音楽
担当:石橋
■活動の様子
今回もKさんは、眠れる森のお姫様状態でぐっすりとお休み中でした。
新しいヘルパーさんによると、このところ午前中は眠っている状態が多いとのこと。寒さや気圧の変化など、お天気のせいもあるのではないかとのことでした。
仕方がないので、例によってベッドサイドでいつものようにバラードを歌い始めました。小さい打楽器を周りに置いていたら、ヘルパーさんが木製の鈴をKさんの手首にはめて、声をかけながら一緒に鳴らして下さいました。優しい音がする鈴で、少し目を開けたかなと思ったら、またすぐ目を閉じてしまいました。
もう少しで起きそうだったので、そのままヘルパーさんの助けを借りて、「五匹のこぶたとチャールストン」やアップテンポのブルースなど、前に興味を示してくれて、比較的賑やかでリズムのある曲を続けて何曲か歌ってみました。今回はジャニーズ系動画を使うこともなく、生音だけで楽しんでもらおうかなと思っていたのですが、たまに目を開けることはあっても、眠り姫を完全に覚醒させることはできなかったようでした。
好みの変化とか体調にもよるのかもしれませんが、「音の大きさは大丈夫かな」とか、「この曲どう?」とか、もっとコミュニケーションが取りたくて、今さらではありますがヘルパーさんに、「Kさんのイエスかノーかの意志表示などは、どうやって見分けたら良いでしょうか?」とお聞きしました。
すると思いがけず即答で「わからない」とのこと。ある意味真摯な答えではありますが、ヘルパーさんも、私と同じように迷ったり悩んだりしてるのかもしれないと思いました。
実はKさんとお会いして間もない頃、その当時のヘルパーさんに同じような質問をしたことを突然思い出しました。「表情で分かることもあるけど、自分が良いと思ったことをやってあげればイイのよ」と教えてくれたことを、やっと思い出した次第です。反応が無いと不安になったり、コミュニケーションが上手くいくと期待し過ぎて失望したり、悩んだり迷ったりの連続ですが、自分を信じて前に進むしかないという結論でした。
片付けながらヘルパーさんと話していると、やっと姫はパッチリとお目覚めのようでした。出来れば一緒に音楽を楽しんで欲しいけれど、眠り姫の時でも、良い夢が見えるような音楽を届けたいと思います。