Saturday 9 Dec 2023 MH

音楽

担当:石橋

■活動の様子
今回はお伺いした時、T君はカーペットの上でアメコミヒーロー的な動画を大画面で観ていました。初めて観るキャラクターでしたが、こんなアニメも観るんだなと意外に思ったら、T君の好きな音楽が使われていたようでした。なるほど~と感心していたら、今回はT君もわりと素直に動画を切り上げてくれました。

いよいよ本番のクリスマスも迫ってきたので、ピアノの前にT君とお母様と並んで、早速お馴染みのクリスマスソングを歌い始めました。まずは「赤鼻のトナカイ」「サンタが街にやって来た」「ママがサンタにキスをした」を、メドレーで繰り返し何度か演奏しました。T君も久しぶりに、時々ピアノをピロッと鳴らしてくれて、それなりに楽しんでくれているようでした。

今度は「ジングルベル」を弾き出すと、お母様が鈴をT君に持たせてくれて、一緒に鳴らしてくれました。すると、さらにウキウキした感じが出てきました。
繰り返し歌っていると、お母様が鉄琴を出してT君と一緒に鳴らして下さったり、T君のミニピアノも出して下さったりしました。
かなり気分は盛り上がってきた感じではありますが、まだ例の「嬉しい楽しい時のフリフリダンス」は出てないようでした。お母様はそれが少し気になった様子でしたので、今度は一緒に小さいピアノを弾いてみようと椅子から降りて、私もカーペットの上に座りました。

お持ちした私のミニピアノと大きさは変わらないのに、T君のミニピアノは音色の数も音量もずっと多くて驚きました。すると、私の音を大きく出すために、お母様がミニスピーカーを持ってきて下さったのですが、残念ながらうまくつながりませんでした。でも、そのスピーカーとお母様のタブレットを繋ぐと、音質も音量も驚くほどしっかりしていて、そのまま、T君の今のお気に入り動画を見せてくれました。

T君の手を取ってお母様のお話を聞いていたら、T君がじりじり寄ってきて、私の横にピッタリとくっついてきました。そのままジッとしているので、片手を繋いだまま、もう片方の手で背中をトントンしながら動画を一緒に観ました。
もしかしたら、私が付けていたクリスマスツリーのピアスを近くで見ようと寄ってきたのかもしれませんが、T君と穏やかに同調できた気がして嬉しかったです。

ところが、大のお気に入り動画を見ても、いつものフリフリダンスは出てこないので、お母様はもしかしたらと気が付いたらしく、少し寒かったT君は、トイレを我慢していたようでした。
スッキリしたトイレタイムの後、お母様のリクエストで、オリジナルの「初めてのラブソング」を歌うと、T君が素早く反応してくれたようで、さらにクリスマスバラードを2曲、そしてブルースを何曲か歌ったら、やっとフリフリダンスをしてくれたようでした。中でも、「 Alright, OK, You win」では、お母様が遠慮しながらも一緒に歌って下さったので嬉しかったです。

T君もやっとノッてきたところでしたが、最後は厳かなクリスマス曲「Oh,holy night」を聴いていただいて、おしまいとなりました。
いつもの様に楽譜を片付けて、A4サイズの黄色いTレコードの袋に仕舞っていたら、珍しくT君がそれを取ってひっくり返してしまいました。
驚いていたら、お母様がすぐに気が付いて、「T君のは、こっちにあるよ。」と、同じTレコードの袋を見せてくれました。
中身はT君へのクリスマスプレゼントのCDが入っているそうで、クリスマスツリーの下に置いてあったそうです。
同じレコード屋さんの同じ色の袋だったので勘違いしたのかもしれません。でも、ちゃんとT君のプレゼントは別にあることがわかって安心したようでした。

それにしても、今度はどんな音楽を聴くのかなあと、中身がちょっと気になった私でした。ますます耳が肥えていくT君が楽しみです。

Saturday 9 Dec 2023 MH

コミュニケーション/操作

担当:小山

<報告書>

・遊具・教材(目的):子どもの様子

・VOCA ①ステップ バイ ステップ(あいさつ/小学校でのコミュニケーションにつなげる):VOCAには「おはよう みんな元気?」と録音して提示。天板上のVOCAを積極的にONしていました。父、母、松本と対面し、ONすることで、「おはよう」「元気です」「ハルちゃんは」といった返事がありました。

