Saturday 9 July 2022(MM)

音楽

担当:石橋

前回の終わりに、K君が小さい頃から親しんできたという歌をたくさんリクエスト頂いたので、今回は、その中から何曲か加えて聞いて頂きました。
車椅子にセットしたウィンドウチャイムに、初めは手が上手く届かなかったりしたのですが、チャイムの位置を見て距離を確認してもらったら、チャイムの位置を何度も変えなくても、だんだん自分で調整出来る様になってきました。
鳴らすタイミングも、曲中のピッタリ合うところで上手に何回も鳴らしてくれました。

お父さんによると、曲を聴きながら鳴らすタイミングを考えているような気がするとの事でした。

お母さんのリクエストの「さんぽ」と「にじ」は、K君が小さい頃通っていた施設で良く聴いていたそうでした。テンポのある明るい曲は気持ちも明るくなりますが、同じくリクエストの「君をのせて」は珍しく短調の曲。

歌詞の中に「父さんの残した熱い想い、母さんがくれたあの眼差し」というところがあり、M君をあふれる優しさで支えるご両親の存在と重なって、お二人の事を思いながら歌いました。

M君は、聞き覚えのある曲だと思ったのか、じっと聴いてくれていました。

さて、忘れてはいけないM君のテーマソング「ドレミの歌」を、いつものようにM君のチャイムから始めました。

今回は、すでにスチールドラムを準備して下さっていて、お父さんの演奏も余裕がありました。M君がチャイムを鳴らした後、ピアノでイントロが始まったとたん、M君の顔がパっとほころびました。

この歌が、一番嬉しそうな表情をしてくれるので、私も嬉しくなります。その顔見たさにこの曲をやる部分もあるくらいです。ドレミの始まりの所は、繰り返すたびに毎回本当に嬉しそうに笑ってくれるのですが、
じっと前を見つめている時は、急に大人っぽくなった表情で何かを考えている様子です。

他にも、パプリカ、5匹のこぶたとチャールストン、小さな世界、南の島のハメハメハ大王、大きな古時計、夏の思い出なども一緒に歌いました。おまけに私のオリジナルのI’ll be right hereも。

さて前回は、途中で遠慮してしまったブルースのコール・アンド・レスポンスも、今回は久しぶりに、思い切りたっぷりとやってみました。

その延長で、初めて「ブルースぞうさん」を歌ったら、気に入って下さった様でした。
M君も、声を出してくれて嬉しかったです。

終わりころに、M君の大好きな虫の先生が、なんとヘラクレス大カブトムシを持って現れました。
私が「スゴ~イ!」を連発する中、M君は冷静に「ん、どうしたの?」という感じ。
聞けば幼虫から育てていたこともあるそうで、おみそれいたしました~!

Monday 18 July 2022(FKK)

目と手の協応/数量/スイッチ操作

担当:松本

■活動の様子

 いつものようにボコボコミニチェーンと高さ、重さ、長さの円柱差しでウォーミングアップした後に、スライディンブロックに取り組みました。
上下左右とも自分で手を動かして穴に半球のついた円盤を入れられていました。
 凸文字なぞりに写ろうと思い、どの行をなぞるか聞こうとしたらヘルパーさんが脈拍のモニターを見てKさんがウトウトしてきたことを知らせてくれました。
 そこで、スライディングブロックの動きが良かったので、スライドスイッチで2つのスイッチの押し分けの練習をすることにしました。押す動きで振動クッション、引く動きでメロディチャイムが鳴るようにスイッチを繋ぎました。介助付きで支えて動きを出そうと思ったら、一人で動かせそうだったので滑り止めを敷いてセッティングしました。最初は押す動きで何回も振動クッションを震わせ、途中から引く動きでメロディチャイムもならせていました。

 そこで、iPadのKeynoteのスライドでタッチすると20秒で嵐の音楽が止まって、また押すと音楽スタートするものをiPad+タッチャーと先程のスライドスイッチの「押す動き」の方と繋ぎ操作しました。その際に、嵐のカードを提示しながら操作してもらいました。スライドスイッチは最初から上手にスライドさせていました。

