Sunday 18 Feb 2024 FKK

目と手の協応/文字/スイッチ操作

担当:松本

 ステップバイステップをスライドスイッチ操作して始まりの挨拶を行いました。ここ数日の天気の変化で、痰は多めでしたが、覚醒もよく、寝た姿勢でも手もよく動いていました。

■活動の様子

・目と手の協応:ボコボコリングからスタート。左手の動きが良かったのでそちらにチェーンの方をセットすると、何回かに分けて引っ張る動きが出て、チェーンを抜き切流ことができました。右手に大きなリング左手にチェーンの持ち方でも左手の動きが出てました。

 カバサは、左手に指先を広げてセットするとグッと自分の身体の方へ動かす良い動きが出て、チェーンを滑らしていました。何回セットしても同じ動きで操作できていました。

 玉落としを両手で介助しながらおこなうと、落とした後の穴を今日は小指で引っ掛けて確認する様子が見られました。

スライディングブロックは、肘を介助すると、前に押す動きの時に肘が浮き、伸びる動きが支えている方にも伝わり、手の動きが出る前に、そちらの方へ動かしたいという意思が確認できました。

・文字:スライドスイッチで、指伝話文字盤を操作して今日練習する文字を決めました。左手で身体の方へ引く動きを「送り」、外側に開く動きで「決定」しました。一緒に送っていくと、さ行のところで力が入ったので、「決定」の方に一緒にスライドさせました。自分で操作できなくとも、介助付きのスキャン方法なら選びたいところでなんらかしらの合図を送ることで選択、決定できると改めて可能性を感じました。今日の合図は手の力みでした。

凸文字→手のひら→ブギーボードの順に練習していきました。指を動かす方向を時々自分で動かせる範囲で確認すながら進めました。「そっちの方向で合ってるよ」と声をかけると笑顔で応えてくれました。指伝話文字盤を設置した時から目を輝かせていたので、引き続き練習して行きます。

・スイッチ操作:前回に引き続き、ほっぺにタッチスイッチを設置し、まずはワンスイッチで操作できるiPadのゲームでタイミングを練習しました。上手に操作して、2回もクリアーしていました。使ったiPadアプリはJungle Adventurehttps://apps.apple.com/jp/app/jungle-adventure/id579631110

です。

 次に左右のほっぺ2スイッチ操作にして、歌の歌詞を覚えるためのKeynoteで作ったスライドを操作しました。左頬で進む、右頬はもう一度と操作できるようにレシピを使い設定しました。

今日は、どんどん進みたかったようで、あまり戻りませんでした。もう、歌詞を覚えているからかもしれません。

 最後はワンスイッチで、音楽スライドを進めて終了しました。自分だけで操作できるのが楽しかったようで、大きな発作の後も覚醒が落ちずに取り組んでいました。素晴らしいです。

Tuesday 6 Feb 2024 FKK

美術

担当:三輪

■活動の様子
 リハビリの後で目をバッチリ開けていたKさん、少し驚いた様子でこちらを向いて大きく笑った表情で出迎えてくれました。

 挨拶をしてから、紙粘土の雪だるまを作りました。芯にする新聞紙を裂く作業、クシャクシャにまるめる作業を一緒にしました。紙粘土に入れる絵の具を赤、黄色、青、緑の4色の中から選んでもらい、今日は青の絵の具になりました。色を混ぜた粘土をKさんの左手で、掴んで→のばす、の作業を繰り返しました。粘土の感触と、こちらが引っ張るのに合わせて上手に伸ばす作業ができました。

 紙皿の上に、色のものと白い紙粘土を押し付けてシート状にして芯の新聞紙をくるんで、2個重ねます、さらにフェルトの目と口を相談しながら場所を決めて貼りました。毛糸のマフラーはどうける?つけない?と迷ってたようですが、結局つけることになりました。

 

 いつもクレヨンで塗り絵の作業をしていますが、今回はハートの型を用意して、その上から好きな色のクレヨンで塗ることをしました。

3色クレヨンで塗り、大野くんの切り抜きを貼りました。一緒に眺めて、写真を撮って終了しました。

 

