Wednesday 7 July 2021(KM)

スイッチの操作、ゲーム、鬼滅の刃

担当:奥山

【活動の様子】

今日の取り組みの予定のおはなし。KMさんが「スイッチボックスインベーダー」のゲームをやりたいという話をKSさん(スイッチボックスインベーダーの最高得点ホルダー)に伝えたら、KSさんが体に力を入れて「かかってこい!」(奥山の読み取り)と答えた話をすると、KMさんも体に力を入れて声を出していました。

 また、ONさんに「見たい方を見る」ために回転台の改造をしてうまくいってONさんも夢中になってスイッチを操作していたので、いくつか他の種類の回転台を改造してみたら失敗したことをお話しすると声を出していました。KMさんの叱咤激励と受け止めて返しました。

 最初に、左手指の動きでシンプルタッチスイッチ(フィードバック付き)で操作するところをアクションカメラで見えるようにして練習しました。今日は動きが少なかった様子なので、頭を動かす動きでもスイッチ操作をすることができることを伝えて次の学習へ(次回は手を触ってから取り組もうと修正しよう)。

 次にスイッチボックスインベーダーのゲームにチャレンジ。下顎の奥に貼り付けたピエゾセンサーをPPSスイッチに接続し、BluetoothでiPadと通信。数年前に取り組んだときは7000点に届きましたが、今回はライバルのKSさんのことを思い出してのチャレンジでした。スコアは集中力を発揮して15000点代。KSさんのスコアにはわずか2000点弱届きませんでしたが実力は拮抗しているようです。やっぱり「友」や「ライバル」の存在はとても大切だと実感しています。

 

 次に鬼滅の刃について。前回の学習の時に「コミックの鬼滅の刃を読みたがっているので何か方法はないか」とご相談いただきました。購入したKindle版の鬼滅の刃をスイッチでめくることができればいいのですが、まだ思い通りのタイミングでスイッチを操作することが難しいので、Kindle版の画像をいったんKeynoteに貼り付けて、Keynoteから動画で描き出す際に1枚あたりの時間を設定することで動画版作ってみました。Keynoteでスイッチでめくる版も作りました。一方、視覚的にコミックにアクセスできない方がどうしているか調べると、録音図書やデイジー図書でコミックの録音図書へのチャレンジが始まっていることがわかりました。ドラマの副音声のように、まずコマの状況説明や人物の立ち位置や動き、表情の解説の後に台詞を読み上げるのではないかと推察しました。確かにそういう支援があればコミックを楽しむことができるはずです。

 KMさんはすでにサピエ図書館の利用登録をされているので、お母様にお願いして図書の検索をしていただきました。すると想像通りの「鬼滅の刃」の読み上げ版が登録されていました。ただ、デイジー図書の仕様のためか、コマの画像は添付(リンク)されていないようでした。解決策としては、先にデイジー図書の「鬼滅の刃」を音声で読んで、そのあとにKindle版の画像をKeynote経由で見ることができれば、コミックを味わうことができるのはないかと考えました。

 本日は見開き1ページあたりの時間設定を試していただきました。現在50秒で設定しています。じっと見ているようでした。しばらく体験していただきながら変えていこうというところで終了。

※サピエ図書館は本へのアクセスが困難な当事者のための録音図書やデイジー図書のための図書館です。個人会員登録は、「B会員」→「東京都」→個人情報の入力で利用施設を「日本点字図書館」として申し込みます。数日内に利用する当事者の状態について確認の電話連絡があります。重度の運動障害で本を持ったり本が見えるように頭を動かすことが困難であることを伝えると、その後IDとパスワードが送られてきます。皆様の活用をお勧めします。