・VOCA②チャットBOX(参加体験カルタの読み手になる):ミニスイッチの提示でON。以前関心を持っていた線は、ほとんど触らなかったです。父と母が札を取り合うと笑顔になりました。自ら札にリーチして取ろうとしました。

・写真カルタ(ことばがけに対して絵や写真2枚から1枚を選んで応じる理解のアセスメント):眼前に提示した2枚を見比べました。アイポイントの方がリーチよりも若干速いようでした。関心の高い「くだもの」と、それ以外の物との選択。後半は一方をシルエット面にして実施。以前よりもことばがけに対して絵や写真2枚から1枚を選んで応じる理解 は上がっている。選択肢を変えるとどうかは今後見ていきたいです。

・チェーン引き(目的的操作):指、手首の動きにより引きました。。本日も操作時のみ右方脇の三角柱を外しました。

・ポーチファスナー開け、中にきのこと玉(日常生活活動への導入):ファスナーにチェーン引きのリングを着けるとすぐに指をかけました。大人が方向を調整するのみで開けられました。ポーチ内に手を誘導すると中のアイテムに触探索で気付き、きのこを握しました。手の横に器を提示するとしばらくしてリリース。ポーチの内布が探索にはノイズになるか今後見ていきたいです。玉はなかなか握らず、後にサイズの小さい物は握っていました。

・音楽スイッチBOX 玉・きのこ(意図的リリース/因果関係理解):手のそばにBOXをそえると、リリースしました。。リリースまでの時間は短縮していくが、意図的か否かは判断できませんでした。

・回転ドラム、回転ドラムオルゴール(因果関係理解/目手の協応):モデルを示すとすぐに頂上にリーチし、前方に回す操作は非常にスムーズでした。

・カバサ 大・小(触覚→操作):手指によりチェーンを動かして鳴らしました。

・<初>ビー玉落とし(触覚→操作):中央の穴に気付いて手を入れたり、ビー玉に触れて落としたりしていました。

・銀玉落とし3穴(押し落とす/連続した操作/空間認知):中央と上部はスムーズに定位して落としました。下はほとんど触れず、部分的にガイドしました。定位すると指先を使って落としました。次回一穴垂直置きにてアセスメントしたいです。

・銀の玉 ボール器きのこ・ビー玉 玉のせ凹台(器から物を取り出す凹台にのせる):器の傾斜が手指を誘導し、定位が向上しました。銀玉が大きく把持しにくい様子。きのこやビー玉に変えるとすぐに把持しました。本日物→口が頻繁なため、ガイドしました。口に運ぶために手首を返す直前に、台の方向に手首を誘導することでリリースが促されました。

・VOCA③ステップ バイ ステップ(あいさつ小学校でのコミュニケーションにつなげる経験):VOCAには「きょうは楽しかった さようなら」と録音。父→母→松本→小山と順に対面し、VOCAにてあいさつ。アイコンタクトもよくできていました。

Saturday 9 Dec 2023 TS

コミュニケーション/操作

担当:小山

<報告書>

・遊具・教材(目的):子どもの様子

・VOCA:①ステップバイステップ(あいさつ):ことばをかけると「ハイ」とささやくような声で返事をしました。以降母音に加えて子音の発声もあり、単語表出の印象がありました。

・VOCA②チャットBOX+ミニスイッチカルタ(活動の参加方法の選択):カルタの読み手か取り手かの選択を提示。本日はVOCAに触れて読み手を選びました。①スイッチスキャン方式による表出。興奮するとややOFFが難しくなりました。

・VOCA②チャットBOX+ミニスイッチカルタ(役割交代カードの選択):本児自らキー入力の意思表示があり、トライしました。手指でのキー操作があるものの圧の加減でONにならず。小指側面や、拳の使用などの工夫をしてONにしていました。天板上に丸カルタを2列×3枚並べ、選択をアセスメント。ことばがけに対して絵や写真2枚から1枚を選んで応じる方法にて6枚すべて手指による選択できました。

