目と手の協応/スイッチ操作/ 文字
担当:松本
■活動の様子
・目と手の協応:今日は、寝た姿勢で行いました。左下側臥位に近い仰向け姿勢でした。は、いつも使う左手は屈曲した状態で落ち着いていたので、その形のままボコボコチェーンミニをセットして途中までこちらでチェーンを引くと、肘を支点に引く動きが出ました。一回の引く動作でチェーンが抜けないことがわかると、一旦、力を抜き少しだけ肘を伸ばす方向へ動かして、もう一度引っ張る動作を繰り返すことができました。とても力のオンオフがはっきりしていてコントロールが上手でした。この動きを今日は使えると思いスライディングブロックに移りました。
スライディングブロックは、屈曲した状態の左腕に合わせ立てた状態で手にフィットするように提示すると、引く動きと力を抜いて押す動きをうまく調整してブロックをすべらせ何度も穴に入れていました。
後でお母様にきいたのですが、ボトックスをしたばっかりで緊張が緩んでとても良い状態で先日の三輪支援員の美術の時もよく手が動いていたそうです。
スライディングブロックは、kさんの可動域に合わせた、より小さなものを次回までに用意しようと思います。
・スイッチ操作:先程の動きを使ってスライドスイッチを2スイッチ操作しました。引く方にヘルパーさんがステップバイステップに入れてくれた歌声、押す方にブルブルクッションをセットしました。「ブルブル」「歌」とこちらで指定すると、上手にスイッチをスライドさせフィードバックを楽しんでいました。途中ヘルパーさんにも代わってもらい、kさんの意図的な動きを感じ取ってもらいました。今回のスライドスイッチは、バネ反発で、スイッチをOFFに戻せるようにするためのベロとなる部分があり、そこを見るとご本人の動きがどちらの方向に行きたいのか読み取ることができます。スライド幅があり最後まで動かせなくても、このベロを見たり、手を添えているとどっちの動きをしたいのかが伝わり、ときには、方向が伝わったらそちらへ手伝いことも可能です。スライド幅を短くすることも可能ですが、そうすると今度は、勢いをつけるために一旦反対側に動かす時も、反対側のスイッチを押してしまい誤操作が多くなってしまいます。
ある程度のスライド幅を保ちつつ、介助で手伝いながら操作するのが今日は良いと思いました。介助付きスイッチ操作により本人の力を今まで以上に引き出すことが可能です。
・ 文字:そのままスライドスイッチをできiPad2に繋ぎ、指伝話文字盤で、自分の名前を書きました。得意な低動きの方で行や文字を送り、押す方で決定をしました。とても真剣に取り組んでいたので、今後も継続していきたいです。途中、苗字も書く?と聞いて入力を始めると名前の行で決定をしていたので「まだ名前で練習したいのね」と聞くと、笑顔でそうだと伝えてくれました。よく知っている文字で納得するまで練習したい様子でした。
次に凸文字なぞりと書字。今日は、指の可動域が狭かったので、小さい凸文字で自分の名前の文字を人差し指でなぞった後に、ブギーボードにツボおし棒を鉛筆持ちで字を書きました。最近気づいたことですが、いろいろな握りやすいペンは用意しているのですが、特に年齢がある程度上の方々は、鉛筆持ちでしっくりくる場合は多いです。スイッチ操作の時と同じやり方で、ペンが進む方向を介助者に伝えながら書きました。ブギーボードの優れた点は、質圧が弱く、かなり小さな文字でも運動の軌跡をしっかり記録してくれるところです。書いている時はすごく真剣な表情でした。可愛い字が書け満足そうでした。
スライド式だと運動の方向が決まっていて、本人がそちらに操作しやすいということはもちろんですが、介助者も本人の動きが読み取りやすいです。書くことを介助する時は、より動きが開く方向になるのでより集中力を要します。そのためスライドの時の、読み取りがしっかりできているとオープンな動きになった時も読み取りやすいと感じました。そういた意味でも、目と手の協応の時の教材の提示の仕方やスライドスイッチ操作時の介助は重要になってくるのだなとおもいました。
最後にヘルパーさんが、脈が最初早かったが学びサポートが始まると落ち着いたと教えてくれました。覚醒もよく、集中して取り組め、満足そうな表情でした。次回も楽しみです。