程をよく見聞きしている様子でした。

■ヤクルト形立体抜き、軸、短缶(<操作>握る、握って抜く、意図的リリース、缶を探索して立体をつかむ) 

・すぐに立体に触れるとともに、穴を予測するように軸先を探索しました。大人が軸の角度を調整することで抜くことができました。サブの大人が立体の近くに缶を差し出すことで、リリースが促される印象でした。

・缶に積極的に手を入れるので、缶の中に立体を入れると自発的に探索して立体をつかむ。

・立体が天板上に落ちると、探索したりつかもうとしたりするために肘が後方によく動いていました。

■銀玉チェーン引き:リングを把持して引くが、固いために肘が伸展し、指のみで操作していました。

■風呂チェーン引き(肘の動きを促すさらに肘の動きを促す):

・より弱い力で引き出せる教材に変えて実施。この時、操作の開始時に肘をやや屈曲させた状態にすることで、指のみでなく肘を後方に引く動きが生じました。これまでで最もスムーズでした。

■方向性のあるピンポンスイッチ(縦方向の連続した操作、肘の動きを促す、コミュニケーション):

・上記と同様に、スイッチ操作の開始時に肘をやや屈曲した状態にすることで、肘を後方に引いてONにしました。上方に押し出す動きもしばしばありました。

・手首のみで下方へ動かすことが多かったです。肘を後方に下げる動きを他動的に繰り返した後再トライ。再び手首のみの操作で動きが止まると、肘からさらに下方への動きが出てONにしました。

・松本が外出のためにあいさつをして退所すると、1~2分後に突然泣き始め、大きな声で泣き続けました。好きな歌をうたうも泣きやまず。食へのモチベーションが高いので、母と昼食についてやりとりすると、「スパゲティ」 「バナナ」「ぎゅうにゅう」という単語を聞いて泣きやみ笑顔になりました。単語理解向上しています。

Saturday 13 May 2023 TS

コミュニケーション/操作

担当:小山

<活動の様子>

■教材・教具(目的):

・子どもの様子

■VOCA①Step-by-Step(あいさつ):

・笑顔であいさつ。VOCAの操作は良好でした。

■チェーン引き(導入):

・空間にある取手を指にかけて引きました。途中で母が右上肢を固定することで左上肢の動きの調整が容易になりました。

■動くドーナツパーツ入り絵本(人差し指の操作をアセスメント):

・ドーナツ状の絵本のパーツに人差し指を合わせると、指を動かしてドーナツを移動させていました。部分的に大人が絵本を動かすことで負担を軽減しながらゴールする。肘の援助なしでも操作が良好。

■VOCA②Step-by-Step絵本「だるまさんが」(絵本を読む活動の経験):

・母に「だるまさんが」の内容を録音していただきました。本児に活動のモデルを提示すると、すぐにVOCAにリーチしました。音声FBにあわせて大人がページをめくる。当初はVOCAの連打が多かったのですが、経験するうちに絵本との間合いが合ってきました。

■直線の溝板・一文字3本(方向性のある(線)操作):

・終点を意識した右方向への操作が良好。時折金属性円盤を取り出そうとする動きが出ました。モデルや「すー」「とん」といったことばがけで軽減しました。

■飲み物休憩A4紙+マジック(「のむ」or「のまない」の選択):

・A4紙に即興で書いた「のむ ○」「のまない △(小)手を振るイラスト(バイバイ・要りませんの意)」にて、明確に「のまない」を選択しました。

■VOCA:チャットBOX(操作性アセスメント①1キー②5キー):

・キー上の赤いシールを人差し指で押しました。キーにタッチすることは良好ですが、指の角度によっては圧がかかりにくくONにならないことがしばしばありました。キーの四方と中央寄りの5キーについて、大人がリクエストした色のキーまたは近くにタッチしました。

■ヤクルト型立体抜き(目手の協応・操作体験):

・活動のイメージがあり、すぐに立体を握ったり回したりする動きが出ました。軸の方向性を理解し、引き抜くこと+。軸に入れることに関心があり、もう一つ軸を用意すると、見定めと立体の把持が持続しました。手指の柔らかい動きが出現しました。

■休憩A4紙+マジック(「もっとやる」or「おわりにする」の選択):

・飲み物休憩と同様にA4紙に手書きで「やる ○」「おしまい△(小)手を振るイラスト」のボード提示に対し、明確に「やる」を指して要求しました。

※これまで1/2選択での意思表出はあいまいであったが、本日は手差しによる選択が初めて明確に読み取れました。「もっとやるの?」の問に、笑顔と微細な発声がありました。

■お団子2結立体抜き(操作体験):

・団子状の立体にそった手指の調整(カーブ)が見られました。抜く→軸に入れるといった連続した活動を行いました。意欲はあるが時間となったのと、疲労の様子があるため終了しました。

Sunday 14 May 2023 OK

読み聞かせ/目と手の協応/数量概念/算数/見本合わせ

担当:谷田部

■活動の様子
 今回はKくんが風邪気味で、最初は痰が絡んで苦しそうでした。なので少し体調を見ながら勉強を進めました。途中でだいぶ楽になり、後半は、集中して取り組めました。