 次に新作のBTSの曲のスライドに挑戦。この時もBTSのカードを提示しながら操作してもらいました。途中押す力が入りすぎてスイッチが押しっぱなしの状態になった時があったのですが、正中線の方にスイッチを操作している右手を近づけながら力が抜ける場所を探り、スイッチを再設置するとまた上手にスライドして音楽を進めていました。自分で操作できているのでとても満足そうな表情をしていました 。

Wednesday 6 July 2022(FKK)

音楽

担当:石橋

今回は、Kさんは直前まで寝ていた様ですが、初めてお祖母様もご在宅で、コンディションは悪くなさそうでした。

まずは「かえるのうた」を、ごく自然にお祖母様とヘルパーさんと3人で輪唱。ヘルパーさんは、お祖母様が歌うのを聞いて驚いた様子で、Kさんに、「ほらほら寝てる場合じゃないよ、バァバが歌ってくれてるよ。スゴイね。」と。Kさんは初めは眠そうでしたが、お祖母様が一緒に歌いだすと、少しづつ目が覚めてきた様子でした。

次の「夏の思い出」は、「懐かしいわ。」と言いながらお祖母様がリードして歌って下さり、続く「手のひらを太陽に」と「小さな世界」では、
打楽器を鳴らしながらKさんの手を取って、「ほらほらKちゃんも一緒に歌いましょう。」と、とても盛り上げてくださいました。Kさんも目を大きく開いて楽しそうでした。

調子に乗って「南の島のハメハメハ大王」も、ノリノリで歌ったのですが、Kさんの好きな曲のはずが、目を伏し目がちにして、少し疲れたような感じがしました。

目が覚めてすぐ、すっ飛ばし過ぎたかもと反省しつつ、バラードでクールダウン。「Love me tender 」と「A while new world 」を。お祖母様も座って聴いて下さいました。ちょうど翌日が七夕だったので、「七夕さま」を一緒に歌い、短冊のお願い事の話になりました。

やはりKさんは「大野君に会えますように」かな、と話していたら、お祖母様が「とにかく平和な世の中であって欲しいですよ。」と。丁度選挙前でもあり、「私達大人がしっかりしないと、この子たちの将来が心配で。」とのこと。「そのとおりですね。」と、ヘルパーさんと大きく頷きました。実は、社会人になったKさんには初めての選挙で、サポートして頂きながら投票にも参加するそうでした。

少し落ち着いた様なので、
「大きな古時計」と「5匹のこぶたとチャールストン」を一緒に。
Kさんの両手を、片手ずつお祖母さんとヘルパーさんが握ってくれて、一緒に鈴を振りながら歌ってくれました。

そしてKさん、お気に入りの嵐の「Happiness」と「はらぺこあおむし」を。お祖母様も「嬉しいねえ。よかったねえ。」と、一緒に楽しんで下さった様でした。

最後は、早く雨が止むようにと「Over the rainbow」を歌いました。

今日も、時々目をパッチリと開けて口角を上げて、嬉しそうな表情を見せてくれたKさんでした。

お祖母さまの積極的なサポートに感謝です。ありがとうございました。

Saturday 9 July 2022(OK)

目と手の協応/算数・数学

担当:松本 

 前日久しぶりの放課後デイ通所があり、疲れ気味でしたが前回の復習とさらに進んだ内容を学ぶことができました。

 新作小説「赤いカプセル」も一緒に読み、その内容の広がりに感動しました。スマイリングホスピタルジャパンのアーティストにより音楽と挿絵が着くのが楽しみです。

■目と手の協応

・ボコボコタッパー:右手→左手の交互の動きでチェーンを抜き切っていました。

・太い円柱差し:自分だけ持ち上げはめ板に入れていました。

■分数

 前回の復習で、はめ込み構成の正方形の枠と分割板を使い、分数の意味から学びました。こちらの質問に、文字盤のポインティングで答えてくれました。全部正解していたので分数の意味については定着していることが確認できました。特に本日は、分割板から数直線への移行を丁寧に行いました。分割板の下の部分がそのまま数直線になっていることを確認し、今までそれぞれの板の上に書いていた1/3などの分数を、メモリの下に書くことも説明しました。iPadに取り込んだプリントを一部拡大しながら、練習問題を解いてもらいました。文字盤で答えてもらった後は、Apple Pencilでヘルパーさんに手を支えてもらい書いたり、塗りつぶしたりしながら答えを書いていきました。