・回転ドラム・回転ドラムオルゴール(上肢操作):教材の上部にリーチし、回転させるイメージは持っている様子でしたが調整に苦労して前方への動きは出にくかったです。

・カバサ 大・小(操作):チェーンに指をかけて動かし、鳴らすことができました。カバサの持ち手を握ろうとするため、ガイドにてトライしました。

・小円盤移し(書字へのステップ連続した線への動き):人差し指にて定位。右方の終点への方向性は明確。左方もできました。運動的には非連続になっていました。手前から奥への移動が最も苦労していた様子でした。

・凸文字なぞり「さ」→「と」(書字へのステップ運筆を促す):意欲が高まり力が入りました。左肘を曲げた位置でガイド。始点の理解はまだ曖昧のため、赤いシールを貼りました。効果については次回以降アセスメント。書き順の方向を意識した動きが出ていました。

・指えんぴつによる書字「さ」(指えんぴつによる書字経験):サックに滑り止めマットを切って入れました。遊びは減少するが、プラスチックの先が指の腹に当たるので要検討です。ガイドにて「さ」を書字しました。書見台A4紙よりも、手のひらサイズ紙の方が操作的にも視覚把握的にも良いかもしれないです。 

Saturday 13 Jan 2024 SY

目と手の協応/数量/パソコン操作

担当:松本

◾️活動の様子

・目と手の協応:ボコボコチェーンからスタート。綺麗に左右交互に手が出て、抜いた後のチェーンをボールを一粒ずつ穴に入れることも覚えていて、上手に入れていました。ボコボコジャバラのたたみ方もスムーズで、ねじって連結するのも上手でした。石蹴り入れでは、石蹴りを二個ずつ持ち一気に入れていました。

 円柱差しは、3個、5個直線配列を縦横垂直に提示した後に、4個面配列でも垂直に立てて取り組みました。指を穴の前後において円柱が飛び出ないように調整している様子が見られましたが、確実に調整時間が短くなっていました。

 枠太体積パズルで、少し苦手だった三角柱2ペアを寝かせて入れる課題は、三角柱を2次元方向だけでなく、3次元方向にも回転させ枠の中にピッタリはめていました。

 体積パズルは、基本形の入れ方を何回か試した後に、分割されたパーツが何個枠の中に入るか質問していきました。いくつかパーツを入れていくことでスペースに気づき、あと何個入るかという解決の仕方で取り組みました。

・数量:数の棒の2の棒がそれぞれの枠に何個入るかの質問と、入れた後に違う入れ方がいくつあるかの質問からスタートしました。今日は縦に棒を入れる入れ方を全部の枠でしていて、違う入れ方は?の質問では、縦の方向を保ちながら、3次元方向にまわし、上面にくる面をかえることで、違う入れ方を作っていました。縦を横にする2次元の回転を全く採用しなかったところが興味深かったです。体積パズルでも確認できましたが3次元イメージでいろいろと操作することが、今は楽しいようでした。

その後は、1から5の棒を枠の中に並べそれを使って、数の合成分解を通して、足し算引き算の確認をしました。繰り上がり課題に移った途中で、睡魔に襲われしばらく休憩しました。

・パソコン操作:本日の気になっていたタレントの名前を打ち込み調べようと提案すると、覚醒してパソコンに向かいました。純正のマジックキーボードにお母さまがキーボードシールとバックスペースとエンターにはクッションを張って触覚的手掛かりもつけてくれました。それをwindowsパソコンにペアリングしました。さすが純正キーボード。ペアリングでのストレスもありませんでした。

 今日は、RPAスイッチインターフェースを利用しました。これは、8個ボタンにショートカットを割り当てられるパソコン操作を支援する機器です。今回はワードの立ち上げと印刷を2つのボタンに割り当て使用しました。いつもなら、支援者がワードの立ち上げを手伝うところですが、今日は自分でボタンを押して立ち上げ、タレントの前を入力、最後にもう一つのボタンを押して印刷を自分一人で行いました。自分で印刷できるというのは以前から、自分の仕事を形にして達成感を感じるためには非常に重要であると感じていました。制約のある方の支援では、わかることとできることのギャップを埋めることが重要ですが、このインターフェースはパソコン操作に関してかなりその部分を軽減でき、進路先での役割も創造できると感じました。設定も簡単でしかも汎用性も高いのでこれからも様々な場面で試していきたいです。