Wednesday 31 Jan 2024 HT

音楽

担当:石橋

■活動の様子
 先月、よりによってクリスマスを前にインフルエンザにかかってしまったそうで、大好きなクリスマスのお祝いもできなくて可哀想だったとのこと。まだ体調が本調子ではないのか少し眠そうで、お母様が抱っこしてピアノの前の椅子に座らせようとしたものの、そんな気分でなさそうで、座ろうとしませんでした。仕方がないので、まずは私の後ろでいろんな歌を聴いてもらうことにしました。

 クリスマス前にクリスマスソングを何度も聴いていただいていたので、さすがに年が明けて、「今日は違う曲を。」とリクエストいただきました。初めはアラジンのバラード、A Whole new worldを。少しの間ジッと聴いてくれたようでしたが、大きなリアクションはないので、前に比較的楽しんでくれたAlright,OK、you win! を歌ったのですが、こちらもチョッと反応するものの、そのまま止まってしまう感じの様子でした。そこで、ゆっくりいろいろ曲の説明をしながら、「Smile」「When you wish up on a star」「It’s a sin to tel a lie」「Over the rainbow」「Crying time」等を歌ってみました。すると眠そうにしていたと思ったら、振り向くといつの間にか寝てしまっていました。ただ、少しウトウトしただけで直ぐ起きてくれたものの、お母様が、また風邪でもひいたのでなければ良いけれどと心配していた様子でした。なんとか一緒にピアノを弾けないかなと、もう一度ブルースを弾いてみたら、今度は少し反応してくれたようでした。ただ、やはり一緒にピアノを弾こうとまではせず、残念ながらノリノリのフリフリダンスも出ませんでした。

 それでは少し休んでお話をしようと、気になっていたクリスマスプレゼントのCDは何だったのか聴いてみました。サンタさんのプレゼントのCDは、シナトラだったそうでした。シナトラのライブDVDなどは、日本では売ってないモノもあるそうで、貴重な一枚だったに違いありません。相変わらず渋いものを聴いているなあと感心していたら、お母様がクロスビーとサッチモのコラボ動画を見せてくれました。最近のT君のお気に入りの一つだそうです。お母様は、T君が大好きなミュージシャンや曲調を知っていて、好きなアーティストでも、編曲が違ったり、その日の気分によっても反応しないこともあるそうです。

 なかなか手強いようですが、お持ちしたスタンダード曲集の本の中から、何かT君が好きそうなものがないか聞いてみました。
すると、前にお母様に歌ってもらいながら私が伴奏したこともあった「ハロードリー」が出てきました。まずは軽く弾いてみましたが、ちょっと感じが違うらしく、お母様がサッチモの動画を見せてくださいました。私の楽譜は、前振りの4分の3拍子から始まるのに対して、動画は、いきなり4分の4拍子の調子の良いアップテンポの曲でした。出だしの印象はずいぶん違うはずです。しかも、同じサッチモでも、ゆったり目の編曲の動画は反応しない時もあるそうですが、アップテンポでイントロに、ウクレレの様な弦楽器が入っている動画が出ると、やっと例の上半身を左右にフリフリするダンスを見せてくれました。
しかもフリフリしながら目をつぶって「これだよ、これ!楽しい!嬉しいよ~!」とばかりに、今日一番にご機嫌な様子でした。
思わずお母様と、「今日はこれかあ。」と、顔を見合わせた次第です。

 でも、何故か歌に入るとおとなしくなってしまうので、お母様が途中で止めて、イントロからまた流し出すと、「イエ~イ!」とばかりに、再びご機嫌なフリフリダンスがスタート。ところがまた、歌が始まるとシュンとおとなしくなってしまうのです。どうも、このイントロの部分が特に好きらしいということがわかりました。そういえば、前にお母様が「『トトロのさんぽ』のエンデイングの一部で、下がってくる部分だけは好きな様です。」と言ってらしたことを思い出しました。
元気で明るい曲調の曲ですが、歌が終わった後、唯一怪しげに不協和音で音が降りてくる部分のことだと思いますが、その部分だけを好きというのは珍しいなと思ったものでした。今回の発見で、T君は、そういう聴き方も出来る人なんだなと実感した次第です。感性と耳の良さに驚くばかりです。

