Saturday 4 March 2023 MM

視線入力/目と手の協応/文字

担当:松本

■活動の様子

・視線入力:パソッテル(視線入力用モニター固定アーム)に自作の下駄を履かせ高さを出し、設置しました。今日はうまく設定できたらしく、ポジションソフトで確認したら、ほぼ全部適切な位置に提示できていました。風船割りから調子良く割れ、sensoryの自動車や玉転がし、花火なども上に視線が集まりやすい傾向はありましたが、上下左右へ定位ができる場面があり、履歴では画面中央から全体に広がる視線が確認できました。50分ぐらい取り組んだのですが、終わりにすると伝えると、声を出してまだやりたいと伝えてくれました。他にやることがあるのでと説明して納得してもらいました。視線入力での自分でできる体験が、文字学習の指が自分で動かせるという自信につながっているように感じました。

・目と手の協応:ボコボコタッパーミニからスタートしました。お母様が上手に設置してくれると、途中までは両手を開きチェーンをひいていましたが、最後のひと抜きのところでうまく調整できなかった様子だったので、少しだけ右手の位置どりを手伝うとあとは自分で抜き切っていました。前回、学んだ右手の屈曲位での操作を今回も行いました。玉おとし、メダルはめ、スライディングブロックの順で取り組みました。玉落としは、曲げている肘を前に伸ばす動きで落としていました。3個穴も1個目2個目は連続して、最後の3個目はじっくりと落としていました。スライディングブロックは、肘を伸ばし前に動かす動きと、肘を曲げてをあげるような動きで上下左右にブロックを動かしました。この力を抜いたり、入れたりの動きが自分の動きを介助者にわかるように伝える練習になり次の書字の学習に生きてきました。肘を屈曲させた位置というのが、Mさんの力まなくてニュートラルの位置で、この位置からならどの方向にも運動を開始しやすいことが教材を使いながら実証されました。


・文字:あかさたな・・とどの行を本日練習するか聞いていくと、なのところで首を動かし合図を出してくれました。まずは、フレキシブルアームの先につける凸文字なぞりようの鉄板付きの板を作成し納品しました。オリジナルの強力マグネットバーも合わせてお渡ししました。フレキシブルアームを使うことで、一番力が抜け、意図的な運動が出やすい肘が屈曲したいちに凸文字の提示が可能になりました。さらに、ちょうど見やすい位置に提示できたため、指先や文字を見ながら確認することができていました。また、マグネットバーは、指先を動かす練習時に、ガイドとしても使用できます。Mくんは、上手にバーに沿って指先を一人で動かせていました。

凸文字なぞりからMさん本人の動きが確認でき、手のひらに書いてもらうときも力の抜き入れや、上下左右方向への動きがこちらに明確に伝わってくる場面が多かったです。さらに、ブギーボードを導入しました。ペンには木のビーズをつけてグリップにしたものです。こちらでの書字も、力の抜き入れや、上下左右方向への動きがよく伝わってきて、なんとかイメージ通りに字を書こうとしていることがわかりました。「の」を書くときは時のてっぺんのところで、自分では右に行きたいのに、調整がうまくつかず頑張っているところも、ボードに跡が残っていました。指先の延長上にペン先が来るように握れたのですが、時々爪の方がペン先を追い越して前に出て、爪で文字を書く場面もありました。専用ペンでなくとも書けることがわかり、柔らかめの木の丸棒を鉛筆削りで削ってペンを自作することもできると思いました。そうすれば色々なグリップのペンを用意できます。


大変な集中力が、本人も支援者もいるので1行練習がやっとでした。ヘルパーさんとも空いた時間にできると良いですねとお話ししました。

Saturday 4 March 2023 FK

目と手の協応/文字/スイッチ操作
担当:松本
■活動の様子
・目と手の協応:今日は手の動きが良さそうだったので、ボコボコチェーンを左手、右手の順番で取り組みました。最後のひと抜きを、自分の手の動きでできました。次にボコボコチェーンミニのグリップを左手、チェーンの方を右手に付けて、待ちました。手の動きが確認できなかったので、左手の腕のあたりのをマッサージするとその刺激から、両手を開くような動きが出て、チェーンを抜き切ることができました。次に、文字練習の導入のため、スライディングブロックに取り組みました。こちらも左右の手順番に取り組みました。前回やったように、腕を屈曲させる位置で動きを待ちましたが中々出てこなかったので、机に教材を置き、教材を動かすことで方向を感じてもらいながら取り組みました。


