Sunday 11 Apr 2021(SY)

目と手の協応/数量概念/算数/文字/国語

担当:松本

■活動の様子

 並んでいる教材に、これといって手を伸ばしていて学習に対するやる気が伝わってきました。青い壁を背景にして上下調整できるカットアウトテーブルを使用しS君のあいさつでスタートしました。覚醒も良くとても意欲的に取り組んでいました。

・ボコボコチェーン:右手で手繰り寄せた後に左手が出てきて左手手繰り寄せで抜き切りました。
・ボコボコ筒ぬきさし:棒に付いている凸凹部分がノイズになって筒の数ではなく、くぼみの数を数えて答えているというお母様のアドバイスを受け、すぐにノイズのないアルミ筒入れに切り替えました。すぐに高さと数がつながって正しい数を答えくれました。ボコボコの凹凸のフィードバックが有効な場合もありますし今回のS君のケースのようにノイズになる方もいることに気づくことができました。
その後アルミ筒入れから一列のアルミはめへの移しをしながら自ら「本当に2だ!」と高さ(量)と数のつながりを実感していました。
これらの経験が、揺るぎない数量概念を作り算数・数学の分厚い土台になるはずです。


「他にもやっていい?」というSくんの言葉に支えられながらどんどん課題に取り組みます。

・アルミ円盤・アルミ円柱:ぱっと見いくつ問題は、8個穴面並び以外は指で数えずすぐに答えられました。「これで5だー」「本当に5だー」などの数を実感している様子が見られました。はめ板を縦にしても横にしても、面状に穴を並べても全部5ということも一緒に確認しました。
残りの穴いくつ問題は、穴を指で数えて正確に答えてくれました。

・数の棒平面構成:2の枠と2の棒を渡すと棒を縦にしてはめ込んでくれました。クリエイティブですね。その後4の枠に2の棒4本で色々なはめこみをしてもらいました。同じはめ型になる時には最初だけヒントを出すと自分で残りの棒をはめ込んでくれました。


・数の棒残りのスペースにどっちの棒が入る?:最初は、実際にはめてみて確かめながら取り組んでいましたが、「隙間を触って、棒も触って入りそうな方を入れてみて」と伝えると触っただけではまる方の棒を選んでいました

・数の棒1本いらない問題:枠にぴったりハマるように棒を入れていった時に、1本だけ棒が余る課題です。試行錯誤的に枠にはめながら要らない棒を渡してくれました。迷った時は、「一回全部出してみて」と伝えるとぴったりハマるまで根気よく取り組んでいました。素晴らしいです。

・数の棒と数のつながり:1から5までの数の棒の下に1の棒を入れていき何個分か確かめました。「本当に5個入った!」と言いながらそれぞれの棒が1の棒の何個分か実感できた様子でした。

・数の棒5までの数の足し算:暗記して分かっている足し算を具体物で丁寧に確かめていきました。棒を枠に右から左にはめる動作と「たす」という演算がつながって理解できていました。

・数の棒10までの数:5+1〜5+5まで5を基準にして10までの数を確認していきました。すぐに正解を伝えてくれました。以前はブロックを使っていたが、線がついているので指で数えて答えを出していたとお母様が教えてくれました。区切れ目がないつながった棒を使わないとその都度1から数えていく「数え算数」になってしまう可能性があることを再確認できました。例えば、2という量を直感的にまとまりとして把握するためにはバラバラでなく、つながっていないといけません。区切れ目があるとそれがノイズとなりどうしても数えたくなってしまいます(前述のボコボコ筒抜きと同じ)。
次回は、5+2、5+4などランダムに数の棒で質問していくのが良いと思われます。

・ひらがな字形要素のスライディング:滑らかに円盤を動かして全ての課題を達成していました。

・凸文字なぞり:字を書く時や文字をなぞる時は書見台を倒し気味にすると良いこと、なぞる文字は中心より利き手側に提示すると良いことをご本人とお母様に伝えながらなぞっていきました。「な」や「ぬ」の丸の部分がくるっと回れない時には、こちらで指をガイドしながら取り組みました。このような時に「ひらがな字形要素のスライディング」で培った動作のイメージが役に立っていました。