 さて早速、サッチモがどうやっているのか、コードと音を何度も一緒に聴いていたら、サスガ、サッチモ! さりげなくイントロから、いきなり16分音符の6連発で煽りながらも、最初の小節の頭からは4拍子を4分音符4っつでこなす辺り、静と動、スピード感と安定感という対照的な音を絶妙に使いこなしているようでした。私がしきりにスゴイなあと言っていたら、お母様が寝そべっているT君を見て、クスクス笑っています。T君は、お腹を下にして両肘をついて、足を後ろに上げてゆらゆら右へ左へ。このポーズの時は、チョッと得意げで、なんだかウキウキ悪くない気分の時なのだそうでした。それを聞いて、「あ~、よかった~!」と思いました。きっと「どうだい、サッチモの凄さを今頃分かったのかい?」と思っていたのかも知れません。

 次回は、このイントロをピアノで出来たら、フリフリダンスを見せてくれるでしょうか。

 

Tuesday 16 Jan 2024 FKK

音楽

担当:石橋

■活動の様子
今回は、久々に目がパッチリとして覚醒していましたが、この後ビルの工事があり、時間がいつもより短いそうなので、ベッドサイドでとなりました。

 嬉しいことに、Kさんは機嫌も良くニコニコしていたので、最初からエイサー太鼓を出してみました。まずは、目の前に太鼓をかざして、丸い表面の革の真ん中を叩いたり、その端っこを叩いたり、周りの木の枠を叩いたりして、音の違いを感じてもらいました。ちょうど「ヘイセイジャンプ」の曲がかかっていたので、タンバリンみたいに、手で曲に合わせてリズムを叩いてみました。すると、目を輝かせて興味を示してくれたようでした。

 今度は踊りながらバチを持って4拍子を叩いてみてから、Kさんに小さいバチを持ってもらいました。このバチはカエルの「ギロ」のバチなので小振りですが、Kさんの手にはちょうどフィットして持ちやすそうでした。最初は私がKさんの手を取って、「浪花男子」の音に合わせてトントンと太鼓に当てて叩いてみたら、Kさんはニコニコと楽しそうにしてくれました。

 次にKさんに自分で叩いてもらうにはどうしたら良いかなとKさんを見ていたら、なんとKさんが真面目な形相で、バチを持ったまま手を上に突き上げるようにして、小刻みに揺らしています。それが、叩いている動作に見えたので、太鼓の革を下向きにして、Kさんの動かすバチを上から受けるようにしてみました。
すると、「トン、トトトト」と音が出ました。「すご~い!上手、上手!」と、ヘルパーさんもKさんが自分で動いて太鼓を鳴らしたことに驚いていました。Kさんも得意そうで、何度も何度もバチを上向きに持ち上げて「トン、トトト」と鳴らしてくれました。本人も楽しんでいる様子で、続けて何度もトライしてくれて嬉しかったです。

 バックに、ずっとヘイセイジャンプやスノウマンや浪花男子のアップテンポの曲がかかっていたのも良かったのかもしれません。なんといっても、Kさんのお気に入りの馴染みのある曲でしたから。ひと休みして、今回は嵐の「ハッピネス」と「パプリカ」の2曲を聴いていただきました。

 今回は珍しくずっと笑っていたのに、終わってから、疲れたのか写真を撮る時には目を閉じてしまって、可愛い笑顔が撮れなくて残念でした。

Saturday 3 Feb 2024 FK

目と手の協応/文字

担当:松本

■活動の様子

・目と手の協応:ボコボコチェーンからスタート。左手に輪を握り、右手でチェーンの形で引っ張れるようにしました。チェーンを引っ張りながら誘うと少し良い動きが出てきて引き抜ける場面がありました。今日は、右手の握りがとてもしっかりしていて、次に行った、ボコボコチェーンミニ、ボコボコリングの右手の棒やリングの握り方がとてもしっかりしていました。手の動きは、握る前の方がよく動いていて、引っ張れるようにセットすると動きが止まることが多かったです。手元を映し出したモニターはよく注目していました。玉おとし、スライディングブロックの時には手が動き出しました。本日一番手の動きが引き出せたのは、カバサでした。斜めに提示できるカバサを新たに作成して試したところ、親指は外側に置き、他の4指は、表面に置き、引く動きでチェーンを滑らせて演奏していました。提示の上下左右の角度と高さがピッタリ合っていました。