次回は、分数の大小を学びます。確実な積み重ねができているので、本人も満足そうにしていました。

Sunday 10 July 2022(FK)

目と手の協応/数量/スイッチ操作

担当:松本 

 お約束していたテーブルを納品しました。もう少し低い方が良いのですが、どうしても膝が天板に当たってしまうのでギリギリの低さで調整しました。呼吸状態も、手の動きも、iPadへの注目も机のおかげで前回よりも向上していました。

■目と手の協応

・ボコボコタッパー:最後のひと抜きを左手首を捻りながらしていました。

・ボコボコタッパーミニ:左手に握り、右手にチェーンをセットすると一気に  両手を開いて抜き切っていました。

■数量

・3cm*5cmのアルミ円柱:袋に入れて左手に持ってもらい、重さで量を確認して、その後筒に入れて高さを確認。最後に直線のはめ板で長さを確認しました。重さ、高さ、長さで量と数を結びつけました。

・玉落とし:数を確認しながら落としました。3つの穴の直線配列の課題は3個とも自分の手の動きで球を落としていました。

■文字

・スライディングブロック:左手はよく動いて、上下左右でブロックを滑らせていました。

・凸文字なぞり:あ行からどの行を練習するか聞いていくと、「か行」で声の合図をしてくれました。書見台に貼り付けた凸文字を左手で一緒になぞっていきました。今日も自発的な指先の動きが出ていて自分でなぞれる部分も多かったです。

■スイッチ操作

・2スイッチ練習:振動クッションとチャイムを使って前後のスライドスイッチの練習をしました。介助者が前にスライドさせてクッションを振動させて、Kさんがスイッチを引く動きでチャイムを鳴らすというやり方で行いました。何回かクッションを振動させると、引く動きでチャイムを鳴らしてくれました。

・指伝話文字盤:「行送り」を介助者がして、「決定」をKさんに先ほど練習したスライドスイッチを引く動きで行ってもらいました。

画面によく注目して行送りの様子をみていましたが、手の動きは少なめでした。スイッチの面をより広くしてみたらどうかとお母様からの提案があり次回試してみたいと思います。

・ワンスイッチゲーム/音楽プレゼンのスイッチ操作:同じスライドスイッチの引く動きを練習するためにiPadのワンスイッチ操作可能なゲームであるスイッチボックスインベーダーを試しました。画面はよくみていたのですが手の動きは少なめでした。Keynoteで作った音楽プレゼンの方は、手を動かしスイッチをスライドさせる動きが多く出ていました。

次回は、音楽プレゼンでスイッチを練習したいと思います。

Tuesday 28 June 2022(ON)

iPadの準備 数学(乗法の計算) SENSIM

 

担当:奥山

 

【学習の様子】

 ONさんのiPadを活用できるように準備をしました。

 サピエ図書館には既に申し込みをいただいていて、iPad iPhone用デイジー図書再生アプリ「ボイスオブデイジー5(3180円)」を購入・インストールしていただき、早速音声デイジー図書を利用していただきました。サピエ図書館を利用すれば自分でページをめくることができなくても画面の文字が見えにくくても、「本を読む喜びを」を楽しむことができます。サピエ図書館は視覚障害の方だけではなく、他の困難さによって手に本を取ってページをめくって読むことができない方も無料で利用することができます。ネット環境があれば自宅で本を読むことが可能です。流行っているコミックの音訳図書もあります。

https://www.sapie.or.jp/cgi-bin/CN1WWW

 次にiPadの「アクセスビリティ」-「スイッチコントロール」-「レシピ」-「ページ移動」を使って改造Bluetoothキーボードを接続してkeynoteのページを自分でめくって見ることができるように設定する「トリセツ」を作ってみたのですが、スイッチが思うように反応せず失敗してしまいました。「スイッチコントロール」の再勉強が必要です。私も試行錯誤して自分のiPadのスイッチコントロールの機能を毎回使っているのですが、どうやってうまくできたのかが既に藪の中に入ってしまっていました。そこで当面iPadタッチャーとワンショットタイマーをつかってkeynoteのページをめくってkeynote教材の自習をできるようにしました。

