目と手の協応/算数数学
担当:松本
体調も良く、緊張も少なく落ち着いて学習に取り組めました。
■活動の様子
・ボコボコチェーン:久しぶりに取り組んだため、提示すると左手で引き止まったので、声かけをすると右手が出てきて、その後交互に左右の手で引っ張りチェーンを抜きました。
・ボコボコレバー両手:最初は片手だけつかもうとしていたので、両手でつかめることを伝えるとレバーを左右の手でつかみ力強くレバーを前後に動かしていました。両手の協応にとても良い教材で電車のレバーに見立てボコボコというフィードバックを楽しんでいました。
・直径50mmの円柱差し:自分で教材を操作しながら1から3までの数量を高さ、重さ、長さで体感しながらイメージを作りました。円柱もこの大きさなら上から包むように持てるため持ちやすく、はめ板にはめる向きも、つかんだ向きと同じまま入れられるので一人で取り組めました。
・直径30mm円柱差し:パッと見て幾つ穴があるか、残りの穴が幾つあるかの質問に即答してほとんど正解していました。途中、穴の並び方にも注意を向けてもらうために、平面に配列された5個穴と4個穴のはめ板は真ん中の一つの穴の違いだけであることを一緒に確認しました。
・分数導入:前回と同様一辺20cmの正方形の木板が入る枠を用意し、この木の板を一つのケーキに見立て基準とし学びました。縦に2等分した木板が2個で1の枠に入ることを操作を通して確認し、その1つ板が2個に分けた1個で1/2という言い方をすることを解説するとすぐに手を上げてわかったの合図をくれました。次に均等でない2つに分けた板をはめて、これは二つだけど大きさが違うので喧嘩になるためダメなこと、分数では等分ということが約束になることを確認しました。
次に、斜めに1/2にした三画形の板をはめてもらい、実はこれも二つピッタリ重なるので等分となり、1/2になると伝えました。そして縦に等分した長方形の1/2も斜めに等分した1/2は重ねてもピッタリ重ならないが、1個のケーキを基準とすると同じになることを説明しました。不思議そうな表情でしたが納得してくれたようでした。見た目の「違う」2つのものも、水を容器に移し替えるような操作をしなくとも、ある基準を基にすると「同じである」ということ重要でそこが理解できると実物直接操作から基準を軸にしたイメージの操作へなめらかに移行できるのではないかと考えます。
その後、3等分から5等分まで同じように板で確認した後に、板が何個分で分子の数が決まること、板を枠に全部はめると1と同じになることを確認しました。板を増やしたり減らしたりしながら何分の何か答えるやりとりを楽しんでいました。全て正解していたので、板と分数の対応は理解できていました。
次に、板の下の部分が数直線になること、その右端に数字を書くことを確認しました。毎回板を使うのが大変なこと、板を描くのも大変なことを一緒に板を用意したり、書いたりして、板の下の部分だけなら描くのが楽になることを納得してもらいました。
・数直線からの分数の読み取り:数直線の点に対応する分数を答える問題で5等分のメモリまでならすぐに答えられていましたが、メモリがそれ以上多くなるとメモリを読むのが難しそうでした。メモリの上に板を書くと少し捉えやすそうでした。
分数自体は分かっているので、視覚的な複雑さにより解けない様子でした。このことは大変示唆的です。理解する力はあっても、通常の問題構成ではわからないと判断されてしまいます。実際、1/8は5個分で?という文章による問いには、即答できていました。このような場合は、視覚的に処理できる5までのメモリで十分練習し、あとは同じ操作を頭の中で行うことが大事だと思われます。すなわち、わかる世界で沢山操作を経験しイメージを作る、そしてそれを応用していくことが大切だと考えます。メモリが難しければ実物を使えば良いです。今回も一人一人の困難さに合わせた教材準備が大切か学ばせてもらいました。
・分数の大小と不等号:分母が同じ分数の大小を、木板を使い説明したあと、並んだ分数の指差しで答えてもらいました。指さしはすぐにできたので、不等号の意味を説明し、2つの分数の間に上下に書いてどちらか選んでもらうことにしました。こちらもすぐに指さしで正答していました。Apple Pencilでも不等号を一緒に書いて確認しました。木板では理解していた5/5が1になることが数字だと少し曖昧だったので次回もう一度練習したいです。