・文字:今日は、どの行を凸文字なぞりするか選ぶときに、指伝話文字盤をスライドスイッチで操作して選びました。「引く動き」が行送り、「押す動き」で決定の操作です。スライドスイッチは、一緒に動かしましたが、か行の時に瞬きが多く出たので押す動きをアシストして「決定」操作をして、その後凸文字なぞりをしました。はらいなどは自分の動きが出ていました。その後、指電話文字盤を同じ操作で今日2月3日にちなんだ単語「せつぶん」を綴る練習をしました。アシストしながらでしたが「引く動き」は、何回か引き出せました。決定の「押す動き」は今後練習が必要です。

書いたものを読み上げるボタンを一緒に押すと興味深かったようで驚いたような表情でした。

読み上げは、自分の取り組んだ仕事を最後に確認するのにとても良い取り組みだと思いました。慣れない操作は一つ一つの作業に集中しなければならないので全体像を忘れやすくなりがちですが、読み上げることで仕事が形あるもになっていることを確認できました。

学習中、よく集中して画面から目を逸らせずに注目していました。積極的に学ぶ姿勢が素晴らしかったです。

Sunday 28 Jan 2024 FKK

目と手の協応/文字/スイッチ操作

担当:松本

■活動の様子

・目と手の協応:スライドスイッチを左手に設置し、ステップバステップにつなぎ、始まりの挨拶をしました。内側に動かす動きの後に、スイッチがつながっている外側にスライドさせて挨拶の言葉を再生できました。

 ボコボコリングを左右の手で引きました。肘や腕を支えることで動きが出てきました。次にカバサを手のひらの下に置くと、自分の方へ引く動きでチェーンを滑らせて連続的なフェードバックを楽しんでいました。両方の手で良い動きが出ていました。玉落としは、肘や腕を支えると玉を押し込む動きが確認できました。前回同様、落ちた瞬間「あっ、今落ちた」と感じる表情をしていました。スライディングブロックは、特に肘を伸ばしてブロックを前に滑らす動きを確認しました。

・文字:練習する文字の決定は、指伝話文字盤をスライドスイッチで一緒に操作しながら決めました。な行のところで瞬きしたので、な行を凸文字をなぞって練習することにしました。「な行にはなにわ男子のなにがあるからお得だね」と話しかけると笑顔になりました。全ての文字を書き終わった後に、指伝話文字盤を使って「なにわだんし」と書いてみようと提案して、書き始めました。スライドスイッチはこちらで一緒に操作したのですが、途中から首の動きがスイッチの「送る」方向と「決定」方向に連動していることに気づきました。そこで、首の動きに合わせて後半はスライドスイッチを一緒に動かし最後の文字まで書いて、iPadに発声させました。満足そうな表情で自分で文字を綴っている実感が持てたようでした。

・Keynoteスライドスイッチ操作:タッチスイッチを左右の頬それぞれに設置し、なにわ男子の歌の歌詞を覚えるためのスライドを操作しました。固定には、どっちもクリップを使いました。左頬の方がよく動くので、「次に進む」方にして、右頬を「もう一度聞く」にしました。今回は、右頬をほとんど使わず、左頬で進めることが多かったですが、回数を重ねて、設置位置などの精度を上げていきたいです。

Saturday 13 Jan 2024 TS

コミュニケーション/操作

担当:小山

<報告書>

・遊具・教材(目的):子どもの様子

・VOCA①ステップバイステップ(あいさつ):VOCAの提示後すぐにリーチ。久しぶりの父同席でやや興奮しているものの、以前より調整が向上していましたよ

・VOCA②8キーVOCA+じゃんけん(初めてのVOCAアセスメント):①4人の大人の中から手差しやアイコンタクトで2人を選びました。意欲や期待があり、力が入って時間が必要でしたが、じゃんけんのスターターとなりました。VOCAは「最初はグー、じゃんけんぽん」と表出。上段1キー、下段1キーで試行しました。キーへの定位は良好で、ON反応も良く、運動操作的な負担はチャットBOXよりかなり軽減されていました。次に本人がじゃんけんをしました。チョキは得意な人差し指ピ、としました。表出まで時差があるので、相手は自分の手をかくして待つことでじゃんけんが成立。笑顔が溢れました。

・VOCA③意思表示(「やる」・「おしまい」の表現):即時に「もっとやる」を選択して表現しました。

・中玉チェーン抜き木製リングのチェーン(上肢操作・特に右手を意識した両手操作):右手指にゴムをかけることで保持+意識が向上。左手指で引きりました。左右の手を変えて実施。左手把持が向上して右手はチェーンをガイドで良い位置に。引ききろうとしていました。