 ONさんは、当初は左手親指の僅かな動きでPPSスイッチを操作していたのですが、しばらく前から右足の動きの頻度が多くなり、手も足も動きの幅が大きくなってきており、右手や左足の動きも増えてきたことから、複数のスイッチを使うことと、PPSスイッチではなく機械的スイッチやシンプルタッチスイッチ(アシスティック・オンライン)にクリックのフィードバックをつけるユニット(リレーのクリック音を利用)を加えたものも併用することが次回の課題です(それとスイッチコントロールを誰でも使えるようにするトリセツの作成)。

 スイッチを使う際にはその部位の映像をアクションカメラを使って見て確認することができることも留意する必要があると考えています。

 次にONさんの大好きな数学。前回は乗法の仕組み(九九の暗記が役立つこと)を学びました。九九の暗記については「やりながら」覚えていくこととして、今回は二桁と一桁の乗法の計算のやりかたについてkeynoteで学習しました。Keynoteの画面での提示の仕方を工夫したり、アニメーションやトランジションを使って動きをつけてわかりやすくしたり等の工夫をしています。例えば二桁の数を十の位と一の位に分けて考える際には、二桁の数からアニメーションの「ムーブイン」の機能を使って十の位と一の位の数字が順に(考えるタイミングに合わせて)画面に出てくるようにしています。ONさんは画面と奥山の解説に集中し続けている様子から、説明に納得していると判断して進めました。また、ONさんは実際には頭の中で数字を操作して暗算していくわけですが、奥山自身が暗算が苦手(頭の中に数字を保持することが難しい)なので、二桁と一桁の乗法の暗算に関する情報を検索してみました。すると、YouTubeに解説動画がたくさんアップされていることがわかり、その中のひとつをKeynoteにはりつけて、そのあと解説の内容をゆっくり見て確認できるようにスライドにして組み立てていきました。ここでONさんに質問をしました。奥山のように頭に数字を思い浮かべ続けることが難しい人が10人にひとりくらいいるみたいなのですが(暗算が苦手なので筆算で書いて計算する必要がある)、ONさんはどちらなのかを尋ねてみました。その結果、「頭に置いておくことができる」で目を閉じて教えてくれました。今日の数学はここまで。

 最後に鉄道運転シミュレーションゲームSENSIMで電車の運転を楽しみました。次回は機械スイッチやシンプルタッチスイッチを併用することが課題なので、ONさんの大好きなSENSIMもiPadタッチャーで3カ所を操作することを考えています。また、ONさんのiPadでいつでもSENSIMを楽しむことができるように準備しました。

Sunday 26 June 2022 (MH)

目と手の協応/コミュニケーション

■活動の様子

 家庭の座位保持椅子をご持参されました。天板は低めに再設定しました。座位保持装置を使うことで、明らかに上肢の可動域が広がった印象でした。

 最初にカードの視線選択にトライ。絵カードへの視覚定位は短いが確認できました。無地との2枚提示では、見比べが続いたので1枚にすると、リーチしてくれました。カードが選べた後の歌を楽しみにしている様子でした。

 次にスイッチの選択。2分の1選択は、右方の後に、アンパンマンのついた左方に移動。ワンスイッチを加え3分の1にして実施すると、左側にあっても選択が確実でした。これは今回が初めてでした。

 次に見立て遊びの導入をしました。袋の中に手をガイドして入れると、袋の中のものをつかみました。そして、口に持っていき食べようとしていました。パペットが手に握っているものを取って食べると、その様子に注目し、笑顔になっていました。途中、袋の中に自分から手を入れていました。

 ツリーチャイムとチェーン引きには、即座にリーチしていました。手のひらが返らずにリーチできていました。本日は手のひらの方向を調整している様子が顕著でした。

 スライド教材は、押し出す動きの方が出やすかったです。肘ガイドにてトライもしました。

 ペグ抜き+音の箱では穴を探すが、ガイドにより握ると抜く動きが出る。箱に落とすと音が鳴ることへの関係性の気づきや期待感を感じていました。意図的なリリースの明らかな芽生えを確認できました。

 鉄球落としは、2穴では前回よりもスムーズに連続した操作をして落とす。3穴では3つ目にやや時間がかかっていましたが最後の一つまで落としていました。

Sunday 26 June 2022 (TS)