Saturday 14 Jan 2024 FK

目と手の協応/文字/コミュニケーション

担当:松本

■活動の様子

・目と手の協応:ボコボコチェーンからスタート。右手にヘアゴムをつけて引っ張れるように設置すると、自分の動きで最後のひと抜きをしました。いつもより手の力が強い感じがして、覚醒もよかったです。ボコボコチェーンの片付けも体験しました。ボールチェーンの玉を右手指先で押し込む動きも出ていました。一緒に蓋を開け、反対方向にチェーンを引っ張り、タッパーの蓋を四角を押しながら一緒に閉めました。ボールチェーンの玉が吸い込まれていくような感覚は気に入ったようで、入った後にハッと何かに気づくような表情をしていました。

 ボコボコリングは、左でがリングをグッと握る動作が出ていたので、右手でチェーンを引っ張れるように設置しました。最後のひと抜きができるように支えて待つと、何回か自分の動きで引き抜けました。

 カバサは前回と同様、指が開いてきてチェーンのフィードバックを感じていました。

 玉落としは、横縦垂直提示で左手で玉を落としていきました。手首を捻り親指の側面で押し込むような動作で玉を落としていました。垂直縦の時には、上から滑らすように一気に玉を落としていったのですが、落とし終わった後に、何かに気づいたような表情で、新しい発見を私と共有したい様子だったので、「何か発見したの?」と声をかけると、目を大きく開き「そうだ」と伝えているようでした。

 スライディングブロックは、穴の直前まで、一緒に動かして止めると、自分で押し入れていました。

・文字:最初に文字盤で左手人差し指を支えながら行を触っていき、力の入ったところで決定するという今までのやり方を紹介したあと、スライドスイッチ前後2スイッチで送り(引く)と決定(押し出す)で指伝話文字盤を操作体験しました。このやり方でも文字を選べることを説明して、今一番気になっているアーティスト「よあそび」という文字を一緒に選んで行きました。初めての体験でかなりびっくりした様子でしたが、引く動きが出る場面もありました。介助者は左手でスライドスイッチを持ち、右手の彼の手を包み込むように触れていると動きをキャッチしやすように感じました。毎回練習したいです。「よあそび」の凸文字もなぞって手のひらに書くこともしました。最後にYOASOBIのPVを見て終わりました。

 最後まで、覚醒もよく集中して取り組めました。手の動きも、退院後では一番良かったです。良い表情もたくさん見られました。

Saturday 13 Jan 2024 MM

視線入力/目と手の協応/文字

担当:松本

■活動の様子

・視線入力:ご両親が、モニターをセットして待っていただいていたので、すぐに始めることができました。まずは、ポジション確認アプリを立ち上げると、全ての項目に丸が付いて準備万端でした。

風船割り、センソリー車、センソリー玉、センソリー花火の順に取り組みました。今日は視線が、中央から右寄りに動きやすく、どのゲームも、自分の動きやすさを考慮して、視線を使得る範囲の一番いい場所に持っていき攻略していました。花火では、なかなか下の方へ視線を動かすのが難しかったのでヘッドコントロールまで導入してなんとか花火師のところまで視線を持っていっていました。そして、その位置に止まり、今までで一番多くの花火をあげていました。今日は、自分の制約をよく知って、視線の使い方を工夫してゲームを攻略するというより目的的な意思を感じました。

金魚すくいでは、終わりにする?と聞いてもなかなか終わらず粘ってなんとか金魚を捕らえようとしていました。

かなりの時間をかけて、じっくり視線入力に取り組みました。

 塗り絵では、色を、指伝話をスライドスイッチ(前後の2スイッチ)で操作して選日ました。スライドスイッチは介助付きで行うのですが、今日はよく動きが伝わってきました。この動きは次の文字練習の行の決定にも生きていました。

・目と手の協応:ボコボコリングは、一回で引き抜けなかったら、手を正中線の方へ持っていき、チェーンを巻き取ろうとする動作があったので、チェーンを引いていた右手に、巻きつけるのを手伝うと見事引き抜くことができました。

 玉落としは、横、縦、垂直のいずれの提示でもグッと手を前に押し出す動きで球を順番に押し込んでいました。スライディングブロックも、下、右、左、上の順番で力の抜けた優しい動きでブロックを滑らせていました。

