音楽
担当:石橋
■活動の様子
今回は、目覚めたばかりとはいえ、幸い目を開けている時間も長く、ご機嫌も良さそうでした。初めてお持ちしたレインスティックは、楽器の説明をしながらKさんに片方の紐を手に持ってもらって、反対側を私がゆっくりと動かすと、シャラシャラと聞こえてくる音を、一瞬ハッとする表情をしてからニコニコと何度も聴いてくれました。ヘルパーさんが、その様子を見て「Kちゃん、楽しい? 良かったね」と言って下さり、実は、進め方を悩んでいたので嬉しかったです。
そのヘルパーさんは今まで積極的にKホイッスルを練習して下さっていた方なのですが、先月のKホイッスルのことをお話したら、あらためてKさんには難しいかもということになりました。実はその方自身も、Kさんが自分で誰かを呼べるようにと、鈴の入ったシェーカーをKさんに鳴らせようとかなり練習したそうなのですが、まだ自分で鳴らすことは一度もなかったそうでした。スイッチを押すと音が出て用を知らせる機械もあったそうなのですが、そもそも用がある時に誰かを呼ぼうという意思で押せるかどうかで、今は使ってないようでした。ましてKホイッスルは、形状的にKさんには大きくて使いづらい様子。KホイッスルはKさんオリジナルの楽器として、補助しながら時々使えれば良いかなと思います。
さて今回は、「パプリカ」や「Whole new world」、「Over the rainbow」など、ずっとニコニコして聴いてくれました。以前好きだった様なのに、このところ時々反応のなかった「森のくまさん」や「南の島の大王」なども、今回は楽しそうに聴いてくれました。
そしていよいよ、いつも私が弾いているミニピアノを、Kさんの前に置いてみました。ヘルパーさんが、Kさんの手を取って「ほらほら弾いてごらん」と鍵盤の上に乗せると、いきなり伸びる音が出て、チョッとビックリした様子でしたが、手を引っ込めるでもなく、興味を持ったようでした。このミニピアノは、自動演奏に合わせて鍵盤を押すと、曲に合った和音が出てきて、まるでセッションしているみたいに聴こえる機能が付いているのですが、それを思い出して自動演奏に切り替えたら、いきなり16ビートのタイトな曲が流れてきました。Kさんは、ハッとしながらもニコニコ聴いています。Kさんの大好きな「嵐」の曲に似た演奏だったからかもしれませんが、自分で鍵盤の上の握りこぶしの角度を変えてみると、ちゃんと曲にそった和音が移動していきます。私が「Kさん、すごい、すごい!上手!」と言うと、嬉しそうに笑っていました。
初めて会った頃は、ピアノには興味を示さなかったようなのに、これは嬉しい発見でした。次回は、これを発展していければと思います。