・手作りカバサ大・小(操作):カバサの頂上へリーチ。手前に動かす動きが出が出ました。方向性のある手の動きが出ていました。

・3穴玉落とし(連続した操作 左~右への方向性):左手人差し指で、左から順にテンポ良く連続的に落としました。これまでで最もスムーズに定位、かつ落とす速度も速かったです。

・10穴玉落とし(操作アセスメント):中央手前をのぞき左右対称に10玉セット。中央→右方→左方の順に落としました。この時、最も効率よく落とせるように手指の位置、使う場所、角度や方向を柔軟に変化させていました。

・VOCA③名前を言う(表現単語構成):キー左から「さ」「と」「な」と配置することで、3穴落としのように左から順に右へと表出。音声FBで達成感ありました。○文字をランダムにすると、構成は難しかったようです。落胆の表情になるため、誤りへの気づきはある様子でした。配置により誤作動が入ることは注意して提示方法を工夫していきたいです。

・凸文字なぞり「さ」(書字へのステップ視覚-運動):赤シールに定位しました。ガイドにて「さ」を書字。一画目の右方向は、はっきりと動きが出ました。

・指えんぴつによる書字 「さ」(書字):指とえんぴつ先端との距離がある印象。書見台の角度と距離の調整、ガイドの方法が難しかったです。

・ipad+Apple Pencil(操作・反応アセスメント):操作のフィードバックとしての線をよく注目していました。ペンは握り持ちをガイドしましたが、本人が3~4指持ちに持ち変えていました。

Tuesday 9 Jan 2024 FKK

美術

担当:三輪

■活動の様子
 前日、二十歳のつどいに出席したKさん、昨晩はよく眠れたそうで元気に目をさまして新年の挨拶をしました。

 最初に干支の辰を作りました。もみほぐした新聞紙で緩衝材を芯にして筒状にしたものに、テープ状の新聞紙を巻き付けて形をつくりました。Kさんの指で支えてもらいテープを繰り出すことで胴体にマスキングテープを巻き、しっかり形を整えました。一緒に手足や尻尾、目ん玉シールを貼って完成。Kさんの左手にちょうど握れるサイズの辰ができました。

 次は毎回おこなっている大野くん塗り絵。まず、写真と線画の状態のものを並べて眺めて気持ちの準備をします。右手にクレヨンを握ってもらい、ボードの上に固定した紙に一緒に塗っていきます。いま顔塗ってるよ、と声をかけると腕全体に力を込めて頑張って塗ってくれました。出来上がりを写真と並べて一緒に眺めました。次回のお約束をして終了しました。

 

Friday 27 Dec 2023 FKK

音楽

担当:石橋

■活動の様子
 今回は私が伺う直前に、少し大きな発作があったとのことで、ヘルパーさんと一緒にしばらく様子を見守りました。少し落ち着いてきたら、今度は深い眠りに入ったみたいで、またしばらく様子を見ることになりました。静かなお部屋には、Kさんがお花の先生と一緒に活けたというお正月用のお花が綺麗に飾られていました。
その後ろの壁には、成人式で見事な晴れ着を着て、お母様と一緒に嬉しそうに笑っているKさんの写真が飾られています。
改めて素敵な写真だなあと眺めながら、Kさんがいつもこんな表情でいられたら良いなあと思いました。

 さてウトウトしつつも、やっと少し目を開けたようなので、Kさんに挨拶をして、ベッドサイドで静かに歌うことにしました。アラジンの「A Whole New World」や「Love me tender」などバラードを、ゆっくりと静かめに。
でも、どちらかというとリズムのあるアップテンポの曲の方が好きらしいので、目を閉じているけど少し反応があったのを見て、アップテンポの曲も歌うことにしました。まずはKさんの好きな嵐の「ハッピネス」を。続いて「パプリカ」、そして「おもちゃのチャチャチャ」と「五匹のこぶたとチャールストン」を。
ヘルパーさんもシェーカーを持って、一緒に鳴らしてくれました。すると、Kさんの目が開いてきて、少し笑ってくれたようでした。
それを見てヘルパーさんが、「Kちゃんは、けっこうブル―スも好きみたいですよ。」とのことで、最後はちょっと賑やかにブルースを2曲聴いていただきました。

