音楽
担当:石橋
■活動内容
実は今回、あろうことかM君の大事な楽器ウィンドウチャイムを持ってくるのを、うっかり忘れてしまいました。するとお母様とお父様が、すぐその場で形状が似ているお洒落なドアチャイムと真ん丸のオルゴールボールを合わせて、即席の素敵なチャイムを作って下さいました。いつもの重い金属の、輪郭のハッキリしたキラキラ音とは違うけれど、可愛らしい優しいキラキラ音がしました。ご両親の機転の利いた対応には驚きつつ、感謝しました。
さて、ウィンドウチャイムは前回からK君が演奏を始める合図として全ての曲に定着させようと、まず初めに練習として一度歌を聴いていただいてから、「では本番。始まりのチャイムをお願いします。」という進め方をしましたが、今回も同じ進め方をしました。
お馴染みのM君の好きな曲ばかりでしたが、M君のチャイムでイントロが始まると、嬉しそうに首をお母様の方に向けたり、お父様の方に向けたりしながら笑ってくれました。
今回は曲の中でいっぱい声も出してくれて、まるで一緒に歌っているような時もありました。曲中でも、ちょうど良い所でチャイムの音を入れてくれたり、右手だけでなく左手でもチャイムを触ろうとしていた時もありました。いつもより吸引の回数が多く、1回の処置も長いようでしたが、喉を使ったからか奥の方までよく取れるとお母様が仰っていました。
そもそもMくんのチャイムで始まり、お父様のスチールドラム入りの曲を増やそうと始まったことでしたが、前回はお父様には申し訳なかったのですが、まずはM君に新しいルールを覚えてもらうことに専念して、スチールドラムを使いませんでした。今回はM君も慣れてきたようなので、お父様のミニ・スチールドラム付きで「大きなクリの木の下で」を合奏することにしました。
といっても、この曲をお父様と演奏するのは、初回の楽譜作りの時も含めて3度目で、しかもいきなりのリクエストにもかかわらず、お父様は少し練習しただけで見事に演奏して下さいました。M君も、他の曲同様に最初にウィンドウチャイムを入れてくれて、その後お母様に手を取られて「大きなクリの~」と一緒に振り付けをしながら、嬉しそうに笑っていました。だんだん「M君のウィンドウチャイム始まり」が定着しつつあるようです。
そのきっかけとなった「ドレミの歌」も演奏してみると、M君のウィンドウチャイムで始まり、お父様のスチールドラムと、お母様の間奏のコーラスもバッチリでした。この時のM君の嬉しそうな顔を、他の曲でも見えるようになってきて嬉しい限りです。
前回、Mくんが不思議そうにお母様のお顔を見ていた「Stand by me」 も演奏してみましたが、今回はニコニコと自然に聴いてくれていました。お母様の可憐な声とお父様のノリの良いパーカッションが、Mくんも心地よかったのかもしれません。
帰り際に、M君が福祉施設で働きだしたことを知って、お母様から動画を見せていただいたのですが、なんと右手でポンと筒を叩くと、するっとお箸やお醬油などが落ちてきてパッキングされる仕組みで、梱包する機械をM君が動かしているのを見て、感動しました。ウインドウチャイムを鳴らす時の腕の動きも活かされていたようで、驚きと大きな喜びが込み上げてきました。M君が立派に「仕事」をこなしているのを見て、まるで我が子の成長を見るように感慨深いものがありました。