音楽
担当:石橋
■活動の様子
寒い時でも日向を歩くと気持ちが良いものですが、まず初めに、今回は久しぶりにトトロの「さんぽ」を歌ってみました。Mさんも大好きな歌だそうです。
続いて、散歩の途中で見た黄色のイチョウや赤いモミジや桜の葉を思いながら、「もみじ」と「旅愁」を。今年は歌う機会がなかったので、ついでに英語の「枯葉」も聴いていただきました。
秋が短かくなったことを話しながら、今シーズン初の「北風小僧の寒太郎」を歌ってみたら、歌い出してすぐにMさんはパッと顔を明るくして「あ、あの曲。」という風にニコニコしています。
この曲独特のリズムが気持ちよく、ご両親も打楽器を鳴らしながら掛け合いで歌って下さいました。
いつものように、お馴染みの曲をたくさん歌いましたが、ご両親の打楽器は、とてもリズミカルで気持ちよく、どんな曲もMさんの気持ちに寄り添っているようでした。きっと一緒に、今まで何度も聴いてきた歌なのだろうなと思いました。
Mさんは知っている好きな曲だとわかると、パッと顔をほころばせて飛び切りの笑顔を見せてくれる事がありますが、今回は、「おもちゃのチャチャチャ」や「ジングルベル」などもパッと嬉しそうに反応してくれました。
さて中でも、特にMさんがお気に入りの歌が2曲あります。もちろんパッと表情が明るくなる曲ですが、聴くだけでなく、Mさんが奏者として楽器で参加する曲です。当然ながら音を出す位置が決まっていて、そのタイミングによって私の歌が始まります。
その一つ「ドレミの歌」。始まりを、Mさんのウインドウチャイムからと言うルールは、すっかり定着したようですが、「次はドレミの歌を歌うから、Mさんが初めにチャイムを鳴らしてね。待ってるからね。」と言ってから始まりの一発が出るのには、やはりどうしても暫く緊張した時間が続きます。
みんなの視線もあり、久しぶりでもあり、普段しない動きなので、腕をスムーズに動かすには大変な集中力も必要です。
でもひとたび、イントロでチャイムを鳴らして歌が始まったら、間奏の終わりで再びチャイムを鳴らすことはもう理解できているようで、比較的スムーズに2番の始まりのチャイムや3番の始まりのチャイムも鳴らせるようになってきました。
それだけでなく、曲の途中でピッタリと歌に合わせてキレの良いチャイムを鳴らしてくれることもあり、驚きました。ゆっくりとキラキラした音だけでなく、「ジャンッ」とか「ジャッ」とかアタックの強い音も出せるようなのです。
実は以前は、他の場面でも「キラッ」と音を出すことがあり、偶然かなと思っていたのですが、今回は曲中で複数回、あまりにもタイミングがピッタリ合い、しっかりと意志を持った音に聴こえました。もしかしたら意図して鳴らしているのかも知れないと感じた次第です。
実は、なんとお父さんも前からそんな風に思っていたそうでした。もしそうならMさんの感じ方が、より演奏の表現として伝えられることになるかも知れません。
そしてもう1曲、「はらぺこあおむし」のいくつかの場面転換の場所にウィンドウチャイムを入れてもらえないかとうながしていたら、毎回少しづつですがMさんなりに理解して参加してくれている気がします。
前より短い時間で反応してチャイムを鳴らしてくれているようでしたが、チャイムの扱い方も少しづつ慣れてきたのかもしれません。
お母さんが、進行に合わせてMさんの前で絵本を広げて見せてくれていましたが、物語の進行はだいたい覚えている様子でした。
鳴らし方による音色も少しずつ違って、もしかしたら意識しているのかも。完全に音のコントロールは出来ないまでも、心の中で場面転換が出来ているとしたら、凄い進歩だと思います。
終盤のサナギからチョウチョが出てくるシーンでは、一番のクライマックスになる所なので、時間がかかってもMさんが場面を理解して自分の気持ちで音を出せるようになると素敵だなと思います。
なんだか私一人で興奮してしまい、
終わった後、「上手に鳴らせたね。」とMさんに声をかけたら、Mさんも私に何か話しかけてくれました。
残念ながら正確には理解できなかったけれど、「音を出す事は楽しいね」と言っているような気がしました。ハイ、私もそう思います!
