音楽活動
担当:石橋
■活動内容
今回は、久々に「赤いカプセル」の制作会議を離れて、クリスマス・シーズンに合わせた曲をたっぷり聴いていただこうと思っていました。
ところが、Kくんが聴きたいクリスマスソングはジングルベル1曲だけ。しかも「小さな世界」とサビで繋がる例のお気に入りの曲です。「赤鼻のトナカイ」や「サンタが街にやってくる」は、キッパリ「いらない」とのこと。
クリスマス曲には、他にも楽しい曲や綺麗な曲もあるのに、ちょっと残念だなと思っていたら、お母さんが動画を見せてくださいました。この特別バージョンは、K君が考えたのかと思っていたら、ベリー・メリー・クリスマスとして、ディズニーランドのイッツ・ア・スモール・ワールドでシーズンになると毎年かかっている音楽だそうです。
「小さな世界」と「ジングルベル」の永遠ループ。動画を見せていただいて、ウキウキして最高に高揚するアレンジだなと、あらためて思いました。歌っていると気持ちがすっかり明るくなるようで、Kくんもシェイカーを鳴らしてノリノリでした。
しばらく連続して歌った後、クールダウン的に、K君の大好きなホルンと同じ金管楽器であるトランペットの音色に替えて、低音でテンポを落として弾いてみました。
K君は「アレ?」と思ったようでしたが、すぐにホルンを意識したことを分かってくれた様子で、じっと耳を澄まして聴いてくれました。ただ、もっと低い音が出せればホルンに近づけると思うのですが、鍵盤の少ないミニピアノではギリギリ限界かなと言うところでした。
次に、「僕の大好きなクラリネット」の替え歌シリーズを、英語の先生が英語で歌詞をつけて下さったらしく、歌ってみることになりました。
後半は駅名の連続なので日本語で歌った時と変わらないのですが、前半の音の載せ方が少し難しかったものの雰囲気が変わって面白かったです。
せっかくだからと、今まで作った日本語の替え歌も歌ってみることに。ところが、
途中まではすんなり歌えたのですが、K君とお姉さんが作った替え歌バージョンでは思わぬ苦戦に。とにかく文字数が多いのです。何回もトライして、やっとスムーズに歌えた時は、思わず「ヘイ!」と叫んでいました。K君には受けていたようでしたが。
さてお母さんによると、夜K君が寝た後、たまたまお母さんが「ブラジル」を聴いていたら、K君も起きてきて興味を示したとのこと。こんな曲でしたっけ?と弾き始めたら、お母さんがクリップの入ったガラスの瓶を持ち上げて打楽器代わりに鳴らし始めました。ヘルパーさんもシェーカーを持って鳴らし始め、だんだん止まらなくなってきて皆で大合奏に。
K君は、最初は「何これ?」と言う風に難しい顔をして首をかしげていましたが、なんと途中から一緒にシェーカーを振っていました。思いがけないセッションに、皆が楽しんだ次第です。
終ってからK君が、文字盤で「なんべい」と記してくれました。そういえば、「青いカプセル」の花売り娘も「南米」出身だったそうで、もしかするとラテン音楽も好きなのかも知れません。次回は、サンバっぽい曲にも挑戦してみようかなと思います。
それにしても、
お母さんもヘルパーさんも、本当にK君が言いたい言葉が見つかるまで、根気強く何度も言葉を投げかけながら探していました。
「赤いカプセル」が出来上がるまでいったい、どれほどの言葉の往来があったことだろうと思いました。でもそのことで、K君はどんなに自分に自信を持てるようになったことでしょう。
年を越してしまいましたが、K君や皆の想いが伝わる作品に仕上げられたらと思います。今年もどうぞ宜しくお願いいたします。