目と手の協応/コミュニケーション

 初めての学びサポートでした。最初の緊張が嘘のように、後半は、力が抜けても外へ広がり普段通りの力を発揮されていました。

 家でも親しんでいるボコボコミニチェーンからスタート。ほぼ初めての環境のため、また意欲があり、かなり緊張が高まり上肢のコントロールに苦労していたので、いったん休みを入れました。

 次はツリーチャイム。ツリーチャイムの方を手指に近づけることで音出しに成功するよう援助。次第に姿勢が改善し、握った手を当てて操作していました。

 その次にボコボコジャバラ。視覚定位は確実にできていました。手を握ったまま蛇腹に近づけ、待つと人差し指が開いてきました。親指を援助で固定すると自ら引く動きが出ました。繰り返していると、指が開くまでの時間が短縮し、開く幅も広くなりました。

 ボコボコ棒では、棒へのリーチと共に指が開き、グラスプしてくれました。一度つかむとリリースは時間がかかっていました。

 前半の課題にて手指の操作性(手が開き、かつ指と手のひらとの距離が指2本分位と丁度良く開く)が向上したため、手のひら内での操作が可能と判断してタクトスイッチ+扇風機にトライ。学校でのスイッチ経験があり、すぐに自発的操作。オンは確実でした。

 ジェリービーンも試し、操作可能でしが、大きさや厚さからタクトの方が機能的な様子でした。

 リラックスすると抑揚のあるソフトな発声があり、単語表出の可能性を感じました。「頭あげて」に応じていて、理解力も高い様子でした。

Saturday 25 June 2022 (MM)

視線入力/目と手の協応/文字綴り

担当:松本

  久しぶりの学びサポートでした。ずっと楽しみにしてくれていたようで90分ノンストップで学習しました。覚醒も大変良かったです。やり取りも声で返事を短時間で返してくれることが多く素晴らしかったです。

■視線入力

 風船割りから始めたのですが、視線が上方へ集中しどうしてもいつものようにできなかったので、tobiiの視線を確認し、EyeMoTのPositionも行い、もう一度チャレンジ。やはり結果が同じだったので、ゲームを変えEyeMoTのSensory車、花火に取り組みました。花火の途中で、もしやと思い首を支え少し前の方に倒すように手伝うと、左側ではありますが真ん中から下の方へ視線が動き出しました。その後的あてにも同じ姿勢でチャレンジ。お父様が「ドクロを避けているようですね」とコメントしてくれた通り、軌跡でもそのことを確認できました。本人の意思がこのように確認できることも視線入力の醍醐味だと思います。

 お会いした時に、身長が伸びた感じがあったのですが、モニターを固定するパソッテルを最高位置にしても高さが足りなくなっていたようです。最後は視線で絵を描いて次の課題があるのでと説明し終わりました。

次回は、パソッテルを底上げする台を作成し試すことと、リクライニングをより後方にして試すことを行いたいと思います。

■目と手の協応

・ボコボコチェーン:右手で勢いよく引き抜いてくれました。腕にはめたゴムがズレて手の方へ行ってもしっかり握って抜き切るまではなしませんでした。以前だとある程度まで行くとどうしても手が開いてしまうことが多かったので大きな変化です。

・ボコボコチェーンミニ:左手で握り、右手で引きました。途中まで抜いたのですが、最後のひと抜きの準備に時間をかけていたので、きっかけとなるように少し一緒にチェーンを引くと、一気に引き抜いていました。

■文字綴り

・指伝話文字盤のスライドスイッチによる「送り」「決定」の2スイッチ操作:iPadアプリ指伝話文字盤を「できiPad2」とiPadのレシピ機能を使いスライドスイッチ(上下2スイッチ)操作にトライしました。介助しながらスイッチを操作してもらうと外から見ると本人がやっているかどうかの判断がつきにくいという難しさがります。しかし、目と手の協応課題の時にも教材を操作しやすい位置に提示することは当たり前にしなければならないことですし、時には積極的に支えて最後の動きは自分でということなしに成功体験を支援できないことを考えると物理的な環境設定だけでは難しい場合には介助付きのスイッチ操作は必要な支援だと思います。毎回の微妙な姿勢の違いに柔軟により簡単に対応できるのは人的な環境です。