 終りかけになって、やっとすっかり眼も開いて楽しそうに笑ってくれたようでしたが、今回は残念ながらエイサー太鼓を使う時間がありませんでした。
でも、Kさんの発作も治まって、壁の写真ほどではありませんが、最後はニコニコ笑って聴いてくれたようで良かったです。

Saturday 9 Dec 2023 MH

音楽

担当:石橋

■活動の様子
今回はお伺いした時、T君はカーペットの上でアメコミヒーロー的な動画を大画面で観ていました。初めて観るキャラクターでしたが、こんなアニメも観るんだなと意外に思ったら、T君の好きな音楽が使われていたようでした。なるほど~と感心していたら、今回はT君もわりと素直に動画を切り上げてくれました。

いよいよ本番のクリスマスも迫ってきたので、ピアノの前にT君とお母様と並んで、早速お馴染みのクリスマスソングを歌い始めました。まずは「赤鼻のトナカイ」「サンタが街にやって来た」「ママがサンタにキスをした」を、メドレーで繰り返し何度か演奏しました。T君も久しぶりに、時々ピアノをピロッと鳴らしてくれて、それなりに楽しんでくれているようでした。

今度は「ジングルベル」を弾き出すと、お母様が鈴をT君に持たせてくれて、一緒に鳴らしてくれました。すると、さらにウキウキした感じが出てきました。
繰り返し歌っていると、お母様が鉄琴を出してT君と一緒に鳴らして下さったり、T君のミニピアノも出して下さったりしました。
かなり気分は盛り上がってきた感じではありますが、まだ例の「嬉しい楽しい時のフリフリダンス」は出てないようでした。お母様はそれが少し気になった様子でしたので、今度は一緒に小さいピアノを弾いてみようと椅子から降りて、私もカーペットの上に座りました。

お持ちした私のミニピアノと大きさは変わらないのに、T君のミニピアノは音色の数も音量もずっと多くて驚きました。すると、私の音を大きく出すために、お母様がミニスピーカーを持ってきて下さったのですが、残念ながらうまくつながりませんでした。でも、そのスピーカーとお母様のタブレットを繋ぐと、音質も音量も驚くほどしっかりしていて、そのまま、T君の今のお気に入り動画を見せてくれました。

T君の手を取ってお母様のお話を聞いていたら、T君がじりじり寄ってきて、私の横にピッタリとくっついてきました。そのままジッとしているので、片手を繋いだまま、もう片方の手で背中をトントンしながら動画を一緒に観ました。
もしかしたら、私が付けていたクリスマスツリーのピアスを近くで見ようと寄ってきたのかもしれませんが、T君と穏やかに同調できた気がして嬉しかったです。

ところが、大のお気に入り動画を見ても、いつものフリフリダンスは出てこないので、お母様はもしかしたらと気が付いたらしく、少し寒かったT君は、トイレを我慢していたようでした。
スッキリしたトイレタイムの後、お母様のリクエストで、オリジナルの「初めてのラブソング」を歌うと、T君が素早く反応してくれたようで、さらにクリスマスバラードを2曲、そしてブルースを何曲か歌ったら、やっとフリフリダンスをしてくれたようでした。中でも、「 Alright, OK, You win」では、お母様が遠慮しながらも一緒に歌って下さったので嬉しかったです。

T君もやっとノッてきたところでしたが、最後は厳かなクリスマス曲「Oh,holy night」を聴いていただいて、おしまいとなりました。
いつもの様に楽譜を片付けて、A4サイズの黄色いTレコードの袋に仕舞っていたら、珍しくT君がそれを取ってひっくり返してしまいました。
驚いていたら、お母様がすぐに気が付いて、「T君のは、こっちにあるよ。」と、同じTレコードの袋を見せてくれました。
中身はT君へのクリスマスプレゼントのCDが入っているそうで、クリスマスツリーの下に置いてあったそうです。
同じレコード屋さんの同じ色の袋だったので勘違いしたのかもしれません。でも、ちゃんとT君のプレゼントは別にあることがわかって安心したようでした。

それにしても、今度はどんな音楽を聴くのかなあと、中身がちょっと気になった私でした。ますます耳が肥えていくT君が楽しみです。