Saturday 9 Oct 2021(MM)

視線入力/目と手の協応/数量/文字

担当:松本

活動再開後初めての学びサポートでした。

<活動の様子>

 ■視線入力
・前回同様コントラストのはっきりした風船を用意し取り組みました。右側から中心にかけてが見易そうでしたが、左の方にも視線が動くのが確認できました。
・機器を設定して始める時の、M君の表情がとても意欲的で、視線入力は、大好きな活動でM君とのセッションには欠かせない取り組みだと再確認できました。
・風船割りの後は、射的のビデオアセスメントモードにして視線の動きを見させて頂きました。使用したのは黄金期のAKB48のメンバーを左右中央に一定時間ずつ表示する動画で、keynoteで作成したものです。風船割りで少し疲れ気味だったのですが、動画が始まると目を大きく開いて中央から右側をよく見てくれました。視線がうまく左にいかないときは手も含め体全体を動かしなんとか見ようとしてくれましたが、難しく、「左を向けない!」というように声を出して伝えてくれました。
・次回は動画の定時位置を中央から右側にしようと思います。そして少しずつ左にずらして提示するように練習できたらと思います。
・それでも風船の時は比較的左のほうへも視線が動いていました。風船は動くものなので静止画像より捉えやすかったからかもしれません。
・実は、活動日の午前中に自宅で視線入力を再確認した時にtobii4Cが認識されず大変焦りました。一旦tobii4Cのドライバーをアンインストールして、再インストールしようとしたのですが、なぜか「インストールできませんでした」という警告が出てしまい、パソコンを再起動してもう一度ドライバーをインストールしたらなんとか成功しました。tobii4Cも認識されことなきを得ました。こんなに楽しみにしてくれている視線入力ができなかったらと思い焦りました。私用パソコンのwindowsのアップデートも原因かなと思われますが、結構皆さん苦労しているようで様々な下のリンクのような解決策を共有してくれています。https://miyabiproject.com/get-up-tobii/
支援機器の不安定さは致命的です。本気でなんとかしてほしいものです。

■目との手協応
・ボコボコタッパー:右手を後ろに引く動作で抜ききってくれました。3回ほど繰り返しましたがどの回もすぐに手が動きチェーンを引っ張っていました。
・ボコボコタッパーミニ:棒を握る手を左右変えながら取り組みました。一気に抜くのでなく、ある一定の長さを抜いた後同じ動きで抜けないことがわかる
と、同じ手を一旦戻してより大きく動かしたり、方向を変えながら抜いたり、同じ手の動きで難しい場合は反対の手を動員したり、両手を使ったりと時間
をかけて試行錯誤しているところがよくわかりました。重力を使って手を下に降ろすことで最後に抜ききる方法も初めて見られました。回を重ねるごとに新しい手の動きが確認でき、工夫が見られ素晴らしいです。


■数量
・φ50mm*30mm円柱差し:量を重さを感んじてもらうために今までは手の上に円柱を重ねていたのですが、円柱が重ねても崩れてしまってうまくいかなかったので、今回は袋に入れて持って重さを感じてもらう取り組みにしました。一緒に円柱を袋に入れて、右手に袋の取っ手を引っ掛けると、肘を支点にして持ち上げながら重さを感じる様子が確認できました。2個までは持ち上げることができたのですが、3個は、一瞬持ち上げたところで取っ手が手から離れ落ちました。重さの違いと個数とを感じ取ってもらえたとお思います。その後は、筒に入れ量を高さで感じてもらい、次に穴が横一列に並んだはめ板で長さを感じてもらいました。高さを感じる時には筒のてっぺんに右手を一緒に置くと、自分で外側に手を開くような動きでてっぺんから手を離し机に手を落とす動作で、高さの違いを感じていました。横一列のはめ板は、右手を外に動かし、はめ板の上を滑らすように動かし、はめ板の端で手が机に落ちることで長さを感じ取っていました。どの場合も、援助なしに自分だけで教材に働きかける様子が確認できました。
・玉落とし:右手で天板を外に滑らす動きで球を落としながら長さを感じていました。
・円盤入れ:円盤を右手の動きで入れてもらいながら、「残り幾つ?」の質問もしました。「残りの穴の数は1個?2個?」と聞いていくと正解の時に声や
 体の動きや表情で合図を送ってくれることが多かったです。

■文字
・スライディングブロック:右手で行いました。引く動きは上手に自分でブロックを動かしていました。上方向へは、難しかったですが、肘が外側にいかないようにガイドすると何回か自分の動きが出てブロックを穴まで滑らすことが出来ていました。左右の動きで、苦手な左側(内側)に行く動きは胸当ての内側に自ら肘を入れて固定し、上手にブロックを動かしていました。どこを支点にすれば良いのか自分で工夫していて素晴らしかったです。これもボコボコチェーンミニの成果かもしれません。自分の体の動きが思った方向に行けば、上下左右という机上の基本的な空間イメージを比較的楽に作ることが出来ます


・立体コピーなぞり:今日はどの行を練習するか「あ行?か行?・・・」と聞いていくと「は行」のところで目を開く表情で合図をくれました。一緒に一通りなぞって、最後に私の手のひらに今取り組んだ文字のうち一文字だけ書いてもらいました。横棒を書く時にグッと指からの力を感じることが出来、それが二回あったので「ほ?」と聞くと何か不思議そうな表情をしたので、「は」と「ほ」の違いは横棒の数が違うことをもう一度確認すると腑に落ちた表情をしてくれました。本人は「は」を書きたかったようでした。

■ご家族より

久しぶりにやりたかった事がたくさん出来たようです。学びサポートが終わった後、とても満たされた顔で身体もリラックスしておりました。