 初めてのチャレンジでしたが、最初から行を送るために何回もスイッチを上にスライドさせてくれました。そして、決定の下への動きもこちらが読み取れるように出してくれる場面もありました。スイッチの感度が良すぎて選んだ行を過ぎてしまうことが何回かありました。そのようなやり取りで「つむ6」という文字を綴ってくれました。最終的に綴られた単語の意味は今日はわからなかったのですが、良い表情をしていたので続けていきたいと思います

・スライドスイッチの導入:導入のはずが忘れてしまい、文字綴りの後に行いました。普段から取り組んでいるスライディングブロックと同じ半球がついたスイッチを用意して、上に滑らすとぶるぶるクッション、下に滑らすとチャイムが鳴るようにしました。周りから見てもわかる動きや、支えている人しかわからない動きの組み合わせで取り組んでくれました。クッションとチャイムのフィードバックもわかりやすかったようです。終わりの挨拶のためにステップバイステップ(VOCA)に下に滑らす方のスイッチを接続して少し待つと、周りが見ても明らかな動きでスイッチを下にスライドさせて挨拶をしてくれました。

Saturday 25 June 2022 (OK)

文字入力/目と手の協応/算数・数学

担当:松本

作成したキーガードを試すところから始めました。呼吸も身体の緊張も落ち着いていてゆったりと課題に取り組めました。担任の先生も学習の様子を見に来てくれました。

■文字入力

・指伝話文字盤キーガード試し:前回紹介したアームと共にiPadとキーガードを挟み込み文字を打っていきました。途中iPad の位置をお母様と共に調整しながら良い位置に固定しました。タッチ調整もして連続打ちが出にくいように設定しました。文字配列が通常使っているトーキングエイドと違い、戸惑っている様子でしたが好きな鉄道の名前など試し打ちしてくれました。比較のためにトーキングエイドも使用したのですが、やはり使い慣れているトーキングエイドの方が指の動きも良かったです。よりシンプルなデジタル文字盤ということで他のものを試しましたがトーキングエイドを使用した方が良いという結論に本人も保護者も達しました。やはりアナログの木枠文字盤は一番使いやすそうなので、トーキングエイドの配列によりなれるために同じ配列の木枠文字盤と透明のキーガードを作成しようと思います。

■目と手の協応

・ボコボコチェーン:提示するとすぐに左右の手が交互に出てきました。

・円盤はめ:3個直線と5個面に取り組みました。「ぱっと見いくつ?」の課題にも残りいくつの課題にも正解していました。円盤を渡すと、はめ板の上において小指や親指で滑らせて穴にはめていました。

・高さ・重さ・長さ:高さの筒を提示して円柱がいくつ入るか聞いた後、実際に円柱を筒の中に入れてもらい、次に円筒の中にある円柱を自分で持って袋に入れて、右手で持って重さを確認しました。最後は、長さの確認のため、横に伸びたはめ板に円柱をはめていきました。それぞれの数が、高さ・重さ・長さと繋がるように毎回取り組んでいいます。半径60mm、高さ30mmサイズの円柱は自分で握っても持ち上げられ操作しやすそうでした。

■算数・数学

・分数の導入:正方形、円を2、3、4等分した構成課題(パズル課題)で1/2、1/3、1/4などの分数の意味成り立ちについて手で操作しながら学びました。途中正方形を斜めに切っても、やはり1/2になることをパズルをはめながら確かめました。そして、いろんな分け方をしてもいいが一つ一つのパーツがぴたりと重ならないといけない(等分)ことを学びました。ただし、よりシンプルに考えるために縦に切っていく方が良いことを伝えました。全部集めると1になる、分母分子が同じ数だと1になる、分母分子が同じ数なら全て同じ数1になることまですぐに理解できた様子でした。正方形の縦割りモデルの下の方だけをとってきて、目盛にしたらより考えやすいことなども目の前でパズルから紙に目盛を移し書きしたことですぐに分かったようでした。プリント学習に繋げられるように担任の先生に見本おプリントを渡しました。

 引っ掛かることなくどんどん理解できていることが嬉しかったようで、自分のことを指差ながら自分で考えて理解していることを何回も伝えてくれました。表情も内容が腑に落ちたようで満足そうでした。

 次回は、分数の大小、同分母の足し算引き算に進みたいと思います。