《読み聞かせ》
 体調が悪そうなので、絵本を2冊ゆっくり読みました。よく聞いて、簡単なフレーズを復唱しながら楽しんでいました。次回の学びサポートまでご自宅でも読んで欲しいのでお貸ししました。

《数量概念/算数》
 今回も円盤型はめを行いました。左右の順番と方向を意識しながらはめる学習です。前回の宿題で、ご家庭でも左右を意識するように声掛けをお願いしました。最初に「左手挙げて」「右手挙げて」とウォーミングアップしました。すると、今回の型はめでは、左右の方向を間違えませんでした。しかし、まだ途中で一つ飛ばしてはめることがありました。方向と順番に入れることを引き続き練習しようと思います。次に、縦に向きを変えて、そこに「上から入れて」「下から入れて」を課題を出しました。平面で上下感覚を勉強しました。

《立体構成》
 立体構成では、今回は「上に積んでね」と言いうと、間違いなく上へ木片を積み上げられました。

《見本合わせ》
 果物の木製パズルはご家庭での宿題にしていました。今回は色の見極めと丸い板をはめるパズルに取り組みました。丸の形には型はめができましたが、色を合わせてはめることはできませんでした。2つの課題を消化することの難しさを感じました。果物パズルは今回も宿題にしました。

《ひらがな学習》
 前回に引き続き、4枚の公文ひらがなカードを机に並べて、1枚選びとる勉強をしました。身近なひらがなはかなり正しく選べるようになっています。

《プリント学習》
 今回もプリント学習までできました。ひらがなの文字を使った問題です。4枚の中から、指示したひらがなカードを選ぶ勉強です。まだ正解率が6割程度なので引き続き取り組みます。

■まとめ
 今月も認識を強化する支援を加えています。「右から」「左から」の指示でも、継続して練習すれば正解率が高くなりました。認識と手指の操作を合わせた学習を始めましたが、これから上達するから感触を得られました。今回、いつも元気なKくんの具合が悪そうな様子を初めて見たので心配になりました。

Wednesday 17 May 2023 FKK

音楽

担当:石橋

■活動の様子
 伺った時は目を覚ましたばかりで、何とかご挨拶はできたものの、まだ体調は今一つのようでした。今回もベッドで横になったまま、まずはKホイッスルの演奏の仕方を応用編として見ていただくことにしました。ちょうど「嵐」の音楽がかかっていたので、それに合わせてさっそく鳴らしてみました。1拍ずつ鳴らすばかりではなく、丸々1小節か2小節休んだり、時々シンコペーションを意識して鳴らしてみると、笛1本でも音楽の表情が変わり楽しくなります。こんな使い方もできることをKさんにお話したかった次第です。ところが、いつの間にかKさんはまた寝てしまっていました。

 この日は、結局Kさん自身のKホイッスルの練習はできなかったのですが、実はKホイッスルの新しい使い方を発見できました。ヘルパーさんが、Kホイッスルを持って「ほらほら、Kちゃん、起きて。Kホイッスルやってみようよ。」と言いながら、KホイッスルをKさんの前で振っていたら、なんと、押さなくてもピッピッと笛の音が出たのです。
「あれっ?」「えっ?」と思わず二人で顔を見合わせてしまいました。温度のせいか、湿度のせいか、それとも何度も押されて持つところが柔らかくなり、ふにゃふにゃになったせいかもしれませんが、押さなくても下の方を持ってブラブラ振るだけで、上の方にセットしたホイッスルの中を空気が通り、音が出るようでした。

これは大発見!

 力を入れて握ることができなくても、持ったまま手首をストンと下におろしたり、持ったまま手首を反対に返したりすることで音が出ることが分かりました。
「凄い!」と喜んでいたら、今度は上の方を持って振ると、カタカタと打楽器的な音が出ました。これも、ヘルパーさんが見つけて下さって、「いろんな音が出せますね」と。
 Kさんに早く見せたいのに、残念ながらますます 深い眠りに落ちてしまったようでした。仕方がないので前回のように、子守歌的にお馴染みのバラードを何曲か聴いていただきました。最後に、早く治りますようにと「星に願いを」を歌っていたら、医療機器メンテナンスの方がいらして、終了となりました。

Sunday 21 May 2023 FKK

目と手の協応/スイッチ操作/ 文字

担当:松本

■活動の様子

・目と手の協応:今日は、寝た姿勢で行いました。左下側臥位に近い仰向け姿勢でした。は、いつも使う左手は屈曲した状態で落ち着いていたので、その形のままボコボコチェーンミニをセットして途中までこちらでチェーンを引くと、肘を支点に引く動きが出ました。一回の引く動作でチェーンが抜けないことがわかると、一旦、力を抜き少しだけ肘を伸ばす方向へ動かして、もう一度引っ張る動作を繰り返すことができました。とても力のオンオフがはっきりしていてコントロールが上手でした。この動きを今日は使えると思いスライディングブロックに移りました。

 