・文字:指伝話文字盤をスライドスイッチの前後の2スイッチで行送りは、引く動き、決定は前に押し出す動きで、手を支えながら行いました。送りながら「は」で前に押し出す決定の動きが出たので確認すると瞬きでそうだと伝えてくれました。凸文字、手のひら、ブギーボードの順番で書いていきました。所々自分の動きもはっきりして、「このあとどっちに行くの?」と聞きながら書いていきました。正しい方向に筆を運ばせることが多かったです。

90分以上集中して取り組んだので最後はヘトヘトになったようでしたが、学びたい意欲が最後まで強く伝わってきました。

Tuesday 12 Dec 2023 FKK

美術

担当:三輪

■活動の様子
 目を開けてはっきりとした表情のKさん、調子が良さそうに見えました。
挨拶をして、前々回、前回でKさんが粘土を握って作った「ツボ押し」の本焼きが出来上がったので、一緒に眺め触ったり握ったりしました。

完成した「ツボ押し」に革紐を通し、ラッピングしました。
最初にフェルト用の原毛の色を選んで、つかんでちぎってもらいました。それを透明な袋に入れて、リボンの色を選んでもらって結びます。8本の「ツボ押し」をラッピングしました。



その後、毎回行っている塗り絵に移ろうとしたところ、訪問のドクターの診察時間になってしまったので、塗り絵は次回にすることにしました。

 

Wednesday 29 Nov 2023 OK

音楽

担当:石橋

■活動の様子
 少し痩せた感じがするものの、アゴ髭がチョロッと伸びて男っぽくなったK君。
この日は、西武線の替え歌を作りたいとのことでした。
 その前に、まずは今まで作った替え歌を新しいヘルパーさんに聴いていただこうとなりました。思えば12作もあり、お母様と「よく作ったよね~」「すごいですよね~」と、しばし感慨に耽ることに。

 全体を確認して良かったのは、わざわざ歌詞にも渋谷ハチ公バスが「4ルートあるけど どうして3色?」と入れたのに、その訳を私は勘違いして覚えていたのが分かったこと。つまり、バス会社が3社参入しているから3色、その中の1社がオレンジ色のバスを2コース走らせていました。
 勘違いが発見できて良かったと思いましたが、さて久しぶりに歌ってみると、やはりなかなか難しい。早口言葉のトラップに用心しながら何度か練習して、やっと完奏。K君もちょっとニヤニヤしながら聴いていたようでした。

 さて、早速今日のお題、西武線の中でもキッズデザイン賞を取った車両「拝島ライナー」の替え歌に挑戦。まず一緒に、K君が選んだ理由が分かる言葉を探しました。「先頭車の顔がカッコいいブルー」「座席指定車」「JR線にも乗り換えられる」などの他に、各駅の名前も入れていくと、だんだん形ができてきました。ただ、決まったメロデイーに入れるのがなかなか大変で、だんだん時間も迫って来て、何度も歌って言葉を直したりしながら、ついに完成。

 「やった~!」と思ったら、お母様から急にストップの声がかかりました。
K君の心拍数や呼吸を測っていた機械を見て、クールダウンの必要を感じて声をかけて下さったのでした。お母様のリードで、ゆっくり皆で深呼吸をしながら「は~~~~」と吐き、次に「い~~~~」、そして「じ~~~~」と吐いていきました。一瞬変わった深呼吸だなと思ったら、最後に「ま~」ときて、「拝島」となり、「なるほど!」と気が付いた次第です。

 K君は、最初からわかっていた様で一緒に小さく声を出していました。サスガです。何度か繰り返して、やっと少し落ち着いてきた様で、皆で安心しました。
最後に、ゆっくりめにK君の大好きな「ジングルベル~小さな世界」を1回だけ歌って終わりにしました。

 K君が楽しんでくれたのは嬉しかった半面、お母様の気転を利かした対応に助けられました。これからは、少し余裕をもって見ていければ良いなと思います。

Thursday 23 Nov 2023 HT

音楽

担当:石橋

■活動の様子
 部屋から珍しく大きな音が聞こえていたので、お母様のタブレットでYou tube でも観ているのかと思ったら、なんと大画面の大型TVにT君はかぶりつきで、フランク・シナトラのDVDを観ていました。
「こんにちは」と声をかけても聴いてない様子で、一度チラッとこちらを見たものの、直ぐに目の前の大画面に釘付け状態。私も、今まで何度も訪れていたのに、こんな大きなTVがあったのを初めて知った次第でした。思わず「シナトラ、カッコイイね~!サスガだね~!」と声をかけましたが、今度はT君は振り向きもせず、深く集中してその世界に入り込んでいる様子でした。