・文字:凸文字をなぞった後に、手の平に書いてもらい、次に今回導入したキングジム(Kingjim) ブギ-ボ-ドにもチャレンジしました。ブギーボードのペンは細いため、木のビーズでグリップをつけました。ペンにスポンジで厚みをつけてビーズを装着しました。文字なぞりになると、指の良い動きが出て来ました。手のひらへの指の動きは今日はあまりでませんでした。ブギ-ボ-ドへの動きも良いとはいえませんでしたが、微細な動きもしっかりボードがひろっていて、指の動きの視覚化ができそうです。すごく小さな○も読めるように書けるだけの精度がありました。ブギーボード用のペンも、指先と一直線に握れていて、指の動きと同じように動かせていました。
今後も、Kさんと練習して精度を上げていきたいです。


・スイッチ操作:前回宿題っであった、スライドスイッチの握りを作ったので試しました。ところが、上から押さえつける力が強いとスプリングの軸として使っている丸棒が穴と干渉して動きが鈍くなることが判明しました。丸棒を削る必要があり次回までに改良する予定です。スライドスイッチでは動きがあまり出なかったので、空気圧センセースイッチに変えて、iPadでkeynoteの音楽スライドをスイッチを押して進めました(スライドの作り方はこちら)。
何回か、自分の動きで操作できました。入院もあったのでまだまだ本調子ではないため、次回はPPSスイッチをまばたき操作するなどに切り替え、自分の動きで操作できる経験を積みなおす必要があると感じました。

Wednesday 8 February 2023 HT

音楽

担当:石橋

■活動の様子

 今回もピアノを弾き始めると、T君がピッタリ寄り添ってくれて嬉しかったです。
早速、前にT君のお気に入りだと言っていたNHK教育番組「クインテット」の中から、「シャツとパンツ」を弾いてみたらお母様が一緒に歌ってくれました。軽快な楽しい曲で、続いてスコットジョプリンの「エンターテイナー」も弾いてみたら、興味を示してくれたものの、まだ今一つの様子。

 やはりクリスマスソングが良いとのリクエストで、「ジングルベル」や「きよしこの夜」、「サンタが街にやってくる」、「赤鼻のトナカイ」他、いわゆる定番曲を歌いました。本当に季節に関係なく、いつ聞いても楽しめる曲だなと思います。いつも聴いているというCDには、私の知らないクリスマスソングも入っていて、勉強になりました。

 続いてサッチモで覚えたというディズニーソングの、白雪姫の「ハイホー」、「いつか王子様が」、「星に願いを」なども、楽しそうに聴いてくれました。

 もちろん、お約束の連弾も。T君はピアノは好きなようなのですが、高音をバンバン叩くわけではなく、どちらかと言うと聞きながらチョッと鍵盤に手を落とす感じ。最後は、お腹をピアノにくっつけて振動を聴いているようでした。電子ピアノは、今回はほとんど興味を示さず、模擬演奏のラグタイムのピアノに興味を示していた様子でした。

 前回のジミヘンをアレンジしたギルエバンスの曲を聴いた時の反応をみて、リズムのしっかりした電子楽器の音と一緒に音を出せないかと思い、手持ちのミニピアノの中の16ビートの模擬演奏を流しながら、上から音を重ねようとしましたが、思いのほか反応はなく、前回のような振り振りダンスは見られませんでした。お母様曰く、「電子音だからかも」とのことでしたが、やはり音色の厚みや迫力のあるリズムの音圧などを感じ取っているのかなと思いました。次回はジャズアレンジでなく、ジミヘンのロックそのものを聴いてみるのも良いかなと思いました。

 いくつか打楽器もあり、音源に合わせて鳴らしたりしましたが、あまり興味は示さず、ピアノに戻ることに。今度は、T君がピアノの下にもぐって響きを聴こうとしているようだったので、なんとお母様がわざわざ鍵盤下の羽目板を外して、T君が、より音の出方を感じられるようにしました。中のハンマーの動く様子もよく見えるようになり、ペダルを踏むと響くことや、踏まない時との音の違いを聴いてもらいました。お母様が、そのうち、あれよあれよという間にピアノの上方部の羽目板も取って、T君にズラリと並んで張られているピアノの弦を見せてあげました。物理的に弦をハンマーでたたいて音が出る仕組みを知るのは、大切なことだと思います。圧倒的なお母様の愛情が伝わって来たようで感動しました。ジッと覗き込んでいたT君は、何を感じていたのかなと思いました。

 T君のピアノに対する興味はかなりありそうですが、T君が自分の音を出すにはどの楽器が一番いいのか、より深い音楽との関り方など、まだまだこれからも、あれこれ探してみたいと思います。