スライディングブロックは、屈曲した状態の左腕に合わせ立てた状態で手にフィットするように提示すると、引く動きと力を抜いて押す動きをうまく調整してブロックをすべらせ何度も穴に入れていました。

 後でお母様にきいたのですが、ボトックスをしたばっかりで緊張が緩んでとても良い状態で先日の三輪支援員の美術の時もよく手が動いていたそうです。

スライディングブロックは、kさんの可動域に合わせた、より小さなものを次回までに用意しようと思います。

・スイッチ操作:先程の動きを使ってスライドスイッチを2スイッチ操作しました。引く方にヘルパーさんがステップバイステップに入れてくれた歌声、押す方にブルブルクッションをセットしました。「ブルブル」「歌」とこちらで指定すると、上手にスイッチをスライドさせフィードバックを楽しんでいました。途中ヘルパーさんにも代わってもらい、kさんの意図的な動きを感じ取ってもらいました。今回のスライドスイッチは、バネ反発で、スイッチをOFFに戻せるようにするためのベロとなる部分があり、そこを見るとご本人の動きがどちらの方向に行きたいのか読み取ることができます。スライド幅があり最後まで動かせなくても、このベロを見たり、手を添えているとどっちの動きをしたいのかが伝わり、ときには、方向が伝わったらそちらへ手伝いことも可能です。スライド幅を短くすることも可能ですが、そうすると今度は、勢いをつけるために一旦反対側に動かす時も、反対側のスイッチを押してしまい誤操作が多くなってしまいます。

ある程度のスライド幅を保ちつつ、介助で手伝いながら操作するのが今日は良いと思いました。介助付きスイッチ操作により本人の力を今まで以上に引き出すことが可能です。

・ 文字:そのままスライドスイッチをできiPad2に繋ぎ、指伝話文字盤で、自分の名前を書きました。得意な低動きの方で行や文字を送り、押す方で決定をしました。とても真剣に取り組んでいたので、今後も継続していきたいです。途中、苗字も書く?と聞いて入力を始めると名前の行で決定をしていたので「まだ名前で練習したいのね」と聞くと、笑顔でそうだと伝えてくれました。よく知っている文字で納得するまで練習したい様子でした。

 次に凸文字なぞりと書字。今日は、指の可動域が狭かったので、小さい凸文字で自分の名前の文字を人差し指でなぞった後に、ブギーボードにツボおし棒を鉛筆持ちで字を書きました。最近気づいたことですが、いろいろな握りやすいペンは用意しているのですが、特に年齢がある程度上の方々は、鉛筆持ちでしっくりくる場合は多いです。スイッチ操作の時と同じやり方で、ペンが進む方向を介助者に伝えながら書きました。ブギーボードの優れた点は、質圧が弱く、かなり小さな文字でも運動の軌跡をしっかり記録してくれるところです。書いている時はすごく真剣な表情でした。可愛い字が書け満足そうでした。

 スライド式だと運動の方向が決まっていて、本人がそちらに操作しやすいということはもちろんですが、介助者も本人の動きが読み取りやすいです。書くことを介助する時は、より動きが開く方向になるのでより集中力を要します。そのためスライドの時の、読み取りがしっかりできているとオープンな動きになった時も読み取りやすいと感じました。そういた意味でも、目と手の協応の時の教材の提示の仕方やスライドスイッチ操作時の介助は重要になってくるのだなとおもいました。

 最後にヘルパーさんが、脈が最初早かったが学びサポートが始まると落ち着いたと教えてくれました。覚醒もよく、集中して取り組め、満足そうな表情でした。次回も楽しみです。

Tuesday 16 May 2023 FKK

美術

担当:三輪

■活動の様子
 4月はお休みさせてもらったのでひと月ぶりの活動です。
はっきりとした表情で迎えてくれたKさん、挨拶をして今日の活動の内容を説明し、素材を触って確認しました。

 その1、陶器の絵付け。持参した素焼きのお茶碗にマスキングテープを貼りました。テープの輪っかをKさんの指に通して、テープをしっかり持ち、テープをひっぱり、お茶碗の上に貼っていきます。陶芸用の絵の具の青を小さくカットしたスポンジを握ってもらい押し付けて塗りました。絵の具が乾いてから、マスキングテープをひっぱって剥がしました

 その2、大野くん塗り絵。いつものように身体の左手に写真を貼って、アウトラインを描いて用意した塗り絵をクレヨンで塗ります。陶器の絵付けが左手での作業でしたので、右手でクレヨンを掴んでもらい、顔、髪の毛、お洋服と色を相談しながら塗り進めます。茶のジャケットを着ている写真を「大野くんカラーの青にする?」と聞いたところ、それは嫌だとの意思表示があり、写真と同じ茶に塗りました。

 その1ではテープを押さえて維持するために力をこめて動いてくれました。とても熱心に力んでくれたので、発作かと心配してしまいましたが、目で笑って答えてくれました。
 その2も持続した集中力で作業できました。両手とも手指の緊張が柔らかくなってきてスムーズに作業できました。

 お茶碗は、次回までに焼成して持ってくるお約束をしました。塗り絵を眺めて、次回のお約束をして終了しました。