iPadの準備 数学(乗法の計算) SENSIM
担当:奥山
【学習の様子】
ONさんのiPadを活用できるように準備をしました。
サピエ図書館には既に申し込みをいただいていて、iPad iPhone用デイジー図書再生アプリ「ボイスオブデイジー5(3180円)」を購入・インストールしていただき、早速音声デイジー図書を利用していただきました。サピエ図書館を利用すれば自分でページをめくることができなくても画面の文字が見えにくくても、「本を読む喜びを」を楽しむことができます。サピエ図書館は視覚障害の方だけではなく、他の困難さによって手に本を取ってページをめくって読むことができない方も無料で利用することができます。ネット環境があれば自宅で本を読むことが可能です。流行っているコミックの音訳図書もあります。
https://www.sapie.or.jp/cgi-bin/CN1WWW
次にiPadの「アクセスビリティ」-「スイッチコントロール」-「レシピ」-「ページ移動」を使って改造Bluetoothキーボードを接続してkeynoteのページを自分でめくって見ることができるように設定する「トリセツ」を作ってみたのですが、スイッチが思うように反応せず失敗してしまいました。「スイッチコントロール」の再勉強が必要です。私も試行錯誤して自分のiPadのスイッチコントロールの機能を毎回使っているのですが、どうやってうまくできたのかが既に藪の中に入ってしまっていました。そこで当面iPadタッチャーとワンショットタイマーをつかってkeynoteのページをめくってkeynote教材の自習をできるようにしました。
ONさんは、当初は左手親指の僅かな動きでPPSスイッチを操作していたのですが、しばらく前から右足の動きの頻度が多くなり、手も足も動きの幅が大きくなってきており、右手や左足の動きも増えてきたことから、複数のスイッチを使うことと、PPSスイッチではなく機械的スイッチやシンプルタッチスイッチ(アシスティック・オンライン)にクリックのフィードバックをつけるユニット(リレーのクリック音を利用)を加えたものも併用することが次回の課題です(それとスイッチコントロールを誰でも使えるようにするトリセツの作成)。
スイッチを使う際にはその部位の映像をアクションカメラを使って見て確認することができることも留意する必要があると考えています。
次にONさんの大好きな数学。前回は乗法の仕組み(九九の暗記が役立つこと)を学びました。九九の暗記については「やりながら」覚えていくこととして、今回は二桁と一桁の乗法の計算のやりかたについてkeynoteで学習しました。Keynoteの画面での提示の仕方を工夫したり、アニメーションやトランジションを使って動きをつけてわかりやすくしたり等の工夫をしています。例えば二桁の数を十の位と一の位に分けて考える際には、二桁の数からアニメーションの「ムーブイン」の機能を使って十の位と一の位の数字が順に(考えるタイミングに合わせて)画面に出てくるようにしています。ONさんは画面と奥山の解説に集中し続けている様子から、説明に納得していると判断して進めました。また、ONさんは実際には頭の中で数字を操作して暗算していくわけですが、奥山自身が暗算が苦手(頭の中に数字を保持することが難しい)なので、二桁と一桁の乗法の暗算に関する情報を検索してみました。すると、YouTubeに解説動画がたくさんアップされていることがわかり、その中のひとつをKeynoteにはりつけて、そのあと解説の内容をゆっくり見て確認できるようにスライドにして組み立てていきました。ここでONさんに質問をしました。奥山のように頭に数字を思い浮かべ続けることが難しい人が10人にひとりくらいいるみたいなのですが(暗算が苦手なので筆算で書いて計算する必要がある)、ONさんはどちらなのかを尋ねてみました。その結果、「頭に置いておくことができる」で目を閉じて教えてくれました。今日の数学はここまで。
最後に鉄道運転シミュレーションゲームSENSIMで電車の運転を楽しみました。次回は機械スイッチやシンプルタッチスイッチを併用することが課題なので、ONさんの大好きなSENSIMもiPadタッチャーで3カ所を操作することを考えています。また、ONさんのiPadでいつでもSENSIMを楽しむことができるように準備しました。