 さすがにお母様が「終わりにするよ!」とDVDを止めてしまったら、T君は残念そうに下を向き、今度は少し上目使いでこちらを振り向きました。
 そこで、やっとご挨拶。
さてその後も、思った以上にシナトラの余韻は深く大きく響いているようでした。
T君の大好きなクリスマスソングを歌っても、まだ先程のシナトラの世界にいる感じで、ぼんやりしている様子。「横に座って、一緒にピアノを弾いてみますか?」と声をかけても、そんな気分じゃない様子で、ただお母様と一緒に、後ろで静かに聴いてるだけでした。

 そのうち振りかえると、なんと横になって完全に寝てしまっていました。
初めてのことなので驚いていたら、お母様によると、先々週に風邪をひいてしまい、まだ本調子ではないから、そのせいかもしれないとのことでした。
体調が今一つとのことなので、そのまま起こさないで、毛布を掛けてお昼寝状態のT君を見ていると、お母様がご自身のことや学校の話などをして下さいました。T君の繊細なところは、お母様に似たのかもしれません。

 そのうちT君の目が覚めたので、お母様のリクエストでオリジナルを1曲聴いていただきました。やっとT君も興味を持って聴いてくれたようなので、続けてスタンダードも何曲か歌ってみました。

 終わりごろになってではありますが、T君が少し元気になって、興味深く聴いてくれたので嬉しかったです。

ただ、今回は結局一度もピアノには触ろうとしませんでした。
T君の一本指奏法チャレンジは、また次回に。

それにしても、こんなにシナトラにのめり込むなんて、すごい集中力ですねと話したら、赤ちゃんの頃から本人が好きで聴いていますからとのことで、改めて稀有な感性を大事にしたいなと思いました。

Wednesday 15 Nov 2023 FKK

音楽

担当:石橋

■活動の様子
 今回は比較的すぐに目を覚ましてくれて、車椅子に移って歌を聴いてくれました。ただ、それまで軽快なヘイセイジャンプを大きな音で聴いていたこともあってか、その音が消えて最初に、秋の唱歌「旅愁」と「もみじ」を歌ったら、つまらなそうでした。
 珍しくハッキリわかったので、前にニッコリ聞いてくれた「ホール―ニューワールド」を。少しマシな様子でしたが、まだ今一つの様子。そこで、エイサー太鼓をお持ちしたので、今回はこれを叩いてもらおうと思いました。

 最初に、手で叩く音とバチで叩く音の違いや、真ん中を叩く時と端っこを叩く時の音の違いなどを聴いてもらいました。それから、Kさんの手を持って少し上げてからパッと太鼓の上に落とすと、「トッ」と小さい音が出ました。あまり反応はない感じでしたが、今度は小さいバチを持ってもらって、同じように手を持って少し上げてから太鼓の上に落とすと、短い距離でも「カン」とハッキリした音が出て、少し反応がありました。

 Kさんは上手にバチをしっかり握ってくれて、腕を落とせば鳴るように太鼓の角度を調整して待っていれば、ちゃんと音が出ました。何度か繰り返しても、嫌がらずに続けてくれました。バチは、蛙型ギロ用の細くて短いものでしたが、長い太鼓のバチよりも、Kさんの手には合っていたようでした。そのうち自分で腕を上げて自分の意志でストンと落とすことができたら、たとえ1回でも、それを合図に歌を始めることができるので、Kさんと音でコラボできる可能性を感じました。

 さて少し休憩して、今度は歌を聴いてもらうことに。ヘルパーさんによると、ゆっくりの歌より、テンポのある曲の方がKさんは好きみたいとのことなので、
「Love me tender」や「 Over the rainbow」などのバラード曲も、いつもよりテンポを速くしてリズミカルに弾いてみたら、Kさんが急にニコニコと楽しそうな顔になってきました。さらに、ヘルパーさんのリクエストでブルースを2曲。Kさんも、ますますニコニコと笑ってくれました。
 もしかしたら、馴染みのあるリズミカルな曲というより、Kさん好みの一定のリズムやテンポがあるのかもしれません。ちょっと発見した気持ちになり、次回にも活かせたらと思いました。